JPH01184030A - 同位体分離方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は複数種類の同位体から成る物質から特定の同位
体を分離するレーザ法による同位体分離方法及び装置に
関する。

（従来の技術） 例えばウランは質量数が２３５のウラン原子（以下ウラ
ン２３５と略記する）と、質量数が２３８のウラン原子
（以下ウラン２３８と略記する）との同位体混合物であ
る。ウランを原子炉用燃料とする場合、天然ウランから
ウラン２３５のみを分離し前記同位体混合物中のウラン
２３５の濃度を高くして使用している。

従来ウランのような同位体混合物から特定の同位体を分
離する方法としては、ガス拡散法、遠心分離法、レーザ
法などがあり、各方法とも同位体の化学的特性や物理的
特性の相違を利用して分離操作を行なうものである。こ
れらの方法のうち、レーザ法は分離性能の点で他の方法
よりも特に優れている方法として現在注目されている。

以下に従来のレーザ法による同位体分離方法及３置をウ
ラン同位体の分離操作を例にとって説明する。第５図は
ウラン濃縮工程において使用されるレーザ法同位体分離
装置の構成を示す斜視図、第６図は第５図におけるＩ−
Ｉ矢視断面図である。

この同位体分離装置においては、はぼ真空状態に維持さ
れた密封容器３内に、蒸発用容器２と、この蒸発用容器
２の上部に蒸気流通路６を介して同位体回収装置１４と
して帯状の陽電極８と陰電極９とが交互に前記蒸発用容
器２から発生する蒸気流７の上昇方向と平行に配置され
、この画電極の上部全般にわたって蒸気回収板１３が設
けられている。

密封容器３の外部には、蒸発用容器２に収容された金属
に照射する電子ビーム５を発生するリニア電子銃４、陽
電極８と陰電極９との間の長手方向に電離用レーザ光１
１を発生するレーザ発生装置１２が設けられている。さ
らに同位体回収装置１４の両電極間に電界を印加する図
示しない電源装置が設けられている。

蒸発用容器２内に収容された金属ウラン１にりニア電子
銃４からでる電子ビーム５を図示しない直流磁場によっ
て偏向させて照射し、金属ウランを２７００に〜３００
０に程度に加熱し蒸発させて蒸気流７を発生させる。蒸
気流７は蒸気流通路６を上昇し、陽電極８と陰電極９の
間の空間である光反応部１０ワ に導入される。ここで蒸気流今にウラン２３５を選択的
にイオン化する波長に調整された電離用レーザ光１１を
照射し　ウラン２３５のみをイオン化する。

一方、同位体回収装置１４である陽電極８と陰電極９と
の間には図示しない電源装置によってパルス状電極電圧
を印加することにより電界が形成されている。イオン化
して生じたウラン２３５イオンは前記の電界によって回
収電極である陰電極９の表面に吸着回収される。また、
イオン化せずに光反応部１０を通過したウラン２３８な
どの中°性原子の蒸気流は同位体回収装置１４の上部の
蒸気回収板１３に吸着回収される。この蒸気回収板１３
に吸着した蒸気流は液化して別途の手段により蒸発用容
器２等に還流される。

（発明が解決しようとする課題） 瓢 高温条件下で該対撥物質の蒸気流を発生させる工程を有
するため、発生した蒸気流には各種の不純物荷電粒子が
含まれる６例えばウランの同位体分離操作における不純
物荷電粒子としては、電子ビーム５中の高速電子がエネ
ルギー減損して変化した熱電子、電子ビーム中の高速電
子と蒸気流７中のウラン２３８が衝突して発生するウラ
ン２３８イオン、蒸気流７が高温熱源と接触して発生す
るウラン２３８熱電離イオン等がある。

これらの不純物荷電粒子を含む蒸気流７が同位体回収装
置１４内に導入されると、これら不純物荷電粒子のうち
ウラン２３８イオンなどの正性荷電粒子は回収の目的物
であるウラン２３５イオンと同伴して陰電極１９に吸着
される。また熱電子などの負性荷電粒子はウラン２３５
イオンと再結合してしまいウラン２３５イオンの回収が
阻害される。以上のように蒸気流中に不純物荷電粒子が
含まれると目的とする同位体の分離効率が低下し、目的
物である回収同位体の純度が低くなるという問題があっ
た。

本発明は前記問題点を解決するためになされたもので、
不純物荷電粒子の分離対象である同位体への混入を低減
し、純度の高い同位体の回収が可能な分離効率のよい同
位体分離方法及装置を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 本件第１番目の発明に係る同位体分離方法は。

複数の同位体を含む物質を荷電粒子ビーム等の照射によ
り加熱、蒸発させて蒸気流を発生させ、この蒸気流を陽
電極と陰電極とを交互に前記蒸気流の上昇方向と交差し
ない方向に並置してなる同位体回収装置に蒸気流通路を
経由して導入し、前記蒸気流に特定の同位体を選択的に
イオン化する電離用レーザ光を照射してイオン化同位体
を生成し。

一方前記同位体回収装置の両電極間に電界を印加Ｌ７て
、この電界により前記イオン化同位体を前記電極方向に
偏向させて吸着させ、特定の同位体をこれら電極間に蒸
気流方向と鉛基する電界を印加にしたことを特徴とする
。

また、本件第２番目の発明に係る同位体分離装置は、複
数種類の同位体を含む物質を収容する蒸発用容器と、こ
の蒸発用容器に収容された前記物質を加熱蒸発させるた
めに前記物質に照射する荷電粒子ビームを発する電子銃
と、前記蒸発用容器の上部の空間である蒸気流通路と、
この蒸気流通路の上部に前記蒸発用容器から発生する蒸
気流の上昇方向と交差しない方向に交互に並置された陽
電極と陰電極とからなる同位体回収装置と、この同位体
回収装置の電極間に電界を与える電源装置と、前記同位
体回収装置に導入された蒸気流に照射する電離用レーザ
光を発生するレーザ光発生装置と、前記同位体回収装置
の上部全般にわたって設けられた蒸気回収板とからなる
同位体分離装置において、前記蒸気流通路に不純物除去
用陽電極と陰電極とを前記酒気流の上昇方向と交差しな
い蒸気流方向と鎖交する方向の電界を与える電源装置と
を設けたことを特徴とする。

（作用） 荷電粒子ビームの照射により発生した複数種類の同位体
を含む物質の蒸気流は荷電粒子除去装置に導入される。

一方、この荷電粒子除去装置の不純物除去用の陽電極と
陰電極との間に電源装置により前記蒸気流方向と鎖交す
る電界を与える。荷電粒子除去装置に導入された前記蒸
気流中に含まれる不純物荷電粒子は、前記電界によって
前記不純物除去用の各電極上に吸着される。このため、
同位体回収装置には不純物荷電粒子を含まない電気的に
中性な蒸気流が供給される。

（実施例） 以下、第１図から第３図までを参照して本発明の第１お
よび第２の実施例をウラン濃縮工程におけるウラン同位
体分離操作を例にとって説明する。

第１図は本廃明に係る同位体分離装置の第１の実施例の
概略を示す斜視図、第２図は第１図の■−■矢視断面図
、第３図は第２図における荷電粒子除去装置の作用を示
す拡大図である。なお、既に説明した従来例と同一部分
には同一符号を付し。

重複する説明を省略する。

本発明の第１の実施例である同位体分離装置は、第１図
及び第２図中性号３で示される密封容器の底部に蒸発用
容器２を備えており、この蒸発用容器２内には金属ウラ
ン１が収容されている。蒸発用容器２の上部には、荷電
粒子除去装置２０として複数の陽電極板１８と陰電極板
１９とが前記蒸発用容器２から発生する蒸気流７の上昇
方向と交差しない方向に交互に対向させて並置されてお
り、この両型極板の間には図示しない電源装置によって
蒸発 気流７の上昇方向とｆｉ−１ｉｄする方向の電界が印加
されている。この荷電粒子除去装置２０の上部には同位
体回収装置１４として複数の陽電極板８と陰電極板９と
が前記荷電粒子除去装置２０と同様に並置さる光反応部
１０のそｈぞれには、密封容器３外部に設けられたレー
ザ光発生装置１２から電極板の長手方向にＴｌ！雛用レ
ーザ光１１が入射される。この電離用レーザ光はウラン
２３５だけを選択的にイオン化する波長に調整されてい
る。さらに同位体回収袋ｒｍ１４の上部には蒸気回収板
１３が設けられている。

また、密封容器３の外部には、蒸発用容器２に収容され
た金属ウラン１を加熱蒸発させるための電子ビーム５を
発生するリニア電子銃４が設けられており、リニア電子
銃４から発生した電子ビーム５は直流磁場により偏向し
て金属ウラン１に照射される。

蒸発用容器２に収容された金属ウラン１は電子ビーム５
により加熱されて蒸発し、蒸気流７となる。この蒸気流
７にはウラン同位体中性原子のほか、不純物として電子
ビーム５から発生した熱電子、電子ビーム５との衝突に
より発生したウラン同位体イオンなどが含まれる。蒸気
流７は密封容器３内を上昇し、荷電粒子除去装置２０に
流入し、陽電極板１８と陰電極板１９の間の蒸気流通路
６ａを通過する。この際、蒸気流７は陽電極板１８と陰
電極板１９の間に印加された電界により第３図に示すよ
うな挙動をする。即ち、蒸気流中のウラン同位体中性原
子２１は電界による影響を受けることなく軌道２４のよ
うに直進し、同位体回収装置１４へ流入する。一方不純
物であるウラン同位体イオン２２及び熱電子２３は電荷
を帯びているため電界に影響されて、それぞれ陰電極板
１９及び陽電極板１８の方向へ軌道２５及び２６のよう
に偏向して各電極板に付着し除去される。以上のように
して荷電粒子除去装置２０を不純物荷電粒子が除去され
た蒸気流７は同位体回収装置１４の光反応部１０へ流入
し、ｆ！！離用レーし１１の照射により　ウラン２３５
がイオン化されて陰電極板９に吸着し回収され、熱電子
とウラン２３５イオンの再結合やウラン２３８イオンの
陰電極板への吸着など不純物荷電粒子による影響はなく
なる。

イオン化されないウラン２３８中性原子は光反応部１０
を通過して蒸気回収板１３に付着し、別途の手段により
蒸発用容器２などに還流される。

本実施例において、荷電粒子除去性能を決定する因子で
ある荷電粒子除去装置２０に印加する電圧Ｖｅは電荷粒
子の速度ｖ（１に関係する。荷電粒子である不純物イオ
ン２２の速度ｖａは中性原子２１の平均速度ｖａ′　と
ほぼ同程度と考えてよく、この中性原子平均速度ｖａ′
は操作温度Ｔを２７００Ｋ、原子質ｆｉｋｍを３．９５
２　Ｘ　１０””’　ｋｇ　、　ホ／Ｌ”／　？　ン定
数ｋ　ｔｒ　１．３８１　Ｘ１Ｏ−２３Ｊ／にとして■
式より得られる。

ｖａ′＝瀝ｒα４３０　（ｍ／５ｅｅ）　　　　■この
中性原子平均速度ｖａ′　をイオン速度ＶＱとして代用
し、電気素量をｅとすると、電圧Ｖｅは０式を満足しな
ければならない。

Ｖｅ≧ユバ２＝″−一０．２３（Ｖ） ２ｅ　　　ｅ　　　　　　　　　　■ ■式を満たす電圧Ｖｅを印加すれば、イオン２２は陰電
極板１９に吸引され得る。また、不純物熱電子２３のエ
ネルギーはイオン２２にほぼ等しいので、０式より得ら
れる電圧Ｖｅにより陽電極板１８上に吸引され得る。従
って、イオン２２、熱電子２３を除去するには電圧Ｖｅ
を数Ｖに設定すれば十分である。ただし、電子ビーム５
中に含有される高速電子も不純物中に存在するとして除
去する場合、高速電子のエネルギーは金属ウラン１上で
の反射、エネルギー減損により数ＫＶに減衰していると
思われるので電圧、Ｖｅを数ＫＶに設定すれば除去され
得る。

さらに、荷電粒子除去性能を決定する因子として荷電粒
子除去装置２０の電極板１８．１９間の電極間ｖＸｄが
ある６以下、この電極間隙ｄを考慮した本発明の第２の
実施例を第１図及び第２図を参照して説明する。本発明
の第２の実施例に係る同位体分離装置は図中符号ｄで示
される荷電粒子除去装置２０の電極間隔を蒸気流７中の
中性原子２１の平均自由工程λと同程度に設定したこと
を特徴とする。

電極間隙ｄを小さく設定すれば荷電粒子除去性能を高め
ることができるが、電極間隙ｄが中性原子２１の平均自
由行程λより小さくなりすぎると電極板１８．１９の存
在により中性原子２１の流れが阻害されることが予想さ
れるので、ｄαλと設定するのが荷電粒子除去性能を高
める点から妥当である。

特に、同位体分離性能を高めることまでを考慮すると、
電極間隙ｄを中性原子平均自由行程λより少し小さめに
設定すると効果的である。これは同位体回収装置１４に
おいても電極板８，９が蒸気流７の流れを阻害すること
なく、イオン化された同位体以外は電極板８，９に付着
しないことが理想的であるため、荷電粒子除去装置２０
の電極間隙ｄを平均自由行程λより小さめに設定して同
位体回収装置１４へ導入される蒸気流７を整流する効果
を持たせるものである。

次に本発明の第３の実施例について第４図を参照して説
明する。第４図は本発明の第３の実施例における要部拡
大図である０本発明の第３の実施例に係る同位体分離装
置は、荷電粒子除去装置２０の陽電極板１８及び陰電極
板１９に樋２８を設けたことを特徴とする。電極板１８
．１９上に付着した同位体は液化して電極板１８．１９
を伝わって樋２８に達する。

さらに同位体は＠２８を経由して蒸発用容器２や別途の
貯留槽などに回収されるように構成されており１分離対
象物質のロスを低減することができる。

これに限るものではない。

〔発明の効果〕

本発明によれば、予め不純物荷電粒子を除去し、同位体
回収装置には中性同位体の蒸気流を導入することにより
、不純物荷電粒子の分離対象同位体への混入を低減し、
純度の高い分離同位体の回収が可能な分離効率のよい同
位体分離方法及装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る同位体分離装置の第１の実施例の
概略を示す斜視図、第２図は第１図の■−■矢視断面図
、第３図は第２図における荷電粒子除去装置の作用を示
す拡大図、第４図は本発明に係る同位体分離装置の第３
の実施例の要部拡大図、第５図は従来の同位体分離装置
の概略を示す斜視図、第６図は第５図のＩ−Ｉ矢視断面
図である。 ｌ・・・金属ウラン、　　　　２・・・蒸発用容器。 ３・・・密封容器、　　　　４・・・リニア電子銃。 ５・・・電子ビーム、　　　６，６ａ・・・蒸気流通路
、７・・・蒸気流、　　　　　　８・・・陽電極板、９
・・・陰電極板、　　　　１０・・・光反応部、１１・
・・電離用レーザ光、　１２・・・レーザ発生装置、１
３・・・蒸気回収板、　　　１４・・・同位体回収装置
、１８・・・陽電極板、　　　　１９・・・陰電極板。 ２０・・・荷電粒子除去装置、２１・・・中性原子。 ２２・・・イオン、　　　　　２３・・・熱電子、２４
．２５，２６・・・軌道、　　　２７・・・樋。 代理人　弁理士　則　近　憲　佑 同　　第子丸　健 第１図 第２図 第３図 第４図 第　５　図 第６図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）複数種類の同位体を含む物質を荷電粒子ビーム等
   の照射により加熱し蒸発させて前記物質の蒸気流を発生
   させ、この蒸気流を陽電極と陰電極とを前記蒸気流の上
   昇方向と交差しない方向に交互に並置してなりこの両電
   極間には電界が印加されている同位体回収装置に蒸気流
   通路を経由して導入し、前記蒸気流に特定の同位体を選
   択的にイオン化する電離用レーザ光を照射してイオン化
   同位体を生成し、このイオン化同位体を前記電極間に印
   加された電界により前記電極方向に偏向させて特定の同
   位体を分離回収する同位体分離方法において、前記蒸気
   流通路に不純物である荷電粒子除去用陽電極と陰電極と
   を前記蒸気流の上昇方向と交差しない方向に交互に並置
   し、この電極間に蒸気流方向と鎖交する電界を印加する
   ことにより、蒸気流中に含有される不純物荷電粒子をこ
   の荷電粒子除去用電極上に吸着させて除去することを特
   徴とする同位体分離方法。
2. （２）複数種類の同位体を含む物質を収容する蒸発用容
   器と、この蒸発用容器に収容された前記物質の蒸気流を
   発生させるための荷電粒子ビームを発する電子銃と、前
   記蒸発用容器の上部の空間である蒸気流通路と、この蒸
   気流通路の上部に前記蒸発用容器から発生する蒸気流の
   上昇方向と交差しない方向に交互に並置された陽電極と
   陰電極とからなる同位体回収装置と、この同位体回収装
   置の電極間に電界を印加する電源装置と、前記同位体回
   収装置に導入された蒸気流に照射する電離用レーザ光を
   発生するレーザ光発生装置と、前記同位体回収装置の上
   部全般にわたって設けられた蒸気回収板とからなる同位
   体分離装置において、前記蒸気流通路に不純物除去用陽
   電極と陰電極とを前記蒸気流の上昇方向と交差しない方
   向に交互に対向させて並置してなる荷電粒子除去装置と
   、この荷電粒子除去装置の電極間に前記蒸気流方向と鎖
   交する方向の電界を印加する電源装置とを設けたことを
   特徴とする同位体分離装置。