JPH0123043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動調理可能な電子レンジに関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、電子レンジで自動調理を行う場合には、
解凍、茶碗蒸し等の調理の種別を選択するキーを
操作することによつて、各調理に応じたレンジ出
力と時間とが自動的に設定され、予め指定された
量の食品、例えば、冷凍食品200ｇが解凍される
ようになつていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、この従来構成においては、予め指定
された量より少ない食品かあるいは多い食品を調
理する場合に、その食品が加熱され過ぎたり、早
めにレンジ出力が停止されて未調理の部分が残つ
たりするという欠点がある。

〔目的〕

この考案は上記の欠点を解決するためになされ
たものであつて、その目的は指定量の食品を調理
する場合には予め決められたレンジ出力及び時間
で自動的に調理することができ、その食品の量が
指定量より少ない場合には使用者が調理の時間を
短く設定したり、又、前記食品の量が指定量より
多い場合には調理の量の多少にかかわりなく解凍
や茶碗蒸しなどの調理を自動的に仕上げることが
でき、しかも少ない数のキーを有効に利用するこ
とができる電子レンジを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は高周波発生装置の出力を少なくとも
強弱の二段階に切換えることができ、解凍、茶碗
蒸しなどの調理の種別を選択するキーを操作する
ことによつて、各調理に応じたレンジ出力と所定
人数分の食品量に見合つた調理時間のデータが記
憶されている第一の記憶手段の内容に基づき、指
定された調理のレンジ出力と調理時間が自動的に
設定されるようにしてなる電子レンジにおいて、
加熱調理する食品の量を人数で選択するための複
数個の人数選択キーを設けるとともに、その各人
数選択キーの操作に応答して指定された人数分の
食品量に見合つた時間に補正する制御手段を備
え、かつその制御手段は、調理の種別が指定され
ることなく、人数選択キーのみが操作された場合
には、各人数選択キーと対応してその各キー毎に
予め決定されている所定の調理時間を最大のレン
ジ出力として記憶している第二の記憶手段の内容
に基づき、高周波発生装置の出力を最大に設定す
るとともに各人数選択キーと対応した所定の調理
時間を自動的に設定することをその要旨とするも
のである。

すなわち、本願考案を第６図に示す機能ブロツ
ク図を参照して説明すると、電子レンジの入力制
御手段１１には各種調理の種別を選別するための
種別キー５と、加熱処理する食品の量を人数で選
択するための人数選択キー６が設けられている。
また、ROM１５には第一及び第二の記憶手段と
して各種調理に対応して分量（人数分）に応じた
調理データ、及びこの電子レンジを制御するため
の制御プログラムが格納されている。

即ち、第一の記憶手段の調理データは第４図に
示すように調理の種別毎に標準調理データＡ、人
数に対応する人数補正調理データＢ、及び「強
め」、「弱め」に対応する強弱補正調理データＣと
から構成され、標準調理データＡ及び各補正調理
データＢ，Ｃとはレンジ出力データ、調理時間デ
ータとからなる。第二の記憶手段としての制御プ
ログラムは種別キー５が操作されないで前記人数
選択キー６が操作されたとき、レンジ出力を最大
に設定し、そのとき操作された人数選択キー６を
所定時間の選択キーとして兼用できるように、各
キー毎に予め決定されている所定の調理時間など
が記憶されている。

入力制御手段１１は操作されたキーに対応して
ROM１５に格納された調理データ等を読出すよ
うになつている。

レジスタ１６は入力制御手段１１がROM１５
から続出した調理データ、すなわち、レンジ出力
データ、調理時間データを一時記憶するためのも
のである。出力制御手段１７はレジスタ１６内の
調理データに基づき駆動回路１８を介して高周波
発生手段１９を制御する。又、タイマ手段２０は
前記出力制御手段１７が高周波発生手段１９を制
御する場合、調理時間をカウントするためのもの
であり、前記出力制御手段１７はそのタイマ手段
２０のカウント値と調理時間データとを比較して
調理を時間制御する。

従つて、この考案における制御手段とは前記入
力制御手段１１、出力制御手段１７、ROM１
５、レジスタ１６、タイマ手段２０を含む。

〔作用〕

調理の種別選択キー５を選択すると、制御手段
は対応する調理の種別の標準調理データを第一及
び第二の記憶手段たるROM１５から読出して、
レジスタ１６に格納し、その後所望の人数選択キ
ー６を操作すると、制御手段は操作された人数選
択キーの操作に応答して対応する人数補正調理デ
ータをROM１５から読出してレジスタ１６に書
込む。すなわち、制御手段はそのデータに基づい
て各調理に応じたレンジ出力の設定時間を人数分
の食品量に見合つた時間に補正する。

又、調理の種別が指定されることなく、人数選
択キー６のみが操作された場合には制御手段は第
二の記憶手段としての制御プログラムに基づいて
レンジ出力を最大に設定するとともに予め各人数
選択キー６と対応して決定されている所定時間を
調理時間としてレジスタ１６に書込む。

〔実施例〕

以下、この考案を具体化した一実施例を第１図
〜第３図に従つて説明する。

電子レンジのオーブン（図示しない）外には例
えば、オーブンの排気口近傍に位置する気体セン
サ１が設けられ、オーブン内の食品から放出され
る水蒸気などの気体の増減を検知できるととも
に、センサ部１ａにて出力したその気体の増減に
応じた検知信号を仕上り検知回路１ｂを介してマ
イコン２に入力しうるようになつている。電子レ
ンジの正面において扉の側方には操作パネル４が
配置され、その操作パネル４上には調理時間表示
部４ａ、調理の種別を示す複数の種別キー５ａ〜
５ｇ、食品の量が何人前であるかを選択するため
の人数選択キー６ａ〜６ｃ、取消キー７、調理ス
タートキー８及び調理時間を補正するための強弱
選択キーとしての補正キー９ａ〜９ｂが設けられ
ている。

そして、各キーが制御手段としてのマイコン２
に接続されるとともに、そのマイコン２が高周波
発生部３ａと駆動回路３ｂとからなる高周波発生
装置３に接続されている。

マイコン２の電気的構成について説明すると、
第３図に示すようにマイコン２は、操作されたキ
ーに対応してROM（第一及び第二の記憶手段）
１５に格納された調理データ等を読出す入力制御
回路２１と、各種調理に対応して分量（人数分）
に応じた調理データ、及びこの電子レンジを制御
するための制御プログラムを格納するROM１５
と、入力制御回路２１がROM１５から読出した
調理データを一時記憶するためのレジスタ１６
と、レジスタ１６内の調理データに基づき高周波
発生装置３を制御し、タイマ２０のカウント値と
調理時間データとを比較して調理を時間制御する
出力制御回路２２とから構成されている。

前記調理データは第４図に示すように調理の種
別毎に標準調理データＡ、人数に対応する人数補
正調理データＢ、及び「強め」、「弱め」に対応す
る強弱補正調理データＣとから構成されている。
そして、調理の種類によつて前記気体センサ１を
使用して行なう自動調理、例えば「ごはん・汁
物」等の調理と、気体センサ１を使用せずに行な
う調理、例えば「生ものの解凍」等の調理とがあ
る。前記気体センサ１を使用する調理の標準調理
データＡは第４図に示すようにレンジ出力データ
と、センサ検出レベルデータとから構成され、そ
の調理における補正調理データＢ及び強弱補正調
理データＣは前記その調理における標準調理デー
タの補正データになつている。すなわち、マイコ
ン２のROM１５には各種の調理に応じた気体セ
ンサ１の検知レベルが予めプログラムされている
ことになり、その検知レベルに対応して高周波発
生装置３のレンジ出力が自動的にコントロールさ
れるようになつている。

一方、前記気体センサ１を使用しない調理、例
えば「生ものの解凍」調理等は標準調理データＡ
が第４図に示すようにレンジ出力データと、調理
時間データとから構成され、その調理における補
正調理データＢ及び強弱補正調理データＣは前記
その調理における標準調理データの補正データに
なつている。

又、制御プログラムは種別キー５ａ〜５ｇが操
作されないで前記人数選択キー６ａ〜６ｃが操作
されたとき、レンジ出力を最大に設定し、そのと
き操作された人数選択キー６ａ〜６ｃを所定時間
の選択キーとして兼用するようにプログラムされ
ている。

さて、上記のように構成された電子レンジの作
用を第５図のフローチヤートを参照して説明す
る。

各種別キー５ａ〜５ｇのいずれか１つを選択し
た場合には２人前の食品を調理できるようになつ
ている。

例えば、２人前のごはんをあたためたい場合に
は、オーブン内にごはんを収容した後、「ごは
ん・汁物」の種別キー５ａ、調理スタートキー８
の順に各キー５ａ，８を押圧操作すると、S1，
S2，S21，S22，S1〜S6，S62〜S65のステツプを
経て予め決められた気体センサ１の検知レベルに
応じて高周波発生装置３が作動され、そのごはん
を自動的にあたためることができる。

又、４人前（400ｇ）のごはんをあたためたい
場合には、「ごはん・汁物」の種別キー５ａを押
した後、「４人前」の人数選択キー６ｃを押すと、
S1，S2，S21，S22，S1〜S3，S31，S32，S1〜
S6，及びS62〜S65の各ステツプを経ることによ
り、前記気体センサ１の検知レベルが補正され、
補正された検知レベルに応じて高周波発生装置３
が作動されて４人分のごはんを確実にあたためる
ことができる。さらに、使用者の好みに応じて調
理の具合を変えたい場合、例えば若干強めに調理
したい場合とか弱めに調理したい場合には、それ
に応じて「強め」あるいは「弱め」の各補正キー
９ｂ，９ａを操作することにより、前記フローチ
ヤートの流れでS4，S41を経てS1に戻ることによ
り、調理時間などが好みの調理条件となるように
補正されて自動調理を行うことができる。

又、２人前（200ｇ）の生ものを解凍したい場
合には、「生もの解凍」の種別キー５ｆを押すと
前記のフローチヤートの流れでS1，S2，S21，
S23を経てS1に戻ることにより、レンジ出力が弱
に設定されるとともに、調理時間が４分30秒（＝
t0）に設定され、それらの調理条件に応じて高周
波発生装置３が作動され、その生ものを解凍する
ことができる。さらに、４人前（400ｇ）の生も
のを解凍する場合には、「生ものの解凍」の種別
キー５ｆを押したのち、「４人前」の人数選択キ
ー６ｃを押せば、S1，S2，S21，S23，S1〜S3，
S31，S32，S1に戻ることにより、調理時間のみ
が８分30秒（＝t4）に変更され、４人前の生もの
を解凍することができる。

加えて３人前（300ｇ）の生ものを解凍したい
場合には生ものの解凍の種別キー５ｆ、「４人前」
の人数選択キー６ｃ、「弱め」の補正キー９ａの
手順で各キーを操作することにより、前記フロー
チヤートの流れでS4，S41を経てS1に戻ることに
より、調理時間がt3に補正され、３人前の生もの
を解凍することができる。

又、５人前（500ｇ）の生ものを解凍したい場
合には生ものの解凍の種別キー５ｆ、「４人前」
の人数選択キー６ｃ、「強め」の補正キー９ｂの
手順で各キーを操作することにより、前記フロー
チヤートの流れで同様にS4，S41を経てS1に戻る
ことにより、調理時間がt5（第４図参照）に補正
され、５人前の生ものを解凍することができる。

一方、２人前の茶碗蒸しを調理したい場合に
は、「茶碗蒸し」のための種別キー５ｇを押せば、
S1，S2，S21，S23を経ることにより、茶碗蒸し
の標準調理データがセツトされ、その標準調理デ
ータに基づいて高周波発生装置３が強のレンジ出
力で２分間作動されたのち、弱のレンジ出力で５
分間作動される。又、４人前の茶碗蒸しを調理す
る場合には、「茶碗蒸し」のための種別キー５ｇ
を押したのち、「４人前」の人数選択キー５ｃを
押せば、S23で標準調理データがセツトされ、S1
〜S3，S31を経てS32でそのデータが補正される
ことにより、その後の調理がスタートしたときに
高周波発生装置３が強の出力レベルで５分間作動
された後、弱の出力レベルで５分間作動される。
このように、分量に応じた茶碗蒸しの調理を自動
的に行うことができる。

なお、上述した茶碗蒸しの調理において高周波
発生装置３の出力レベル及び調理時間は一例に過
ぎず、要は、それぞれの調理の種別に合わせて、
食品の量に合せた人数分の調理がうまく仕上がる
ように調理時間などを補正設定すればよい。

なお、複数の人数選択キー６ａ〜６ｃにより何
人前の調理を行うかを選択できるようになつてい
るが、この人数選択キー６ａ〜６ｃは高周波発生
装置３を一定時間だけ動作させることができる時
間選択キーとしても兼用されている。すなわち、
各種別キー５ａ〜５ｇが操作されることなく、人
数選択キー６ａ〜６ｃのいずれかが押された場合
には、S1，S2，S3を経てS33で各人数選択キー６
ａ〜６ｃに対応して高周波発生装置３の動作時間
が１分、２分、４分にそれぞれ設定される。

従つて、例えば「１人前」の人数選択キー６ａ
が押された場合には、気体センサ１の気体検知レ
ベルとは無関係に高周波発生装置３が強の出力レ
ベルで１分間だけ作動される。このとき、酒１カ
ツプ分の「あたため」には１分の加熱動作時間が
適応し、牛乳１本分の「あたため」には２分の加
熱動作時間が適応するために、この旨の表示を人
数選択キー６ａ，６ｂに対して記しておけば好都
合である。

なお、第２図に示す取消キー７は調理途中で加
熱動作を中止する場合（S63の時）、あるいはキ
ー操作を間違えた時（S5の時）にその操作の取
消しをする場合に使用されるものである。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、この考案は加熱調理する
食品の量を人数で選択することにより各調理に応
じたレンジ出力の設定時間を人数分の食品量に見
合つた時間に補正するための人数選択キーを設け
るともに、その人数選択キーを最大のレンジ出力
の所定時間の選択キーとしても兼用できるように
構成したので、調理される食品の量とは無関係に
常に仕上がりよく調理することができるととも
に、少ない数のキーを有効に使用できるという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した電子レンジの制
御関係のブロツク図、第２図は操作パネルの正面
図、第３図は電子レンジの電気ブロツク図、第４
図は各種データを表わす説明図、第５図はフロー
チヤート、第６図は本考案の機能ブロツク図であ
る。 種別キー５ａ〜５ｇ、時間選択キーを兼用する
人数選択キー６ａ〜６ｃ、第一及び第二の記憶手
段としてのROM１５、制御手段としてのマイコ
ン２。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ レンジ出力を少なくとも強弱の二段階に切換
   え可能な高周波発生装置３と、解凍、茶碗蒸し
   などの調理の種別を選択する種別キー５ａ〜５
   ｇと、加熱調理する食品の量を人数で選択する
   複数個の人数選択キー６ａ〜６ｃと、上記各種
   別キー５ａ〜５ｇと対応して各調理に応じたレ
   ンジ出力と所定人数分の食品量に見合つた調理
   時間のデータを記憶する第一の記憶手段１５
   と、上記各人数選択キー６ａ〜６ｃと対応して
   その各キー６ａ〜６ｃ毎に予め決定されている
   所定の調理時間を最大のレンジ出力として記憶
   する第二の記憶手段１５と、上記各キー５ａ〜
   ５ｇ，６ａ〜６ｃ及び記憶手段１５に接続され
   上記高周波発生装置３の出力を制御する制御手
   段２とよりなり、この制御手段２は、上記各種
   別キー５ａ〜５ｇの操作に応答して上記第一の
   記憶手段１５の内容に基づき指定された調理の
   レンジ出力と調理時間を設定するとともに、そ
   の後の上記各人数選択キー６ａ〜６ｃの操作に
   応答して指定された人数分の食品量に見合つた
   調理時間に補正し、かつ調理の種別が指定され
   ることなく人数選択キー６ａ〜６ｃのみが操作
   されたときには、上記第二の記憶手段１５の内
   容に基づきレンジ出力を最大に設定するととも
   に各人数選択キー６ａ〜６ｃに対応した所定の
   調理時間を設定し、その各設定に従つて高周波
   発生装置３の出力を制御することを特徴とする
   電子レンジ。 ２ 第二の記憶手段には１人前の人数選択キー６
   ａに対応して１分間の調理時間が記憶され、か
   つ２人前の人数選択キー６ｂに対応して２分間
   の調理時間が記憶されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の電子レン
   ジ。