JPS621665B2 - - Google Patents

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JPS621665B2
JPS621665B2 JP57171294A JP17129482A JPS621665B2 JP S621665 B2 JPS621665 B2 JP S621665B2 JP 57171294 A JP57171294 A JP 57171294A JP 17129482 A JP17129482 A JP 17129482A JP S621665 B2 JPS621665 B2 JP S621665B2
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JP
Japan
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reinforcing
sheet
thermosetting
adhesive
resin composition
Prior art date
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Application number
JP57171294A
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English (en)
Other versions
JPS5959772A (ja
Inventor
Yukio Okada
Toshikatsu Miura
Toshihiko Aryoshi
Takashi Tominaga
Hideshi Asoshina
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPS5959772A publication Critical patent/JPS5959772A/ja
Publication of JPS621665B2 publication Critical patent/JPS621665B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は補強用接着性シートに関するもので
ある。
従来、自動車などにおいては、車体鋼板に種々
の補強措置が施されている。たとえば、ルーフ、
フエンダー、フード、トランク、クオーターパネ
ル、ドア部のように比較的広くて平坦な形状であ
りながら板厚が薄い外板においては、構造上外力
に対して適度な剛性を具備させる必要から、金属
補強部材からなる内板をスポツト溶接や接着剤に
より貼り付ける手法がとられている。しかし、こ
の方法では、金属補強部材の重量が重く、車体の
軽量化に沿つて設計された外板の薄板化に逆行
し、重量増加、コストアツプになり、さらに取り
付け工程が複雑化するなどの欠点を有していた。
また、車体外板の制振と補強を兼ねて、アスフ
アルトゴム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フエ
ノール樹脂、不飽和ボリエステル樹脂などの高分
子材料を外板の裏側に相当な厚みでかつ相当な面
積に塗布ないし貼りつける方法も知られている。
この方法では、剛性強さは厚さの3乗に比例する
といわれ、したがつて厚さを大にすることにより
剛性強さを増大できる効果が得られるが、樹脂量
の増大による重量の増加、コストアツプとなるな
ど前記金属補強材と同様の欠点を有している。
この発明者らは、かかる従来の実情に鑑みて、
軽量かつ安価で被装着物の剛性を著しく向上させ
得る補強用接着性シートをすでに提案した(特願
56−36575号)。
すなわち、それは補強材を含有した未硬化ない
し半硬化状態の熱硬化性補強樹脂シートの一面
に、このシートより細巾に形成されかつ上記シー
トが硬化する前にビード状膨出部を形成するビー
ド形成材を添着し、前記ビード形成材の巾から張
り出した上記シートの裾部が被装着物への装着面
をなすように構成したものである。
この補強用接着性シートを用いる方法では、均
一な厚さのシート状物を貼り付け硬化させる方法
と比較して、剛性強さは大きく向上するが、被装
着物体が特にプレス成形した後の潤滑剤が表面に
若干量残つているような状態で貼り付ける場合、
ビード形成前における被装着物体への接着力が充
分でない場合があり、ビード形成材が後述のよう
にビード状膨出部を形成する際に上記シートの軟
化によつて物体からずれ落ち易くなる問題があ
る。
この発明は、上記欠点を解消するためになされ
たもので、補強材を含有した熱硬化性補強樹脂シ
ートの一面に、このシートより細巾にされかつ上
記シートが硬化する前にビード状膨出部を形成す
るビード形成材を添着させるとともに、このビー
ド形成材の露出表面側に粘着性を有する層を設
け、上記ビード形成材の巾より広く張り出した上
記シートのビード形成材側の裾部と接着性を有す
る層とを装着面とした補強用接着性シートに係る
ものである。
この補強用接着性シートを補強すべき物体の裏
面に貼り付けて、加熱することにより、上記ビー
ド形成材が軟化した熱硬化性補強樹脂シートを押
し上げた状態で硬化してビード状膨出部を形成す
る。上記粘着性を有する層は補強すべき物体に貼
り付ける際に補強用接着性シートの粘着力を高め
て物体への追随性を向上させるだけでなく、加熱
することによつて熱硬化性補強樹脂シートが軟化
した際の接着性シートの脱落やずれ防止に効果が
あることがわかつた。
上記この発明の接着性シートにおける熱硬化性
補強樹脂シートは、補強材の両側面から熱硬化性
樹脂組成物を塗着させることによつて得られるほ
か、上記熱硬化性樹脂組成物をシート状に成形
し、これと補強材とをラミネート加工法等により
一体化することにより得られる。これらはいずれ
も上記シートが一層構造であるが、この発明の補
強用接着性シートの好ましい態様としては、上記
シートが2層構造であつて、金属板を補強すべき
対象物とする場合である。
すなわち、この発明の補強用接着性シートの好
ましい態様は、補強材を埋設しかつ金属板に設け
て加熱硬化させた時の引張弾性率が金属板の剛性
を向上させるに必要かつ充分な大きさとなりかつ
加熱硬化させたときのガラス転移温度が高くなる
ような樹脂配合組成にされた第1の熱硬化性樹脂
組成物層と、これの一側面に積層されて上記同様
の引張弾性率が金属板の剛性を向上させるに不充
分な大きさとなりかつ加熱硬化させたときのガラ
ス転移温度が低くなるような樹脂配合組成にされ
た第2の熱硬化性樹脂組成物層とで2層構造の熱
硬化性補強樹脂シートを構成し、このシートの第
2の熱硬化性樹脂組成物層側にビード形成材を添
着し、かつこのビード形成材の露出表面側に粘着
性を有する層を設けた補強用接着性シートであ
る。
この発明の補強用接着性シートは、熱硬化性補
強樹脂シートが特に金属板に対して接着力の大き
い熱硬化性樹脂組成物で構成されているが、この
種の組成物はその硬化後の引張弾性率およびガラ
ス転移温度が主にその樹脂配合組成つまり樹脂、
硬化剤その他の配合成分の種類ないし配合量など
によつて大きく相違する。
この発明者らは、当初、前記の引張弾性率が車
体外板の如き金属板の剛性を向上させるに必要か
つ充分な大きさとなりかつ前記のガラス転移温度
が高くなるような樹脂配合組成にした熱硬化性樹
脂組成物を調製し、これで金属板を補強してみた
ところ、その補強効果は満足できる反面、金属板
の種類、厚さによつては硬化収縮に起因した金属
板の歪みの問題を免れることができなかつた。ま
た逆に上記引張弾性率が金属板の剛性を向上させ
るに不充分な大きさとなりかつ上記ガラス転移温
度が低くなるような樹脂配合組成にした熱硬化性
樹脂組成物を調製し、これで金属板を補強してみ
たところ、この場合硬化収縮に起因した金属板の
歪みはほとんど出現してこないことがわかつた
が、金属板の種類、厚さによつては補強という所
期の目的を達しえないことがわかつた。
しかるに、上記の相反する問題も補強材を埋設
しかつ引張弾性率が大でガラス転移温度が高くな
る第1の熱硬化性樹脂組成物層とこれに積層され
て上記引張弾性率が小でガラス転移温度が低くな
る第2の熱硬化性樹脂組成物層とで熱硬化性補強
樹脂シートを構成し、この補強樹脂シートにおけ
る第2の熱硬化性樹脂組成物層側に、ビード形成
材を添着し、この添着面側が金属板に接着するよ
うに貼り付けたのち、これを加熱硬化させること
で解決される。
しかるに、ビード形成材が剛性を有している
と、補強すべき物体が不均一な面に対して接着性
シートの追従性が悪く、これによつて接着性シー
トの貼付状態が不完全であると、この接着性シー
トが上記物体から剥離したり脱落することがみら
れた。また加熱による熱硬化性補強樹脂シートの
軟化のため、接着性シートのずれあるいは脱落が
発生した。
上記の問題に関してはビード形成材の露出表面
側に施した粘着性を有する層の粘着性のため、上
記ビード形成材の剛性による復元から生じる接着
性シートの剥離が抑えられ、補強すべき物体への
接着性シートの接着有効面積が増加することで脱
落が防止できた。また加熱時のずれあるいは脱落
に対しても粘着性を有する層が有効であることが
わかつた。
この発明に係る補強用接着性シートにおける熱
硬化性補強樹脂シートの好ましい態様、つまり2
層構造の場合においては、第1の熱硬化性樹脂組
成物層は、補強材を埋設しかつ加熱硬化後の引張
弾性率が金属板の剛性を向上させるに必要かつ充
分な大きさとされかつ加熱硬化後のガラス転移温
度が高くされたものであるが、この引張弾性率と
は一般に30〜500Kg/mm2程度、ガラス転移温度は
80℃以上のものである。この弾性率があまりに大
きくなりすぎまたガラス転移温度が高くなりすぎ
ると、第2の熱硬化性樹脂組成物層の存在にもか
かわらず、金属板の種類、厚さ、形状によつては
歪みの発生を防止できなくなるおそれがある。
なお、この明細書において、引張弾性率とは、
ISORecommendation R−527に規定された方法
で、Type1のテストピースを使用し、SpeedBに
より測定される値を意味するものである。
上記熱硬化性補強樹脂シートが2層構造の場
合、熱硬化性補強樹脂シートを構成する第2の熱
硬化性樹脂組成物層は、加熱硬化後の引張弾性率
が金属板の剛性を向上させるに不充分な大きさと
されかつ加熱硬化後のガラス転移温度が低くされ
たものであるが、この引張弾性率とは一般に0.1
〜22Kg/mm2程度、ガラス転移温度は70℃以下のも
のである。この弾性率があまりに小さくなりすぎ
ると、金属板の種類、厚さ、形状によつては補強
効果に乏しくなる。
上記の第1および第2の熱硬化性樹脂組成物層
は、それぞれ、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂
がもつとも好ましく用いられ、これに加熱活性硬
化剤を配合し、さらに必要に応じて各種の添加剤
を加え、これを常法に準じて未硬化ないし半硬化
状態でシート成形することにより形成できる。も
ちろん、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂の使用
も可能である。このシート成形に当たつて、エポ
キシ樹脂の種類や硬化剤その他の添加剤の種類を
適宜設定することにより、あるいは各成分の配合
量を設定するなどして、第1および第2の熱硬化
性樹脂組成物層の加熱硬化後の引張弾性率および
ガラス転移温度が前記の如くなるように調整す
る。
各組成物層の形成にもつとも好ましく用いられ
るエポキシ樹脂としては、通常のグリシジルエー
テル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミ
ン型、線状脂肪族エポキサイド型、脂環族エポキ
サイド型などの各種エポキシ樹脂があり、各組成
物層の物性に応じてその1種を単独であるいは2
種以上を組み合せて使用できる。
また、加熱活性硬化剤としては、加熱により硬
化作用を発揮する通常の硬化剤でよく、一般に80
〜200℃の温度範囲で活性であれば充分で、たと
えば、ジシアンジアミド、4・4′−ジアミノジフ
エニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾ
ールのようなイミダゾール誘導体、イソフタル酸
ジヒドラジド、N・N−ジアルキル尿素誘導体、
N・N−ジアルキルチオ尿素誘導体などが用いら
れる。使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対し
て通常1〜15重量部の割合でよい。
上記のエポキシ樹脂および硬化剤のほかに、組
成物にシート成形が可能な程度に凝集力を持た
せ、またタレ防止のため、あるいは溶融粘度を下
げてぬれ性を向上させるためなどの目的で各種の
添加剤が、必要に応じて用いられる。
たとえば、シート成形能を向上させる目的で、
ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリアミド
誘導体、ポリエステル、ポリスルホン、ポリケト
ン、ビスフエノールAとエピクロルヒドリンとよ
り誘導される高分子量のエポキシ樹脂などの熱可
塑性樹脂、またブタジエン−アクリロニトリル共
重合体ないしその誘導体などを配合できる。これ
らの使用量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して
5〜100重量部程度とするのがよい。
また、組成物のタレ防止の目的で、炭酸カルシ
ウム、タルク、アスベスト、けい酸類、カーボン
ブラツク、コロイダルシリカなどの充填剤が用い
られる。配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対
して通常10〜300重量部程度とすればよい。さら
に、溶融粘度を下げ、ぬれ性を向上させる目的
で、ブチルグリシジルエーテル、長鎖アルコール
のモノグリシジルエーテルなどの反応性稀釈剤、
ジオクチルフタレートの如きフタル酸系可塑剤、
トリクレンジホスフエートの如きりん酸系可塑剤
などを配合できる。これらの量は、熱硬化性樹脂
100重量部に対して通常5〜30重量部程度とする
のがよい。
このようにして形成される第1および第2の熱
硬化性樹脂組成物層のなかでもとくに第2の熱硬
化性樹脂組成物層は、これが常態で粘着性を有す
るものであることが望ましい。これは、金属板に
適用する際に加熱硬化前の仮接着が容易となるか
らである。もちろん、第1の熱硬化性樹脂組成物
層が同様に粘着性を有していてもよい。
また、第1の熱硬化性樹脂組成物層には、金属
板の補強効果を大ならしめるために、補強材が埋
設されている。この補強材としては、ガラス繊維
やアスベスト繊維などからなる無機質繊維布、
麻、綿、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレ
ンなどからなる有機質繊維布、ポリエステルフイ
ルムやナイロンフイルムの如きプラスチツクフイ
ルム、クラフト紙の如き紙、ポリエステル繊維、
ポリプロピレン繊維などからなる不織布、アルミ
ニウム、鉄、銅、亜鉛などからなる金属箔などが
ある。
補強材を埋設するには、第1の熱硬化性樹脂組
成物層をシート状に成形する際に、補強材の片面
ないし両面に熱硬化性樹脂組成物を塗布ないし含
浸させるようにすればよい。前記補強材のなかで
も片面含浸によつてしかも充分に大きな補強効果
の得ることのできる無機質繊維布が好適であり、
とくに好ましくはガラス繊維布を使用するのがよ
い。
この発明の補強用接着性シートにおける熱硬化
性補強樹脂シートの好ましい態様は、前述の如き
第1の熱硬化性樹脂組成物層と第2の熱硬化性樹
脂組成物層とを積層し一体化させてなるものであ
り、この積層一体化はその粘着性を利用して行な
つてもよいし、或いは完全に硬化が進まない程度
に加熱して融着させてもよい。このシートの硬み
は金属板の種類、厚さ、補強の程度などによつて
異なるが、一般には、第1の熱硬化性樹脂組成物
層で0.01〜10mm程度、好適には0.1〜5mm、第2
の熱硬化性樹脂組成物層で0.1〜30mm程度、好適
には0.5〜10mmで、全体の厚みが0.2〜40mm程度、
好適には0.5〜20mmである。
この発明の補強用接着性シートの他の重要な構
成要素としては、ビード形成材と補強するべき物
体に対して固着性を高めるために上記ビード形成
材の露出表面側に設けられる粘着性を有する層と
がある。
ビード形成材には、加熱により発泡することに
よつて熱硬化性補強樹脂シートを押し上げてビー
ド状膨出部を形成する発泡性樹脂シートのほか、
加熱により垂直方向へ熱硬化性補強樹脂シートを
押し上げてリブ状構造つまりビード状膨出部を形
成しうる形状記憶機能を有する熱回復性材料の偏
平化物などが含まれる。
上記の熱回復性材料からなる偏平化物を得るに
は、まず熱可塑性ポリマーでチユーブ状あるいは
棒状その他の非チユーブ状成形物を作製する。一
般には押出成形にて得ることができる。
この熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレン、ポリスチレンなどであり、また
加熱により復元変形できる材料であればエチレン
−プロピレン−タ−ポリマー等のエラストマーで
もよく、また上記エラストマーと熱可塑性樹脂と
をブレンドしてもよい。またポリマー成形物を得
るに当たつて上記のポリマーに必要に応じて充填
剤、顔料、酸化防止剤、安定剤などの添加剤を添
加してもよい。
上記の熱可塑性ポリマーからチユーブ状ないし
棒状その他の非チユーブ状に成形された成形物
は、好ましくは架橋処理して形状記憶機能を付与
する。架橋方法としては電子線、γ線もしくは紫
外線による照射または成形時に架橋剤および架橋
促進剤等を配合して加熱などの処理によつて架橋
反応を進行させてもよい。この架橋剤および架橋
促進剤としては、ジクミルパーオキサイド、ラウ
リルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイドなどの他
に、チウラム系化合物、ジチオカルバミン酸塩系
化合物などが挙げられる。
つぎに架橋処理を行なつた熱可塑性ポリマー成
形物を偏平化するが、この方法は熱プレスにより
圧着したり、熱ロール間を通す等の任意の方法で
よい。上記の方法により熱回復性材料の偏平化物
が得られるが、チユーブ状の成形物にあつては好
ましくは2層構造として内面をホツトメルト樹脂
層で構成するのがよい。この樹脂層は常温では熱
回復性材料の偏平形状を維持するための接着剤の
役目をし、加熱の際は溶融して偏平化物がチユー
ブ状に復元変形するのを妨げないものである。非
チユーブ状成形物では架橋処理したフイルムを熱
ロールないしは延伸機にて延伸を行なつてフイル
ムの厚みを減少させ、この延伸フイルムを熱プレ
ス等で融着し、加熱の際は延伸前の厚みにまで復
元変形して熱硬化性補強樹脂シートを垂直方向へ
押し上げてリブ状構造を形成するものである。
このようにして得られる熱回復性材料の偏平化
物あるいはその他のビード形成材である発泡性樹
脂シートは、前記熱硬化性補強樹脂シートの一面
に、このシートより細巾にして添着される。
つぎに、粘着性を有する層であるが、一般によ
く用いられているポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリプロピレン等のフイルムをベースとした
片面粘着テープを接着剤で前記のビード形成材の
露出表面に固着してもよいが、好ましくは両面粘
着テープを用いることである。この両面粘着テー
プは一般に用いられているもので、テープ基材と
しては紙、不織布、プラスチツクフイルム等のい
ずれであつてもよい。また粘着性を有する層とし
て粘着剤を保持するプラスチツク等を介在させず
に、ビード形成材の露出表面に粘着剤のみを直接
塗工して用いてもよい。
このような粘着性を有する層は、ビード形成材
が剛性のために被補強材の形状になじまず反撥す
るのをその粘着力により抑えることができ、また
加熱によつて熱硬化性補強樹脂シートが軟化した
ときの脱落防止にも効果があるものである。
なお、この発明の補強用接着性シートにおいて
は、熱硬化性補強樹脂シートにおけるビード形成
材の添着面とは反対側の面に保護フイルムを貼り
付けてもよい。この保護フイルムにより以下の如
き効果が得られる。
第1に保護フイルムをもつた補強用接着性シー
トは、これを使用前にテープ状巻回体として保存
する場合には、保護フイルムがセパレーターとし
ての機能を果すため層間粘着の如き問題をおこさ
ない一方、このシートを用いて補強するに当たり
上記の保護フイルムを剥離しないでそのままドア
外板面等に適用するため面倒な剥離操作が不要と
なり、補強作業の迅速化に好結果が得られる。
第2に、この保護フイルムは加熱硬化後、補強
層の一部としてドア外板面などに設けられるもの
であるから、これによる補強効果の改善を期待で
きる一方、補強材により強化された樹脂層を全面
にわたつて被覆する如く設けられるために上記層
の耐湿特性に好結果を与え、経日的な補強効果の
低下を防止する。したがつてより信頼性の高い補
強層を形成することができる。
保護フイルムは、上記のとおりの各種機能を有
し、強度、耐湿性、耐熱性などにすぐれたポリマ
ー材料を0.01〜0.5mm、好適には0.003〜0.1mmの厚
みに形成したものを用いる。ポリマー材料として
は、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの各種フイル
ムを用いることができる。
このようにして得られるこの発明の接着性シー
トの好ましき性状としては、この熱硬化性補強樹
脂シートが常温では実質的に流動せず自己保持性
を有するが、全体として高粘度状態となつている
ものである。このものは可撓性および柔軟性を有
し、250〜300度に折り曲げてもシートの損傷がみ
られず原状回復性を有している。したがつて、か
かる好ましき態様によると、形状順応性があるた
め、被補強材(金属板)が波状、山形状、四角
状、湾曲状などであつても貼着できる。
第1図および第2図はこの発明の補強用接着性
シート1の一例を示したものであり、2は補強材
6を含有する未硬化ないし半硬化状態の熱硬化性
補強樹脂シート、3は上記シート2に添着され上
記シート2より細巾にされたビード形成材、4は
上記ビード形成材の露出表面側に設けられた粘着
性を有する層、2a,2bは上記ビード形成材の
巾より広く張り出した上記シート2のビード形成
材側の裾部で、粘着性を有する層4と共にこの裾
部が被補強物例えば自動車のドア外板5の裏面5
aへの装着面を構成している。
この補強用接着シートは、第3図に示すように
自動車ドア外板5の裏面5aに貼布装着され、装
着後加熱することにより熱硬化性補強樹脂シート
2は一時的に粘度が下つてドア外板5に装着面が
更に密着する一方、ビード形成材3は発泡してあ
るいは形状が復元して断面が大きくなり、熱硬化
性補強樹脂シート2がドア外板5との粘着面2
c,2cから押上げられ硬化する前にビード状膨
出部2fが形成され、さらに時間を経て加熱が進
むと熱硬化性補強樹脂シート2は硬化し、第3図
に示す状態となる。
また、第4図はこの発明の補強用接着性シート
1の他の例を示したもので、補強材を含有する未
硬化ないし半硬化状態の熱硬化性補強樹脂シート
2が、補強材6を埋設しかつ被補強物としての金
属板5に設けて加熱硬化させたときの引張弾性率
が金属板の剛性を向上させるに必要かつ充分な大
きさとなりかつ加熱硬化させたときのガラス転移
温度が高くなるような樹脂配合組成にされた第1
の熱硬化性樹脂組成物層2dと、上記同様の引張
弾性率が金属板5の剛性を向上させるに不充分な
大きさとされかつ加熱硬化後のガラス転移温度が
低くなるような樹脂配合組成にされた第2の熱硬
化性樹脂組成物層2eとから構成されている以外
は、前記第2図の場合と同様の構成からなつてい
る。
この発明の補強用接着性シートを用いて補強す
るべき対象物の代表的なものは、金属板、とりわ
け自動車の外板の如き車体鋼板であるが、その他
各種車輌、洗濯機、テレビ等家電製品などの一般
に薄板とされている金属板に対して広く適用する
ことができる。
この発明の補強方法は、上述の如き金属板、た
とえば車体鋼板ではその鋼板の裏面側に、前記接
着性シートを圧着し、ついで通常の加熱方法、た
とえば熱風循環式の加熱炉、赤外線加熱炉、高周
波誘導加熱炉などを用いて加熱し硬化させること
により達成できるものである。なお、上記加熱硬
化は、自動車製造ラインにおける車体鋼板の塗料
焼付工程で同時に行なうことができる。
以上詳述したとおり、この発明は補強材を埋設
した熱硬化性補強樹脂シートの一側面に、このシ
ートより細巾にされかつ上記シートが硬化する前
にビード状膨出部を形成するビード形成材を添着
させるとともに、このビード形成材の露出表面側
に粘着性を有する層を設け、上記ビード形成材の
巾より広く張り出した上記シートのビード形成材
側の裾部で装着面を構成した補強用接着性シート
を要旨とするものであつて、このシートを補強す
べき物体に圧着し加熱硬化させるだけで大きな補
強効果が得られるとともに、物体への粘着性も増
し施工が非常に簡単となるなどの効果がもたらさ
れる。
つぎに、この発明の実施例を記載する。以下に
おいて部とあるのは重量部を意味するものとす
る。
実施例 1 エピコート#828(油化シエル社製のビスフエ
ノールA型液状エポキシ樹脂)50部、エポミツク
R−151(三井石油化学エポキシ社製の可撓性エ
ポキシ樹脂)10部、バイロン#500(東洋紡社製
のポリエステル樹脂)40部、ジシアンジアミド
(日本カーバイド社製のエポキシ樹脂潜在硬化
剤)2部、タルク50部からなるエポキシ樹脂組成
物を通常のミキシングロールにて混練し、得られ
た樹脂塊を直圧式プレスにて厚さ1mmにシート状
に成形し、さらに補強材としてのガラスクロス
(日東紡績社製のWE−22D−104)をラミネート
して熱硬化性補強樹脂シートを得た。
一方、有機シラン変性ポリマー含有ポリエチレ
ン(三菱油化社製のリンクロンLF−710)を押出
成形機にてチユーブ成形を行ない、外径10mm、肉
厚0.8mmのポリエチレンチユーブ状体を得た。こ
のポリマーは水分によつて架橋反応を起こすもの
であり、上記チユーブ状体を100℃の湯中に24時
間浸漬して架橋させ形状記憶機能を付与した。こ
の架橋チユーブ状体内にエチレン−酢酸ビニル共
重合体(三井ポリケミカル社製のエバフレツクス
#150)の棒状物(直径1mm)を挿入した後、約
80℃の熱ロールを通してチユーブ状体を半径方向
から圧着することにより、エチレン−酢酸ビニル
共重合体がホツトメルト接着剤の役目をしたビー
ド形成材として偏平化物を得た。
この偏平化物の片面全体に両面粘着テープ(日
東電工社製の両面粘着テープNo.501)を貼り付
け、50mm幅に切断した前記シート状の熱硬化性補
強シートにおけるガラスクロスのラミネート側と
は反対側に、偏平化物の両面粘着テープを貼り付
けていない面をラミネートしてこの発明の補強用
接着性シートを得た。
この補強用接着性シートを0.8mm厚の鋼板に対
して、熱硬化性補強樹脂シートにおけるガラスク
ロスが外側となるように圧着した。この圧着後、
140℃の雰囲気中で鋼板面を上にして逆向きで30
分間加熱させた。これにより、先ずエチレン−酢
酸ビニル共重合体が溶融し、熱回復性材料の偏平
化物が熱によりチユーブ状に復元変形し、熱硬化
性補強樹脂シートが上記チユーブ状変形体に沿つ
て凸状に硬化した。この際接着性シートの脱落現
象などは全く認められなかつた。
しかしながら、前記接着性シートで両面粘着テ
ープを貼らなかつたものを同様に加熱したところ
熱硬化性補強樹脂シートの軟化が始まると接着性
シートの脱落が起こつた。このように、両面粘着
テープは接着性シートが硬化して鋼板に接着が完
了するまでの仮止めの効果があることがわかつ
た。
また上記の補強した鋼板を試験片として下記に
示す方法により強度試験を行なつたところ、最大
曲げ応力が45Kg/50mm幅であり、鋼板単独での最
大曲げ応力が9Kg/50mm幅であつたのに対して、
非常にすぐれた補強効果が得られていることがわ
かつた。
<強度試験> 先端間の距離100mmで平行に配置させた、先端
が曲率半径5mmの逆U字型断面を呈する2枚の垂
直平板(巾50mm)を有する支持台で、巾50mmにさ
れた試験片を水平に支持し、その中央部に上部か
ら曲率半径5mmのU字型断面を呈する垂直平板
(巾50mm)で荷重を加えたときの最大曲げ応力
(Kg/50mm幅)を測定した。
実施例 2 エピコート#828(油化シエル社製のビスフエ
ノールA型液状エポキシ樹脂)50部、エピコート
#1002(油化シエル社製のビスフエノールA型固
形エポキシ樹脂)35部、バイロン#500(東洋紡
社製のポリエステル樹脂)15部、キユアゾール
2MZ−AZINE(四国化成社製のエポキシ樹脂用
潜在硬化剤)1部、ジシアンジアミド(日本カー
バイド社製のエポキシ樹脂潜在硬化剤)5部、タ
ルク50部およびアスベスト粉2部からなるエポキ
シ樹脂組成物を通常のミキシングロールにて混練
し、得られた樹脂塊を直圧式プレスにて厚さ0.5
mmにシート状に成形し、さらにガラスクロス(日
東紡績社製のWE−22D−104)をラミネートし
て、未硬化状態の第1の熱硬化性樹脂組成物層と
した。
つぎに、エピコート#871(油化シエル社製の
ダイマー酸変性エポキシ樹脂)80部、エピコート
#1002(前出)5部、エピコート#828(前出)
5部およびハイカーCTBN 1300X8(BF.グツド
リツチ社製のニトリルゴム)10部を混合釜にて溶
融混合し、得られた組成物100部に、キユアゾー
ル2MZ−AZINE(前出)1部、ジシアンジアミ
ド5部、タルク50部を配合して通常のミキシング
ロールにて混練りした後、これを直圧式プレスに
てシート状に成形して厚さ0.8mmからなる未硬化
状態の第2の熱硬化性樹脂組成物層を得た。これ
を前記第1の熱硬化性樹脂組成物層に貼り合わせ
ることにより、熱硬化性補強樹脂シートとした。
なお、第1および第2の熱硬化性樹脂組成物層の
加熱硬化後の引張弾性率は、第1の層で95Kg/
mm2、第2の層で3.0Kg/mm2であつた。またガラス
転移温度は第1の層で110℃、第2の層で50℃で
あつた。ただし、加熱硬化の条件は150℃,60分
間である。
一方、中密度ポリエチレン(三井石油化学社製
のネオゼツクス3510F)を押出成形機で厚さ0.6
mmのフイルムに成形し、電子線照射を行なつた。
この照射フイルムを2軸延伸機にてネツキングさ
せずに長さ方向に4倍延伸した。この延伸フイル
ムを直圧式プレスにて16枚熱融着させることによ
り、加熱によつて厚みが4倍になるビード形成材
としての熱回復性材料の偏平化物を得た。
延伸方向と直角に15mm幅に切断した上記偏平化
物の片面に、天然ゴム、熱反応性アルキルフエノ
ールとマグネシアを反応して得られた錯化合物と
粘着付与樹脂よりなる熱硬化型接着剤を60μの厚
さに塗工して粘着性を有する層とした。この帯状
の偏平化物を、50mm幅の熱硬化性補強樹脂シート
におけるガラスクロス装着側とは反対側に、粘着
性を設けていない面から添着して補強用接着性シ
ートを得た。
つぎに、実施例1と同様にして、0.8mm厚さの
鋼板に熱硬化性補強樹脂シートにおける第2の熱
硬化性樹脂組成物層側を接着した後、140℃の雰
囲気中で鋼板面が上になるように逆向きで保持し
て30分間加熱した。この加熱によりまず熱回復性
材料の偏平化物が復元変形し、厚さが延伸前まで
回復して軟化した熱硬化性補強樹脂シートを押し
上げてリブ状構造になつて硬化したが、接着性シ
ートの脱落はなかつた。しかしながら、上記粘着
層を熱回復性材料の偏平化物に塗工しなかつたも
のは加熱の際に脱落が起こつた。
こうして得られた補強物の強度試験を行なつた
ところ、50Kg/50mm巾で、非常に良好な補強効果
が得られていることがわかつた。さらに、この鋼
板のヒケ現象を目視により観察したが、全く認め
られず外観も良好であつた。
実施例 3 実施例1で得た熱硬化性補強樹脂シートにおけ
るガラスクロスのラミネート側とは反対側の面に
ポリエステルフイルム(東レ社製のルミラー
#9)を保護フイルムとして貼り合わせ、さらに
実施例1で得た偏平化物を上記シートにおけるポ
リエステルフイルムの貼着側とは反対側の面に圧
着して、この発明の補強用接着性シートを得た。
つぎに、この接着性シートを0.8mm厚の鋼板に
対して、ポリエステルフイルムが外側となるよう
に圧着した。この圧着作業は、テープ状巻回体と
された補強用接着性シートを巻きほぐしながら行
なつたものであるが、ポリエステルフイルムによ
つて層間粘着や樹脂の付着汚れをおこさず、圧着
作業が非常に良好であつた。また、圧着物は偏平
化物表面に施された粘着性を有する層によつてシ
ートの脱落などの支障をきたすことはなかつた。
この圧着物を140℃で30分間加熱硬化させたが、
熱硬化性樹脂凸形部にも良好に密着したポリエス
テルフイルムを有する補強層を成形でき、また外
表面のポリエステルにより外観、耐湿性、耐摩耗
性などにすぐれるものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の補強用接着性シートの一例
を示す斜視図、第2図は補強用接着性シートの加
熱前の装着状態を示す断面図、第3図は加熱後の
状態を示す断面図、第4図はこの発明の補強用接
着性シートの他の装着状態を示す断面図である。 2……熱硬化性補強樹脂シート、3……ビード
形成材、4……粘着性を有する層、2a,2b…
…裾部(装着面)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 補強材を含有する未硬化ないし半硬化状態の
    熱硬化性補強樹脂シートの一面に、このシートよ
    り細巾にされかつ上記シートが硬化する前にビー
    ド状膨出部を形成するビード形成材を添着させる
    と共に、このビード形成材の露出表面側に粘着性
    を有する層を設け、上記ビード形成材の巾より広
    く張り出した上記シートのビード形成材側の裾部
    と前記粘着性を有する層とが装着面を形成するこ
    とを特徴とする補強用接着性シート。
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