JPH0123161B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は流体濾過用中空糸濾過モジユールに関
し、より詳しくは大量の水中の懸濁物質の除去や
空気中の浮遊物質の除去等に適した中空糸濾過モ
ジユールに関する。

［従来の技術］ 中空糸濾過膜は優れた濾過機能を有しているた
めに従来より高純度の工業用水の製造や気体の濾
過等を始めとして種々の用途に広く用いられてき
ている。

中空糸濾過モジユールとしては中空糸の中空部
から外部へ向けて濾過するものと中空糸の外部か
ら中空部へ向けて濾過するものとの２通りがある
が、前者は中空糸の内部の通過抵抗が大きく、ま
た、懸濁物質が中空糸中空部に残存して目詰まり
を起し易いため、これらの用途には後者のタイプ
が多く用いられてきた。

［発明が解決しようとする問題点］ これらのモジユールはその殆どが直管の中に中
空糸が収納され、被処理流体の出入口が直管の側
面に設けられており、複数のモジユールを直列に
連結して使用する場合には被処理流体の流れは複
雑に曲折する連結方式をとらざるをえず、被処理
流体の圧力損失が大きく必要以上のポンプ能力を
必要としたり、連結数の制限を受けたり、エネル
ギー損失が大きい等という不便があつた。

本発明の目的は上述した問題点を解決した全く
新しい構造であつて、工業的流体処理に使用可能
な中空糸濾過モジユールを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 即ち、本発明の要旨は直管と、その一端が該直
管の内部において該直管と同心円状に配置され他
端が該直管の外部に位置する曲管と、Ｕ字状に束
ねた中空糸束または中空糸の一端は中空糸の開口
部を開口状態に保ち他端は封鎖した中空糸束から
なり、該中空糸束が直管と同心円状に位置する該
曲管の端あるいは該曲管の端につながり該曲管を
固定する固定部材の開口部に固定されてなる中空
糸濾過モジユールにある。

［発明を実施するための好適な態様］ 以下、本発明の中空糸濾過モジユールにつき図
面を参照しつつ詳細に説明する。

第１図は本発明の中空糸濾過モジユールの１態
様例を示す断面模式図であり、第２図は接続部フ
ランジの平面図である。

図において曲管２はその一端が直管１と同心円
状に配置されており、他端は直管１の外に出てお
り、浄化流体の出口となる。第１図には曲管が
90゜に曲げられた例が示されているが、必ずしも
90゜でなくてもよい。また、曲管の直径は曲管全
体が同一の直径であつてもよく、また、第１図に
示すように部分によつて直径が異なつていてもよ
い。また、曲管は直管にしつかりと固定されてい
ることが好ましい。第１図では直管１がフランジ
で接合された複数の直管からなり、曲管の直管と
同心円状に配置された部分がそのフランジで固定
された例が示されているが、固定方法はこれに限
定されるものではない。このフランジは直管内を
流体が自由に流動できるよう充分な面積の流路が
設けられていることが好ましい。第２図はそのよ
うなフランジの一例である。このフランジは中心
部が曲管の内径にあわせて空間になつており、曲
管の部分外側かつ直管の内側にあたる部分も空間
になつている。

このようなフランジを用いた場合は機能からみ
てフランジの中央部の空間も当然曲管内とみなす
べきものである。

また、直管については第１図では直径がどこで
も等しい場合の例を示しているが、圧損をそれほ
ど大きくしない範囲であれば絞りを入れる等直径
が異なる部分があつてもよい。

中空糸濾過膜３はＵ字状に束ねられた中空糸束
として又は一端は中空糸の開口部を開口状態に保
ち他端は封鎖した中空糸束として曲管の端に固定
され、中空糸束の主要部分は曲管の外、直管の中
にある。中空糸の有効部分の90％以上が曲管の外
にあることが濾過効率の点から好ましい。中空糸
の存在しない直管部分はスペース効率の点から短
い方が好ましい。

中空糸濾過膜としては柔軟性を有しているもの
が好ましく、このような中空糸の例としてポリオ
レフイン、弗素化ポリオレフイン、ポリスルフオ
ン、ポリアクリロニトリル等の素材からなる限外
濾過または精密濾過中空糸膜を挙げることができ
る。

この中空糸膜は中空糸の開口部を開口状態に保
つたまま、側管端部においてポリウレタン、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹
脂等のポツテイング剤により液密に固定保持され
る。中空糸束がＵ字状である場合はＵ字状を保持
するために適当な支持部材を用いてもよい。

中空糸束は曲管の端（フランジ等の固定部材を
用いた場合は曲管の開口部につながる固定部材の
開口部）（以下総合して曲管の端という）に直接
固定してもよいが、曲管の端の中に挿入できる管
にあらかじめ中空糸束を固定し、これを曲管の端
に挿入固定するのがモジユール製作上便利であり
好ましい。

該モジユールは直管部ａの部分から被処理流体
を導入し、膜で濾過された濾過流体は中空糸内部
を通つて曲管の端ｃから取出される。一方、濾過
されなかつた流体は直管の他の端ｂから取出され
る。これにより被濾過流体の流れは直管内を直線
的に流れるため圧力損失が小さいという特徴を有
している。

また、該モジユールを複数個直管部で直列につ
ないで用いることもできる。この場合直管の端を
接合のため管径をせばめることなく接合すれば被
処理流体は直線的に流れるため被処理流体の流動
抵抗の損失が極めて小さいという特徴を有する。
さらに直管とほぼ同径のＵ字管を介して結合すれ
ば流動抵抗をそれ程上昇させることなくコンパク
トに配置することができる。

［本発明の効果］ 上述したように本発明の中空糸濾過モジユール
は構造が簡単であり、モジユール同士の連結も簡
単に行なえ、被処理流体の通過抵抗が小さいとい
う特徴を有しており、設置の際もコンパクトにま
とめることガ可能である。特にこの圧力損失が小
さいという特徴はポンプエネルギーを節約できる
という効果を発揮する。

本発明のシステムを垂直方向に立てて使用する
と、濾過分離された物質が最下段へ落下沈殿し、
容易に分離取出しができる。又最下段から加圧空
気水又は加圧空気を入れて中空糸束に付着した物
質を剥離して沈殿させたり加圧浮上させたりする
こともできる。又、本発明のシステムは圧損が小
さいため被濾過流体の流速を高めたり脈動流をお
こさせたりして洗浄するのも容易であり、薬剤に
よる洗浄も容易であるという特徴を有する。

本発明のモジユール及びシステムは飲料水、工
業用水、医療用水、超純水、パイロジエンフリー
水等の各種用水の濾過、研磨廃水、含油排水、凝
集処理水、キレート反応処理水、生理処理水、濁
り水、含金属粉廃水、脱脂液、含SS溶剤等の濾
過、金、銀等の有価金属粉末、フロツク等の濾過
回収、食品や製薬工業における有価液の回収等に
好適に用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の中空糸濾過モジユールの１態
様例を示す断面模式図であり、第２図は接続部フ
ランジの平面図である。 図において１は直管、２は曲管、３は中空糸濾
過膜束、４はフランジを示す。被処理流体はａよ
り入り、ｂより出る。濾過流体はｃより出る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 直管と、その一端が該直管の内部において該
   直管と同心円状に配置され他端が該直管の外部に
   位置する曲管と、Ｕ字状に束ねた中空糸束または
   中空糸の一端は中空糸の開口部を開口状態に保ち
   他端は封鎖した中空糸束からなり、該中空糸束が
   直管と同心円状に位置する該曲管の端あるいは該
   曲管の端につながり該曲管を固定する固定部材の
   開口部に固定されてなる中空糸濾過モジユール。