JPH0117510B2 - - Google Patents

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JPH0117510B2
JPH0117510B2 JP58088218A JP8821883A JPH0117510B2 JP H0117510 B2 JPH0117510 B2 JP H0117510B2 JP 58088218 A JP58088218 A JP 58088218A JP 8821883 A JP8821883 A JP 8821883A JP H0117510 B2 JPH0117510 B2 JP H0117510B2
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reinforcing
adhesive
flattened
layer
thermosetting resin
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JP58088218A
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Toshikatsu Miura
Yukio Okada
Toshihiko Aryoshi
Itsuro Takenoshita
Takashi Tominaga
Tadahiro Rokusha
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Nissan Motor Co Ltd
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Publication of JPH0117510B2 publication Critical patent/JPH0117510B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は補強用の接着性シートに関するもの
である。
従来、自動車などにおいては、車体鋼板に種々
の補強措置が施されている。たとえば、ルーフ、
フエンダー、フード、トランク、クオーターパネ
ル、ドア部のように比較的広くて平坦な形状であ
りながら板厚が薄い外板においては、構造上外力
に対して適度な剛性を具備させる必要から、金属
補強部材からなる内板をスポツト溶接や接着剤に
より貼り付ける手法がとられている。しかし、こ
の方法では、金属補強部材の重量が重く、車体の
軽量化に沿つて設計された外板の薄板化に逆行
し、重量増加、コストアツプになり、さらに取り
付け工程が複雑化するなどの欠点を有していた。
また、車体外板の制振と補強を兼ねて、アスフ
アルトゴム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フエ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの高分
子材料を外板の裏面に相当な厚みでかつ相当な面
積に塗布ないし貼りつける方法も知られている。
この方法では、剛性強さは厚さの3乗に比例する
といわれ、したがつて厚さを大にすることにより
剛性強さを増大できる効果が得られるが、樹脂量
の増大による重量の増加、コストアツプとなるな
ど前記金属補強部材と同様の欠点を有している。
これに対して軽量でかつ剛性強さを期待できる
ものとして特開昭56−39966号公報に未硬化状態
の熱硬化性樹脂層に発泡剤を含むシートを添着し
た補強用シートが示されている。この補強用シー
トは使用に際しては被補強部材に貼着し、加熱す
ることにより発泡剤を含むシートを発泡させて、
熱硬化性樹脂層にビート状部を形成して硬化させ
るものである。かかる補強用シートは軽量で補強
効果にもすぐれているが、安定した補強効果を得
るためには、加熱条件の管理を厳密に行わねばな
らないという問題があつた。
すなわち、加熱時間が短いと発泡剤が発泡して
形成された気泡が加熱後収縮し始めた頃に熱硬化
性樹脂層が硬化することになり、ビードの高さが
若干低くなり補強効果が低減することがある。逆
に加熱時間が長かつたり、発泡適正温度を超えて
加熱した場合には、気泡の破裂が起きてビードの
高さが低くなり前記と同様に補強効果が低減して
しまう。
このような問題点を解決するため、本出願人は
特公昭62−10589号加熱によつて復元変形する形
状記憶機能を有するチユーブ状体を偏平に加工
し、この偏平化物をこの偏平化物よりも巾広い未
硬化状熱硬化性樹脂シート、すなわちプリプレグ
に添着した補強用の接着性シートを提案した。
この接着性シートは、被補強部材に貼着し加熱
することにより偏平化物が元のチユーブ状体に復
元して、プリプレグにリブが形成された状態で硬
化するものである。これによると所定の温度でチ
ユーブ状体に復元したのちはその形状に変化がな
く、リブが所定の形状に形成されるので加熱条件
の管理が容易である。
しかしながらこの補強用の接着性シートでは、
硬化後に力を受ける部分であるプリプレグはある
定度の厚みを必要とするが、被補強部材との接着
部分やリブの裾部に相当する部分はほとんど補強
に寄与しておらず、このような補強にほとんど寄
与しない部分の重量が接着性シート全体の重量に
対して占める割合が多く、軽量化という点で充分
ではないという問題を有していた。
この発明は、かかる従来の実情に鑑みてなされ
たもので、軽量安価で被補強部材の剛性を著しく
向上させる補強用の接着性シートを提供すること
を目的としたものである。
すなわち、この発明は、加熱によつて復元変形
する形状記憶機能を有する中空体から成形される
とともに、ホツトメルト接着剤を用いて上記中空
体内面を接着してなり、加熱により上記ホツトメ
ルト接着剤の接着力の低下にともない復元変形を
起こすように形成した偏平化物と、この偏平化物
の一方の面にこの偏平化物の幅とほぼ等しいかあ
るいは前記の幅より挟まい幅の熱硬化性樹脂層を
添着し、他方の面に常温で粘着性を有する層を添
着したことを特徴とする補強用の接着性シートに
係るものであり、この補強用の接着性シートによ
ると前記のような問題点を解決することができ
る。
つぎにこの発明を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明の補強用の接着性シートの一
例を示すものであり、ホツトメルト接着剤を用い
て中空体内面を接着して形成された偏平化物2の
一方の面にこの偏平化物の幅とほぼ等しい幅の熱
硬化性樹脂層3を添着し、他方の面に常温で粘着
性を有する層4を添着したものである。
この接着性シート1を第2図に示すように補強
すべき金属板5に前記の層4を介して貼着したの
ち加熱するとホツトメルト接着剤の接着力が低下
するとともに偏平化物2は第3図に示すように中
空体2′に復元変形し、これとともに熱硬化性樹
脂層3′は中空体2′に沿つてアーチ型となつて硬
化して補強材1′が形成される。
この補強材1′におけるアーチ型の熱硬化性樹
脂層3′には補強に寄与しない部分がほとんどな
く、均一な平面の補強材と比較して軽量でしかも
補強効果にすぐれたものである。また、加熱の際
の温度、時間の管理を厳密に行わずとも常に安定
した補強効果を得ることができる。
この発明の補強用の接着性シートにおける偏平
化物を得るには、まず加熱によつて復元変形する
形状記憶機能を有する中空体を形成する。ここに
いう中空体とは、好ましくは断面が円形あるいは
多角形であるチユーブ状で、肉厚が通常約0.1〜
5mm程度の比較的柔軟性を有する材料、たとえば
高分子成形品であつて、一般に押出成形機にて得
ることができる。中空体の肉厚が薄すぎると偏平
化物が復元変形する際に、この片面に添着されて
いる熱硬化性樹脂層の重みのために正常な復元が
阻害されたり、充分な補強効果が得られず、また
肉厚が厚すぎると接着性シートの重量が増加し好
ましくない。
このような高分子からなる中空体の製造に使用
されるポリマーとしては熱可塑性樹脂が好まし
く、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニルなどが挙げられる。また、加熱によ
り復元できる材料であればエチレン−プロピレン
−ターポリマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴムなど
のエラストマーでもよく、またこれらエラストマ
ーと上記熱可塑性樹脂とをブレンドしてもよい。
またこれらポリマーには必要に応じて充填剤、顔
料、老化防止剤、安定剤を添加してもよい。
この発明においては前記の高分子からなる中空
体を好ましくは架橋処理する。架橋処理法として
はとくに電子線、ガンマー線などの電離放射線照
射もしくは紫外線照射などが有効であるが、中空
体の製造時に予め架橋剤もしくはこれと架橋促進
剤とを配合、混練してこれら配合剤により加熱架
橋させる方法でもよい。この架橋剤および架橋促
進剤としては、ジクミルパーオキサイド、ラウリ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
メチルエチルケトンパーオキサイドなどのパーオ
キサイドの他に、チウラム系化合物、ジチオカル
バミン酸塩系化合物などが挙げられる。なお、水
分によつて架橋反応が進行する変性ポリオレフイ
ン樹脂を用いて中空体を形成した場合には前記の
ような架橋処理はとくに必要はない。
また、この発明における中空体としては前記の
ような高分子成形品の他に形状記憶合金のような
金属を用いてもよい。しかしこのような金属の中
空体を用いた接着性シートでは、被補強部材が曲
面である場合にはこの接着性シートを曲面に追従
させることが難しくなる。これを解決するには中
空体の肉厚を薄くしたり、あるいはスリツトを入
れて中空体を分割するとよい。
前記の中空体から偏平化物を形成するには、中
空体内をホツトメルト接着剤を用いて接着させ
る。なお、ここでいうホツトメルト接着剤とは、
室温で接着性があり、加熱時には接着性が低下し
て偏平化物が中空体状に復元変形するのを妨げな
いものであれば特に限定されない。
このようなホツトメルト接着剤を用いると、加
熱前の補強用の接着性シートにおいては中空体は
偏平化状態を安定に保ち、加熱の際には上記のホ
ツトメルト接着剤の接着性が低下するため偏平化
物は容易に中空体状に復元変形することができ
る。なお、中空体がポリマーから成形される場合
には、単に中空体内面をプレス成形や熱ロール間
を通す等の手段で圧着させることもできるが、こ
の場合には過度の熱融着によつて均一に復元変形
し難い、あるいは熱融着が不充分で加熱前に元の
形状に復元してしまい被補強物への圧着作業性が
低下する等の問題が起きやすい。
中空体内面をホツトメルト接着剤を用いて接着
させるには、予め中空体内面にホツトメルト接着
剤層を形成しておくか、あるいはホツトメルト接
着剤を予めシート状またはロツド状に製造してお
き、これを中空体内に挿入して中空体の半径方向
から熱プレス、熱ロール間を通す等任意の方法で
圧着すればよい。
なお、この偏平化物が加熱により復元変形して
中空体状となれば、この形状は安定に保持される
ので、電線等を通して電線を固定することも可能
である。
このようにして得られた偏平化物の片面に添着
される熱硬化性樹脂層としては、加熱硬化させた
ときの引張弾性率が金属板の剛性を向上させるに
必要かつ充分な大きさ、通常は30〜500Kg/mm2
度となるように熱硬化性樹脂、硬化剤その他の添
加剤が配合された樹脂組成物を未硬化ないし半硬
化状態で、好ましくは未硬化状態でシート成形す
ることにより得られる。
熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましく
用いられ、これには通常のグリシジルエーテル
型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン
型、線状脂肪族エポキサイド型、脂環族エポキサ
イド型などの各種エポキシ樹脂が含まれ、各組成
物層の物性に応じてその1種を単独であるいは2
種以上を組み合せて使用できる。
また、硬化剤としては、加熱により硬化作用を
発揮する通常の硬化剤でよく、一般に80〜200℃
の温度範囲で活性であれば充分で、たとえば、エ
ポキシ樹脂の場合、ジシアンジアミド、4・4′−
ジアミノジフエニルスルホン、2−n−ヘプタデ
シルイミダゾールのようなイミダゾール誘導体、
イソフタル酸ジヒドラジド、N・N−ジアルキル
尿素誘導体、N・N−ジアルキルチオ尿素誘導体
などが用いられる。使用量は、エポキシ樹脂100
重量部に対して通常1〜15重量部の割合でよい。
上記の熱硬化性樹脂および硬化剤のほかに、組
成物にシート成形が可能な程度に凝集力を持た
せ、またタレ防止のため、あるいは溶融粘度を下
げぬれ性を向上させるためなどの目的で各種の添
加剤が、必要に応じて用いられる。
たとえば、シート成形能を向上させる目的で、
ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリアミド
誘導体、ポリエステル、ポリスルホン、ポリケト
ン、ビスフエノールAとエピクロルヒドリンとよ
り誘導される高分子量のエポキシ樹脂などの熱可
塑性樹脂、またブタジエン−アクリロニトリル共
重合体ないしその誘導体などを配合できる。これ
らの使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して
5〜100重量部程度とするのがよい。
また、組成物のタレ防止の目的で、炭素カルシ
ウム、タルク、アスベスト、けい酸類、カーボン
ブラツク、コロイダルシリカなどの充填剤が用い
られる。配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対
して通常10〜300重量部程度とすればよい。さら
に、溶融粘度を下げてぬれ性を向上させる目的
で、ブチルグリシジルエーテル、長鎖アルコール
のモノグリシジルエーテルなどの反応性稀釈剤、
ジオクチルフタレートの如きフタル酸系可塑剤、
トリクレンジホスフエートの如きりん酸系可塑剤
などを配合できる。これらの量は、エポキシ樹脂
100重量部に対して通常5〜30重量部程度とする
のがよい。
上記のような樹脂組成物から成形される熱硬化
性樹脂層には、金属板の補強効果を大ならしめる
ために、補強材が埋設されていることが望まし
い。この補強材としては、ガラス繊維やアスベス
ト繊維などからなる無機質繊維布、麻、綿、ナイ
ロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどからな
る有機質繊維布、ポリエステルフイルムやナイロ
ンフイルムの如きプラスチツクフイルム、クラフ
ト紙の如き紙、ポリエステル繊維、ポリプロピレ
ン繊維などからなる不織布、アルミニウム、鉄、
銅、亜鉛などからなる金属箔などがある。
補強材を埋設するには、樹脂組成物をシート状
に成形する際に、補強材の片面ないし両面に熱硬
化性樹脂を主体とした樹脂組成物を塗布ないし含
浸させるようにすればよい。前記補強材のなかで
も片面含浸によつてしかも充分に大きな補強効果
の得ることのできる無機質繊維布が好適であり、
とくに望ましくはガラス繊維布を使用するのがよ
い。
このようにして得られる熱硬化性樹脂層の厚み
としては、通常は0.01〜10mm程度であり、この層
の好ましき性状としては、常温では実質的に流動
せず自己保持性を有するが、全体として高粘度状
態となつているものである。
次に、偏平化物の他方の面に添着される常温で
粘着性を有する層としては、補強用の接着性シー
トが脱落しない程度の粘着性を有するものであれ
ば特に限定されないが、好ましくは未硬化状態の
熱硬化性樹脂を用いる。なお、このような熱硬化
性樹脂を用いる場合には、これに硬化剤その他添
加剤を配合した樹脂組成物をシート成形するが、
この組成物の加熱硬化後の引張弾性率が金属板の
剛性を向上させるに不充分な大きさ、通常は0.1
〜22Kg/mm2程度とされていることが好ましい。こ
のような引張弾性率にしておくと、常温で粘着性
を有する層が加熱硬化する際の収縮に起因する金
属板の歪が生じることがない。
なお、この明細書において、引張弾性率とは
ISORecommendation R−527に規定された方法
で、Type1のテストピースを使用し、SpeedBに
より測定される値を意味するものである。
前記の熱硬化性樹脂、硬化剤その他添加剤とし
ては、前記の熱硬化性樹脂層において示したと同
様のものを用い、常温で粘着性を有し、加熱硬化
後の引張弾性率が前記の範囲となるような配合組
成とすればよい。この配合組成物をシート成形す
ることにより常温で粘着性を有する層が得られ
る。この層の厚みとしては通常は0.1〜30mm程度
である。
このようにして得られた常温で粘着性を有する
層を前記の偏平化物の片面に添着し、さらにこの
偏平化物の他方の面に前記の熱硬化性樹脂層を添
着することによりこの発明の補強用の接着性シー
トが得られる。この際、前記の熱硬化性樹脂層の
幅を偏平化物の幅とほぼ等しいかあるいはこれよ
りせまくすることが必要である。熱硬化性樹脂層
の幅が偏平化物の幅より広いと接着性シートの加
熱硬化後にその端部は補強効果が少なく単に重量
増加をもたらすだけで好ましくない。また、熱硬
化性樹脂層の幅を偏平化物の幅よりせまくする場
合には、この幅が偏平化物の幅の1/2未満となら
ないようにするのが好ましい。この幅が偏平化物
の幅の1/2未満となると補強効果が低下するので
好ましくない。
また、粘着性を有する層においてもその幅が偏
平化物の幅より広すぎては単に重量増加をもたら
すだけであり、せますぎては被補強部材と接着性
シートとが充分に接着せず好ましくない。このた
め粘着性を有する層の幅も偏平化物の幅と同程度
から偏平化物の幅の1/2程度とするのがよい。
また、この発明の補強用の接着性シートには、
熱硬化性樹脂層の表面に保護フイルムを貼り付け
てもよい。この保護フイルムにより以下の如き効
果が得られる。
第1に、保護フイルムをもつた補強用の接着性
シートは、これを使用前にテープ状巻回体として
保存する場合には、保護フイルムがセパレーター
としての機能を果すため層間粘着の如き問題をお
こさない一方、このシートを用いて補強するに当
たり上記の保護フイルムを剥離しないでそのまま
ドア外板面等に適用するため面倒な剥離操作が不
要となり、補強作業の迅速化に好結果が得られ
る。
第2に、この保護フイルムは加熱硬化後、補強
層の一部としてドア外板面などに設けられるもの
であるから、これによる補強効果の改善を期待で
きる一方、補強材により強化された樹脂層を全面
にわたつて被覆する如く設けられるために上記層
の耐湿特性に好結果を与え、経日的な補強効果の
低下を防止する。したがつてより信頼性の高い補
強層を形成することができる。
保護フイルムは、上記のとおりの各種機能を有
し、強度、耐湿性、耐熱性などにすぐれたポリマ
ー材料を0.01〜0.5mm、好適には0.003〜0.1mmの厚
みに成形したものを用いる。ポリマー材料として
は、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの各種フイル
ムを用いることができる。
このようにして得られるこの発明の接着性シー
トを用いて補強するべき対象物の代表的なもの
は、金属板、とりわけ自動車の外板の如き車体鋼
板であるが、その他各種車輌、洗濯機、テレビ等
家電製品などの一般に薄板とされている金属板に
対して広く適用することができる。
上述の如き金属板、たとえば車体鋼板ではその
鋼板の裏面側に、前記接着性シートを常温で粘着
性を有する層を介して圧着し、ついで通常の加熱
方法、たとえば熱風循環式の加熱炉、赤外線加熱
炉、高周波誘導加熱炉などを用いて加熱し硬化さ
せることにより補強効果を得ることができるもの
である。なお、上記加熱硬化は、自動車製造ライ
ンにおける車体鋼板の塗料焼付工程で同時に行う
ことができる。
以上詳述したとおり、この発明の補強用の接着
シートによれば、このシートを金属板等の補強す
べき物体に貼り付け加熱硬化させるだけで軽量で
しかも大きな補強効果が得られるとともに前記加
熱にあたつては加熱条件の管理が容易である等の
利点がもたらされる。
つぎにこの発明の実施例を記載する。なお、以
下において部とあるのは重量部を意味する。
実施例 ポリエチレン樹脂(住友化学社製のスミカセン
L−705)を押出成形機にてチユーブ成形し、外
径10mm、肉厚0.8mmのポリエチレンチユーブ状体
を得た。このチユーブ状体に電子線加速器を用い
20Mrad電子照射を行つた。この電子線照射ポリ
エチレンチユーブ状体内にエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂(三井ポリケミカル社製のエバフレ
ツクス#150)の棒状物(直径約1mm)を挿入し
た後、約120℃の熱ロールを通してポリエチレン
チユーブ状体を半径方向から圧着することによ
り、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂がホツト
メルト接着剤の役目をした偏平化物が得られた。
この偏平化物の幅は18mmであつた。
一方エピコート#828(油化シエルエポキシ社製
のビスフエノールA型液状エポキシ樹脂)50部、
エポミツクR−151(三井石油化学エポキシ社製の
可とう性エポキシ樹脂)10部、バイロン#500(東
洋紡社製のポリエステル樹脂)40部、ジシアンジ
アミド(日本カーバイド社製のエポキシ樹脂潜在
硬化剤)2部、キユアゾール2MZ−AZINE(四国
化成社製のエポキシ樹脂用潜在硬化剤)2部、タ
ルク50部、アスベスト粉2部からなるエポキシ樹
脂組成物を通常のミキシングロールにて混練し、
得られた樹脂塊を直圧式プレスにて厚さ0.5mmに
シート状に成形し、幅が18mmのテープ状となるよ
うに切断して熱硬化性樹脂層を得た。
つぎに、エピコート#871(油化シエルエポキシ
社製のダイマー酸変性エポキシ樹脂)80部、エピ
コート#1002(油化シエルエポキシ社製のビスフ
エノールA型固型エポキシ樹脂)10部およびハイ
カーCTBN1300×8(BFグツドリツチ社製のニ
トリルゴム)10部を混合釜にて溶融混合して得ら
れた組成物100部に、キユアゾール2MZ−AZINE
(前出)5部、ジシアンジアミド5部、タルク50
部およびアスベスト粉2部を配合し通常のミキシ
ングロールにて混練り後、これを直圧式プレスに
てシート状に成形して、厚さ0.8mmの未硬化状態
の熱硬化性樹脂組成物からなるシートを得た。こ
のシートを幅18mmになるようにテープ状に切断
し、常温で粘着性を有する層とした。
前記の偏平化物の片面に熱硬化性樹脂層を添着
し、他方の面に常温で粘着性を有する層を添着し
てこの発明の補強用の接着性シートを得た。
この補強用の接着性シートを0.8mm厚で50mm幅
の鋼板に前記の常温で粘着性を有する層を介して
圧着し、140℃の雰囲気中で30分間加熱させた。
これによりまずエチレン−酢酸ビニル共重合体が
溶融し、ポリエチレン偏平化物が熱によりチユー
ブ状に復元変形し、シート状の熱硬化性樹脂層が
チユーブに沿つてアーチ型に硬化し、同時に常温
で粘着性を有する層も硬化した。
このようにして補強した鋼板を試験片として下
記に示す方法により強度試験を行つたところ最大
曲げ応力が35Kgであり、鋼板単独での最大曲げ応
力が9Kgであつたのに対し、非常にすぐれた補強
効果が得られていることがわかつた。
<強度試験> 先端間の距離100mmで平行に配置させた、先端
が曲率半径5mmの逆U字型断面を呈する2枚の垂
直平板(巾50mm)を有する支持台で、巾50mmにさ
れた試験片を水平に支持し、その中央部に上部か
ら曲率半径5mmのU字型断面を呈する垂直平板
(巾50mm)で荷重を加えたときの最大曲げ応力
(Kg)を測定した。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の補強用の接着性シートの一
例を示す斜視図、第2図は前記の接着性シートを
鋼板に貼着した状態を示す断面図、第3図は前記
貼着後に加熱したのちの状態を示す断面図であ
る。 1……補強用の接着性シート、2……偏平化
物、3……熱硬化性樹脂層、4……常温で粘着性
を有する層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 加熱によつて復元変形する形状記憶機能を有
    する中空体から成形されるとともに、ホツトメル
    ト接着剤を用いて上記中空体内面を接着してな
    り、加熱により上記ホツトメルト接着剤の接着力
    の低下にともない復元変形を起こすように形成し
    た偏平化物と、この偏平化物の一方の面にこの偏
    平化物の幅とほぼ等しいかあるいは前記の幅より
    せまい幅の熱硬化性樹脂層を添着し、他方の面に
    常温で粘着性を有する層を添着したことを特徴と
    する補強用の接着性シート。 2 偏平化物が架橋された熱可塑性樹脂からなる
    特許請求の範囲第1項記載の補強用の接着性シー
    ト。 3 常温で粘着性を有する層が未硬化状態の熱硬
    化性樹脂からなる特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の補強用の接着性シート。
JP58088218A 1983-05-18 1983-05-18 補強用の接着性シ−ト Granted JPS59213785A (ja)

Priority Applications (1)

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JP58088218A JPS59213785A (ja) 1983-05-18 1983-05-18 補強用の接着性シ−ト

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JP58088218A JPS59213785A (ja) 1983-05-18 1983-05-18 補強用の接着性シ−ト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59213785A JPS59213785A (ja) 1984-12-03
JPH0117510B2 true JPH0117510B2 (ja) 1989-03-30

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ID=13936747

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JP58088218A Granted JPS59213785A (ja) 1983-05-18 1983-05-18 補強用の接着性シ−ト

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JP2017042965A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 林シーカ・オートモーティブ株式会社 金属板補強体

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JPS59213785A (ja) 1984-12-03

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