JPH0119645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横軸まわりで昇降自在な刈取部に備
えられた縦搬送装置の終端部に、それからの横倒
れ穀稈を下側から受止めて脱穀部入口に案内する
案内体を連設し、前記脱穀部入口近くに稈長検出
センサーを設けると共に、該センサーによる稈長
検出結果に基いて前記脱穀部での扱深さを自動的
に所定範囲内に維持させるべく構成したコンバイ
ンに関する。

上記コンバインは、穀稈穂先部が所定の扱深さ
制御範囲を外れたことのセンサーからの検出結果
に基いて、自動的に穀稈扱深さを所定範囲内に維
持できるようにしたものであり、そして縦搬送装
置終端部に連設の案内板によつて、横倒れ穀稈を
スムーズに脱穀部入口に供給できるようにしたも
のである。

ところで、往復刈りや廻り刈り等の刈終りにお
いては、次に刈取りを開始するまでの間に刈取部
を対地上昇させ、そしてその間においては搬送穀
稈の層が薄くなることから一般に深扱き制御を行
なわせて扱残しを防止するものであるが、前記刈
取部の対地上昇に伴つて前記案内板も刈取部の揺
動横軸まわりで前後方向に姿勢を変更すると共
に、その案内板がセンサーに押し当たることがあ
り、殊に上扱きタイプの脱穀部を搭載するコンバ
インにおいては、前記案内板が刈取部の揺動横軸
から離れた箇所に配置されることから、案内板の
前後方向への姿勢変更が一層大であり、この案内
板のセンサーへの押し当たりによつてセンサーが
長稈を検出したような誤まつた動作を起し、搬送
穀稈の長さが所定の扱深さ範囲内に位置するにか
かわらず、あるいは深扱き側に制御する方が好ま
しいにもかかわらず、稈長検出センサーからは浅
扱き側への誤まつた制御信号が出されて、浅扱き
制御が行なわれる欠点があつた。

本考案は、かかる実情に鑑みて成されたもので
あつて、簡単な構造の付加によつて、しかも何ら
特別な操作を要することもなく、稈長検出センサ
ーが誤動作するような事態を生じさせないように
することを目的としている。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。横一側にフイードチエーン１を配設した上扱
きタイプの脱穀部２をクローラ走行機体３に搭載
すると共に、該走行機体３の前部に、刈取部４と
操縦部５を左右方向に並設して、自脱型のコンバ
インが構成されている。

前記刈取部４は、走行機体３の前部側上方の横
軸まわりで揺動自在な刈取フレーム６に、引起し
装置７と、刈取装置８と、パツカー９と、刈取穀
稈を横倒れ姿勢にして前記フイードチエーン１に
供給する縦搬送装置１０などを配置すると共に、
前記フレーム６と走行機体３の間にシリンダ１４
を設けてなり、該シリンダ１４の伸縮操作によ
り、刈高調節並びに刈終りや畦越え等に際しての
刈取部４の昇降を行なわせられるようにしてあ
る。

前記縦搬送装置１０は、搬送途中において刈取
穀稈を受け継ぐ前後の第１及び第２の株元挾持搬
送装置１１，１２と、刈取穀稈の穂先側を係止搬
送するための穂先係止搬送装置１３から成り、か
つ、前部側の前記第１挾持搬送装置１１は、その
搬送始端側の横軸１７を中心にして搬送終端側が
稈長方向に位置変更自在に設けられていて、その
位置変更により前記脱穀部２での穀稈の扱深さを
調節できるように構成されている。

また前記穂先側係止搬送装置１３の終端部に
は、可撓性の案内体１５が連設されていて、穂先
側係止搬送装置１３と第２挾持搬送装置１２とに
よつて送り出されてくる横倒れ姿勢の穀稈を下側
から受止めて、それを脱穀部２の入口１６に向け
てスムーズに供給できるように構成されている。

尚、前記案内体１５を板金製や合成樹脂製等に
変更可能であり、かつ、それを第２挾持搬送装置
１２にわたつて設けるも良く、あるいは、第２挾
持搬送装置１２に連設するも良い。

前記第１挾持搬送装置１１を扱深さ調節のため
に位置変更させる扱深さ制御機構１８を構成する
に、第２図及び第３図に示すように、先ず、前記
第１挾持搬送装置１１にそれを前記横軸１７まわ
りで揺動操作するための操作レバー１９を連設
し、このレバー１９を上下中間において左右方向
に揺動自在な腰折れ構造として前記操縦部５の近
くに設けると共に、その揺動レバー部分を係脱自
在に係合する螺旋軸２０を、その軸芯を前後方向
に向わせてレバー１９の横側部に配置し、かつ、
前記揺動レバー部分を螺旋軸２０側に付勢するス
プリングを腰折れ部分に設けて、前記螺旋軸２０
に対する前記揺動レバー部分の係合位置変更によ
り、扱深さ調節を人為的に行なえるように構成す
る。

そして、前記螺旋軸２０にほぼ定回転駆動する
正逆転モータＭを連結して、そのモータＭの正転
制御部Ｆに対する入力によつて第１挾持搬送装置
１１を例えば深扱き側に、かつ、逆転制御部Ｒに
対する入力によつて第１挾持搬送装置１１を浅扱
き側に、夫々駆動操作させるように構成する。

一方、前記脱穀機入口１６の上部やや前方側
で、かつ、脱穀部２での所定の扱深さ範囲におけ
る上限と下限とに相当する箇所に、脱穀部２に供
給される穀稈の稈長を検出する第１及び第２の稈
長検出センサー２１，２２を設けると共に、第２
センサー２２による稈長検出点よりも株元側にお
いて稈長を検出する第３の稈長検出センサー２３
を配置し、かつこれらのセンサー２１，２２，２
３をセンサースイツチＳと、スイツチ内装用ケー
ス２５と、スイツチ操作用センサーバー２６とか
ら構成すると共に、前記第３センサー２３と前記
上限を越える稈長検出用の第１センサー２１のス
イツチＳ，Ｓを常開型とし、かつ前記第２センサ
ー２２のスイツチＳを、常開のａ接点と常閉のｂ
接点を有する２連スイツチ型として、それらのス
イツチＳ…を第２図に示す電気回路に構成し、も
つて、第１センサー２１による稈長検出信号に基
いて第１挾持搬送装置１１を浅扱き側に、第３セ
ンサー２３のみの稈長検出信号に基いて第１挾持
搬送装置１１を深扱き側に、夫々自動制御させ
て、穀稈先端部を自動的に第１及び第２センサー
２１，２２間の所定の扱深さ調節範囲内に維持さ
せることができるようにしてある。

尚、第２挾持搬送装置１２によつて扱深さ制御
を行なわせるようにしたり、第１及び第２挾持搬
送装置１１，１２を一連の挾持搬送装置としてそ
れによつて扱深さ制御を行なわせるようにした
り、更には、それらの装置において前記フイード
チエーン１に対する穀稈の受継ぎ位置を左右方向
に変更させるようにする等、扱深さ制御の形態は
各種変更できることは勿論である。

上記構成において、前記第１及び第２センサー
２１，２２のセンサーケース２５，２５を共通の
横軸２７に固着し、この横軸２７を脱穀部前板に
連設のブラケツト２８に回動自在に取付けると共
に、受板２９との間に小間隔を保持させるセンサ
ーバー２６の垂下状態において、センサーバー２
６の機体前方側への揺動を阻止するストツパー３
０を設け、即ち、前記第１及び第２センサー２
１，２２を一体的に機体後方側にのみ揺動自在に
取付け、そして前記横軸２７の操縦部５側の端部
にアーム２４を設けて、このアーム２４と前記刈
取部４とを連動機構３１を介して枢支連結し、前
記刈取部４の上昇に連動して可逆的に前記第１及
び第２センサー２１，２２を穀稈に当接しない位
置にまで揺動上昇させるようにしてある。

更に、前記連動機構３１に、刈高調節範囲内で
の刈取部４の昇降時にはセンサー２１，２２を連
動上昇させないようにするための融通部３２を設
けると共に、前記センサー２１，２２をストツパ
ー３０側に付勢するスプリング３３を設けてあ
る。

上記構成によれば、刈高調節範囲内においては
通常の扱深さ制御を自動的に行なわせられるもの
でありながら、刈終りに際しての刈取部４の対地
上昇に連動して第１及び第２センサー２１，２２
を上昇させるものであるから、刈取部４の上昇に
伴つて案内体１５が後方に移動しても、前記第１
及び第２センサー２１，２２が誤動作する事態を
生じさせないようにすることができ、しかもその
状態においては、第３のセンサー２３のみが穀稈
の存在を検出することとなるので、第２図の電気
回路からも明らかなように、扱深さ制御のための
第１挾持搬送装置１１を深扱き側に制御すること
ができ、層の薄くなつた穀稈を扱残しなく脱穀処
理することができる。

尚、上述の扱残しを生じさせない脱穀処理を行
なわせる制御は、別の電気制御によつて行なわせ
ることもでき、あるいはそのような制御を必要と
しない構成であつても良く、従つて、刈取部４の
上昇に連動して不測に浅扱き制御を行なわせない
ようにすることだけを勘案すれば、刈取部４の昇
降に連動して第１センサー２１のみを昇降させる
ように構成すれば良きものであり、また前記第３
センサー２３を脱穀部入口１６近くに設けるも良
く、その配置箇所が制限されるものではない。

以上説明したように本考案は、冒頭に記載した
コンバインにおいて、刈取部の昇降に連動して可
逆的に稈長検出センサーを昇降させるようにし
て、刈終りに際しての刈取部の上昇に伴う案内体
の移動によつて稈長検出センサーが誤動作されな
いようにしたもので、これによつて脱穀処理面で
の不都合を伴う浅扱き側への制御を完全に生じさ
せないようにできるようになり、しかもこのこと
によつて、案内体を含む刈取部の全体を脱穀部側
に近接配置でき、機体の前後長さをコンパクトに
構成することが可能となる。

そして、センサーを上昇させるに、それを必然
的に行なう刈取部の昇降に連動させるので、操作
性に優れるだけでなく操作失念の事態も生じさせ
ないようにでき、簡単な改造によつて使用面で有
用なコンバインを提供できるに至つた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバ
インの全体側面図、第２図は扱深さ制御のための
形態図、第３図は要部の斜視図である。 ４……刈取部、１０……縦搬送装置、１５……
案内体、１６……脱穀部入口、１７……横軸、２
１，２２……稈長検出センサー、３１……連動機
構、３２……融通部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横軸まわりで昇降自在な刈取部に備えられた
   縦搬送装置の終端部に、それからの横倒れ穀稈
   を下側から受止めて脱穀部入口に案内する案内
   体を連設し、前記脱穀部入口近くに稈長検出セ
   ンサーを設けると共に、該センサーによる稈長
   検出結果に基いて前記脱穀部での扱深さを自動
   的に所定範囲内に維持させるべく構成したコン
   バインであつて、前記刈取部の上昇に連動して
   可逆的に前記センサーを上昇させる連動機構を
   設けてあることを特徴とするコンバイン。 前記連動機構に、刈高調節範囲内での刈取部
   の昇降時には前記センサーを連動昇降させない
   ようにするための融通部を設けてあることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第項に記載
   のコンバイン。