JPH0120620B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 静脈注射ポンプは既に提案されている。又、使
い捨てポンプを提供する試みもなされてきた。然
し乍ら、使い捨てポンプは未だ比較的高価でしか
も比較的不正確である。従つて、極めて安価であ
つて使用後に捨ててしまうことができる新規で改
良された静脈注射ポンプが要求されている。又、
静脈注射ポンプを作動させて注射液等を極めて正
確に注入できる比較的安価な制御装置も要求され
ている。

静脈注射ポンプ装置は、静脈注射液源とともに
使用されて、患者に静脈注射液を供給する。静脈
注射液ポンプ装置は、ポンプ駆動装置を有する制
御装置とポンプとから成る。ポンプ駆動装置には
密閉室が設けられている。この室の一部分は柔軟
な膜によつて形成されており、室の残りの部分は
実質的に剛直な側壁から成る。非圧縮性の流体を
密閉室内に入れる。室内には滑動自在のピストン
が配設されていて、非圧縮性の液体を室に入れ或
いは室内から出すようピストンが移動して、ピス
トンの移動に伴なつて柔軟な膜が伸び縮みする。
一定のプログラムに従つてピストンを移動させる
装置を持つ制御装置が設けられている。ポンプは
ポンプ室を持つポンプ本体を有し、ポンプ本体の
一部分が柔軟な膜によつて覆われている。ポンプ
には、液体源と接続できる入口と、患者に接続で
きる出口とが設けられている。ポンプ室を通過す
る静脈注射液の流れを制御する入口弁及び出口弁
がある。ポンプによつて支持された膜をポンプ駆
動装置の膜と密着させる位置にポンプを位置させ
る装置があり、従つてピストンが移動すると、駆
動装置の膜及びポンプ膜が一体になつて動いてポ
ンプ内で圧送作用を行ない、ピストンの移動量に
応じて静脈注射液を入口から出口に移動させる。

本発明の全般的な目的は、制御装置と使い捨て
ポンプとを有し、しかも正確に且つ呼称圧力変化
に無関係に患者に供給される静脈注射液を計量す
ることができる静脈注射液圧送装置を提供するこ
とである。

本発明のもう一つの目的は、ポンプの作動につ
いて確実作動原理を利用した上記の特性の装置を
提供することである。

本発明の更に別の目的は、膜を持つポンプ駆動
装置を使用し、ポンプも膜を持つていて両膜が一
体になつて移動して圧送作用を行なうよう構成さ
れた上記の特性の装置を提供することである。

本発明の更にもう一つの目的は、ポンプを患者
から切り離すことなく貫流装置として使用するこ
とができる上記の特性の装置を提供することであ
る。

本発明の更にもう一つの目的は、ポンプ室内の
過小圧力及び過大圧力を検知する能力を持つ制御
装置を使用した上記の特性の装置を提供すること
である。

本発明の更にもう一つの目的は、復帰行程が極
めて速く、実質的に連続的に患者に注射液を供給
する上記の特性の装置を提供することである。

本発明の更にもう一つの目的は、医療機関の職
員によつて容易に使用することができる上記の特
性の装置を提供することである。

本発明の更にもう一つの目的は、移動量を正確
に制御することにより、各行程毎に吐出される注
射液の量を制御することができる上記の特性の装
置を提供することである。

本発明の更にもう一つの目的は、ポンプが極め
て少数の部品から形成されていて安価に製造する
ことができる上記の特性の装置を提供することで
ある。

本発明のその他の目的及び特徴は、添附の図面
を参照しつつ詳細に記載する好ましい実施例に関
する以下の説明から明らかになろう。

本発明技術思想を取り入れた静脈注射液ポンプ
装置２１を第１図に示すが、このポンプ装置２１
は普通の型の支持スタンド２３に取りつけられた
制御装置２２を有する。支持スタンド２３には、
該支持スタンド２３の上端部に取りつけられた外
方に延びる一対の支持アーム２４が設けられてい
る。第１図に示す静脈注射（IV）液源は静脈注
射液２７を収納する普通の静脈注射びん２６の形
をしている。この静脈注射びん２６は、支持アー
ム２４の外側端部に固定するに適したハンガー２
９を持つ吊下げ装置２８を有する。静脈注射びん
２６の頚部には止め部材３１がある。

万能滴下室スパイク装置３２が止め部材３１に
挿入され止め部材から下方に延びている。この万
能滴下室スパイク装置３２は、1976年５月24日付
で米国特許庁に出願された米国特許出願第689114
号明細書に記載されている。この万能滴下室スパ
イク装置は、柔軟なチユーブ３４によつて静脈注
射液圧送装置３７の入口３６に接続された滴下室
３３を有する。静脈注射液圧送装置３７は出口３
８を有し、出口３８には出口チユーブ３９が取り
つけられている。この出口チユーブ３９は公知の
型のアダプタ又はカラー４１に接続され、アダプ
タは公知の型の注射針（図示せず）に接続され
る。注射針は患者の静脈に挿入されて、静脈注射
液を患者の静脈に供給することができる。チユー
ブ３９を通る静脈注射液の流れを停止させるクラ
ンプ４２が出口チユーブ３９に取りつけられてい
る。

静脈注射液圧送装置３７は、後述するように制
御装置２２に固定されたポンプ駆動装置４６によ
つて駆動されている。

制御装置２２は、鉛直側壁５２及び５３と水平
上部壁５４とを持つ外側ケース５１から成る。上
部壁５１には持ち手５６が取りつけられている。
外側ケース５１は後部壁（図示せず）を有し、こ
の後部壁には制御装置を支持スタンド２３に固定
するために使用するクランプ装置５８が取りつけ
られている。クランプ装置５８は、該クランプ装
置５８をしつかりと締めつけて制御装置２２を支
持スタンド２３上で鉛直状態に保持する手動ノブ
５９を有する。

外側ケース５１の内部には枠組み６１が取りつ
えられており、この枠組みはフレーム・ナツト６
４によつて前面パネル６３に固定された鉛直プレ
ート６２を有し、ナツト６４は前面パネルの下部
水平部分６３ａ及び６３ｂと係合している。前面
パネルには更に、該前面パネルの上部で下向き外
方に傾斜している傾斜部分６３ｃが設けられてい
る。前面パネルは、部分６３ｃ及び鉛直部分６３
ｅと接合する水平部分６３ｄを有する。部分６３
ｅは下部水平部分６３ｂと接合する。枠組み６１
は、フレーム．ナツト６７によつて鉛直フレーム
部材６２に固定されているＬ字形部材６６を有す
る。

制御機構７１は枠組み６１に支持されていて、
例えばインデイアナ州、プリンストンのハース
ト．マニフアクチユアリング．コーポレイシヨン
（Hurst Mfg.Corp of Princeton，Indiana）に
よつて製造されているモデルAS（直流12ボルト）
のような直流ステツプ．モータ（DC Stepper
motor）の如き公知の型の駆動モータ７２を有す
る。駆動モータ７２は、スペーサー７４上に取り
つけられねじ７６によつて鉛直プレート６２に固
定された減速ギヤ装置７３に取りつけられてい
る。減速ギヤ装置７３は、駆動モータ７２の出力
シヤフト（図示せず）の速度を所定の比、例えば
５対１、で減速する。所望に応じて、減速比を他
の比率、例えば10対１に対することもできること
勿論である。減速ギヤ装置の主たる目的は、速度
を減じて、減速ギヤ装置の出力シヤフト７７が極
めて低速、例えば１分間当り1500回転の速度から
ほとんど静止している速度に至る回転速度にする
ことである。

二つのカム、即ち投薬カム８１及びピストン．
カム８２が出力シヤフト７７に取りつけられてお
り、ピン８３によつてシヤフト７７に固定されて
いるので、両カム８１及び８２はシヤフト７７と
一体になつて回転する。シヤフト７７の外側端部
は、ねじ８６によつて鉛直プレート６２に固定さ
れたＬ字形部材８４に支持されている。Ｌ字形部
材８４は、シヤフト７７の外側端部を支承する軸
受８７を支えている。（第３図参照） 投薬カム８１は、ピン９２上で回転しているロ
ール９１と係合している。ピン９２は、鉛直部材
６２に取りつけられた一対の植込みボルト９４に
よつて鉛直プレート６２に鉛直移動自在に取りつ
けられた滑動部材９３の下端部に取りつけられて
いる。植込みボルト９４は、滑動部材中に設けら
れた細長いスロツト９６を貫通して延びている。
各植込みボルトの外側端部にはワツシヤー９７が
取りつけられていて、保持リング９８によつて所
定位置に保たれている。滑動部材９３はＬ字形で
あり（第２図参照）、長いほうの脚部９３ａにほ
ぼ鉛直方向に延び、短いほうの脚部９３ｂはほぼ
水平方向に延びている。短いほうの脚部９３ｂ
は、予定計数装置１０１は、例えばビーダー・ル
ート（Veeder Root）から供給される装置のよ
うな公知の型の装置である。計数装置１０１は予
備決定型の装置であつて、所望する投薬量をc.c.単
位で設定することができる複数の車輪形手動ダイ
ヤル１０２を有する。例えば手動輪即ち手動ダイ
ヤル１０２の最下位ダイヤルは0.2c.c.単位の増分
調整を行ない得るものであり、計数装置１０１の
内部で最大総量999.8c.c.までの範囲で設定を行な
うことができる。第１図及び第２図からわかるよ
うに、制御装置２２の右側上部前方からダイヤル
１０２に触れることができる。計数装置１０１が
所定数に予め設定されると、出力シヤフト７７が
一回転すると滑動部材９３が持ち上げられて、計
数された全量から一増分、例えば0.2c.c.又は２ミ
リメートル、相当の増分が減算される。

Ｌ字形滑動部材９３の短かいほうの脚部９３ｂ
には凹部１０２が設けられていて、この凹部によ
つて脚部９３ｂは屈曲できるようになり、従つて
脚部の外側端部を予定計数器の駆動ピン９９に対
して適切な位置に調節することができる。

ピストン・カム８２は、例えば保持リング１０
９のような部材によつてロール・アーム１０８の
下端部に固定された植込みボルト１０７に取りつ
けられたボール・ベアリング装置１０６と係合し
ている。植込みボルト１０７にはスペーサー１１
１が配設されていて、ロール・アーム１０８とボ
ール・ベアリング装置１０６との間隔を所定間隔
に保つている。ロール・アーム１０８は、例えば
リベツト固定のような適当な方法で、鉛直プレー
ト６２に支持された大きな植込みボルト１１３に
回転自在に取りつけられたスリーブ軸受１１２に
固定されている。軸受１１２は、植込みボルトと
係合する保持リング１１４によつて、植込みボル
ト上の所定位置に保持される。

屈曲アーム１１６が設けられており、この屈曲
アームの上端部はスリーブ軸受１１７にリベツト
で取りつけられており、スリーブ軸受１１７は軸
受１１２に回転自在に取りつけられているので、
ロール・アーム１０８の回転軸と同軸の軸上で回
転する。ロール・アーム１１８と屈曲アーム１１
６とは、互いに独立して移動できるよう取りつけ
られている。円筒形部材１１８が屈曲アーム１１
６に取りつけられていて、通常はロール・アーム
１０８の一側部の下方に位置している。屈曲アー
ム１１６には、直角に外方に延びるタブ１１９が
設けられている。ばね１２１の一端部がタブ１１
９に固定され、ばね１２１の他端部は、ロール・
アーム１０８の一部分である耳部１２３に取りつ
けられたピン１２２に固定されている。

駆動アーム１２６の上端部は、例えばリベツト
のような適当な部材によつて駆動アーム軸受１２
７に固定されている。スリーブ軸受１２７は植込
みボルト１１３に回転自在に取りつけられてい
て、保持リング１２８によつて該ボルト上に保持
されている。ロール・アーム１０８には、前方に
延びる耳部１２９が設けられている（第２図参
照）。ばね１３１の一端部は耳部１２９に固定さ
れ、他端部は駆動アーム１２６上に設けられた耳
部１３２に固定されている。

公知の型の板ばねスイツチ装置１３３が、駆動
アーム１２６に設けられた外側に延びる耳部１３
４に固定されている。板ばねスイツチ装置１３３
は、２枚の板ばね１３６及び１３７と中央板ばね
１３８とを有し、接点部１３９を支持している。
中央板ばね１３７には延長部１３７ａが設けられ
ていて、この延長部がロール・アーム１０８に支
持された円筒形ピン１４１と係合する。

Ｌ字形部材即ちＬ字形ブラケツト８４に固定さ
れたピン１４４に旋回自在に取りつけられたレバ
ー１４３から成り、ロール・アームの行程を調節
する装置が配設されている。レバー１４３には偏
心部材１４６が取りつけられていて、ブラケツト
８４にねじ込まれているねじ１４７によつて位置
づけられて、ピボツト・ピン１４４上のピボツ
ト・アームの角度調節を行なう。調節レバー１４
３を所望位置に係止するもう１本のねじ１４８が
ある。調節レバー１４３には、ロール・アーム１
０８の下端部と係合し、ロール・アームの下端部
の移動を一方向に制限している耳部１４９があ
る。以下に説明するように、上記の調節を行なう
ことにより、ピストン変位の正確度を定めること
ができる。

180度の拡がりを持つシヤツター１５１が投薬
カム８１に固定されていて投薬カムとともに回転
し、該投薬カムに設けられたボス１５３にねじ込
まれたねじ１５２によつて固定されている。シヤ
ツター１５１はハウジング１５６に設けられたス
ロツトを通つて移動し、該ハウジングの内部のス
ロツトの一方側に配設された光電管（図示せず）
の形の光電探知装置と、ハウジング１５６の内部
のスロツトの他方側に取りつけられた白熱ランプ
の如き光源（図示せず）とがハウジングによつて
支持されているシヤツター１５１を回転させた場
合、該シヤツターは180度の回転角度の間、光電
管への光の通過を遮断し、シヤツター１５１が残
る180度回転する間、光線は通過して光電管に送
られる。ハウジング１５６は、鉛直プレートに取
りつけられたＬ字形ブラケツト１５７に支持され
ている。

ピストン・カム８２が回転すると、屈曲アーム
１１６に支持された植込みボルト１１８によつて
ピストン・カム８２の制御下においてロール・ア
ーム１１８の下端部が前後に移動して、駆動アー
ム１２６に動きを伝える。特に第２図を見ればよ
くわかるように、駆動アーム１２６は前方に延び
る部分１２６ａを有し、この前方延伸部分１２６
ａの外側丸め端部１２６ｂは、ポンプ駆動装置４
６のピストン又はプランジヤー１６１の上端部と
係合している。

ポンプ駆動装置４６は、前面パネルの水平部分
６３ｄに設けられた孔部１６２の内部に取りつけ
られている。ポンプ駆動装置は、適当な物質、例
えばプラスチツクから成るポンプ受容器１６３を
有する。ポンプ受容器は、外端部がねじ１６５に
よつて前面パネル６３の部分６３ｄに固定された
平らな板状部材１６４を有する。この板状部材１
６４には、その内部に形成され中央に位置する開
口部１６６がある。板状部分には第一環形段１６
７及び第二環形段１６８が設けられており、これ
らの環形段は開口部１６６と同心円形である。円
形の流体搬送膜１７１が開口部１６６の内部に配
設されていて、この膜は段１６７に取りつけられ
貯槽形成部材１７３によつて締めつけられる外側
段つき環形縁部１７２を有する。貯槽形成部材１
７３は超音波熔接のような適当な方法でポンプ受
容器１６３に接着されているので、貯槽形成部材
１７３と柔軟な流体搬送膜１７１の間には液密の
シールが形成される。

貯槽形成部材１７３の上端部には、ピストン・
プランジヤー１６１の下端部を受容する孔部１７
４が設けられている。ピストン又はプランジヤー
と貯槽形成部材１７３との中間で液密なシールを
形成する適当な部材が配設されているが、この部
材は貯槽形成部材１７３の上端部に嵌め込まれた
Ｏリング（第２図参照）から成る。ピストン案内
キヤツプ１７７が貯層形成部材１７３の上端部に
取りつけられ、例えば超音波熔接等の適当な方法
によつて上端部に接着されている。ピストン案内
キヤツプ１７７には円筒形部分１６８が設けられ
ていて、この円筒形部分にピストン１６１が滑動
自在に取りつけられている。ピストン又はプラン
ジヤー１６１は、貯槽形成部材１７３に対して最
内側位置と最外側位置との間で移動することがで
きる。プランジヤー又はピストンを後退位置即ち
最外側位置に戻す屈曲自在のばね部材が配設され
ているが、このばね部材はピストン案内キヤツプ
１７７の円筒形部分１７８に取りつけられている
螺線形のばね１７９から成る。ばね１７９の一端
部はピストン案内キヤツプ１７７と係合し、他端
部はピストンに取りつけられたリング１８１と係
合していて保持リング１８２によつてピストン上
に保持されている。ピストン１６１が貯槽形成部
材１７３から後退するのを防止する部材が設けら
れているが、この部材はピストン１６１の下端部
に設けられた環形みぞ１８４に嵌め込まれたＯリ
ング１８３から成る。第２図からわかるように、
ピストン１６１は、膜又はダイヤフラム１７１と
貯槽形成部材１７３によつて形成される室即ち貯
槽１８６の内部にまで延びる。この室即ち貯槽１
８６には、通常はねじ１８９によつて閉鎖されて
いる孔部１８８を通つて、適当な非圧縮性液体１
８７が充填される。充填に適した液体１８７の一
例は、ダウ・コーニング（Dow Corning）から
供給される＃700流動シリコーンである。このシ
リコーンは低粘度であるから、室１８６の全ての
割れ目を充たすので室１８６内の全ての空気が確
実に置き換えられる。このシリコーン液は非脱ガ
ス性であるから、プランジヤー１６１が少しでも
移動すればこの移動は確実に液体１８７の同様の
移動によつて直接に表現される。

ポンプ受容器１６３のプレート状部材１６４の
対向端部上には、下方に延びる半円形延長部１９
０が設けられている。更に、内側にねじを切つた
孔部１９２を持つ一対のボス１９１が設けられて
いる。孔部１９２には、弁係合ねじ１９３及び１
９４がねじ込まれている。

上記のポンプ駆動装置４６の全ての部品は、好
ましくはゴム製の膜１７１を唯一の例外として、
比較的安価なプラスチツクから製作することがで
きる。ばね１７８及び保持リング１８２は金属製
にすることができる。ねじ１８９はプラスチツク
製でも金属製でもよい。Ｏリング１８３及び１８
９はゴム製にすることができる。ピストン又はプ
ランジヤー１６１は、例えばテフロン
（Teflou；商品名）のような適当なプラスチツク
材料から製造することができる。

ポンプ装置３７は同様に基本的にはプラスチツ
ク製にして、できるだけ少数の部品から構成し比
較的安価なものにして、使用後には使い捨ててし
まうことができるようにする。

ポンプ装置３７は基本的には、ポンプ体部１９
５を形成する三つのプラスチツク製部品から成
る。第一は底部部材１９６であり、第二は中央部
材１９７であり、第三は上部部材１９８である。
ポンプ弁膜１９９が中央部材と上部部材の中間に
配設されている。上記の三つの全ての部材は超音
波によつて一体に接着されていて、ポンプ弁膜１
９９を所定位置に位置させている。底部部材１９
６には、外縁部に直立舌部２０２を持つ平らな底
部壁２０１が設けられている。底部壁２０１と一
体構造の入口取付具２０３及び出口取付具２０４
が形成されていて、入口通路２０６及び出口通路
２０７が貫通して延びている。

中央部材１９７にも平らな壁２１１が設けられ
ていて、この壁は底部壁２０１とほぼ平行であ
る。壁２１１には中央に位置する開口部２１２が
設けられている。吊れ下り壁２１３が壁２１１か
ら吊れ下つていて底部部分１９６の底部壁２０１
に設けられた直立舌部２０２の内部に嵌合する形
状であるので、両部材を超音波で熔接すれば、両
部材間に液密のシールが形成される。部材１９６
と１９７とによつて、中央に位位置するポンプ室
２１６が形成される。

中央部材１９７には、壁２１１を貫通する一対
の円筒形凹部２１７及び２１８が設けられてい
る。一対の突起部２１９及び２２１が中央部材１
９７の上部に形成されていて、これらの突起は底
部部材１９６に設けられた円筒形凹部２２２の内
部に嵌め込まれている。突起部２１９には孔部２
２３が設けられていて、孔部２０７と連通してい
る。孔部２２３は円筒形凹部２１７の一方と連通
している。突起部２２１には、孔部２０６と連通
する孔部２２４が設けられている。孔部２２４は
凹部２１３の中央に向いて上方に延びている。中
央部材１９７には、孔部２２４を取り囲む弁座２
２６が設けられている。同様の弁座２２７が中央
部材１９７の凹部２１７に設けられていて、凹部
２１７の中央に向いて上方に延びる孔部２２８を
取り囲んでいる。孔部２２８は、中央に配設され
た室２１６に開口する通路２２９と連通してい
る。中央部材には通路２３１が設けられていて、
室２１６と円筒形凹部２１８とを連通させてい
る。

ポンプ弁膜１９９は、弁座２２７及び２２６と
夫々係合する一対の部材２３３及び２３４を有す
る。ポンプ弁膜１９９は、例えばエラストマーの
如き適当な物質から成る。各弁部材は皿を倒立さ
せた形の部分２３６を有し、ステム２３７によつ
て支持されている。各ステム２３７の上端部は円
形デイスク２３８と一体構成である。各デイスク
２３８の外縁部分は符号２３９で示すように拡大
していて、Ｏリングと同様の形状になつている。

更に、ポンプ弁膜１９９には、中央に位置する
開口部２１２を囲繞する上方に延びる舌部２４７
の上部に嵌合する。中央に位置する円形膜即ちダ
イヤフラム２４１が設けられている。ポンプ弁膜
１９９には更に、ダイヤフラム２４１と同心の符
号２４３で示す拡大部分があり、Ｏリングと同様
の断面の形状になつている。

ポンプ弁膜１９９は上部部分１９８によつて中
央部材内部の所定位置に締めつけられていて、符
号２３９及び２４３で示されるＯリング状部分を
締めつけ合わせることにより、室２１６と凹部２
１７及び２１８との間に液密シールを形成させ
る。上部部分１９８は、壁２１１及び壁２０１と
平行な平らな壁２４６を有する。中央に位置する
開口部２４７が設けられていて、該開口部を貫通
してダイヤフラム２４１が延伸することができ
る。図面からわかるように、ダイヤフラム２４１
の上面は、壁２４６の上面と同一平面上にある。
壁２４６の開口部２４７の反対側には二つの小さ
な開口部２４８及び２４９が設けられていて、弁
係合ねじ１９３及び１９４の下端部を受容して後
述するように弁部材２３３及び２３４を調節を行
なうことができる。

ポンプ装置３７は、ポンプ受容器１６３の半円
形延長部１８９に容易に挿入することができ、ね
じ１９３及び１９４が孔部２４８及び２４９を貫
通して延びて弁部材２３３及び２３４を支持して
いるデイスク２３８と係合できるよう構成されて
いる。又、後述する目的に合うようダイヤフラム
２４１は流体搬送膜１７１と密着させられてお
り、環形舌部２４２をポンプ３７に締めつけ且つ
もう一つの環形舌部２５０を舌部２４２に重なつ
た貯槽形成部材１７３に締めつけることによりダ
イヤフラムの外縁部には液密のシールが形成され
る。

各弁座２２６及び２２７には、孔部２２６を弁
座２２６に対して取り囲んでいる円筒形立上り部
分２５１（第８図及び第９図参照）が設けられて
いる。弁座の一部分として立上つた環形リム２５
２が設けられていて、円筒形立上り部分２５１を
囲繞し該立上り部分から離間していて環形凹部２
５３が形成されている。第８図からわかるよう
に、リム２５２の高さは円筒形立上り部分２５１
の高さより僅かに高い。複数の半径方向みぞ即ち
半径方向通路２５４が円筒形立上り部分２５１に
設けられていて、中央孔部２２４はざ環形凹部２
５３に延びている。第９図に示すように、これら
のみぞは円筒形立上り部分２５１の上面でＸを形
づくつている。弁座２２６及び２２７並びに弁部
材２３３及び２３４の形状は、負圧及び正圧の両
方で優れた弁着座能力を発揮する形状である。更
に、良好な密封を行なうためには小さな絞り圧し
か必要としないものである。円筒形立上り部分２
５１にみぞ２５４が設けられているので、流体は
凹部２５３に流れ込んで、弁部材のステム２３７
により高い圧力が加わつているときでも弁部材の
きのこ形又は皿形部分２３６を開口させることが
できる。従つて、弁部材２３３及び２３４の開
放・閉鎖は、弁部材のステムに印加されている圧
力によつてではなく、主として皿形又はきのこ形
弁部材２３６の他方縁部即ち他方フラツプ部分に
よつて定められる。従つて、弁部材は、弁ねじ１
９３及び１９４によつて行なわれる調節に鋭敏で
はなくなる。

ポンプ装置３７を締めつける部材が設けられて
いるが、この部材は、第２図中で実線で示すポン
プ係合位置から第２図中で点線で示すポンプとは
係合していない離間位置に移動することができる
クランプ部材２６１から成る。クランプ部材２６
１は、Ｕ字形ブラケツト２６３に支持されたピン
２６２に旋回自在に取りつけられている。ブラケ
ツト２６３は、例えばプラスチツクのような適当
な物質製のプレート２６６に取りつけられてい
る。ブラケツト２６３及びプレート２６６は、ナ
ツト２６８にねじ込まれたねじ２６７によつて前
面パネル６３に固定されている。クランプ部材２
６１の側面はほぼＬ字形であり、上部カム面２７
１を有する。上部カム面２７１はほぼ鉛直な部分
２７１ａを有し、この部分２７１ａがプレート２
６６と係合する。上部カム面には更に、前方下向
きに傾斜した面部分２７１ｂと、後方下向きに傾
斜した部分２７１ｃとが設けられている。カム面
２７１の頂点を符号２７１ｄで示す。面２７１ｂ
及び２７１ｃの長さは、第２図に示すようにポン
ンプ装置３７を所定位置に置いたときに、クラン
プ部材の最高部分２７１ｄがポンプ装置３７の中
心を通過する長さである。換言すれば、クランプ
部材２６１は、中心越え位置に摩擦係止されてい
る。クランプ部材は、ポンプ装置３７をポンプ受
容器１６３に係止している位置と、第２図に点線
で示すようにポンプ受容器１６３から取りはずす
ことができる離間位置とに移動することができ
る。

クランプ部材２６１がポンプ保持位置にあると
きには、前面２７１ａがマイクロスイツチ２７４
の作動レバー２７３の一端部と係合し、スイツチ
を開放位置に保つ。マイクロスイツチ２７４は、
フレーム部材６２に設けられた開口部２７６に取
りつけられている。マイクロスイツチ２７４は、
ステツプ・モータ７２を駆動するために用いる電
子回路に接続されている。

公知の型の流量設定デジタル制御計数器２８１
が、前方から見て傾斜前面パネル部分６３ｃの上
部左側部分に取りつけられている。計数器２８１
には、ステツプ・モータの作動速度を予め設定す
るために用いることができる複数のダイヤル２８
２が設けられている。計数器の目盛は１時間当た
りのc.c.数で目盛られていて、例えば流量は１c.c.単
位で１時間当たり１c.c.から600c.c.の範囲に設定す
ることができる。

モータ７２への電力と制御装置の内部に設けら
れた電子回路とを制御する切換スイツチ２８６が
前面パネル６３に取りつけられている。ステツ
プ・モータにエネルギーを供給して流量設定計数
器２８１に設定された設定値に従つて所定流量に
させる公知の型の電子回路が設けられている。前
面パネル６３上には三つの光２８７，２８８及び
２９８が設けられている。光２８７は、「遮断光」
と呼ばれるものであり、ばね１２１が引き伸ばさ
れてロール・アーム１０８に対して屈曲アーム１
１６を移動させ、スイツチ１３３の板ばね１３７
及び１３８によつて支持されている接点が閉鎖す
る圧力過大のときに点燈される。光２８８は、
「アイドル・ライト」であり、所定投薬量計数器
１０１によつて設定された全ての流体が送出され
てしまつたときに点燈される。この光が点燈され
ると直ちに、電子回路のスイツチが、１時間当た
り１乃至15c.c.の範囲の開放保持針速度に入る。

光２８９は「警戒光」と呼ぶことができるもの
であり、負圧状態又はその他の何らかの誤操作モ
ードを示す。例えば、クランプ部材２６１とレバ
ー・アーム２７３との係合がはずれた場合には、
スイツチ２７４が閉成されて警戒光２８９が励起
される。負圧が検出されて板ばね１３８及び１３
６の接点がばね１２１の力によつて合わさり回路
が閉成された場合にも光２８９が出る。

緊急事態における電力を確保し且つポンプ装置
を交流光源から独立させて作動させることができ
るよう、第１図で見てケース５１の後面の上部左
側の隅にバツテリーと充電回路モジユール２９１
とが取りつけられている。バツテリー及び充電回
路モジユールには、通常の110ボルトの交流出力
に接続してバツテリーに充電電流を供給するとと
もにポンプ装置に電力を供給する電力コード（図
示せず）が設けられている。モジユール２９１に
は二つの光２９２及び２９３が設けられていて、
光２９２はバツテリーが使用又は充電状態である
ことを示し、光２９３はバツテリーの出力が低下
したことを示す。

以下に、静脈注射液ポンプ装置の作動及び使用
法について簡単に説明する。出口チユーブ３９を
弁取付具３８に接続しチユーブ３４を入口取付具
３６に接続することによりポンプ装置をセツトし
たとする。更に、入口チユーブ３４を1976年５月
24日付で米国特許庁に出願した米国特許出願第
689114号明細書に記載されている汎用滴下室スパ
イク装置３２に接続したとする。ポンプに静脈注
射流体を充填し、ロール形クランプ４２でチユー
ブ３９を閉鎖したとする。スパイク装置３２のス
パイクをびんの停止部３１に挿入する。出口取付
具３８が入口の上方に来るようポンプ３７を保持
する。クランプ４２をゆるめて流体をポンプに流
入させ空気を押し出す。液体は更に通路２２４を
通つて上方に流れて、弁部材２３４を弁座２２６
から遠ざけて、流体は凹部２１８に流入し次いで
通路２３１を通つてポンプ室２１６に流入する。
次いで液は通路２２９に入り、孔部２２８を介し
て弁部材２３３に入り弁部材２３８を弁座２２７
から遠ざけて、液体は凹部２１７に入り次いで孔
部２２３及び孔部２０７を通つて出口取付具３８
を通り外に出てゆく。液体は、アダプタ・カラー
４１及び該アダプタ・カラーに接続された針を通
り抜けて、ポンプ及び該ポンプに接続された配管
から全ての空気が除去されたことが示されるま
で、流し続けられる。上記の空気除去が行なわれ
ると直ぐに、クランプ４２を閉鎖位置に移動させ
る。液体の圧力によつてダイヤフラム２４１は外
向きに彎曲して、球の一部分の形になる。

ポンプ３７がポンプ駆動装置４６の内部に取り
つけられていない場合には、弁は弁座と係合して
いないから、ポンプは実際上通り抜け装置とな
り、上述のように容易に液体で充填され或いは滴
下装置として使用される。

充填後のポンプ３７をポンプ受容器１６３に挿
入し、クランプ部材２６１を第２図に点線で示す
位置から第１図に実線で示す位置に移動させて所
定位置に締めつけることにより、カム面２７１を
ポンプと係合させて上方に移動させポンプ駆動装
置４６としつかりと係合させる。クランプ部材は
中央を越える位置に移動してクランプ及びポンプ
を所定位置に保持し、クランプはスイツチ２７４
の作動レバー２７３と係合する。

既に指摘したように、ポンプ３７のダイヤフラ
ム２４１は外側に突出しているから、ポンプ３７
をポンプ受容器の内部に位置させた場合にダイヤ
フラム又は膜２４１は先ず最初は中央でダイヤフ
ラム又は部材１７１と係合し、次にポンプ３７が
クランプ部材２６１によつて上方に押圧されると
膜２４１と膜１７１との間の空気は中央部分から
外側に向けて押し出され、両膜２４１及び１７１
は中間部分に空気のない完全な接触を行なう。更
に、舌部２４２及び２５０によつて２枚の膜２４
１及び１７１の外縁部の中間にはシールが形成さ
れているから、両膜は１枚の膜と同様に一体にな
つて作用する。

２枚の膜２４１及び１７１が互いに接触せしめ
られたときには、弁ねじ１９３及び１９４はポン
プ３７の上部部分１９８の内部に設けられた開口
部２４８及び２４９を貫いて延びて弁部材２３３
及び２３４のステム２３７の直ぐ上に重なつてい
る伸縮性のデイスク２３８と係合する。弁ねじ１
９３及び１９４を調節して、これらのねじが弁部
材２３３及び２３４を正常な状態においては弁座
２２６及び２２７に対して閉鎖された状態に押圧
するようにする。

着脱自在のポンプを所定位置に置いた直後に、
制御装置を調整して作動を開始させる。例えば、
ダイヤル１０２を適宜に調節して、所定量の投薬
例えば200c.c.の投薬が患者に与えられるよう投薬
計数器を設定すればよい。投薬量を決定した後
に、供給速度を流量計数器２８１に設定する。例
えば、予想投薬量として患者に200c.c.の流体を供
給することにすると、１時間当たりの流量を100
c.c.にして２時間以内に患者が200c.c.の流体を受け
取るようにすることもできる。ダイヤル２８２を
調節して流量を設定する。次に、スイツチ２８６
をまわして上述のようにポンプを作動させる作動
位置に制御装置を位置させて、流体をアダプタ４
１に接続された針に供給する。スイツチ２８６を
駆動させると直ちに制御装置２２を切ることがで
きる。次いで、適当な方法で針を患者の静脈に挿
入してスイツチ２８６を所定位置に入れることが
できる。

スイツチ２８６をまわして入力位置にすると、
直ちに電力が電子回路（図示せず）に供給され、
該電子回路が流量計数器２８１に設定された流量
に従つて信号がステツプ・モータに供給され、出
力シヤフト７７がデジタル式に定められた所定速
度で回転する。

上に述べたように、シヤフト７７の回転によ
り、投薬カム及びピストン・カム８２が回転させ
られる。投薬カムの回転によつて滑動部材９２が
上昇させられて、駆動ピン９９を移動させ、投薬
カム８１の一回転毎に投薬量計数器１０１から例
えば0.2c.c.ずつの一増分だけ減算が行なわれる。

同時に、ロール・アーム１０８に支持されたボ
ール・ベアリング装置１０６がピストン・カム８
２と係合すると、ピストン・カム８２が回転して
ロール・アーム１０８の自由端部を移動させる。
ロール・アーム１０８の上記の動きは該ロールに
支持された植込みボルト１２２によつてばね１２
１に次いで屈曲アーム１１６に接続された耳部１
１９に伝えられて、正常な状態では屈曲アームは
ロール・アームとともに移動する。ロール・アー
ムを駆動アーム１２６に接続するばね１１３によ
つて、駆動アームは屈曲アーム１１６及びロー
ル・アーム１０８とともに弾性移動させるられる
ので、ピストン・カム８２の一回転毎にピストン
１６１はばね１７８の力に抗して下方に押し下げ
られる。ピストン１６１が下方に動いて貯槽１８
６に入ると、液体１８７は強制的に押し出され或
いは変位させられて、第１０図に示すように膜１
７１及び２４１を下方に偏向させる。膜１７１及
び２４１の下方偏向によつて、ポンプ室２１６の
内部の液体が押し出される。押し出された液は矢
印２９６で示すように通路２２９を通り、次いで
孔部２２９を上向きに流れて弁部材２３８と弁座
２２７との係合を解除して液体を凹部２１７に流
入させ、次いで孔部２２３を通つて下向きに流れ
出口取付具３８の内部に設けた孔部を降下して出
口チユーブ３９に流入した患者に供給される。上
に述べたように、ピストン１６１の行程を調節す
ることにより、各行程毎に所定量の液体、例えば
0.2c.c.の液体がポンプから排出されるように調整
することができる。

上述のように、制御装置内で使用する電子回路
は、流量計数器２８１の制御下においてステツ
プ・モータを一定速度で駆動させて、所定期間内
に必要な投薬を与えるものである。ピストン１６
１の下降行程はシヤツター１５１の180度回転に
よつて示され、シヤツター１５１は180度の角度
をなしている。この期間中は、光電管が遮蔽され
ている。下降行程が終了するや否や、シヤツター
が光路外の位置に移動するので、光電管は光源か
らの光に露光される。露光が行なわれると直ち
に、電子回路がステツプ・モータ７２を速やかに
ステツプさせるので、比較的短時間で出力シヤフ
トが迅速に180度回転する。この戻り行程の時間
はできるだけ短かくして、静脈注射液の連続流を
患者に与えるために利用できる時間を多くしてあ
る。投薬流量がどのような値であるときでも、戻
り行程時間は一定である。他方、下降行程は流量
計数器１８１によつて直接制御される。ピストン
１６１は、ばね１７９によつて戻り行程時には上
方に移動する。このばねは、ロール・アーム１０
８に支持されているボール・ベアリング・ロール
１０６をピストン・カム８２と係合させ続ける働
きをする。

プランジヤー１６１の下降行程中の作動を第１
０図に示す。上昇（戻り）行程中のポンプ３７の
作動を第１１図に示す。これらの図に示されてい
るように、ピストン１６１が戻り行程を開始する
と直ちに、彎曲自在の膜１７１及び２４１が上方
に彎曲する。ピストン１６１が引き出されると、
室１８６の内部の液体１８７の排出量が減少し、
これに伴なつて第１１図に示すように膜１７１が
内側に彎曲する。室２１６の内部にも同様の圧力
降下が起こる。膜２４１は膜１７１に従動し、出
口弁部材２３３が弁座２２７に対して閉鎖位置に
移動する。更に、チユーブ３４を通つて入口取付
具３６に供給されている静脈注射液の力によつ
て、入口弁部材２３４の外側縁部が上方に彎曲す
る。次いでは液は孔部２０６を通り、孔部２２４
を通り次いで弁座２２６を通過して円筒形凹部２
１８に入り、矢印２９７によつて示されているよ
うに、通路２３１を通つてポンプ室２１６に送入
される。ピストン１６１の吸入行程即ち戻り行程
中にポンプ室内に入つた余分な静脈注射液は、ピ
ストン１６１の次の下降行程中にポンプ３７によ
つて出口取付具３８に排出される。

従つて、制御装置２２が作動し続けているの
で、ピストン１６１の各下降行程毎に、投薬計数
器１０１から0.2c.c.を示す一カウントが減算され
る。このようにして、作動を監視している看護婦
は機械的な計数器１０１の動きに注目して流体が
患者に供給されているか否かを確かめることがで
きる。この操作は投薬全量が患者に与えられるま
で続き、投薬の全てが与えられた時点で計数器１
０１は999.8の数になり、電子回路に患者への投
薬が完了したことを指示する。これによつて電子
回路はアイドル・ライト２８８を点燈させて、電
子回路は自動的に、上述の場合には１時間当たり
１c.c.乃至15c.c.或いはその他の所望アイドル流量で
ステツプ・モータを作動させる。更に、上記の信
号を用いて可聴警報を発生させることもできる。
警報を聞いた看護婦は警報を切つて、針開放保持
流量である低流量で制御装置２２を作動させ、所
望する場合にはポンプ・セツトを更にあとで静脈
注射液を患者に分与するために使用することもで
きる。

例えばびん２７が空になつた場合等に惹き起こ
される可能性のあるポンプ３７の内部が真空にな
つた場合には、ばね１７８はプランジヤー１６１
を復帰させるだけの力を持たないことになる。然
し乍ら、ピストン・カム８２が移動し続けロー
ル・アーム１０８がピストン・カムに従動し該ア
ームに支持されているピン１４１と板ばね部分１
３８ａとの係合がはずれて下方に移動して板ばね
１３６に支持されている接点と係合して、回路を
閉成し、光２８９を励起する警戒警報を作動さ
せ、所望する場合には可聴警報が発せられる。い
つたん警戒回路が励起されると電子的に係止され
て、ピストン・カム８２が反復回転してピン１４
１が再び板ばね部分１３８ａと係合するように移
動しても警戒警報が切れてしまわないようにする
装置を電子回路内に組み込んでおく。

看護婦は、警戒警報を開くと直ぐにスパイク装
置３２に新しい静脈注射液びんを置くことによ
り、事態を収拾することができる。新しいびんが
置かれると直ちに、上述の米国特許出願第689114
号明細書に記載されているように、滴下室は液で
充填される。ポンプ内の真空状態は取り除かれ、
ばね１７８はピストン１６１を復帰させるに充分
な力になるので、板ばね部分１３８ａは正常な位
置に戻り、電力切換えスイツチ２８６を先ず「オ
フ」に次いで「オン」にすれば、警戒警報装置の
作動を停止させることができる。

例えば看護婦が誤まつてチユーブ上のクランプ
４２をポンプ３７のデジタル端部に置いたままに
している場合等においてポンプ内の圧力が過大に
なつた場合には、ピストン１６１を下方に移動さ
せるために過大な力が必要になる。このような事
態が起こると直ちに、屈曲ばね１２１がたわん
で、屈曲アーム１１６とロール・アーム１０８と
の関係及び屈曲アームと駆動アームと関係を変化
させ、ロール・アームに支持されているピン１４
１をスイツチ１３３に対して上方に移動させ、板
ばね１３７との間で接触閉鎖を行なわせて遮蔽光
２８７を励起させる閉成回路をつくらせるので、
警報を耳にした看護婦は直ちに事態を収拾するこ
とができる。本発明による装置は、針の内部の凝
固物によつて或いは患者がチユーブ等の上に横た
わることによつて過大圧力状態になつた場合に
も、過大圧力状態を検知できるよう構成されてい
る。例えば10乃至15psiの所定範囲の圧力になつ
たとき警報が出されるように、調節することは容
易である。従つて、容易にわかるように、ピスト
ン１６１を駆動するために上記の如き機構を用い
れば、設備又は患者に危険を与える可能性のある
過大圧力状態になることはない。

本明細書に開示する構造を用いれば、ピストン
１６１の行程を制限して、ピストンの各工程毎に
排出される流体量を正確に定めることができる。
上昇行程即ち復帰行程はピストン・カムの底部位
置によつて制限される。然し乍ら、本明細書に記
載した構造では、上昇行程はレバー１４３上に取
りつけた耳部１４９の位置によつて制限される。
上述のように、耳部１４３の位置を調節すること
により、ピストン１６１の行程長さを調整して、
ピストンの各工程毎にポンプによつて圧送される
流体量を正確に定めることができる。

確実作動ポンプによつて患者に供給される静脈
注射液の流れを確実に制御する必要がないときに
は、クランプ２６１を非係合位置に動かすことに
よりポンプ受容器１６８からポンプ３７を取りは
ずすことができる。ポンプをポンプ駆動装置４６
から取りはずせず、直ちに弁部材２３３及び２３
４が弁座２２６及び２２７と係合していない状態
になり、ポンプは事実上通り抜け装置になる。そ
の後においては、患者への静脈注射液の流れは、
汎用滴下室スパイク装置３２又はその他の所望す
る装置によつて制御することができる。確実作動
ポンプを再び使用することを望む場合には、単に
上述のようにしてポンプ受容器１６３の内部にポ
ンプを入れ、確実作動ポンプの力によつて患者の
静脈に静脈注射液を送り込めばよい。従つて、容
易に理解できるように、静脈注射装置と患者との
接続を断ち切ることなく、ポンプ３７を流体供給
用の確実作動ポンプとして使用することもでき、
通り抜け装置として使用することもできる。

上記の静脈注射液圧送装置は多くの特徴及び利
点を持つことは明らかである。主要な特徴の一つ
は、ダイヤフラム又は膜２４１と弁部材２３３及
び２３４とを形成する僅かなゴム製部品を除いて
は、全てがプラスチツク製の極めて少数の部品に
よつてポンプ３７が構成されていることである。
これは、ポンプの部品の製造及び組立てが簡単で
あることを意味する。又、比較的安価にポンプを
製造することができるので、患者によつて使用さ
れた後のポンプを使い捨てることができる。膜２
４１が菌に対する障壁として働くから、ポンプ３
７の内部を移動して患者に供給される静脈注射液
を外部から隔離することができる。

普通はポンプに組み入れられる高価な部品、例
えば可動ピストン等はポンプ駆動装置４６に配設
されている。上にも述べたように、ポンプ駆動装
置４６は制御装置の永久的な部品を構成してい
る。ピストン１６１は２枚の膜２４１及び１７１
によつてポンプ室２６１から隔離されているけれ
ども、これら２枚の膜が互いに密着しているピス
トン１６１の動きに従つて一体で正確に従動し、
ピストン１６１によつてピストン自身の室１８６
の内部で排出される正確な流体量がポンプ室２１
６から排出されるから、ポンプ内で正確度が低下
することはない。

制御装置も比較的簡単であつてしかも極めて正
確に流体を計量し全投薬量を制御するという長所
を持つている。更に、利用する液体の脱ガス状態
をもたらすことなく、ポンプ内が負圧又は過大圧
力になつたときには警報が発せられる。

ポンプ駆動装置のもう一つの実施例を第５図に
示す。この実施例の多くの部材は上述の実施例の
部材と同じである。然し乍ら、貯槽形成部材１７
３の代わりに、修正した形の貯槽形成部材３０１
が配設されている。相違点は、環形舌状密封部材
即ち環形舌状密封リング３０６の一端部を支持す
る上方に延び外方に離間した内部舌片３０２が上
縁部に設けられていることである。密封部材３０
６には、ピストン１６１の側壁と係合して側壁と
密封係合する環形舌状部分３０７及び３０３が設
けられている。図からわかるように、舌状部分３
０７及び３０８は僅かに彎曲しているので、これ
らの舌状部分の端部間に僅かな凹部３０９が形成
される。

リング３１１はピストン１６１を取り囲み、密
封部材３０６と係合している。該リングには上述
のように密封部材３０６と係合する下方延伸舌部
及び上方延伸舌部３１２が設けられている。更
に、上部舌部３１２は上述の密封部材と同じ形の
もう一つの上部密封部材３０６と係合している。
円筒形キヤツプ３１３は、密封リング３０６及び
内部リング３１１の上部に嵌め合わされている。
貯槽形成部材３０６と係合する下向きに延びる舌
部３１６がある。ばね１７９は前述の実施例で述
べたと同じものであり、一端部がフランジ部分３
１４と係合しており、他端部がリング１８１と係
合している。ピストン１６１とリング３１１の内
面との間には環形空間３１８が形成されている。
この環形空間３１８には例えばシリコーンのよう
な適当な液体３１９が充填されていて、ピストン
１６１と円筒形キヤツプ３１３には液密で気密な
シールが形成される。従つて、容易にわかるよう
に、液体３１９は二つの密封部材３０６とともに
菌に対する障壁を形成するとともにピストン１６
１に対する液密で気密なシールを形成しているの
で、室１８６に空気が導入されることはない。こ
れは重要なことであつて、室１８６の内部にある
流体が実質的に非圧縮性であるから、ピストン１
６１の変位に従つて正確な計量を行なうことがで
きる。

もう一つ別の実施例を第１２図及び第１３図に
示してあるが、この実施例においてはダイヤル１
０２を有する予定計数装置１０１が該装置に組み
合わされた滑動自在のカバー３２１を有する。カ
バー３２１は前面パネル６３に滑動自在に取りつ
けられており、第１３図に点線で示す開口部３２
２を覆う閉鎖位置と、第１３図に実線で示すよう
な計数装置１０１を観察できる開放位置とに移動
する。

カバー３２１には、例えば「容量計数器及び開
放保持針流量は使用されていない」というような
適当な題銘を付しておくことができる。カバー３
２１に記載された作用機能を発揮させるために、
カバーが持ち上げられて制御装置の開放保持針流
量作動が作動していないときには、マイクロスイ
ツチ３２７を作動させるカム部材３２６をカバー
３２１に設けておく。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術によるスタンドに取りつけら
れ、従来技術によるびんから注射液を供給されて
いる本発明技術思想をとり入れた制御装置及びポ
ンプの斜視図である。第２図は、第１図に示す制
御装置の断面図である。第３図は、第２図に示す
制御装置の一部を断面で示す後面図である。第４
図は、第２図の４―４線に沿つて切断した断面図
である。第５図は、第２図に示す制御装置の内部
で用いられているポンプ駆動装置のもう一つの実
施例の断面図である。第６図は、ポンプ駆動装置
及びポンプの断面図であり、ポンプ駆動装置とポ
ンプとを離間させた、即ち分離させた、状態を示
す図である。第７図は、ポンプ作動を行なわせる
ために相互に締めつけたポンプ駆動装置及びポン
プの部分断面図である。第８図は、ポンプの部分
断面図であり、特に該ポンプ内で用いられている
弁座の構造を示す図である。第９図は、第８図に
示す弁座の部分平面図である。第１０図は、ポン
プ駆動装置及びポンプの断面図であり、ピストン
とポンプ駆動装置とが下向きに移動していると
き、即ち下向き行程時の作動を示す図である。第
１１図は、第１０図と同様の断面図であるが、ピ
ストンが上向きに移動しているとき、即ち上向き
行程時のポンプの作動を示す図である。第１２図
は、制御のもう一つの実施例の前面図である。第
１３図は、第１２図に示す制御装置の部分断面図
である。 ２２……制御装置、２６……静脈注射液源、３
４……チユーブ、３６……入口取付具、３７……
ポンプ装置、３８……出口取付具、３９……チユ
ーブ、１２６……駆動アーム、１６１……プラン
ジヤー（ピストン）、１６３……ポンプ受容器、
１７１……膜、１８６……室、１８７……非圧縮
性液体、２１６……ポンプ室、２３３……出口
弁、２３４……入口弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 静脈注射液を患者に投与するために使用する
   静脈注射液圧送装置において、該装置は、制御装
   置２２と連動するポンプ駆動装置４６と、ポンプ
   装置３７とからなり、前記ポンプ装置３７は一部
   分が可撓性の膜によつて覆われた密封室と、最内
   側位置と最外側位置との間で前記密封室に出入り
   することができるように取付けられたプランジヤ
   ーと、前記密封室に充満して上記プランジヤーが
   液に出入りするのに応じて上記膜を伸縮させる液
   体と、前記プランジヤーを移動させる移動装置と
   を備え、前記ポンプ装置３７は内部にポンプ室２
   １６を持つポンプ本体を有し、ポンプ室２１６は
   その一部が可撓性の膜によつて覆われており、前
   記ポンプ本体は、出口口部と、入口口部と、さら
   に出口口部及び入口口部を通る液体流を制御する
   出口弁２３６及び入口弁２３４と、入口口部を液
   体源に接続する部材と出口口部を患者に接続する
   部材とを有し、プランジヤーを移動させると前記
   両膜の合体移動によつて静脈注射液が強制的に前
   記ポンプを介して流動するように構成したことを
   特徴とする静脈注射液圧送装置。