JPH0120786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、放電点が独立した放電用電極の放電
点先端の並びを調整する装置を具備した放電用電
極によりコロナ放電を行ない溶融シートまたはフ
イルムを冷却ドラムに密着させるフイルムまたは
シート製造装置に関するものである。

一般に、ダイスから溶融押出されたポリアミド
やポリエステルの如き溶融重合体のシートまたは
フイルム（以下単にシートと略称することがあ
る）に、放電点が独立して存在する放電用電極よ
りコロナ放電特にはストリーマコロナ状態のコロ
ナ放電を行い、該溶融シートを冷却ドラムに電気
的に密着させる装置（以下コロナ印加成型装置と
略称する）においては、未固化シートの懸垂線が
シートの巾方向で異なるためシートの任意の横断
面は湾曲していて、通常の放電点先端の配列が一
直線の電極では、放電点先端と被放電体たる未固
化シートの間隙が巾方向で異なり、放電の粗密が
発生する。

本考案者らは、かかる不都合を解決すべく鋭意
検討した結果、放電点先端の相対位置関係を調整
する装置を電極に具備せしめる事によりフイルム
またはシート製造装置においてフイルムまたはシ
ートに対する放電点の位置を任意に変えることに
より均一な放電効果を与え、前述のような欠陥を
大きく改善できる事を見出したのである。

すなわち本考案は、フイルムまたはシートを溶
融押出しするための押出しダイ、該押出しダイの
下方に設けられた冷却ドラム及び前記溶融フイル
ムまたはシートに面して設けられた放電用電極か
らなり、該放電用電極は複数の放電点を有すると
ともに該放電点の位置は前記溶融フイルムまたは
シートの位置に対し調節可能な構造であり、かつ
コロナ放電により前記溶融フイルムまたはシート
を前記冷却ドラムに密着させる機能を有するフイ
ルムまたはシート製造装置に関するものである。

本考案で用いる、複数の独立した放電点を有す
る放電用電極とは多針状、鋸刃状電極の他にも、
ワイヤーあるいは棒に凹凸を形成したものなどが
あげられる。

本考案で用いる電極において放電点のフイルム
またはシートに対する位置を調整するには放電点
を形成する支持体を湾曲させるか、一部又は全部
の放電点先端を各々独立に、もしくはブロツク的
に前後させる事によりこの目的は達成される。

前記二種の機構が兼備されていれば更に好都合
である。なお、溶融重合体としてはポリアミドの
他ポリエステル、ポリオレフインなど任意のもの
を用いることができる。

放電点への通電は支持体が金属の場合は支持体
から一括して行なうことができるが通電状態が悪
い場合には各放電点に別途設置された電源から個
別に配線（図示せず）して行なう。

コロナ印加成型装置における溶融状態のシート
は巾方向の微妙な温度勾配、長さ方向に引張られ
ることによる巾方向の縮まり（ネツクイン）等に
より一般には均一平面状には流下せず巾方向に湾
曲しているのであつて、さらに該シートは巾方向
の厚み調整などにより湾曲形状が変化するため、
本考案で用いる電極が最も効果的に用いられる。

以下図面により本考案の装置で用いる放電電極
を中心に具体的に説明するが、本考案はこれらの
例に限定されるべきではない。

第１図は支持体２に多数の針１を植えた多針状
電極を更に別の支持体３からボルト４により押し
引きする事により支持体２を湾曲させる、本考案
で用いる電極の一実施態様を示す。第２図では支
持体２の湾曲方向と垂直に針１が植えられている
以外は第１図と同じである。第３図では、支持体
２を両側のクランプ５により矢印の方向にねじる
事により湾曲させる構造の電極である。第４図は
鋸刃状電極６を支持体３からボルト４により押し
引きする構造の電極である。第５図は、多針状電
極の針１を針自体にもうけたネジにより支持体上
２で前後させる構造の電極である。第６図は第５
図の多針状電極の支持体を改良したものであり、
ブロツク７を別の支持体３に取りつけ直交する２
方向に針１を移動させる。第７図は本考案のフイ
ルムないしシートの製造装置の一例である。

本考案の装置により、シートが巾方向に湾曲し
ていてもその湾曲に沿つて電極を湾曲させあるい
は放電点の並びを調節することにより緻密で均一
な放電効果が得られる。これらの均一な放電効果
は、溶融シートを冷却ドラムへ電気的に密着させ
る場合に均一な密着をほどこす事を可能にできる
ため得られたシートは良好で均一な冷却がなされ
ており、シートとしての品質に格段にすぐれたも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案に用いる放電用電
極の一例を示す図、第６図は第５図の電極の変形
例。第７図は本考案のフイルムまたはシート製造
装置の一例を示す図である。 １……針、２……支持体、３……支持体、４…
…ボルト、５……クランプ、６……鋸刃状電極、
７……針状電極ブロツク、８……コロナ放電、９
……冷却ドラム、１０……押出しフイルム、１１
……押出しダイ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) フイルムまたはシートを溶融押出しするため
   の押出しダイ、該押出しダイの下方に設けられ
   た冷却ドラム及び前記溶融フイルムまたはシー
   トに面して設けられた放電用電極からなり、該
   放電用電極は複数の放電点を有するとともに該
   放電点の位置は前記溶融フイルムまたはシート
   の位置に対し調節可能な構造であり、かつコロ
   ナ放電により前記溶融フイルムまたはシートを
   前記冷却ドラムに密着させる機能を有すること
   を特徴とするフイルムまたはシート製造装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、放
   電点の位置の調節は放電点１つごとまたは放電
   点２つ以上の一群ごとに行なうことが可能な構
   造であるフイルムまたはシート製造装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項において放電
   点の位置の調節は該電点の支持体を湾曲させる
   事により行なうことが可能な構造であるフイル
   ムまたはシート製造装置。