JPH0123056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、レンジ、フライヤなどの厨房用熱
機器より発生する煙や、油脂分を含む熱排気を清
浄化して大気中に放出するためのベンチレータに
関するものである。

従来のベンチレータは、中空本体下部の吸気口
から流入する熱排気に洗浄液を噴霧して塵、油脂
分を除去した後、その上方の回転バツフルにより
水分、油脂分を除去し、この熱排気を本体上部の
排気口からこれに接続したダクトに導入してダク
ト内の排気フアンにより大気中に放出するものが
一般的である。

しかしながら、熱排気に洗浄液を噴霧するだけ
では油脂分などを完全に除去することができず、
そのため従来のベンチレータにおいては回転バツ
フルの遠心作用による油脂分の除去が行われてい
てもなお微量の油脂分が回転バツフルに付着堆積
して、比較的短期間に回転バツフルの回転が悪く
なると共に、回転バツフルによつても除去されな
い水分や油脂分が微量ではあるが大気中に放出さ
れる欠点があつた。

この考案は前記従来の課題を解決するために、
ベンチレータ内部の回転バツフル上方に下方に向
つて洗浄液を噴射する洗浄ノズルを設け、油脂分
及び塵等で汚れたベンチレータ本体内部及び回転
バツフルを随時自動的に洗浄できるようにしたベ
ンチレータを提案するものである。

以下この考案を図面に示す実施例について説明
すると、ベンチレータ本体１は内部が中空の箱型
に形成され、その底部にはその後端下部に排水樋
２が設けられ、かつ底面前端から排水樋２の上方
にかけて後端側に下り勾配をなす底板兼点検扉３
が前後にスライド自在に設置され、さらに排水樋
２の前面上部には吸気口４が設けられており、ま
た本体１の上端部にはダクト５を接続する排気口
６が設けられている。

本体１の内部には、その下方空間から上方空間
に熱排気を流通案内するための風路を形成するガ
イド枠７が設けられ、このガイド枠７内に回転バ
ツフル８が設置されている。この回転バツフル８
は、その軸受部９を固定した取付基板１０の両端
部をガイド枠７上に設置したフレーム１１上に載
せ、両端の屈曲部１０′によつて横方向のずれ及
び回転を規制することにより回転バツフル８を正
常位置に着脱自在に懸吊保持させている。

回転バツフル８の下方には、その直下に通風口
１２を設けた仕切板１３が設置され、さらにその
下方には格子板又は網状板等からなるフイルター
１４が着脱自在に設置されている。

フイルター１４の下方には、その下方空間全体
にわたつて洗剤と水の溶解液等の洗浄液を横向き
に噴霧する噴霧ノズル１５が設けられ、吸気口４
から排水樋２上を通つて本体１内に流入する熱排
気に向つて洗浄液を噴霧し、熱排気中の塵、油脂
分等を除去して熱排気を清浄化するようになつて
いる。また、噴霧ノズル１５の前方における本体
１の後板には断面山型の洗浄液反射板１６が設け
られ、噴霧ノズル１５からの洗浄液を下向きに反
射させて排水樋２に流下させるようになつてい
る。

本体１の内部における回転バツフル８の上方に
は下方に向つて洗浄液を噴射するシヤワー式洗浄
ノズル１７が設けられ、随時洗浄液を噴射するこ
とにより下方の回転バツフル８、ガイド枠７等を
洗浄できるようになつている。

なお、本体１の下部周囲には集気フード１８を
取付け、また排水樋２にはドレン管１９を取付け
る。また、第１図に示すように本体１が相当横長
である場合には、回転バツフル８及びこれに付帯
するフイルター１４、噴霧ノズル１５、洗浄ノズ
ル１７等は複数設置する。

以上の構成において本体１をレンジ等の熱機器
上方に設置し、接続したダクト５内の吸気フアン
を駆動すると、熱機器及びこれによつて過熱調理
する鍋等から立上る熱排気は吸気口４から吸引さ
れ、排水樋２の上方の流入口から本体１内に流入
する。そして、噴霧ノズル１５からの洗浄液噴霧
流を通過する間に大部分の油脂分及び塵などは洗
浄除去され、さらに上方のフイルター１４を通過
する間に残留油脂分及び水分が除去され、相当程
度清浄化及び冷却化された状態で回転バツフル８
に至る。従つて、回転バツフル８の汚れも少なく
なり、相当長期間使用しても回転バツフル８の回
転が悪くなることはない。

回転バツフル８はダクト５内の排気フアンによ
る熱排気の強制上向き流によつて常時回転してお
り、回転しながら通過する熱排気中の残余の油脂
分及び水分を遠心排除あるいはこれに付着させて
除去する。

このようにして油脂分及び水分を除去して清浄
化された熱排気は排気口６からダクト５内に導入
され、室外の大気中に正常な空気として放出され
る。

次に、長期間使用しているうちに回転バツフル
８、ガイド枠７等が汚れてくるため、随時洗浄ノ
ズル１７により洗浄水を噴射して洗浄し、また必
要に応じ回転バツフル８をガイド枠７から取外し
て洗浄又は手入れを行なう。さらにフイルター１
４が汚れている場合にはこれを取外して洗浄す
る。

上記のフイルター１４、回転バツフル８等の汚
れ具合を点検するには、底板兼点検扉３を手前に
引出して本体１の底部を開けることにより容易に
点検することができ、またこの際フイルター１
４、仕切板１３、回転バツフル８等も取外して外
部に取出すこともできる。

噴霧ノズル１５及び洗浄ノズル１７の洗浄水は
洗剤濃度を調節可能なタンクからポンプにより圧
送し、汚れのひどいときは洗剤濃度を高めて洗浄
する。使用後の洗浄液はストレーナを介してドレ
ン管１９に排出し、汚れのひどい洗浄液は廃棄
し、さほど汚れていない洗浄液は循環再使用す
る。

ベンチレータの通常の運転時にはタイマー制御
により短時間の新洗浄液の供給と比較的長時間の
循環再使用とを交互に自動継続して洗浄液を噴霧
ノズル１５に圧送する。

以上の通りこの考案によれば、回転バツフルの
上方に洗浄ノズルが設置されているので、回転バ
ツフル及び本体内部の汚れがひどい場合に随時自
動的に洗浄することができ、ベンチレータとして
長期的に正常な使用を確保することが可能となつ
た。

また、回転バツフル及びフイルターは着脱自在
にガイド枠に取付けられているので、汚れがひど
い場合等において、本体の底部にスライド自在に
設けた底板兼点検扉を開けて外部に取り出し、掃
除したり点検することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す正面図、第２
図は同拡大縦断面図である。 １……本体、４……吸気口、６……排気口、８
……回転バツフル、１５……噴霧ノズル、１７…
…洗浄ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に排気口を設けた箱型本体内に下方空間か
   ら上方空間に熱排気を流通案内する風路を形成す
   るガイド枠を設け、前記ガイド枠の上端に間隔を
   置いて設置したフレーム上に回転バツフルの取付
   基板の両端を着脱自在に載置し、前記ガイド枠の
   下部内には着脱自在にフイルターを設置し、前記
   ガイド枠の上方空間内に下向きに洗浄液を噴射す
   る洗浄ノズルを設け、前記ガイド枠の下方空間内
   に前記本体の前側から後側に横向き洗浄液を噴射
   する洗浄ノズルを設け、前記本体の底面にはその
   後部側に吸気口を、かつ前部側に前後にスライド
   自在の底板兼点検扉を設け、前記吸気口の底部に
   排水樋を設けてなることを特徴とするベンチレー
   タ。