JPH0120551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷凍装置などにおいて蒸発器又は疑縮
器として用いられる熱交換器に関する。

〔従来の技術〕

従来、冷凍装置としては第４図、第５図及び第
６図に示すような冷凍庫１が知られている。この
冷凍庫１は、断熱箱２の前面に形成した商品収納
及び取出用の開口３を透明扉４によつて開閉自在
にしている。断熱箱２の内側には、内面より適当
な間隔を存して区画板５、天板６ａ及び底敷６ｂ
が配置されている。区画板５、天板６ａ及び底敷
６ｂと断熱箱２の内面との間には、冷気通風路９
が形成されている。冷気通風路９のうち、区画板
５と断熱箱２の内面との間には、その下部にフイ
ン型蒸発器７及びその下部の送風機８が設置され
ている。天板６ａと底板６ｂとの間の貯蔵室１２
には複数の棚１０がある。これらの棚１０は区画
板５に支持されている。貯蔵室１２の前方には螢
光灯１１が備えられている。今、蒸発器７で熱交
換された冷気は第５図の矢印で示したように、送
風機８で冷気通風路９を強制通過させられる。冷
気は貯蔵室１２の前面にまで送られると、断熱箱
２の前面開口３にエアーカーテンを形成する。よ
つて貯蔵室１２は冷却される。

また冷凍庫１の下部には機械室１３が形成され
ている。この機械室１３の内部には冷気通風路９
に設置した蒸発器７と共に冷凍サイクルを構成す
る冷媒圧縮機１４、凝縮器１５及び送風機１６が
収納設置されている。蒸発器７は第５図に示すよ
うに等しい間隔に並設された大きさの異なる大小
多数枚の金属製フイン１７及び１８と、これらの
フイン１７及び１８に直交して貫通する複数本の
蛇行状の冷媒導管１９とにより構成されている。
夫々のフイン１７及び１８は交互に配置され、大
きいフイン１７の冷気入口側の端面が小さいフイ
ン１８の冷気入口側の端面よりも風上側に延出し
て不揃い、即ちスタツガーにされている。冷気出
口側の端面は揃うように並設されている。冷媒導
管１９は実線の矢印で示すように、減圧装置から
の液冷媒を冷気出口側から冷気入口側にかけて導
き、これにより夫々のフイン１７及び１８の冷気
出口側部分１７Ｂ，１８Ｂの温度を比較的低く、
かつ冷気入口側部分１７Ａ及び１８Ａの温度を冷
気出口部分より高く維持している。なお第５図に
おいて白抜きで示す矢印は冷気の流れ方向を示し
ている。

〔考案が解決しよとする問題点〕

上記構成によれば、扉４の開放に伴ない開口３
を介して冷凍庫１内に外気と共に侵入した相対湿
度の高い湿度（水蒸気）は蒸発器７に帰還する冷
気流に含まれる。先ず蒸発器７ではその夫々の大
きなフイン１７の冷気入口部分１７Ａに接触して
凝縮し第６図の鎖線で示すように、霜として付着
する。同様に夫々の小さなフイン１８には冷気入
口側部分１８Ａに接触して凝縮され霜として付着
する。扉４の開放を継続すると冷凍庫１内の絶対
湿度を増加し、これに伴なつてフイン１７及び１
８の冷気入口側部分１７Ａ及び１８Ａの着霜も増
す。特に、湿気が最初に接触する大きなフイン１
７の冷気入口側部分１７Ａに多く着霜する。この
ときの蒸発器７の霜による目詰りまでの時間は上
述のスタツガーによつて長くすることができるの
で、長くても数分程度の通常の開扉に伴なう蒸発
器７の目詰りはまず起こり得ない。扉４を閉塞す
ると冷凍庫１内は次の開扉までの間、密閉状態に
維持される。その絶対湿度はこの間変化しないた
め、冷気流の蒸発作用によつて両フイン１７及び
１８の冷気入口側部分１７Ａ及び１８Ａの霜が一
時蒸発して湿気となる。この湿気は第６図の鎖線
で示すように、温度の低い冷気出口側部分１７Ｂ
及び１８Ｂに霜として再付着する転移をなす。扉
４の開閉の繰り返しに伴なう霜の転移で大小のフ
イン１７及び１８の冷気出口側部分１７Ｂ及び１
８Ｂ間は冷気入口側部分１７Ａ及び１８Ａ間より
も目詰りを起こす。したがつて除霜運転を行なわ
なければならなくなる。

また熱交換器が蒸発器７の他に、例えば凝縮器
１５である場合には、放熱を促進するための空気
とともにゴミがフイン間に流入し、そしてそのゴ
ミがフインに付着するおそれがあるため、凝縮器
１５の前面にゴミフイルタを設けていた。

それ故に本考案は、フインへの霜やゴミ等の異
物の付着を防止した熱交換器の提供を目的として
いる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、一定間隔で平行に並べられた
多数の板状フインと、これらの板状フインに蛇行
して貫通した冷媒導管とで構成された熱交換器に
おいて、上記冷媒導管に羽根付回転リングを装着
したことを特徴とする熱交換器が得られる 〔実施例〕 第１図は本考案の一実施例を示している。図示
の熱交換器は、等しい間隔に並設された多数枚の
金属製フイン２０と、それらに直交貫通した複数
本の蛇行状の冷媒導管１９とを含んでいる。

冷媒導管１９は減圧装置からの液冷媒を、冷気
出口側から冷気入口側に導くものである。さらに
熱交換器には、フイン２０の相互間で冷媒導管１
９の外周面に羽根付回転リング２１が回転自在に
設けられる。羽根付回転リング２１は、第２図に
示すように、円筒部２２の外周面に複数枚の羽根
２３をほぼ等間隔に設けたものである。この羽根
付回転リング２１を冷媒導管１９に装着するため
に、円筒部２２は羽根２３の相互間に一箇所のみ
開口２５を有している。

羽根付回転リング２１には、第３図に示すよう
に円筒部２２に継ぎ目２４を設け、この継ぎ目２
４を矢印で示す方向に開いて冷媒導管１９に装着
するように構成されてもよい。

第１図において、白抜きで示した矢印は、冷気
の流れ方向を示している。羽根付回転リング２１
は、そのような冷気の流れ方向の風圧により回転
するように、その羽根２３の形状を工夫されてい
る。今、羽根付回転リング２１が冷媒導管１９の
まわりで回転すると、フイン２０に付着せんとす
る霜は除去される。その結果、それぞれのフイン
２０には、霜が付着することがなくなる。従つ
て、除霜のために時々運転を停止するという必要
はなくなる。また冷凍サイクルは温度調節器の
ON，OFF動作のみで制御し得るため、その制御
系をきわめて簡単にできる。

なお羽根付回転リング２１は、第５図は従来例
で示した冷凍庫１の蒸発器７の他に、凝縮器１５
にも装着して用いることが可能である。その場合
には、羽根付回転リング２１はフイン２０に付着
するゴミを除去する作用を果す。

さらに上述した羽根付回転リング２１は、既存
の熱交換器にも付加され得ることは言うまでもな
い。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の熱交換器によれ
ば、霜やゴミ等の異物がフインに付着することが
ない。したがつて、ランニングコスト及びイニシ
ヤルコストの低減が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による熱交換器の一実施例を示
す側面図、第２図は第１図の熱交換器に用いられ
ている羽根付回転リングの斜視図、第３図は羽根
付回転リングの他の実施例を示す斜視図、第４図
は冷凍庫の全体を示す斜視図、第５図は第４図の
側断面図、第６図は従来の熱交換器を示す側断面
図である。 １；冷凍庫、２；断熱箱、４；扉、７；蒸発
器、８；送風機、１２；貯蔵室、１３；機械室、
１７；大きいフイン、１８；小さいフイン、１
９；冷媒導管、２０；フイン、２１；羽根付回転
リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定間隔で平行に並べられた多数の板状フイン
   と、これらの板状フインに蛇行して貫通した冷媒
   導管とで構成された熱交換器において、上記冷媒
   導管に羽根付回転リングを装着したことを特徴と
   する熱交換器。