JPH0120682B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、密閉罐体に溜めた熱媒体を加熱して
蒸気を発生させ、その凝縮熱を利用して温水を取
出せる温水熱交換器を備えた真空温水機に関す
る。

取出す温水温度は通常50〜70℃程度であり、罐
体内の圧力は、通常真空状態となる。そのため、
罐体外から漏入する不凝縮ガス及び罐体内部から
発生する水素ガス等の不凝縮ガスを排出するに
は、従来、真空ポンプ等で吸引排出する方法又は
内部圧力を大気圧以上にして排出する方法が採用
されている。

しかしながら、真空ポンプを使用する場合に
は、不凝縮ガスと共に高温の蒸気を排出するた
め、真空ポンプ油の劣化に伴う性能低下及び機械
的部分の保守管理の必要性等、信頼性及び保守性
の面で問題があつた。

他方、内部圧力を大気圧以上とする方法として
は、２つの方法が公知である。

１つは、熱媒体の加熱量を増加して、罐体内圧
を全体的に高める方法であり（特公昭52−47085
号）、これは抽気のために加熱エネルギーを消費
するため、省エネルギーの面から好ましくない。

他は、不凝縮ガスの貯蔵タンクを持ち、その下
部に液溜を設け、且つこの液溜中にヒーターを設
置して、ヒーターの熱でタンク内の圧力を上げ、
不凝縮ガスを排出する方法である（特公昭53−
44249号）。しかしながら、この方法では、ヒータ
ー源に電気を使用する場合、真空ポンプ並の電気
を使用することとなり省エネルギーとしてメリツ
トがなく、また、万一制御上の故障が生じると液
加熱状態となり、ヒーターからの入熱は際限がな
く危険である。他方、ヒーター源として蒸気を使
用する場合、蒸気導入部の閉止機能の性能及び信
頼性を上げる必要が生じ、高価な安全装置が必要
となるといつた欠点がある。

本発明は、上記各欠点を除去するために、真空
ポンプを用いることなく、真空温水機の廃熱を熱
源としたことを特徴とし、この目的は、信頼性、
省エネルギー性及び保守性が共に優れた不凝縮ガ
ス排出装置を持つ真空温水機を提供することにあ
る。

すなわち本発明を概説すれば、本発明は、熱媒
体を溜める密閉罐体、熱媒体を加熱するバーナ、
煙管、廃ガスを導出する煙室及び煙道、加熱され
た熱媒体蒸気との熱交換で温水が取出せる温水熱
交換器、凝縮した熱媒体を該熱交換器から該罐体
に帰還させる戻り管を備えた真空温水機におい
て、不凝縮ガス溜容器を付設し、該ガス溜容器
は、その一端が該熱交換器から集気管を通じて連
結し、その他端が開閉機構を介して該罐体に連絡
管で連結しており、且つ更に該容器から煙室又は
煙道中に別の配管が連結したものであることを特
徴とする真空温水機に関する。

本発明の一実施例の態様においては、該不凝縮
ガス溜容器が、その下部に液溜を設けたものであ
り、その該連絡管は、該液溜底部より該罐体に連
結しており、且つこの連絡管及び該別の配管の各
最下部の位置は、該罐体における熱媒体液溜液位
より高くしたものである。

また本発明の別の実施の態様においては、該別
の配管が、その最下部の位置は該罐体おける熱媒
体液溜液位以下として該液溜中に連結したもので
あり、且つ該配管の煙室又は煙道に対する前及び
後の両方に開閉機構を設けたものである。

本発明によれば、廃ガスのエネルギーを利用す
るので、省エネルギー効果があり、信頼性及び保
守管理上も、簡単な機械操作の点で問題点がな
い。

以下、本発明を、添付図面に基づいて具体的に
説明する。

第１図は、本発明装置の一実施の態様を示す断
面概略図であり、第２図は、第１図に示す装置に
おける連絡管及び別の配管の連結に関して、別の
実施の態様を示す部分概略図である。

第１図及び第２図において、符号１は密閉罐
体、２は熱媒体、３はバーナ、４は煙管、５は煙
室、６は煙道、７は温水熱交換器、８は戻り管、
９は集気管、１０は不凝縮ガス溜容器、１１は導
管、１２は弁、１３は連絡管、１４は弁、１５は
別の導管、１６は煙道内の導管、１７は弁、１８
はバイパス管、１９は排出弁を意味する。

第１図に示した装置においては、密閉罐体１に
水等の熱媒体２を溜め、バーナ３からの燃焼ガス
により加熱して蒸気を発生させる。発生蒸気の凝
縮熱を、付属の温水熱交換器７で利用し、凝縮液
は、戻り管８によつて密閉罐体１に戻す。熱媒体
の加熱に使用した後の廃ガスは、煙室５及び煙道
６から屋外に放出される。

温水熱交換器７に不凝縮ガスの集気管９を連結
して、不凝縮ガス溜容器１０を付設し、不凝縮ガ
スを集気管９、導管１１の弁１２を経て、該容器
１０に溜める。該容器１０は、その外表面を大気
にさらしており、容器内面温度は、密閉罐体１及
び温水熱交換器７に比べて低温であり、不凝縮ガ
スに同伴する水蒸気はここで凝縮し、連絡管１３
により弁１４を介して密閉罐体１に戻る。連絡管
１３の容器１０側の管端部は、容器の底面より上
方にして液を溜めるようにする。他方、該容器１
０の上部からは、別の導管１５を煙道６内に導び
く。煙道内の導管１６の位置（すなわち１５及び
１６からなる前記の「別の配管」の最下部の位
置）は、連絡管１３の下部にある液層部より高く
し（第１図中ｈ）、該煙道内の導管１６内に液が
溜らない構造となつている。また、連絡管１３の
最下部の位置、したがつて煙道内の導管１６の位
置は、密閉罐体１における熱媒体液溜液位より高
くしてある。

更に、該容器１０の底部より弁１７を介して連
絡管１３にバイパス管１８があり、弁１４が閉止
状態のとき、弁１７が開くことにより、煙道内の
導管１６内に液体が導入される構造となつてい
る。なお、第２図においては、上記バイパス管１
８は別の導管１５にあり、同じ機能を示す。

次に、第１図及び第２図に示した装置における
不凝縮ガスの排出について説明する。

まず、弁１２及び弁１４を閉止状態とし、不凝
縮ガス溜容器１０を密閉状態にして、弁１７を開
状態にする。該容器１０に溜つた凝縮液は煙道６
内の導管１６内に充満し、廃ガスにより加熱され
る。通常、該廃ガスの温度は150〜250℃程度であ
るので、該導管１６内の液体を、十分に加熱蒸発
することができる。該容器１０内の圧力を大気圧
以上に加熱したとき、該容器１０に取付けた排出
管の排出弁１９を開状態として内部ガスを放出す
る。該容器１０内の圧力が大気圧近くまで低下し
た時点で排出弁１９を閉止し、弁１２及び弁１４
を開状態に戻し、弁１７を閉止して、不凝縮ガス
の排出を完了する。

次に、本発明の別の実施の態様を第３図及び第
４図に、断面概略図として示す。なお、第４図、
第３図に示す装置における連絡管及び別の配管の
連結に関する別の実施の態様を示す部分概略図で
ある。

第３図及び第４図において、符号１０，１２〜
１６は第１図と同義であり、２０及び２１は弁、
２２は三方弁を意味する。

第３図に示した装置においては、煙道内の導管
１６の位置を、密閉罐体１における熱媒体液溜液
位以下として、且つその前後に弁２０及び１４を
介して該液溜中に連結させてある。この装置で
は、通常、不凝縮ガス溜容器側の弁２０を閉止
し、密閉罐体側の弁１４を開放しておくことによ
り、通常運転中も、熱媒体による廃ガス熱回収を
行う。抽気時は、前記第１図及び第２図について
説明したのと同様に、該罐体側の弁１４を閉止
し、該容器側の弁２０を開放して、廃熱により加
熱されて蒸発した蒸気によつて、該容器１０の内
圧を大気圧以上として不凝縮ガスを排出する。

なお、第４図に示す装置においては、連絡管１
３と別の導管１５を三方弁２２により連結したも
のであり、その操作は、第３図について説明した
のと同様である。

以上詳細に説明したように、本発明によれば、
真空温水機における不凝縮ガスの排出を、従来の
真空ポンプ又は電気ヒーター等を用いる装置とは
異なり、通常大気中に排出される廃ガスのエネル
ギーを利用して行う構成としたので、(1)外部から
の特別なエネルギー供給が不要で省エネルギーと
なる、(2)機械的な真空ポンプを使用する方式に比
較して、保守管理上の問題点がない、(3)廃ガスの
熱回収を常時行うこともできる、(4)制御は連絡管
及び別の配管等の弁の開閉操作のみで済むので簡
単であり、信頼性が向上した、(5)装置が安価であ
る、等の顕著な効果を奏することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の一実施の態様を示す断
面概略図、第２図は、第１図に示す装置における
連絡管及び別の配管の連結に関して別の実施の態
様を示す部分概略図、第３図は本発明装置の別の
一実施の態様を示す断面概略図、第４図は第３図
に示す装置における導管の連結に関する別の実施
の態様を示す部分概略図である。 １：密閉罐体、２：熱媒体、３：バーナ、４煙
管、５：煙室、６：煙道、７：温水熱交換器、
８：戻り管、９：集気管、１０：不凝縮ガス溜容
器、１３：連絡管、１８：バイパス管、１９：排
出弁、２２：三方弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱媒体を溜める密閉罐体、熱媒体を加熱する
   バーナ、煙管、廃ガスを導出する煙室及び煙道、
   加熱された熱媒体蒸気との熱交換で温水が取出せ
   る温水熱交換器、凝縮した熱媒体を該熱交換器か
   ら該罐体に帰還させる戻り管を備えた真空温水機
   において、不凝縮ガス溜容器を付設し、該ガス溜
   容器は、その一端が該熱交換器から集気管を通じ
   て連結し、その他端が開閉機構を介して該罐体に
   連絡管で連結しており、且つ更に該容器から煙室
   又は煙道中に別の配管が連結したものであること
   を特徴とする真空温水機。 ２ 該不凝縮ガス溜容器が、その下部に液溜を設
   けたものであり、その該連絡管は、該液溜底部よ
   り該罐体に連結しており、且つこの連絡管及び該
   別の配管の各最下部の位置は、該罐体における熱
   媒体液溜液位より高くしたものである特許請求の
   範囲第１項記載の真空温水機。 ３ 該別の配管が、その最下部の位置は該罐体に
   おける熱媒体液溜液位以下として該液溜中に連結
   したものであり、且つ該配管の煙室又は煙道に対
   する前及び後の両方に開閉機構を設けたものであ
   る特許請求の範囲第１項記載の真空温水機。