JPH0118174B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明はキヤリアレピアが筬打ち運動するス
レー上を往復運動する型式の積極式オープナーを
備えたレピア織機におけるレピアの駆動方法に関
するものである。

《従来技術及びその問題点》 一般にレピア織機においては、反給糸側から経
糸開口内に進入したキヤリアレピアはインサート
レピアが運んできた緯糸を略中央で受け取つた後
または直接給糸装置から緯糸を把持した後経糸開
口内を後退して緯入れするものである。

従来のこの種のレピア織機においては織機の運
転時にレピアヘツドの先端は第２図に示すような
軌跡をたどつて経糸開口内に進入・退出してい
る。即ち、レピアヘツドの経糸開口内への進入
（以下「レピア挿入」という）時及びそこからの
退出（以下「レピア後退」という）時のレピアヘ
ツド先端は同一軌跡上を通過している。

ところで、緯入れの安定のために、レピア運動
時のレピアヘツドの動きの安定性を高めてやるこ
とが必要であることは良く知られている。このレ
ピアヘツドの安定性を得るにはレピアの後退量を
多くしてレピア挿入時の加速距離を大きくしてや
るようにすれば良い。そうすれば、布部に進入す
る時点でレピアの加速度の変化率を小さくでき安
定したレピアの運動を得ることができる。

しかし、このようにレピアの後退量を単に多く
しただけでは緯糸把持を解くまでに多くの緯糸を
引き出すことになり糸ロスが多なり好ましくな
い。

《発明の目的》 この発明は緯糸ロスがないようにしながら安定
したレピアヘツドの動きによる緯入れの安定化を
実現しようとして提案されたものである。

《発明の基本的構成》 この発明の基本的構成するところは、キヤリア
レピアが後退中であつて、レピア先端が織物耳部
を抜けた時点から筬打ち時近辺までの所定時に該
キヤリアレピアの後退を一時停止させ、 次いで筬打ち時近辺から、キヤリアレピアを更
に後退方向に所定長移動させることを特徴とする
ものである。

更に具体的には、第１図に示すように、緯糸を
把持したキヤリアレピア１の後退中のヘツドは
「軌跡Ｍ」を描き、再スタートの所定位置から前
進中の軌跡Ｎを描く。即ち、緯糸を把持して後退
中のキヤリアレピア１を搦み糸SYを抜けた地点
ｂで一時的に停止させ、そのまま筬打ち運動で筬
打ち時点の地点ｄ付近まで前進させる。

そして、この地点ｄ付近でキヤリアレピアの緯
糸把持を解除させながら筬打ち運動を後退させ、
且つキヤリアレピアを所定長だけ後退させてや
る。そうすると、キヤリアレピア１のヘツド先端
も緯糸把持解除の状態を維持しながら再スタート
位置たる地点ｆまで後退し、以後所定時に軌跡Ｎ
をたどりながら前進する。

なお、キヤリアレピアの緯糸把持の解除を開始
する地点は筬最前進地点ｄ地点付近であるので、
キヤリアレピアは緯糸の把持を解除した状態でレ
ピア延在方向に後退移動することになり、緯糸を
容易にレピアから抜き取ることができるととも
に、略筬打ち時点（ｄ地点）付近までキヤリアレ
ピアが緯糸を把持しているので緯緩みが発生する
といつたこともなくなる。

また、第１図においては、キヤリアレピア１は
地点ｂ〜ｄの間でレピア延在方向への移動を停止
するように図示したが、これに限定されるもので
はなく、引き続き連続的に後退させるようにして
おいてやつてもよい。

《実施例》 第３図に示すように、レピアガイド２は筬３と
ともに筬打ち運動をするように取り付けられてい
る。キヤリアレピア１は上記レピアガイド内に位
置して、緯入れ方向に往復動する。図中９はオー
プナーであり、レピア１が後退して第１図に示す
地点ｄ付近でレピアのキヤツチレバー６に押圧接
触し緯糸の把持を解除させ、この状態を維持した
ままでレピアヘツドの位置が最後退地点たる地点
ｆ付近まで後退する。

なお、この緯糸把持解除の装置としてのオープ
ナーは積極式のものであつても固定式のものであ
つてもよいことは勿論である。

《発明の効果》 この発明によれば、レピアが緯糸の把持解除を
するまでの後退移動距離を最小限にして緯糸ロス
を無くすようにしておいてレピアを更に再スター
ト位置まで後退させるので、緯糸の引き出し量を
少くしてレピア挿入時の加速距離を大きくでき
る。これによつてレピアが経糸開口内に進入する
時点でレピアの加速度の変化率が小さくなりレピ
アの安定した運動が得られ、緯入れの安定化を期
すことができる。

また、緯糸の把持を解除するに当つても再後退
時のレピア移動速度が低いときに把持解除をさせ
ればそれだけ緯糸の張力は安定し織物品質も向上
する。

更に、耳部からの後退量を多くするということ
はその分だけガイドの長さも長くせざるをえない
ので、これによつてレピア運動の安定性を増すこ
とができる。

この発明の方法を実施するための装置として
は、従来のレピア作動機構の一部を改変するだけ
で上記効果を得ることができるので、製作費用の
点からも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図；この発明のレピア織機のレピア駆動方
法によるレピアヘツド先端の軌跡を示した説明
図。第２図；従来のレピア織機のレピア駆動にお
けるレピアヘツド先端の軌跡を示した説明図。第
３図；この発明の方法を実施するための作動状態
を示した平面説明図。 １……レピア、２……レピアガイド、３……
筬、４……レピアのフレキシブルケーブル、６…
…キヤツチレバー、９……オープナー、CL……
織布、SY……搦み糸、BE……筬打ち時点を示す
線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ キヤリアレピアが筬打ち運動するスレー上を
   往復運動する型式のレピア織機において、 キヤリアレピアが後退中であつて、レピア先端
   が織物耳部を抜けた時点から筬打ち時近辺までの
   所定時までの間に該キヤリアレピアの後退を一時
   停止させ、 この後レピアを更に後退方向に所定長だけ移動
   させる ことを特徴とするレピア織機におけるレピアの駆
   動方法。