JPH01233042A - コンロッドの金型鋳造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はコンロッドの金型鋳造方法に関するものである
。

（従来の技術） 従来より、ピストンとクランクシャフトを連結しピスト
ンの往復運動をクランクシャフトの回転運動へ変換する
仲立ちとなるコンロッドは、一般に炭素鋼の型鍛造によ
って成形されていた。

（発明が解決しようとする課題） 一方、近年のエンジンにあっては高性能、高出力化の開
発が進むにつれ、内燃機関の爆発力が直接作用する上記
コンロッドの置かれた環境条件は苛酷なものになりつつ
あり、その疲労強度の向上は必要不可欠なものとなって
きている。そして以前からエンジンに求められてきた低
燃費、低騒音化という要求とも相俟って、該コンロット
は高い疲労強度を有し且つ軽量であることが望ましい。

この点を解決するべく、アルミ複合材の型鍛造によって
該コンロッドを形成することも考えられるがコストの面
で実用性に乏しいものである。従って、炭素鋼を素材と
するコンロッ１くにあっては強度的な支障を来たすこと
のない範囲内で、できるだけ薄肉にして軽量化を図る必
要がある。よって一般に形状自由度が低いと言われる型
鍛造であっては前記の点を解決することは不可能である
と考えられる。

そこで本発明の発明者は比較的形状自由度の高い金型鋳
造に着目した。しかし一般に鋳造成形による鋳造品はそ
の厚肉部分と薄肉部分とで鋳造時における冷却速度が異
なるために金属組織にばらつきが生じるという問題を有
している。従って前記コンロッドの成形に鋳造法を適用
した場合にもその問題による支障が生じる。即ち、該コ
ンロッドの比較的厚肉の大端部および小端部にあっては
冷却速度が遅いために金属（黒鉛）組織が粗大化し、大
端部および小端部の疲労強度および加工性の低下を招く
と共に、湯じわあるいはドロス欠陥等の表面欠陥が発生
し易くなる。一方、比較的薄肉の■かん部（前記大端部
と小端部とを連結する部分）にあっては冷却速度が速い
ために金属（黒鉛）組織は極度にチル化（微細化）して
素材の変形が発生する場合もある。

本発明はこの点を考慮し、疲労強度および加工性が高く
而も鋳込み後の冷却時に素材の変形を招くことのない金
属組織を有するコンロッドを得ることを目的とするもの
である。

尚、鋳造成形において金属組織粒の粗大化を防止して疲
労強度の低下を抑制するものの一例として特願昭６２’
−１００２８０号公報に示されるように鋳造成形が常で
あるクランクシャフトの鋳造に関し、クランクピン接合
域を形成する金型部分に冷却手段を設けたものもあるが
、本発明のように型鍛造による成形が常であったコンロ
ッドにおいて、鋳造形成を適用し而もその金属組織粒を
調整することによって形状自由度と疲労強度および加工
性の向」二を両立させることに関して考慮されたものは
なかった。

（課題を解決するための手段） 上記の点に鑑み本考案は、コンロッドを金型鋳造によっ
て成形するに当たり、金型キャビティの工かん部成形部
分には高い断熱能を有する第１塗型剤を塗布し、大端部
成形部分および小端部成形部分には前記第１塗型剤より
も低い断熱能を有する第２塗型剤を塗布することを特徴
とするコンロッドの金型鋳造方法に係るものである。

（作用） 上記の方法による本発明の作用は金型キャビティの工か
ん部成形部分に高い断熱能を有する第１＝３− 塗型剤を塗布し、大端部成形部分および小、端部成形部
分に前記第１塗型剤よりも低い断熱能を有する第２塗型
剤を塗布することにより、鋳造時には薄肉の■かん部の
冷却速度を抑制し、厚肉の大端部および小端部の冷却速
度を促して疲労強度および加工性が高く而も鋳造時に変
形が発生しない金属組織を有するコンロッドを得るもの
である。

（実施例） 次に本発明における一実施例を図面に沿って説明する。

先ず、本発明によって製造される周知のコンロッド１に
ついて簡単に説明する。第１図に示すようにコンロッド
１は大端部２、工かん部３、小端部４の３部分から成り
、大端部２はその中央に穿設されたクランクピン挿入孔
２ａヘクランクシヤフトのクランクピン（共に図示省略
）がベアリングを介して挿入され、一方、小端部４はピ
ストンへビス１−ンピン（共に図示省略）を介して連結
されるべく後処理においてピストンピン挿入孔４ａ（仮
想線で示す）が穿設されるものである。そして一般に該
大端部２および小端部４の肉厚は厚くなっており、両者
を連結している工かん部３は薄肉で形成されている。こ
の肉厚の異なる部分において、その鋳造成形時に両者の
金属組織粒を適度な大きさに調整する所に本発明の特徴
がある。

次に、本実施例に用いられる周知の金型５について簡単
に説明する。第２図に示すように金型５は銅合金等の材
料からなる割り型であって、その内部に複数（本実施例
においては６個）のキャビティ６．６・・・・・・が形
成されており、該キャビティ６に近接して冷却水路（図
示省略）が配設されている。そして鋳造加工時には湯口
５ａから注湯された溶湯が湯道５ｂを経て各キャビティ
６．６・・・・へ流入されるものである。

次に、本発明であるコンロッドの金型鋳造方法について
説明する。先ず、第３図（キャビティ６の拡大図）に示
すようにキャビティ６の■かん部成形部分７に比較的断
熱能の高い、即ち放熱性の低いセラミック系塗型剤（例
えばシリカ−アルミナ系セラミックス等）を塗布する。

この時、大端部成形部分８および小端部成形部分９に該
セラミック系塗型剤が耐着しないよう該部分８，９は適
当な治具により被覆しておくことが望ましい（第３図仮
想線参照）。その後、該キャビティ６の全体に前記セラ
ミック系塗型剤よりも断熱能が低い、即ち放熱性の高い
黒鉛水溶液を塗布する。従ってＩかん部成形部分７には
セラミック系塗型剤と黒鉛水溶液との混合液が塗布され
たことになる。本発明の特許請求の範囲に記載されてい
る第１塗型剤はこの混合液に相当し、第２塗型剤は大端
部成形部分８および小端部成形部分９に塗布された黒鉛
水溶液に相当する。　鋳造金型のキャビティ内に製品の
焼き付き防止等を目的として一種類の塗型剤を塗布する
ことは従来から広く行われてきたが、それと異なり本発
明の特徴とする所は、上述の如く断熱能の異なる二種の
塗型剤の塗布部分を適宜、塗り分けることにある。

そして、前記塗型剤をキャビティ６に塗布した後、湯口
５ａから溶湯を注湯して鋳込む。各キャビティ６に流入
された溶湯は薄肉の工かん部成形部分７にあっては断熱
能の高いセラミック系塗型剤および黒鉛水溶液が塗布さ
れていることにより冷却速度が遅く、従って金属組織粒
が極度にチル化（微細化）して変形が発生することはな
く、僅かに成長した状態の粒子が得られる。一方、厚肉
の大端部成形部分８および小端部成形部分９に流入され
た溶湯は該部分８，９に断熱能の低い黒鉛水溶液が塗布
されていることにより冷却速度が前記■かん部成形部分
７のそれに比べて速く、従って金属組織粒が粗大化する
ことが抑制されて疲労強度の向上に寄与する微細粒が得
られる。従って該方法によって成形されたコンロッド１
は結果的には大端部２、工がん部３、小端部４共に略等
しい粒径の金属組織で形成されたものとなっている。

このようにして形成されたコンロッド１は冷却された後
、キャビティ６から取出され、切削加工および熱処理さ
れて製品となる。

〈比較例〉 次に、本発明の方法によって得られたコンロッド１の金
属組織と、従来からの鋳造方法、即ちキヤビティ全体に
一種類の塗型剤を塗布して鋳造した場合の金属組織とを
第４図乃至第６図に示す金属組織写真によって比較する
。

第４図に示すものはキャビティ全体に黒鉛水溶液を塗布
して鋳造したコンロッドの工かん部の鋳放し状態の金属
組織である。薄肉の■かん部で而も断熱能の低い塗型剤
の適用により、金属組織は極度にチル化（微細化）して
おり、素材の変形や表面欠陥が発生し易いものとなって
いる。第５図に示すものはキャビティ全体にセラミック
系塗型剤と黒鉛水溶液を塗布して鋳造したコンロッドの
大端部の焼ならしく９００’Ｃで２ｈ）後の金属組織で
ある。厚肉の大端部で而も断熱能の低い塗型剤の適用に
より、金属組織は粗大化しており、疲労強度および加工
性の低いものとなっている。そして第６図に示すものは
本発明の方法によって得られたコンロッドの金属組織で
あって、第６図（ａ）は■かん部、第６図（ｂ）は大端
部の焼ならしく９００℃で２ｈ）後のそれを示している
。

これからも判るように第４図に示すような極度なチル組
織や第５図に示すような粗大組織は発生しておらず、共
に略均−な微細組織が現れている。

従って、工かん部にチル組織が発生して素材が変形した
り、大端部や小端部に粗大組織が発生して核部の疲労強
度や加工性が低下することは防止されたものとなってい
ることが判る。

尚、本発明における塗型剤は上記の実施例に使用したも
のに限らず、断熱能の異なったあらゆる塗型剤が適用可
能である。

（発明の効果） 上述の如く本発明にあっては、コンロッドの成形に、形
状自由度の高い金型鋳造を適用するに当たり、断熱能の
異なる２種類の塗型剤を適宜塗り分けることによって、
■がん部においては極度なチル組織が発生することによ
って起る素材の変形　　゛を防止し、一方、大端部およ
び小端部においては粗大組織が発生することを防止して
疲労強度および加工性の向上を図ると共に表面欠陥の発
生を防止するという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本発明における一実施例を示し、第
１図はコンロッドの正面図、第２図は金型の正面図、第
３図は金型に成形されたキャビティの拡大図、第４図は
キャビティ全体に黒鉛水溶液を塗布して鋳造したコンロ
ッドの工かん部の金属組織写真、第５図はキャビティ全
体にセラミック系塗型剤と黒鉛水溶液を塗布して鋳造し
たコンロッドの大端部の金属組織写真、第６図（ａ）は
本発明の方法によって得られたコンロッドの工かん部の
金属組織写真、第６図（ｂ）はその大端部の金属組織写
真である。 １・・・・・・コンロッド、６・・・・・・キャビティ
、７・・・・■かん部成形部分、８・・・　大端部成形
部分、９・・・・・小端部成形部分。 第４　口 第　５図 第　６ （ｂ） １凹

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）コンロッドを金型鋳造によって成形するに当たり
   、金型キャビティのＩかん部成形部分には高い断熱能を
   有する第１塗型剤を塗布し、大端部成形部分および小端
   部成形部分には前記第１塗型剤よりも低い断熱能を有す
   る第２塗型剤を塗布することを特徴とするコンロッドの
   金型鋳造方法。