JPH0118926Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高圧容器の蓋開閉装置の改良に関し、
特に高圧動作中に使用者がうつかりして蓋体を開
放しようとしてもその動作を強制的に阻止し、内
容物が吹き出ないようにするものである。

従来この種の装置は例えば実公昭41−9910号公
報にも開示されているように、高圧動作中には楔
片６が口縁９から抜けでないようにする阻止部材
がないため、使用者がうつかりして把輪１４を回
転すると楔片６の先端部が口縁から抜け出て、そ
の状態から蓋板１が内部圧力により開放し高圧蒸
気が吹き出たり、或るいは内容物が吹き出たりし
て極めて危険であつた。

そこで本考案は高圧動作中には蓋体が開放しな
いように阻止する機構を設け、安全を計るもので
ある。

以下にその実施例を図面に基づいて説明する
と、１は高圧容器本体で、図示しない加熱源にて
高圧に加熱され、且つ外フレーム２と内フレーム
３にて構成されるものである。前記本体１の上面
開口部の外周縁に断面略コ字形状で且つ環状の口
縁４を固定している。前記口縁４の内部下面には
同じく環状の弾力性を有するシール部材５を設け
ている。６は前記本体１の上面開口部を閉塞する
蓋体で、前記シール部材５の上面に載置されるも
のである。前記蓋体６の上面中央には支持杆８を
固着立設するとともに上面外縁近傍に円周方向に
複数個の挿通部材１０を等間隔に設けている。前
記支持杆８の中途部外周に載置段部１１を形成す
るとともに「字形状の移動溝１２を形成してい
る。１３は前記支持杆８の外周面に沿つて挿通さ
れる中空状の回転体で、外側壁に雄ネジ１４を形
成するとともに上端部に一対のハンドル１５，１
５を取り付けている。１６は前記回転体１３の回
転動作により上下動する中空状の摺動体で、内周
面に雌ネジ１７を形成した上部材１６ａと下部材
１６ｂとで構成され且つ前記上部材１６ａと下部
材１６ｂとの境目には凹部２０を形成している。
そして前記下部材１６ｂの内壁にはピン２１を形
成して、前記移動溝１２内に挿入している。２３
は一端を前記凹部２０内に緩嵌し、他端を前記挿
通部材１０に挿通して前記口縁４内に臨むように
した移動杆で、その先端部上面に係止片２３ａを
形成している。また前記口縁４の先端内部に突起
片４ａを周囲に形成している。

斯る構成による動作を説明すると、第１図の鎖
線で示す状態からハンドル１５を回転して回転体
１３を回動すると摺動体１６は実線の位置まで降
下し、移動杆２３の先端部は口縁４の中に突入す
るものである。この時にはピン２１は移動溝１２
を降下するものである。そしてこの状態から本体
１の内部に圧力をかけ高圧になると第３図に示す
如く蓋体６は内部圧力Ｐの力で鎖線から実線にま
で上昇し、突起片４ａと係止片２３ａとが係合す
ることになる。よつて、使用者が誤まつてハンド
ル１５を回転して蓋体６を開放しようとしても移
動杆２３は移動しないため、回転は阻止されて蓋
体６が開放することがない。

そして、本体１の内部圧力が低下して常圧にな
ると、再び蓋体６は第３図の鎖線の位置にまで降
下し、第２図に示す如く突起片４ａと係止片２３
ａとが離脱し、移動杆２３は口縁から離脱可能と
なり、この状態でハンドル１５を回転すると移動
杆２３は口縁４から脱し、蓋体６を開放すること
ができる。

本考案は以上の如く構成したものであるから、
高圧動作中に使用者が誤つて蓋を開放しようとし
ても移動杆が確実に口縁に係合され、蓋体は開放
されなくなり、高圧蒸気が外部へ吹き出す危険を
末然に防ぐ効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案蓋開閉装置を具備する高圧容器
の要部概略断面図、第２図乃至第３図は異なる動
作を示す第１図の要部拡大断面図。 ４……口縁、４ａ……突起片、２３……移動
杆、２３ａ……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部の外周縁に断面略コ字状で且つ環状の口
   縁を形成した高圧容器本体と、前記開口部を閉塞
   する蓋体とからなり、前記蓋体の中央に支持杆を
   立設するとともにこの支持杆の外周面に沿つて上
   下摺動する中空状の摺動体を設け、且つ前記摺動
   体に前記口縁内に端部を突入自在とする移動杆を
   緩嵌し、前記口縁の先端内部に突起片を形成する
   とともに前記移動杆の端部には施蓋した前記蓋体
   の内部圧力による移動によつて、前記突起片と係
   合して前記移動杆の移動を阻止する係止片を形成
   したことを特徴とする高圧容器の蓋開閉装置。