JPH0120264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は商品を収納すると共に、販売中に店頭
に於て吊り下げ展示する事を可能ならしめた包装
箱に関するものである。

小型の化粧品や化粧用具等を収納した包装箱は
商品の形態やデザインを消費者に強く訴求する為
に、包装箱の正面から左右側面にかけて展示窓を
設けて箱内の商品を見せると共に、箱の上部に吊
り下げ片を形設して店頭で吊り下げ展示する事を
可能ならしめる構造になつているものが多い。

しかしながら、従来の吊り下げ片の形設方法に
関しては通常の包装箱の他に別部材として吊り下
げ板なるものを用意し、該包装箱の蓋面に穿設し
たスリツト孔へ箱の内側から前記吊り下げ板を突
出させてなるものや、一体に折曲形成したもので
も、箱の正面、或いは背面上部に吊り下げ片を形
設してなるものがほとんどであつた。

従つて、別部材のものを組み合せる為に組立が
困難であつたり、蓋面の中央に吊り下げ片がない
為に展示の際、包装箱が傾斜して展示効果が優れ
ない等の欠点を有していた。

本考案は、前記欠点を解消すべく改良されたも
ので、蓋面を二等分した前蓋面及び後蓋面を箱の
正面及び背面の上縁に形設し、前記前蓋面及び後
蓋面の上縁に吊り下げ孔を穿設した吊り下げ片を
形設すると共に該吊り下げ片の左右両側に蓋小片
を各々形設した事によつて、蓋面の中央に前記吊
り下げ片を突出させ、しかも、左右側面の上縁に
中央部で切り離された補助蓋片を各々形設し、か
つ前記蓋小片と、前記前蓋面及び後蓋面との境目
の一部に、組立時に前記蓋小片と前記補助蓋片が
係止するようにスリツトを形設した組立容易で、
且つ、吊り下げ時に前後に傾斜しない展示効果が
非常に優れた包装箱を提供するものである。

以下、本考案の構造を一実施例を示す図面に基
いて説明すると、第３図に示す如く正面１の左右
両辺に左右側面２，３、該右側面３の右辺に背面
４及びノリ代５を連設し、順次折曲して前記左側
面２の内面に前記ノリ代５を貼着する。前記正面
１と前記左右側面２，３の一部を切除して形成し
た展示窓６の周辺内面には窓部材７を貼着する。
前記窓部材７は収納した商品が見えるような透明
な材料であればその如何を問わないが、例えばセ
ロフアンや塩化ビニール等の透明フイルムが好適
である。前記正面１の下縁には底面８を形設し、
スリツト９を設けて底小片１０と連設し、前記左
右両側面２，３の下縁に形設した補助底片１１と
前記スリツト９を介して係止させる。

更に、前記正面１の上縁に前蓋面１２、前記背
面４の上縁に後蓋面１３を形設するが、組立時に
蓋面を二等分するように奥行の長さを等しくして
ある。前記前蓋面１２及び後蓋面１３の上縁には
吊り下げ孔１４を穿設した吊り下げ片１５を形設
すると共に該吊り下げ片１５の左右両側に蓋小片
１６を各々形設し、左右側面２，３の上縁に、中
央部で切り離された二つの補助蓋片１８を各々形
設する。また、前記蓋小片１６と、前記前蓋面１
２及び後蓋面１３との境目の一部に、組立時に前
記蓋小片１６と前記補助蓋片１８が係止するよう
にスリツト１７を形設する。

第４図に示す如く蓋面の組立は、まず４枚の補
助蓋片１８を左右側面２，３に対して内側に折曲
した後、前蓋面１２及び後蓋面１３を各々正面１
及び背面４に対し折曲して補助蓋片１８の上に重
ね、２枚の吊り下げ片１５を前蓋面１２及び後蓋
面１３に対して各々垂直上方へ折曲させ、４枚の
蓋小片１６は前蓋面１２及び後蓋面１３の内側下
方に折曲した後、スリツト１７を介して補助蓋片
１８とそれぞれ係止させて完成する。

本考案は以上のような構成としたので、従来の
吊り下げ片を別部材として組み立てていたもの
や、一体に形成できるものであつても吊り下げ片
が蓋面の中央に位置しない為に傾斜して著しく展
示効果を損つてきた包装箱と比較して、組立が容
易で、しかも蓋面の中央に吊り下げ片を突出させ
た為に常に安定して真直ぐに吊り下げる事が可能
で、且つ、展示効果が優れた実用上極めて有利な
包装箱を提供する事ができる。また、蓋小片と補
助蓋片とがスリツトを介して係止しているので、
吊り下げ片を接着剤やホチキスを使用することな
く確実に固定することができ、その上一旦開封し
た後に、再び収納することも可能であり、外観上
も優れたものである。

一方、生産面に関してもデツドスペースを有効
に利用した抜型なので、一枚の紙に複数個合理的
に割付ける事が可能であり、紙の不要部分の面積
を極力小さくして無駄の少ない経済的、且つ、大
量生産に適した包装箱を提供する事が可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図は従来包装箱の一例を示す吊り下
げ展示状態に於る斜視図、第２図は本考案の一実
施例を示す吊り下げ展示状態の斜視図、第３図は
本考案の抜型を示す展開図、第４図は本考案の蓋
面の組立方法を説明した説明図である。 １……正面、４……背面、１２……前蓋面、１
３……後蓋面、１４……吊り下げ孔、１５……吊
り下げ片、１６……蓋小片、１７……スリツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (i) 一枚の紙から折曲形成してなる包装箱に於
   て、 (ii) 蓋面を二等分した前蓋面１２及び後蓋面１３
   を正面１及び背面４の上縁に形設し、 (iii) 前記前蓋面１２及び後蓋面１３の上縁に吊り
   下げ孔１４を穿設した吊り下げ片１５を形設す
   ると共に該吊り下げ片１５の左右両側に蓋小片
   １６を各々形設し、 (iv) 左右両面２，３の上縁に、中央部で切り離さ
   れた補助蓋片１８を各々形設し、 (v) かつ前記蓋小片１６と、前記前蓋面１２及び
   後蓋面１３との境目の一部に、組立時に前記蓋
   小片１６と前記補助蓋片１８が係止するように
   スリツト１７を形設した事を特徴とする包装
   箱。