JPH0120337Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は壜状容器の移送装置に関する。

（従来の技術） 壜のような口部を有する容器を、例えば入口コ
ンベア上から他の排出コンベア上に移載するよう
な場合、一般に壜状容器の口部を把持して一旦持
ち上げ、そのまま移載箇所の上部へ持ちきたして
下し、把持を解放することによつて移送する手段
が採られている。

しかして上記移送手段において壜状容器を把持
する把持装置は、従来壜状容器の口部に密嵌し、
真空圧により吸引保持する真空吸着保持手段、あ
るいは壜状容器の口部を把持爪により掴持する手
段が一般に用いられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら前記真空吸着保持手段によるもの
では、吸着ヘツドの構造が著しく複雑となるとと
もに、吸引源からの配管や吸引排気の切換え装置
類の附帯設備が繁雑となり、さらにこれらの操作
機構が必要であるなどの欠点がある。また掴持手
段によるものでは、把持爪の開閉機構をはじめ、
その機構の作動装置が必要となり、やはりヘツド
部分の構造が複雑となる欠点を有するうえ、把持
爪で壜状容器の口部を掴持するためこれに傷を付
けやすいという問題がある。さらに従来のこの種
の移送装置では、壜状容器を保持して上昇させ、
横移動したのち下降してその容器を解放し、再び
その位置で上昇して横移動し、下降して壜状容器
を保持したのち再び上昇するというコ字状の往復
サイクルを画くので、駆動機構の作動順序中昇降
動作が直ちに折り返す必要があり、その結果動作
の円滑性を欠くとともに移動ストロークが長くな
り、装置自体が大型化するという欠点があつた。

本考案はこれに鑑み、上記従来のものの諸欠点
を除去することを目的としてなされたもので、壜
状容器の移送が確実に行なえると同時に必要移送
距離に対し短かいストロークで移送することがで
き、移送装置をコンパクトに構成することができ
る壜状容器の移送装置を提供するにある。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案は、口部下方
にくびれ部を有する壜状容器を所定距離にわたり
移送するものにおいて、前記所定距離の中間位置
に壜状容器を載置し得る中継デツキを設けるとと
もに、前記壜状容器のくびれ部の両側に沿つて水
平方向に進入自在とされ該壜状容器を吊持し得る
左右平行で前記中継デツキを含み一方の壜状容器
搬送経路にわたる長さの直状の保持縁を有する保
持ヘツドを設け、この保持ヘツドをその長手方向
水平移動、上昇移動、戻り水平移動、および下降
移動の閉じられたサイクルを画くよう移動自在に
支持した構成を特徴とするものである。

（作用） 上記の構成により、保持ヘツドを昇降および横
方向移動の口字状の閉サイクルをもつて移動させ
ることにより保持ヘツドの保持縁で壜状容器のく
びれ部を吊持し、中継デツキを中継点として順送
りに所定距離にわたり壜状容器を移動させること
ができる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

第１図は本考案による移送装置を入口コンベア
から排出コンベアに壜状容器を移載するに適用し
た場合を示しており、第２図Ａ，Ｂは壜状容器の
保持状態を示し、さらに第３図は前記第１図およ
び第２図における保持ヘツドを示している。

上記保持ヘツド１は、角筒状本体２の下面に壜
状容器３の口部３ａの直下にあるくびれ部４の外
径よりやや広い間隔をもつて互いに平行する所要
長さの直状の保持縁５，５が対向して設けられ、
この保持縁５，５の上方の空間部は壜状容器３の
口部３ａを受容し得るスペースを有している。

上記保持ヘツド１は、その保持縁５，５が入口
コンベア６とこれに平行して設置される排出コン
ベア７とに対し直交する方向として昇降および横
方向移動自在に支持される。

上記昇降および横方向移動手段は、前記入口コ
ンベア６および排出コンベア７の各外側に立設さ
れたフレーム８，９の上方部間に、該コンベア
６，７を横切つてスライドシヤフト１０，１０が
固設され、このスライドシヤフト１０，１０に摺
動自在に設置されたスライドブロツク１１に昇降
用エアシリンダ１２が垂直姿勢に支持され、この
シリンダ１２のピストンロツド１３に前記保持ヘ
ツド１，１が平行に２個固着されている。

また前記一方のフレーム８には水平移動用エア
シリンダ１４が水平姿勢に取付けられ、このシリ
ンダ１４のピストンロツド１５に前記スライドブ
ロツク１１が結合されている。

図において符号１６は保持ヘツド１に固定され
た姿勢制御棒で、前記スライドブロツク１１の一
部を貫通され、保持ヘツド１の昇降時に保持ヘツ
ド１がピストンロツド１３と姿勢制御棒１６とで
水平方向移動時の方向性が変動しないようにして
いる。

前記入口コンベア６と排出コンベア７との間に
は中継デツキ１７が設けられており、その上には
各コンベア６，７の壜状容器載置面と同一レベル
とされている。この中継デツキ１７の設置理由
は、前記水平移動用エアシリンダ１４のストロー
クを短かくして予定の距離間に移送することがで
きるようにするためである。そしてこの場合の保
持ヘツド１の保持縁５，５の長さは、前記入口お
よび排出コンベア６，７のいずれかの上面に置か
れる壜状容器３と、中継デツキ１７の中央に置か
れる壜状容器３とを同時に保持し得る寸法を有す
るようになつている。

前記入口コンベア６上には、壜状容器３の下部
を嵌入して保持する保持カツプ１８が設けられ、
この保持カツプ１８により安定移送および停止位
置の位置合わせをなさしめている。

また本実施例では、保持ヘツド１を並列して２
個用い、入口コンベア６上の壜状容器３の前後の
ものを同時に保持するようになされているが、こ
れは単一、あるいは多列として使用することも可
能である。

つぎに上記実施例の作用を説明する。

第１図において、入口コンベア６上に保持カツ
プ１８に入れられて搬送される壜状容器３が所定
の位置に達したとき該コンベア６が停止すると、
水平移動用エアシリンダ１４が短縮駆動してスラ
イドブロツク１１を図において右方に引き、これ
に搭載された昇降用エアシリンダ１２のピストン
ロツド１３に吊持されている保持ヘツド１が実線
図示の位置から鎖線図示の位置に水平移動する。
このとき保持ヘツド１の保持縁５，５は第２図Ａ
のように壜状容器３のくびれ部４の両側に沿つて
進入する。

ついで昇降用エアシリンダ１２を短縮駆動して
保持ヘツド１を引上げると、前記保持縁５，５は
第２図Ｂのように壜状容器３の口部３ａの顎部分
に係合して垂直方向に吊上げ、保持カツプ１８か
ら抜き出す。

こうしたのち水平移動用エアシリンダ１４を伸
長駆動してスライドブロツク１１を第１図におい
て左方に移動させ、昇降用エアシリンダ１２を伸
長駆動して下降させると、前記の壜状容器３は保
持ヘツド１の右端に保持されているため中継デツ
キ１７上に下され、保持ヘツド１の保持縁５，５
は再び壜状容器３のくびれ部４に位置してその接
触が解かれる。

こうしている間に入口コンベア６が進み、次位
の壜状容器３が定位置に進んで停止される。

ここで再び水平移動用エアシリンダ１４を短縮
駆動して保持ヘツド１を右行させると、前記の壜
状容器３は中継デツキ１７上に静止したままにお
かれて前記入口コンベア６上の壜状容器３のくび
れ部４に前記と同様にして保持縁５，５が進入す
る。

ついで昇降用エアシリンダ１２を短縮駆動すれ
ば、１つの保持ヘツド１が２本の壜状容器３，３
を同時に吊持し、水平移動用エアシリンダ１４の
伸長駆動により左行させ、昇降用エアシリンダ１
２を伸長駆動して下降させれば、最初に保持した
壜状容器３が今度は排出コンベア７上に下され、
後から保持された壜状容器３が中継デツキ１７上
に下される。

こうして再び保持ヘツド１を右行させれば、上
記の壜状容器３が左側になり、前記と同様の動作
により排出コンベア７に移載されることになる。

したがつて上記中継デツキ１７の存在により、
保持ヘツド１の水平移動のストロークが短かくで
き、水平移動用エアシリンダ１４に小型なものを
用いることができる。

図示実施例では壜状容器３をつ１の保持ヘツド
１に同時に２本吊持する場合について説明した
が、これは中継デツキ１７の幅および保持縁５，
５の長さを選択することにより３本以上であつて
も適用することができる。また保持ヘツド１の昇
降および水平移動用の駆動源としてエアシリンダ
１２，１４を用いたものにつき示したが、これは
機械的な昇降および水平往復機構の採用も考えら
れる。さらに図示実施例では、入口コンベア６と
排出コンベア７との間における壜状容器の移載用
に本考案を適用した場合について示したが、これ
に限定されるものではなく、他に例えばコンベア
上から壜状容器３のくびれ部４の高さより浅い箱
内への箱詰め用などとしても適用可能である。そ
して壜状容器３の定位置停止はストツパによりな
さしめることもできる。

第４図は保持ヘツド１の変形例を示すもので、
前記保持縁５，５を平行な２本の杆部材５ａ，５
ａで構成し、これら杆部材５ａ，５ａを結合する
アーム１９を昇降用エアシリンダ１２のピストン
ロツド１３に取付けるようにしたものである。こ
れにおいても前記と同様に使用することができ、
重量の軽減にも役立たせることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、壜のように口
部下方にくびれを有する壜状容器を一定の箇所か
ら他の箇所に所定距離にわたり移送するものにお
いて、前記壜状容器のくびれ部の両側に沿つて水
平方向に進入自在とされ該壜状容器を吊持し得る
左右平行で所要長さの直状の保持縁を有する保持
ヘツドを用い、この保持ヘツドを前記保持縁の長
手方向水平移動および昇降自在に支持した構成と
したことにより、保持ヘツド自体に可動部材を全
く設ける必要がなく、したがつて従来の真空吸着
ヘツドや把持爪を有する掴持手段に比し構造が頗
る簡単となり、しかも保持に関する作動機構が一
切不要であるから装置全体の構成が頗る簡単にな
つて故障の発生がなく、保守を容易とするなどの
効果があるうえ、壜状容器を把持しないので、そ
の口部に傷をつけるおそれがない。さらに保持ヘ
ツドは水平移動と垂直移動とがロ字状に閉じられ
たサイクルをもつて行なわれるので、その作動が
円滑となり、制御も容易であるなどの効果が得ら
れる。

また、壜状容器の移送間距離の中間位置に壜状
容器を載置し得る中継デツキを設け、この中継デ
ツキを中継点として壜状容器を順送りに移送する
ようにしているので、保持ヘツドの横方向への移
動量が少なくてすみ、その移動のための駆動手段
が小型となつて装置全体をコンパクトに構成する
ことができるなどの種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による壜状容器の移送装置の一
実施例を示す正面図、第２図Ａ，Ｂは同壜状容器
の保持状態を示す説明図、第３図は第１図におけ
る保持ヘツドの斜視図、第４図はその変形例を示
す斜視図である。 １……保持ヘツド、３……壜状容器、３ａ……
口部、４……くびれ部、５……保持縁、６……入
口コンベア、７……排出コンベア、８，９……フ
レーム、１０……スライドシヤフト、１１……ス
ライドブロツク、１２……昇降用エアシリンダ、
１４……水平移動用エアシリンダ、１６……姿勢
制御棒、１７……中継デツキ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口部下方にくびれ部を有する壜状容器を所定距
   離にわたり移送するものにおいて、前記所定距離
   の中間位置に壜状容器を載置し得る中継デツキを
   設けるとともに、前記壜状容器のくびれ部の両側
   に沿つて水平方向に進入自在とされ該壜状容器を
   吊持し得る左右平行で前記中継デツキを含み一方
   の壜状容器搬送経路にわたる長さの直状の保持縁
   を有する保持ヘツドを設け、この保持ヘツドをそ
   の長手方向水平移動、上昇移動、戻り水平移動、
   および下降移動の閉じられたサイクルを画くよう
   移動自在に支持してなる壜状容器の移送装置。