JPH0118702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可曲性洗浄ノズル、例えば、人体局
部、口腔等の洗浄用の可曲性ノズルに関する。

従来、人体局部等を水、温水等で洗浄するため
の各種の洗浄ノズルが考案されている。しかしな
がら、従来の洗浄ノズルは噴出方向が固定されて
いるため、目的に応じた十分な洗浄が困難であつ
た。例えば第１図に示すように、従来のシヤワー
トイレの洗浄ノズル１′は長さ方向には移動可能
であるが噴出方向は一方向であるため、肛門、ビ
デ洗浄時には適当な位置にノズル１′の噴出口を
移動させていた。しかし、肛門洗浄とビデ洗浄と
は各洗浄局部の微妙な構造上の相違および個人差
から、単に噴出口位置を移動させただけでは各々
満足に洗浄が行い得なかつた。一方、二方向に噴
出可能な噴出口を有する洗浄ノズルも提案されて
いるが、二方向の噴出でも上記の理由から人体局
部等の洗浄は十分でない。更に、両者の場合と
も、ノズル装置が複雑となる欠点があつた。

従つて本考案の目的は、上記の欠点を解消した
洗浄ノズルを提供することにある。

本考案は、実質的に先端部分に噴出口を有しそ
して中間部分に環状の可曲部を有する洗浄ノズル
管；該ノズル管の流路を該ノズル管の管軸方向に
関して該可曲部の位置付近まで洗浄水路と屈曲調
整水路とに区分する隔壁；および該管軸方向に関
して該屈曲調整水路の出口より下流且つ該可曲部
より下流の位置に、該ノズル管の内部に該ノズル
管と連結して設けた、該屈曲調整水路からの水圧
を受けるための水圧受板；からなることを特徴と
する、可曲性洗浄ノズルである。

次に本考案による可曲性洗浄ノズルの一具体例
を第２〜４図を参照して説明する。本考案による
可曲性ノズル１の流路は、ノズル管２内に設けら
れた隔壁３により、ノズル管２の一部分を構成す
る環状のジヤバラ型可曲部４の位置まで洗浄水路
５と屈曲調整水路６の二つの流路に区分されてい
る。可曲部４の下流端部には、屈曲調整水路６を
通過した洗浄水の水圧を受けるための水圧受板７
がノズル管２に、該管２の管軸とほぼ直交するよ
うに取付けられている。通常使用時にはバルブ
V₁を開くことにより（バルブV₂は閉鎖）洗浄水
が洗浄水路５を通過して噴出口８より噴出する
（第２図）。更にバルブV₂を開くと、洗浄水は屈
曲調整水路６にも流入し、水路６を流れる洗浄水
の水圧により水圧受板７は押されて可曲部４の上
側部分のみを押し広げるので、ノズル管２は可曲
部４の位置で角度θだけ傾斜する（第３図）。バ
ルブV₂を調節して屈曲調整水路６内の水圧を調
整することにより、ノズル管先端の傾斜角度θ、
従つてノズル噴出角度を、任意に変えることがで
きる。

可曲部４は、例えば第２〜３図に示したように
ポリプロピレン等のプラスチツク又は金属薄板等
の可撓性材料を、ジヤバラ状に伸縮自在に構成で
きる。或いは、クロロプレンラバー、エチレンプ
ロピレン共重合体、ニトリルブタジエンラバー等
のようなゴム弾性材等、材料自体伸縮性のものか
ら構成することができる。この場合もジヤバラ状
にしてもよい。可曲部の管軸方向の位置および長
さは必要に応じて適宜決定し得る。

ノズル管の水路を二つの水路に区分する隔壁３
は、平板状でも或いは第４図に示す水路断面図の
ように湾曲していてもよい。洗浄水路５と屈曲調
整水路６の各水路断面積も必要に応じて適宜変化
させることができる。上記二つの水路の出口（即
ち隔壁の下流端）の位置は、通常可曲部４の上流
端から下流端の範囲の位置にあるが、ノズル管の
屈曲を妨害せず、一方屈曲調整水路からの水圧を
水圧受板に有効に伝える位置にある限り、適宜変
化させることができる。

水圧受板７は、実質的に屈曲調整水路６の水圧
のみを有効に受け、そして該水圧の変化を可曲部
４に伝達するように構成される。従つて、該受板
７の形状、寸法および設置位置は、屈曲調整水路
６の水路断面、屈曲調整水路出口のノズル管軸方
向位置、および可曲部４のノズル管軸方向位置等
に応じて、当業者が容易に決定し得る。該受板の
ノズル管軸方向についての設置位置は、該受板の
機能から、可曲部位置付近の下流位置（可曲部下
流端を含む）であり、そして通常は屈曲調整水路
出口よりも下流の位置である。更に該受板７は、
屈曲調整水路からの水圧を効率良く受け得るよう
に、好ましくはノズル管軸方向と実質的に直交す
るように屈曲調整水路６の出口近くに設けられ
る。

なお、第２〜３図においては屈曲調整水路の水
圧により可曲部が押し広げられてノズル管が（第
３図の下方向に）屈曲する態様を示したが、屈曲
調整水路の水路断面、および水圧受板の形状およ
びノズル管への取付位置を変えて、ノズル管が水
圧受板と該ノズル管との接合部を中心にして又は
可曲部を中心にして、反対方向に（第３図の上方
向に）屈曲させるように構成することもできる。

洗浄水路５および屈曲調整水路６への給水は一
つの給水源を用いても、或いは二つの給水源を用
いて別々に給水してもよい。給水源が一つの場合
は、屈曲調整水路用のバルブV₂の開閉にかかわ
らず、一定の水量を噴出できる。またバルブV₂
に流量調整弁を設備して屈曲調整水路の流量を安
定化し、洗浄中一定の噴出角度を保持させること
ができる。更に、洗浄水路用のバルブV₁に、バ
ルブV₂と連動する可変流量調整弁を設けること
により、噴出角度を変えて例えば肛門洗浄からビ
デ洗浄に移行する場合、自動的に噴出水量（水
圧）が変わるように構成することができる。

本考案の可曲性洗浄ノズルはシヤワートイレに
おける人体局部の洗浄のほか、口腔洗浄にも有効
に使用し得る。

本考案による可曲性洗浄ノズルは従来の洗浄ノ
ズルに比して下記の利点又は効果を有する：シ
ヤワートイレに用いた場合、噴出角度を適当に設
定することによつて肛門洗浄、ビデ洗浄の両者が
可能である。また噴出角度の微調整が可能なた
め、各使用者に適した洗浄が可能である。噴出
角度を変えてマツサージ効果を高めることができ
る。従つてシヤワートイレに用いた場合には、特
に痔疾、便秘等に効果的である。口腔洗浄ノズル
として用いた場合には、歯ぐきのマツサージ効果
に有用である。ノズルの構造が簡単であるの
で、低価格となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の洗浄ノズルを用いたシヤワー
トイレの斜視図である。第２図は、本考案による
可曲性洗浄ノズルの通常使用時における断面略図
である。第３図は、本考案による可曲性洗浄ノズ
ルの噴出角度を傾斜させた場合の断面略図であ
る。第４図は、第２図のＡ−Ａ断面図である。 １……可曲性洗浄ノズル、２……ノズル管、３
……隔壁、４……可曲部、７……水圧受板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 実質的に先端部分に噴出口を有しそして中間
   部分に環状の可曲部を有する洗浄ノズル管；該
   ノズル管の流路を該ノズル管の管軸方向に関し
   て該可曲部の位置付近まで洗浄水路と屈曲調整
   水路とに区分する隔壁；および該管軸方向に関
   して該屈曲調整水路の出口より下流且つ該可曲
   部より下流の位置に、該ノズル管の内部に該ノ
   ズル管と連結して設けた、該屈曲調整水路から
   の水圧を受けるための水圧受板；からなること
   を特徴とする、可曲性洗浄ノズル。 (2) 該可曲部がジヤバラ状構造体から成ることを
   特徴とする登録請求の範囲第１項の洗浄ノズ
   ル。