JPH0121262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関における各種の作動制御等
に用いられる負圧作動式スイツチバルブの改良に
関するものである。

この種従来の負圧作動式スイツチバルブとして
は、例えば第１図に示した如く、弁室１ａと燃料
導入路１ｂと該燃料導入路１ｂの開口の周囲に位
置する弁座１ｃと燃料排出路１ｄとが設けられた
気化器本体壁１と、弁室１ａの真上に位置するよ
うにして気化器本体壁１上に固着されていてその
内部に負圧室２ａが設けられた弁本体２と、負圧
室２ａを図示しないマニホールド等の負圧発生源
と連通せしめる負圧通路３と、気化器本体壁１と
弁本体２との間に挾持固定されていて上記弁室１
ａと負圧室２ａとを区分しているダイアフラム４
と、ダイアフラム４の下面にかしめ固定された弁
軸５と、弁軸５の下端に嵌着されていてダイアフ
ラム４が下降した時弁座１ｃに着座せしめられる
弾性部材製の弁体６と、ダイアフラム４の上面に
直接載置されたスプリング受け板７と、弁室１ａ
の天井側に配置されたスプリング押え蓋８と、ス
プリング受け板７とスプリング押え蓋８との間に
介在せしめられていてダイアフラム４に下降習性
を付与している戻しスプリング９と、弁本体２の
頂壁に進退可能に螺着され且つその先端部がスプ
リング押え蓋８の上面に当接せしめられていて該
スプリング押え蓋８の位置を変えることにより戻
しスプリング９のセツト荷重を調整するための調
整ネジ１０とから構成され、機関の回転数が低く
て負圧発生源の負圧が小さい時は負圧室２ａ内の
負圧も小さいので戻しスプリング９の弾力により
ダイアフラム４が下降せしめられた状態にあり、
従つて弁体６が弁座１ｃに着座せしめられたまま
となるので閉弁し、その結果燃料の供給が行われ
ないが機関の回転数が上昇して負圧発生源の負圧
が大きくなると負圧室２ａ内の負圧も大きくなる
ので戻しスプリング９の弾力に抗してダイアフラ
ム４が上昇せしめられ、従つて弁体６が弁座１ｃ
から離脱せしめられるので開弁し、その結果燃料
の供給が行われるようにしたものがある。ところ
が、この負圧式スイツチバルブは、上述の如くス
プリング受け板７がダイアフラム４の上面に直接
載置されているため戻しスプリング９の倒れや傾
きが直接ダイアフラム４の傾きとなつて表われ、
その結果弁体６が弁座１ｃから離脱する時は負圧
によるため水平状態で離脱するが弁座１ｃに着座
する時は戻しスプリング９によるために傾いたま
ま着座するようになり、それ故作動のヒステリシ
スが大きいという欠点があつた。又、戻しスプリ
ング９の傾きの違いがそのまま弁体６の傾きの違
いとして表われるため、作動負圧のバラツキも大
きいという欠点があつた。又、上述の如く弁軸５
をダイアフラム４にかしめ固定しているので、気
密に対する信頼性も低いという欠点があつた。更
に、上述の如く弁体６とダイアフラム４とが別体
であるため部品点数が多く、製造コストが高いと
いう欠点もあつた。

本考案は、弁体とダイアフラムとを一体成形す
ると共に、ダイアフラムの上面に上面中央に突部
を有するプレートを載置し、該突部上にスプリン
グ受け板を載置して該スプリング受け板を揺動自
在にすることにより、上記欠点を除去した負圧作
動式スイツチバルブを提供せんとするものである
が、以下第２図に示した一実施例に基づき上記従
来例と同一の部材には同一符号を付してこれを説
明すれば、４′は下面に弁体部４′ａが一体成形さ
れたダイアフラム、１１はダイヤフラム４′によ
りセンタリングされるようにして該ダイアフラム
４′の上面に載置されていてその上面中央に頂面
が球面の一部をなす突部１１ａが形成されたプレ
ートであつて、プレート１１の突部１１ａ上に該
突部との接触面が平面であるスプリング受け板７
が載置されて該スプリング受け板７が揺動自在と
なつている。

本考案による負圧作動式スイツチバルブは上述
の如く構成されているから、戻しスプリング９に
倒れや傾きが生じた場合スプリング受け板７は傾
くが、スプリング受け板７がプレート１１に対し
て揺動自在となつているので該プレート１１には
その影響は何ら及ばない。従つて、ダイアフラム
４′にも戻しスプリング９の倒れや傾きの影響が
何ら及ばないので、ダイアフラム４′の弁体部
４′ａは一定の状態（水平状態）のまま弁座１ｃ
への着座及び離脱を行うようになり、その結果作
動のヒステリシスは非常に小さくなる。又、同じ
理由により作動負圧のバラツキも小さくなる。
又、本案負圧作動式スイツチバルブは、弁体部
４′ａをダイアフラム４′に一体形成しているの
で、かしめ工程が不要となり気密に対する信頼性
が極めて高い。又、同じ理由から部品点数が少な
くなるので、製造コストも安い。

上述の如く、本考案による負圧作動式スイツチ
バルブは、作動のヒステリシスが非常に小さく、
作動負圧のバラツキが小さく、気密に対する信頼
性が極めて高く、製造コストも安いという実用上
重要な利点を数多く有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の負圧作動式スイツチバルブの垂
直断面図、第２図は本考案による負圧作動式スイ
ツチバルブの一実施例の垂直断面図である。 １……気化器本体壁、１ａ……弁室、１ｂ……
燃料導入路、１ｃ……弁座、１ｄ……燃料排出
路、２……弁本体、２ａ……負圧室、３……負圧
通路、４′……ダイアフラム、４′ａ……弁体部、
７……スプリング受け板、８……スプリング押え
蓋、９……戻しスプリング、１０……調整ネジ、
１１′……プレート、１１′ａ……突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプリング受けを介してダイヤフラムを弁室側
   へ弾圧する戻しスプリングを備えた負圧作動式ス
   イツチバルブにおいて、弁体を上記ダイヤフラム
   の弁室側の面に一体成形すると共に、上記ダイヤ
   フラムの負圧室側の面に上面中央に頂面が球面の
   一部をなす突部を有するプレートを載置し、該突
   部上に該突部との接触面が平面である上記スプリ
   ング受け板を載置して上記スプリング受け板を揺
   動自在にしたことを特徴とする負圧作動式スイツ
   チバルブ。