JPH0117484B2 - - Google Patents

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JPH0117484B2
JPH0117484B2 JP2085682A JP2085682A JPH0117484B2 JP H0117484 B2 JPH0117484 B2 JP H0117484B2 JP 2085682 A JP2085682 A JP 2085682A JP 2085682 A JP2085682 A JP 2085682A JP H0117484 B2 JPH0117484 B2 JP H0117484B2
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JP
Japan
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formula
group
polyprenyl
general formula
compound
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JP2085682A
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JPS58138701A (ja
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Takashi Oonishi
Shigeaki Suzuki
Fumio Mori
Tetsuo Takigawa
Yoshiji Fujita
Masao Mizuno
Takuji Nishida
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/465,483 priority patent/US4603208A/en
Priority to DE8383101283T priority patent/DE3360234D1/de
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Publication of JPH0117484B2 publication Critical patent/JPH0117484B2/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なポリプレニル化合物およびその
製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は下記
一般式() 〔式中、【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、【式】 はシス型イソプレン単位を表わし、nは11〜19の
整数を表わし、Zは−CH2OHまたはその機能的
前駆基を表わし、R1およびR2は一方が水素原子、
他方が−S(O)mR3であることを条件に水素原
子または−S(O)mR3を表わし、ここでmはゼ
ロ、1または2の整数を表わし、R3は低級アル
キル基またはハロゲン原子によつて置換されてい
てもよいフエニル基、ナフチル基、ピリジル基ま
たはチアゾリニル基を表わす。〕 で示されるポリプレニル化合物およびその製造法
に関する。 本発明により提供される一般式()で示され
るポリプレニル化合物は医薬、化粧料などの原料
として有用であり、とくに哺乳類ドリコール類の
合成中間体として有用である。 ドリコール類は1960年にJ.F.Pennockらによつ
てブタの肝臓などからはじめて単離され
〔Nature(London)、186、470(1960)参照〕、の
ちにこのものは一般式(A) 〔式中、【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、【式】 はシス型イソプレン単位を表わす。本明細書中に
おいて以下同様。〕 で示される構造を有するポリプレノール同族体の
混合物であつて、式(A)中のシス型イソプレン単位
の数を表わすjは一般に12から18まで分布し、j
=14、15および16の3種の同族体が主体となつて
いることが明らかにされた〔R.W.Keenan et
al.、Biochemical Journal、165、505(1977)参
照〕。ドリコール類はブタの肝臓のみならず、哺
乳動物体内に広く分布しており、生体の生命維持
の上で極めて重要な機能を果していることが知ら
れている。例えば、J.B.Harfardらは子牛やブタ
の脳内白髄質を用いるin vitro試験により、外因
性ドリコールがマンノースなどの糖成分の脂質へ
の取り込みを促進し、その結果、生体の生命維持
のうえで重要な糖蛋白質の形成を増大させる作用
を持つことを明らかにしている〔Biochemical
and Biophysical Research Communication、
76、1036(1977)参照。〕ドリコール類によるかか
る脂質への糖成分の取り込み促進効果は成長期の
生体におけるよりも既に成熟している動物におい
て顕著であることから、老化防止の点でのドリコ
ール類の働きが注目されている。また、R.W.
Keenanらは幼年期などの急速に成長を続けてい
る生体にとつては外からドリコールを摂取し、自
己の体内で生合成して得られるドリコールを補う
ことが重要であると述べている〔Archives of
Biochemistry and Biphysics、179、634(1977)
参照〕。さらに、赤松らはラツトの再生肝中のド
リコールリン酸エステルを定量し、その量が正常
な肝中よりも著しく減少しており、肝組織での糖
蛋白の合成樹脂が大巾に低下していることおよび
外からドリコールリン酸エステルを加えると該機
能が改善されることを見出した〔第54回日本生化
学会大会(1981年)において発表〕。 上記のようにドリコール類は生体にとつて極め
て重要な機能を司る物質であり、医薬品またはそ
の中間体として有用であるが、従来その入手は容
易でなく、例えばブタの肝臓10Kgから複雑な分離
操作を経てやつと0.6gのドリコールが得られる
に過ぎない〔J.Burgos et al.、Biochemical
Journal、88、470(1963)参照〕。ドリコール類を
全合成することは、それらの複雑で特異な分子構
造に微して明らかなように現在の有機合成の技術
では至難のことである。合成中間体を天然物に依
存し、これに簡単な合成化学的処理を加えるのみ
でドリコール類を得ることができるならば有利で
あるが、従来そのような好都合な物質は見出され
ていない。従来、下記の一般式(B) 〔但し、k=4〜6〕で示されるポリプレノール
類(これらはベツラプレソール類と呼ばれてい
る)がシラカンバ(Betula verrucosa)から採
取し得ることは知られているが、これらからシス
型イソプレン単位の数が14、15および16のものを
主体とするドリコール類を合成することは現在の
有機合成技術ではほとんど不可能である。また
K.Hannusらはヨーロツパ赤松(Pinus
sylvestris)の葉から乾燥重量基準で1%の収率
でポリプレニル成分を単離し、この成分がイソプ
レン単位10〜19個を主としてシス配置で有するポ
リプレニルアセテート混合物であることを報告し
ているが〔Phytochemistry、13、2563(1974)参
照〕、彼らの報告には該ポリプレニルアセテート
中のトランスおよびシス配置についての詳細まで
は解明されていない。さらに、D.F.Zinkelらはス
トローブ松(Pinus strobus)の葉の抽出物中に
イソプレン単位数18個またはイソプレン単位数の
平均値が18であるC90のポリプレノールが存在す
ることを報告しているが〔Phytochemistry、11
3887(1972)参照〕、この報告では該ポリプレノー
ルのトランス、シス配置について詳細な解析を行
なつていない。 本発明者らの一部とその共同研究者らは、先
に、イチヨウおよびヒマラヤ杉から有機溶媒によ
つて抽出される抽出物を、必要により加水分解し
たのち、クロマトグラフイー、分別溶解法その他
の適当な分離法によつて処理することにより、14
〜22個のイソプレン単位を哺乳類ドリコール類と
まつたく同じトランス、シス配置で有するポリプ
レノールおよび/またはその酢酸エステル同族体
混合物からなるポリプレニル画分が得られるこ
と、該ポリピレニル画分は哺乳類ドリコール類に
比べてα−末端の飽和イソプレン単位が存在しな
いだけで哺乳類ドリコール類におけるポリプレニ
ル同族体の分布に非常によく似たポリプレニル同
族体の分布を示すこと、該ポリプレニル画分は所
望によりその構成成分である個々の(イソプレン
単位数が一様な)ポリプレニル同族体に比較的容
易に分離しうること、従つて該ポリプレニル画分
およびそれから分離された各ポリプレニル同族体
はいずれも哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て非常に適していることを見出した。 本発明者らは、イチヨウおよびヒマラヤ杉から
得ることができる上記のポリプレニル化合物を哺
乳類ドリコール類に導く方法について鋭意研究し
た結果、このたび、該ポリプレニル化合物から簡
単に誘導されるポリプレニルハライド、スルホ
ン、スルホキシドまたはスルフイドを用いる下記
の方法により一般式()で示される新規なポリ
プレニル化合物を容易に製造しうることおよび一
般式()で示される該ポリプレニル化合物が容
易に哺乳類ドリコール類に転化されることを見出
し、本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明によれば、一般式() で示される化合物をアニオン化剤の助けのもとに
一般式() で示される化合物と反応させることにより一般式
() で示されるポリプレニル化合物を得ることができ
る。上記式中、AおよびXは一方がハロゲン原
子、他方が−S(O)mR3であることを条件にハ
ロゲン原子または−S(O)mR3を表わし、n、
Z、R1およびR2は前記定義のとおりであり、そ
してmおよびR3も前記定義のとおりである。た
だし、Aがハロゲン原子であるときにはR1が水
素原子であり、Xがハロゲン原子であるときには
R2が水素原子である。 一般式()で示されるポリプレニル化合物か
ら−S(O)mR3基を還元的に脱離することおよ
びZが−CH2OHの機能的前駆基である場合には
これを−CH2OHに転化することにより、哺乳類
ドリコール類を得ることができる。 一般式()で示される化合物はイチヨウおよ
びヒマラヤ杉の葉の抽出物から直接または加水分
解を経て得ることができる一般式() 〔式中、nは前記定義のとおりである。〕 で示されるポリプレノールから簡単に製造でき
る。 Aがハロゲン原子である一般式()のポリプ
レニルハライド類は、一般式()で示されるポ
リプレノールまたはその混合物をハロゲン化剤例
えば三ハロゲン化リン、チオニルハライドなどで
ハロゲン化することにより得ることができる。こ
のハロゲン化反応は例えばヘキサン、ジエチルエ
ーテルなどの適当な溶媒中でトリエチルアミン、
ピリジンなどの塩基の存在下または不存在下に約
−20℃〜+50℃の温度において上記のごときハロ
ゲン化剤好ましくはPCl3、SOCl2、PBr3
SOBr2などを滴下することにより行うことができ
る。 また、Aが−SR3である一般式()のポリプ
レニルスルフイド類は上記ポリプレニルハライド
類と相当するメルカプタン(R3SH)とを反応さ
せることにより合成される。この反応は、一般
に、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン
などの溶媒中で水素化ナトリウム、n−ブチルリ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナ
トリウムt−ブトキシドのような塩基の存在下に
室温または冷却下に行われる。Aが−SOR3であ
る一般式()のポリプレニルスルホキシド類は
上記のポリプレニルスルフイド類を小過剰量の酸
化例例えば過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素で
処理することにより製造することができる。この
酸化反応は、通常、含水メタノール、含水アセト
ンなどの中で室温またはその近傍の温度で行われ
る。Aが−SO2R3である一般式()のポリプレ
ニルスルホン類は前記ポリプレニルハライド類を
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど
の溶媒中で室温〜約70℃の温度において相当する
有機スルフイン酸のアルカリ金属塩(R3SO2M;
ここでMはアルカリ金属好ましくはNaを表わ
す。)と反応させることにより得ることができる。
なお、上記説明においてR3は低級アルキル基ま
たはハロゲン原子によつて置換されていてもよい
フエニル基、ナフチル基、ピリジル基またはチア
ゾリニル基を表わし、好ましくはフエニル基また
は低級アルキル基もしくはハロゲン原子によつて
置換されたフエニル基であり、とくに好ましくは
フエニル基、トリル基またはモノクロロフエニル
基である。 一般式()および()においてZは−
CH2OHまたはその機能的前駆基を表わし、該機
能的前駆基には加水分解または水素添加分解など
の処理により容易に離脱しうる保護基で保護され
た−CH2OHおよび−CHO基が包含される。後者
すなわち保護された−CHO基は脱保護ののち温
和な条件下の還元、例えば水素化ホウ素リチウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化アルミニウムナトリウムなど
による還元によつて−CH2OH基に転化すること
ができる。しかしてかかる機能的前駆基の例とし
て以下のものを挙げることができる。 (1) 式−CH2OR4の基 〔式中、R4は低級アルキル基、炭素原子数7
〜11個のアラルキル基、炭素原子数1〜8個の
脂肪族もしくは脂環式エーテル残基、炭素原子
数1〜11個の脂肪族もしくは芳香族アシル基ま
たは式−SiR51R52R53のシリル基を表わし、こ
こでR51、R52およびR53はそれぞれ低級アルキ
ル基、フエニル基、トリル基またはキシリル基
を表わす。〕 具体例として、−CH2OCH3、−CH2OC2H5
−CH2OC3H7、−CH3OC4H9、−CH2OC5H11、−
CH2OCH2OCH3、−CH2OCH2OC2H5、−
CH2OC3H6OCH3、−CH2OC3H6OC2H5、−
CH2OC2H4OC2H4OCH3、−
CH2OCH2OC2H4OCH3
【式】【式】 【式】 【式】 【式】 【式】 【式】 【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】 【式】−CH2OSi(CH33、 −CH2OSi(C2H5)(C3H7)CH3、−CH2OSi
(CH32C4H9−t、−CH2OSi(t−C4H9
(C6H52、−CH2OSi(C6H53などが挙げられ
る。 (2) 式【式】の基 〔式中、Q1およびQ2はそれぞれ酸素またはイ
オウ原子を表わし;R61およびR62はそれぞれ
低級アルキル基を表わすか、あるいは一緒にな
つて低級アルキレン基を表わす。〕 具体例として、【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】【式】 【式】【式】などが挙 げられる。 Zで表わされる−CH2OHの機能性前駆基は上
記以外の例えばカルボキシル基または低級アルコ
キシカルボニル基などであつてもよい。 一般式()で示される化合物はその大部分が
公知の化合物であり、残りのものは該公知化合物
に準じて容易に製造することができる。 本発明に従う一般式()で示される化合物と
一般式()で示される化合物との反応は一般に
望ましくは不活性溶媒中において行われる。溶媒
としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルなどで代表されるエーテル系溶媒
が主として使用される。かかるエーテル系溶媒に
ヘキサメチルホスホリツクトリアミドなどの不活
性極性溶媒を配合して混合溶媒として使用するこ
とも可能である。なお、この反応に用いる溶媒は
無水状態にまで十分に乾燥されていることが好ま
しい。この反応は、水素化ナトリウム、水素化カ
リウム、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、
t−ブチルリチウムなどで代表される強塩基から
選ばれるアニオン化剤の助けのもとに行われる。
通常、上記のごとき不活性溶媒中で約−80℃〜+
80℃、好適には約−30℃〜+5℃の温度において
Aが−S(O)mR3である一般式()で示され
る化合物またはXが−S(O)mR3である一般式
()で示される化合物にその1モルに対して0.8
〜2.0モル、好適には1.0〜1.2モル〔ただしZが−
CH2OHである一般式()の化合物を用いた場
合にはその1モルに対して1.6〜4.0モル、好適に
は2.0〜2.4モル〕の割合のアニオン化剤を作用さ
せてカルバニオンを形成させたのち、約−80℃〜
+80℃、好適には−30℃〜+5℃の温度において
Xがハロゲン原子である一般式()で示される
化合物またはAがハロゲン原子である一般式
()で示される化合物を上記の−S(O)mR3
基を有する原料化合物1モルに対して約0.8〜3.0
モル、好適には1.0〜1.5モルの割合で加えて反応
させる。かくして得られる一般式()で示され
るポリプレニル化合物は−S(O)mR3が結合し
ている炭素原子およびこれとZとの中間に存在し
メチル基が結合している炭素原子の2個所に不整
中心を含んでおり、ジアステレオマーの生成比率
は反応条件等によつて変化するが、本発明はその
比率を限定するものでなく、また光学活性の有無
についても限定するものではない。 一般式()で示されるポリプレニル化合物を
−S(O)mR3基の還元的脱離反応(以下、これ
を還元脱硫と記すことがある)に付することによ
り一般式() 〔式中、Z′は一般式()中のZと同じであるか
または−CH2OHである。〕 で示される化合物を生成させ、Z′がヒドロキシメ
チル基以外の基である場合には該基をヒドロキシ
メチル基に転化することにより哺乳類ドリコール
類を得ることができる。別法として、一般式
()で示されるポリプレニル化合物のヒドロキ
シメチル基の機能的前駆基をヒドロキシメチル基
にまたは該機能的前駆基が保護された−CHO基
である場合には遊離の−CHO基もしくはヒドロ
キシメチル基に転化したのち−S(O)mR3を水
素原子に置換することも可能である。とくに一般
式()中のZがイオウ原子を含む基である場合
には、該基をイオウ原子を含まない形の基例えば
−CHOまたは−CH2OHに転化したのちに−S
(O)mR3を水素原子に置き換えることが望まし
い。 一般式()で示されるポリプレニル化合物ま
たはそれから脱保護基された化合物の−S(O)
mR3基の還元的脱離反応は、公知の有機スルフ
イド、スルホキシドまたはスルホンに関して同様
の目的を達成するために有効であることが知られ
ている方法に準じて例えばNa−Hg系〔B.M.
Trost et al、Tetrahedron Letters、3477
(1976)参照〕、Al−Hg系〔E.J.Corey et al、J.
Am.Chem.Soc.、86、1639(1964)、K.Sisido et
al、J.Am.Chem.Soc.、81、5817(1959)参照〕、
アルカリ金属−アミン系〔E.M.Kaiser et al、
Synthesis、391(1972)、J.F.Biellmann et al、
Tetrahedron Letters、3707(1969)、H.O.
Huisman、Pure and Applied Chemistry、49
1307(1977)参照〕、ラネーNi系〔K.Hirai et
al、Tetrahedron Letters、4359(1971)参照〕
などを用いて行うことができる。アルカリ金属−
アミン系を用いる方法がとくに好適に採用され
る。この方法においてアルカリ金属としてはリチ
ウム、ナトリウム、カリウムなどを用いることが
でき、リチウムがとくに好ましい。アルカリ金属
の使用量は化学量論量の約5〜50倍が好ましい。
また、アミンとしては例えばメチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミンなどのモノ−およびジ−低級アルキ
ルアミンならびにアンモニアを挙げることがで
き、メチルアミン、エチルアミンおよびアンモニ
アがとくに好ましい。この反応は窒素またはアル
ゴンなどの不活ガス雰囲気下、約−80℃〜+10
℃、好ましくは約−50℃〜0℃の温度で行われる
ことが望ましい。 一般式()または()で示される化合物か
らの保護基の脱離はそれ自体公知の方法に従い、
該化合物を加水分解または水素添加分解に付する
ことにより行うことができる。 例えば、ZまたはZ′が前記式−CH2−O−R4
基を表わし且つR4が低級アルキル基を表わす場
合には、一般式()または()の化合物をテ
トラヒドロフラン、クロロホルム、メチレンクロ
リド等の溶媒中で室温において沃化トリメチルシ
ランで処理することにより脱保護することがで
き、また、上記式の基におけるR4がアラルキル
基を表わす場合には、エチルアミンにリチウムを
溶解した溶液中に一般式()または()の化
合物のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、反応終
了後過剰のリチウムを例えば飽和塩化アンモニウ
ム水溶液で分解することにより脱保護することが
でき、同時に−S(O)mR3基を除去することが
できる。上記式の基におけるR4がエーテル残基
を表わす場合には、一般式()または()の
化合物を例えばヘキサン/エタノール(約1/
1)の混合溶媒中に溶解した後、該溶液にパラト
ルエンスルホン酸ピリジン(好ましくは約0.1〜
0.2当量)を加えて約50〜60℃の温度で数時間反
応させ、反応終了後炭酸ナトリウム等で反応混合
物を中和することにより脱保護することができ、
さらに、上記式の基におけるR4がシリル基を表
わす場合には、一般式()または()の化合
物のテトラヒドロフラン溶液にテトラ−n−ブチ
ルアンモニウムフルオリド(好ましくは約2当
量)を加え室温で一夜撹拌することにより脱保護
を達成することができる。 他方、ZまたはZ′が前記式【式】の 基を表わし且つQ1及びQ2が同時に酸素原子を表
わす場合には、一般式()または()の化合
物をテトラヒドロフラン、イソプロパノール等の
溶媒中で、例えば希塩酸(好ましくは濃度が約10
%のもの)で処理することによりZまたはZ′をア
ルデヒド基(−CHO)に変えることができる。
また、上記式の基におけるQ1及びQ2のうちの少
くとも1つがイオウ原子を表わす場場合には−S
(O)mR3基の脱離反応に先がけて一般式()
の化合物の脱保護を行い、Zをアルデヒド基に変
えることが好ましく、このためには例えば一般式
()の化合物のアセトン溶液に当量以上の
HgCl2及びCdCO3と少量の水を加え室温で数時間
反応させる方法を用いることができる。 このようにして転化されたアルデヒド基は温和
な還元条件下に還元することにより、例えば、水
素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、
水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウ
ムナトリウム等の錯金属水素化物を用いて還元す
ることによりヒドロキシメチル基−(CH2OH)
に変えることができる。該還元はそれ自体公知の
方法に従つて行なうことができ、例えば、水素化
ホウ素ナトリウムを用いる場合にはエタノール、
テトラヒドロフラン、エーテルなどの溶媒中で約
0℃乃至室温で還元反応を行なうことが望まし
く、また、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミ
ニウムリチウム又は水素化アルミニウムナトリウ
ムを用いる場合には、無水エーテル、無水テトラ
ヒドロフランなどの無水溶媒中で約−30℃乃至室
温で還元反応を行なうのが有利である。 還元反応終了後、反応混合物を水、エタノール
酢酸エチルなどで処理して過剰の還元剤を分解し
た後、常法に従つて分離を行なうことにより対応
するアルコール〔前記式一般式()または
()におけるZまたはZ′がヒドロキシメチル基
を表わす化合物〕を高収率で得ることができる。
一般式()におけるZがヒドロキシメチル基で
ある化合物は前記のように−S(O)mR3基の還
元的脱離反応に付して一般式()におけるZ′が
ヒドロキシメチル基である化合物に転化される。 以上の如くして合成される哺乳動物ドリコール
は前述したように、医薬品や化粧品等の分野にお
ける価値ある生理活性化合物として有用である。 次に実施例および参考例により本発明をさらに
具体的に説明する。なお、実施例および参考例中
のIR分析は液膜測定し、NMR分析はTMSを内
部標準として測定した。FD−MASS分析値は
1H、 12C、 14N、 16O、 28Si、 32S、 35Cl、
79Brとして補正した値である。 実施例 1 参考例11(後記する)に従つて合成した4−フ
エニルスルホニル−3−メチル−1−ブタノール
1.14gを無水テトラヒドロフラン30mlと無水ヘキ
サメチルホスホリツクトリアミド3mlとの混合液
に溶かし、約−10℃〜0℃に冷却し、窒素ガス雰
囲気下でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.6モル溶液)6.56mlを加え、15分間撹拌したの
ち参考例2(後記する)に従つて合成したn=15、
A=Brである一般式()のポリプレニルプロ
ミド6.52gの無水テトラヒドロフラン(5ml)溶
液を滴下した。滴下終了後、同じ温度で1時間撹
拌したのち、室温(約20℃)で一夜撹拌を続け
た。次いで反応液を水200ml中に注ぎ、希塩酸水
で中和し、塩化メチレンで抽出し、得られた塩化
メチレン層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥したのち溶媒を減圧下に留去して淡黄色液体を
得た。この液体をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイー(塩化メチレン/テトラヒドロフランを展
開液として使用)により精製し微黄色液体5.40g
を得た。このものは下記分析結果よりn=15、
R1=H、R2=−SO2C6H5、Z=−CH2OHである
一般式()の4−フエニルスルホニル−4−ポ
リプレニル−3−メチル−1−ブタノール〔化合
物(1)〕であることが確認された。 FD−MASS:m/e=1452 IR(cm-1):3525、3040、2975、2930、2850、
1670、1580、1450、1380、1310、1150、1090、
840、725、690 1H−NMR(δCDCl3 ppn) 1.02および1.06(それぞれd、3H、CH−C
3)、1.52(s、9H、【式】)、1.64(s、 48H、【式】)、3.00(t、1H、 C−SO2)、3.46〜3.80(m、2H、−C 2O)、
4.80(t、1H、【式】)、5.07(bs、 17H、【式】)、7.42〜7.94(m、5H、 SO2−C6 5)。 なお、本物質は高分子であるため 1H−NMR
の解析は上の特徴的なシグナルについて行なつ
た。 実施例 2〜16 一般式()で示される化合物および一般式
()で示される化合物としてそれぞれ表1−1
および表1−2に示した化合物を同表に記載した
量で使用して実施例1と同様の操作を行い、対応
する一般式()で示されるポリプレニル化合物
を合成した。該ポリプレニル化合物の収量を表1
−1および表1−2に示し、物性値を下に記す。 4−(メタトリルスルホニル)−4−ポリプレニ
ル−3−メチル−1−ブタノール〔化合物(2)〕 FD−MASS:m/e=1466 IR(cm-1):3525、1670、1600、1140 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.06(d、3H、CH−C
3)、1.53(s、9H、【式】)、1.61(S、 48H、【式】)、2.38(s、3H、 【式】)、2.88〜3.14(m、1H、 C−SO2−)、3.40〜3.86(m、2H、−C 2O
−)、4.85(t、1H、【式】)、5.12 (bs、17H、【式】)、7.38〜7.79(m、 4H、【式】) 4−(パラトリルスルホニル)−4−ポリプレニ
ル−3−メチル−1−ブタノール〔化合物(3)〕 FD−MASS:m/e=1466 IR(cm-1):3525、1670、1595、1140 H−NMR(δCDCl3 ppn):1.06(d、3H、CH−C
3)、1.55(s、9H、【式】)、1.62(s、 48H、【式】)、2.40(s、3H、 【式】)、2.87〜3.11(m、1H、 C−SO2−)、3.40〜3.87(m、2H、−C
2O−)、4.85(t、1H、【式】)、5.12 (bs、17H、【式】)、7.28それぞれ 7.72(それぞれd、4H、【式】) 4−(オルトクロルフエニルスルホニル)−4−
ポリプレニル−3−メチル−1−ブタノール
〔化合物(4)〕 FD−MASS:m/e:1486 IR(cm-1):3525、1670、1580、1150 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.10(d、3H、CH−C
)、3.40〜3.87(m、3H、−C 2O−、C
SO2−)、4.78(t、1H、【式】)、5.08 (bs、17H、【式】)、7.28〜8.13(m、 4H、【式】) 4−(パラクロルフエニルスルホニル)−4−ポ
リプレニル−3−メチル−1−ブタノール〔化
合物(5)〕 FD−MASS:m/e=1486 IR(cm-1):3525、1670、1580、1475、1145 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.05(d、3H、CH−C
3)、1.53(s、9H、【式】)、1.62(s、 48H、【式】)、2.90〜3.14(m、 1H、C−SO2−)、3.38〜3.86(m、2H、−
2O−)、4.80(t、1H、【式】)、 5.07(bs、17H、【式】)、7.44および 7.80(それぞれd、4H、
【式】) 4−(β−ナフチルスルホニル)−4−ポリプレ
ニル−3−メチル−1−ブタノール〔化合物
(6)〕 FD−MASS:m/e=1502 IR(cm-1):3525、1670、1620、1590、1300、
1140、1120 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.00(d、3H、CH−C
3)、1.52(s、9H、【式】)、1.62(s、 48H、【式】)、2.80〜3.08(m、 1H、C−SO2−)、3.40〜3.91(m、2H、−
2O−)、4.81(t、1H、【式】)、 5.09(bs、17H、【式】)、7.31〜8.55 (m、7H、−SO2−C10 7) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチルブチルアセテート〔化合物(7)〕 FD−MASS:m/e=1494 IR(cm-1):1740、1670、1580、1140 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.08(d、3H、CH−C
3)、1.54(s、9H、【式】)、1.62(s、 48H、【式】)、1.98(s、3H、 【式】)、2.83〜3.10(m、1H、C− SO2−)、3.83〜4.32(m、2H、−C 2O−)、
4.81(t、1H、【式】)、5.08(bs、 17H、【式】)、7.35〜7.98(m、5H、 −SO2−C6 5) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチルブチルテトラヒドロピラニルエーテ
ル〔化合物(8)〕 FD−MASS:m/e=1536 IR(cm-1):1670、1590、1145、1075、1035 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.10(d、3H、CH−C
)、2.90〜3.15(m、1H、C−SO2−)、
3.24〜4.00(m、4H、−C 2O−)、4.52(bs、
1H、【式】)、4.78(t、1H、 【式】)、5.05(bs、17H、 【式】)、7.35〜7.98(m、5H、−SO2− C6 6) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチルブチル 1−ブトキシエチル エー
テル〔化合物(9)〕 FD−MASS:m/e=1552 IR(cm-1):1670、1590、1450、1300、1150、
1090 1H−NMR(δCDCl3 ppn):2.844〜3.10(m、1H、C
H−SO2−)、3.10〜3.80(m、4H、
【式】)、4.46〜4.70(m、 1H、【式】)、4.85(t、1H、 【式】)、5.09(bs、17H、 【式】)、7.32〜7.98(m、5H、−SO2− C6 5) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチルブチル トリメチルシリルエーテル
〔化合物(10)〕 FD−MASS:m/e=1524 IR(cm-1):1670、1590、1310、1250、1150、
1090、845 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.03(d、3H、CH−C
3)、1.50(s、9H、【式】)、1.59(s、 48H、【式】)、2.80〜3.08(m、 1H、C−SO2−)、3.34〜3.74(m、2H、−
2O−)、4.81(t、1H、【式】)、 5.07(bs、17H、【式】)、7.21〜7.98 (m、5H、−SO2−C6 5) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチルブチル ベンジルエーテル〔化合物
(11)〕 FD−MASS:m/e=1542 IR(cm-1):1660、1580、1500、1300、1140、
1100、700 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.03および1.06(それぞれ
d、3H、CH−C 3)、4.35および4.42(それ
ぞれs、2H、【式】)、4.80 (t、1H、【式】)、5.07(bs、17H、 【式】)、7.27および7.28(それぞれs、 5H、−O−CH2−C6 5)、7.07〜7.93(m、5H、
−SO2C6 5) 4−フエニルチオ−4−ポリプレニル−3−メ
チル−1−ブタノール〔化合物(12)〕 FD−MASS:m/e=1420 IR(cm-1):3325、1670、1580、1380、1050、
730、690 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.99(d、3H、CH−C
3)、1.50(s、9H、【式】)、1.60(s、 48H、【式】)、2.55〜3.01(m、 1H、C−S−)、3.55(t、2H、−C 2O
−)、4.81(t、1H、【式】)、5.07 (bs、17H、【式】)、6.95〜7.40(m、 5H、−S−C6 5) 4−フエニルスルフイニル−4−ポリプレニル
−3−メチル−1−ブタノール〔化合物(13)〕 FD−MAS:m/e=1436 IR(cm-1):3325、1670、1580、1380、1035、
725、690 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.00(d、3H、CH−C
3)、1.51(s、9H、【式】)、1.60(s、 48H、【式】)、2.75〜3.03(m、 1H、C−SO−)、3.54(t、2H、−C 2O
−)、4.80(t、1H、【式】)、5.07 (bs、17H、【式】)、7.01〜7.68(m、 5H、−SO−C6 5) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチル−1−ブタナールジメチルアセター
ル〔化合物(14)〕 FD−MASS:m/e=1496 IR(cm-1):1670、1590 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.01(d、3H、CH−C
3)、1.51(s、9H、【式】)、1.63(s、 48H、【式】)、2.85〜3.20(m、 1H、C−SO2−)、3.20(s、6H、−OC
3)、4.31(t、1H、【式】)、4.81(t、 1H、【式】)、5.07(bs、17H、 【式】)、7.32〜8.00(m、5H、−SO2− C6 5) 4−フエニルスルホニル−4−ポリプレニル−
3−メチル−1−ブタナールエチレンアセター
ル〔化合物(15)〕 FD−MASS:m/e=1494 IR(cm-1):1670、1590、1380、1150 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.03(d、3H、CH−C
3)、1.54(s、9H、【式】)、1.62(s、 48H、【式】)、2.83〜3.12(m、 1H、C−SO2−)、3.53〜3.90(m、4H、−
OC 2C 2O−)、4.73(t、1H、
【式】)、4.81(t、1H、 【式】)、5.08(bs、17H、 【式】)、7.36〜8.00(m、5H、−SO2− C6 5) 【表】 【表】 【表】 【表】 実施例 17 参考例8に従つて合成した一般式()におい
てn=15、A=−SO2C6H5であるポリプレニル
フエニルスルホン6.83gを無水テトラヒドロフラ
ン30mlおよび無水ヘキサメチルホスホリツクトリ
アミド3mlの混合液に溶かし、約−10〜0℃冷却
し、窒素ガス雰囲気下でn−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液(1.6モル溶液)3.28mlを加え、15分
間撹拌したのち4−ブロモ−3−メチルブチル
テトラヒドロピラニルエーテル1.51gの無水テト
ラヒドロフラン2ml溶液を滴下した。滴下終了
後、同じ温度で1時間撹拌したのち室温(約20
℃)で一夜撹拌を続けた。次いで反応液を水200
ml中に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。塩化メチ
レン層を水洗し、さらに無水硫酸マグネシウムで
乾燥したのち溶媒を減圧下留去して淡黄色の液状
を得た。この液体をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(塩化メチレン/酢酸エチルを展開液と
して使用)により精製し、微黄色液体6.91gを得
た。このものは下記分析結果により、一般式
()においてn=15、R1=−SO2C6H5、R2
H、【式】である4−(1′−フ エニルスルホニルポリプレニル)−3−メチルブ
チル テトラヒドロピラニルエーテル〔化合物
(16)〕であることが確認された。 FD−MASS:m/e=1536 IR(cm-1):1660、1590、1450、1380、1310、
1150、1090、1040、790 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.70〜0.95(m、3H、CH
−C 3)、3.10〜4.00(m、4H、−C 2O)、
4.46(bs、1H、【式】)、4.75〜5.23 (bs、18H、【式】)、7.31〜7.95(m、 5H、−SO2−C6 5) 実施例 18 実施例17で得られた4−(1′−フエニルスルホ
ニルポリプレニル)−3−メチルブチル テトラ
ヒドロピラニルエーテル6.89gをエタノール200
mlに溶かし、1N−塩酸水溶液30mlを加えて室温
下4時間撹拌した。重曹水で中和した後、大部分
のエタノールを減圧下留去し、残留物を水200ml
中に注ぎ、ヘキサンで抽出した。ヘキサン層を水
洗したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ヘ
キサンを留去し、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー(塩化メチレン/酢酸エチルを展
開液として使用)により精製して無色〜微黄色液
体6.18gを得た。このものは下記の分析結果によ
り、一般式()においてn=15、R1=−
SO2C6H5、R2=H、Z=−CH2OHである4−
(1′−フエニルスルホニルポリプレニル)−3−メ
チル−1−ブタノール〔化合物(17)〕であるこ
とが確認された。 FD−MASS:m/e=1452 IR(cm-1):3525、1670、1590、1450、1380、
1310、1150、1090 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.70〜0.95(m、3H、CH
−C 3)、3.44〜4.02(m、3H、−C 2O−、
−SO2)、4.75〜5.25(bs、18H、
【式】)、7.31〜7.90(m、5H、−SO2C6 5) 実施例 19〜24 一般式()で示される化合物および一般式
()で示される化合物としてそれぞれ表2に示
した化合物を同表に記載した量で使用して実施例
17と同じ操作を行い、対応する一般式()で示
されるポリプレニル化合物を合成した。該ポリプ
レニル化合物の収量を表2に示し、物性値を下に
記す。 4−(1′−フエニルスルホニルポリプレニル)−
3−メチル−1−ブチルベンジルエーテル〔化
合物(18)〕 FD−MASS:m/e=1542 IR(cm-1):1660、1580、1500、1450、1300、
1140、1100、740、700 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.70〜0.93(m、3H、CH
−C 3)、3.24〜3.53(m、2H、−C 2O−)、
3.67〜4.00(m、1H、C−SO2−)、4.39
(s、2H、【式】)、4.74〜5.24 (bs、18H、【式】)、7.06〜7.90(m、 5H、−SO2−C6 5)、7.27(s、5H、−CH2−C6
5) 4−(1′−フエニルスルホニルポリプレニル)−
3−メチル−1−ブチルアセテート〔化合物
(19)〕 FD−MASS:m/e=1494 IR(cm-1):1740、1660、1590、1450、1300、
1240、1150、1090 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.73〜0.98(m、3H、CH
−C 3)、1.98(s、3H、【式】)、3.64〜 4.17(m、3H、−C 2O−、C−SO2−)、
4.74〜5.24(bs、18H、【式】)、7.32〜 7.93(m、5H、−SO2−C6 5) 4−(1′−フエニルスルフイニルポリプレニル)
−3−メチルブチル テトラヒドロピラニルエ
ーテル〔化合物(20)〕 FD−MASS:m/e=1520 IR(cm-1):1670、1590、1440、1300、1150、
1080、1035、740、690 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.72〜0.98(m、3H、CH
−C 3)、2.73〜4.10(m、5H、−C 2O−、
−SO−)、4.43(bs、1H、
【式】)、4.75〜5.26(bs、18H、 【式】)、7.00〜7.69(m、5H、−SO− C6 5) 4−(1′−フエニルチオポリプレニル)−3−メ
チルブチル テトラヒドロピラニルエーテル
〔化合物(21)〕 FD−MASS:m/e=1504 IR(cm-1):1670、1590、1450、1150、1075、
1040、740、690 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.71〜0.96(m、3H、CH
−C 3)、3.10〜4.00(m、5H、−C 2O−、
−S−)、4.47(bs、1H、【式】)、 4.70〜5.26(bs、18H、【式】)、6.95〜 7.40(m、5H、−S−C6 5) 4−〔1′−(2−ピリジル)チオポリプレニル〕
−3−メチルブチルテトラヒドロピラニルエー
テル〔化合物(22)〕 FD−MASS:m/e=1505 IR(cm-1):1670、1580、1460、1420、1300、
1150、1130、1080、1040、760 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.70〜0.98(m、3H、CH
−C 3)、3.15〜4.02(m、5H、−C 2O−、−
S−C)、4.46、(bs、1H、
【式】)、4.71〜5.25(bs、18H、 【式】)、6.75〜8.45(m、4H、−S− C5 4N) 4−〔1′−(2−チアゾリニルチオ)ポリプレニ
ル〕−3−メチルブチルテトラヒドロピラニル
エーテル〔化合物(23)〕 FD−MASS:m/e=1513 IR(cm-1):1660、1570、1300、1150、1080、
1040、1000、960、920、790 1H−NMR(δCDCl3 ppn):0.70〜0.98(m、3H、CH
−C 3)、3.10〜4.00(m、7H、−C 2O−、
−S−、−SCH2CH2N−のどちらかの−C
2−)、4.15(t、2H、−SCH2CH2N−のどち
らかの−C 2−)、4.46(bs、1H、
【式】)、4.76〜5.25(bs、18H、 【式】) 【表】 【表】 以上、一般式()および()においてn=
15である化合物の合成例を示したが、これらの化
合物の同族体であるnが11〜19の間で15以外であ
る一般式()および()の化合物もまつたく
同様にして合成することができた。そしてそれら
n=15以外の化合物のIRスペクトルの特性吸収
および 1H−NMRスペクトルの特性シグナルは
n=15の同族体のそれとその位置において一致
し、FD−MASS分析によるm/e値はn=15の
同族体のそれとはイソプレン単位数の差に相当す
る量だけ相違した。 実施例 25 (S)−4−ブロモ−3−メチルブチルベンジ
ルエーテル(〔α〕20 D=+6.05゜、C=1.10、
C2H5OH)2.0gを乾燥ジメチルホルムアミド20
mlに溶かし、次いで無水フエニルスルフイン酸ナ
トリウム2.56gを加えて50〜55℃で16時間、さら
に65〜70℃で1.5時間撹拌したのち内容物を水200
ml中に注ぎ、塩化メチレンで抽出し、水でよく洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メ
チレンを減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイー(酢酸エチル/塩化メチ
レンを展開液として使用)により精製して無色液
体2.14gを得た。このものの 1H−NMRスペク
トルの特性シグナルは下記のとおりであることか
ら、本物質は4−フエニルスルホニル−3−メチ
ルブチルベンジルエーテルであることが確認され
た。 1H−NMR(δCDCl3 ppn):1.01(d、3H、C−C
)、2.72〜3.30(m、2H、−SO2C 2−)、3.38
(t、2H、−C 2O−)、4.34(s、2H、
【式】)、7.25(s、5H、 【式】)、7.31〜7.93(m、5H、−SO2 −C6 5) 参考例1(後記する)に従つて得た一般式()
においてnが11から19まで分布しその組成が参考
例1に記載したものに実質的に等しいポリプレノ
ール混合物を参考例2(後記する)の方法に従つ
て三臭化リンと反応させることによりポリプレニ
ルブロミド混合物を合成し、その6.52gを実施例
1と同様にして上記4−フエニルスルホニル−3
−メチルブチルベンジルエーテルの1.91gと反応
させ、実施例1と同様に後処理することにより無
色〜微黄色粘稠液体4.20gを得た。このもののIR
スペクトルの特性吸収および 1H−NMRスペク
トルの特性シグナルは実施例12において合成した
化合物(11)のそれとその位置において一致してお
り、本物質は一般式()においてR1=H、
【式】 【式】である4−フエニ ルスルホニル−4−ポリプレニル−3−メチルブ
チル ベンジルエーテルであることが確認され
た。 この粘稠液体4.00gを参考例14(後記する)と
同様に処理して(このとき同時に脱保護される)
無色透明な液状物3.12gを得た。この液体をメル
ク社製セミ分取用高速液体クロマトカラムLi
Chrosorb RP18−10(C18タイプ)を用いアセト
ン/メタノール=90/10の混合溶剤を溶離液と
し、示差屈折計を検出器として用いた高速液体ク
ロマトグラフイーにより9種の主ピークを確認し
た。このクロマトグラフの面積比率からその存在
比を求めて下に示した。 【表】 同じ液体クロマトグラフイーを用いて各フラク
シヨンに分離してFD−MASS分析し、それぞれ
のピークがn=11〜19のものであることが確認さ
れた。また各ピークごとに分離したものについて
IR、 1H−NMRおよび 13C−NMR分析を行い、
それらのものはn=11〜19、Z′=−CH2OHであ
る一般式()の化合物であることが確認され
た。ピークNo.5のn=15である化合物は参考例
14(後記する)で得た化合物と全く同一の分析値
を与えた。他のピークにあたるものについては
IR、 1H−NMR、 13C−NMRともに全て同じ
位置に吸収シグナルを有し、その強度比が少しず
つ異つているだけであつた。また得られた液状物
の旋光度は〔α〕20 D=+0.51゜(neat)であつた。 以上の実験結果により、本実施例において得ら
れた上記4−フエニルスルホニル−4−ポリプレ
ニル−3−メチルブチル ベンジルエーテルは光
学活性体でありかつnが11から19まで分布した混
合物であることが確認された。 また(S)−4−ブロモ−3−メチルブチル
ベンジルエーテにかえて(R)−4−ブロモ−3
−メチルブチルベンジルエーテル(〔α〕20 D=−
6.05゜、C=1.10、C2H5OH)を使用した以外は上
記と同様にして光学活性4−フエニルスルホニル
−4−ポリプレニル−3−メチルブチルベンジル
エーテル混合物を合成し、これを同様に脱スルホ
ン化と同時に脱保護基処理することにより旋光度
が〔α〕20 D=−0.51゜(neat)の液状物を得た。分析
の結果、この液状物はnが11から19まで分布した
Z′=−CH2OHである一般式()の化合物の混
合物であることが確認された。 参考例 1 ポリプレノールの分離 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)で1週間クロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlを加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水40mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し、残留物にジエチル
エーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層
を約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物
を得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n−ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を
得た。この油状物は95%以上の純度を有するポリ
プレノールであり、このものについてメルク社製
セミ分取用高速液体クロマトカラムLi Chrosorb
RP18−10(C18タイプ)を用いアセトン/メタノ
ール=90/10の混合溶剤を溶離液とし、示差屈折
計を検出器として用いた高速液体クロマトグラフ
イー分析を行い、得られたクロマトグラムにおけ
る各ピークの面積比率を求めた結果は下記のとお
りであつた。 【表】 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、 1H−MNRスペクトルおよび
13C−NMRスペクトルによりそれらの成分が一
般式()で示される構造を有するポリプレノー
ルであることを確認した。 各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果ならびに 1H−NMRのδ値を表
3に、 13C−NMRのδ値を表4にまとめて示し
た。 【表】 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中、【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、【式】 はシス型イソプレン単位を表わし、nは11〜19の
    整数を表わし、Zは−CH2OHまたはその機能的
    前駆基を表わし、R1およびR2は一方が水素原子、
    他方が−S(O)mR3であることを条件に水素原
    子または−S(O)mR3を表わし、ここでmはゼ
    ロ、1または2の整数を表わし、R3は低級アル
    キル基またはハロゲン原子によつて置換されてい
    てもよいフエニル基、ナフチル基、ピリジル基ま
    たはチアゾリニル基を表わす。〕 で示されるポリプレニル化合物。 2 R1が水素原子である特許請求の範囲第1項
    記載のポリプレニル化合物。 3 mが2である特許請求の範囲第1項記載のポ
    リプレニル化合物。 4 R3が低級アルキル基またはハロゲン原子に
    よつて置換されていてもよいフエニル基である特
    許請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の
    ポリプレニル化合物。 5 Zが−CH2OHである特許請求の範囲第1
    項、第2項、第3項または第4項記載のポリプレ
    ニル化合物。 6 Zが加水分解または水素添加分解により離脱
    しうる保護基によつて保護された−CH2OHまた
    は−CHOである特許請求の範囲第1項、第2項、
    第3項または第4項記載のポリプレニル化合物。 7 一般式 で示される化合物をアニオン化剤の助けのもとに
    一般式 で示される化合物と反応させることを特徴とする
    一般式 で示されるポリプレニル化合物の製造法〔上記式
    中、【式】はトランス型イソプ レン単位を表わし、【式】はシ ス型イソプレン単位を表わし、nは11〜19の整数
    を表わし、AおよびXは一方がハロゲン原子、他
    方が−S(O)mR3であることを条件にハロゲン
    原子または−S(O)mR3を表わし、Zは−
    CH2OHまたはその機能的前駆基を表わし、R1
    よびR2は一方が水素原子、他方が−S(O)mR3
    であることを条件に水素原子または−S(O)
    mR3を表わし、Aがハロゲン原子であるときに
    はR1が水素原子であり、Xがハロゲン原子であ
    るときにはR2が水素原子であり、ここでmはゼ
    ロ、1または2の整数を表わし、R3は低級アル
    キル基またはハロゲン原子によつて置換されてい
    てもよいフエニル基、ナフチル基、ピリジル基ま
    たはチアゾリニル基を表わす。〕。 8 Aがハロゲン原子であり、Xが−S(O)
    mR3である特許請求の範囲第7項記載の製造法。 9 mが2である特許請求の範囲第7項または第
    8項記載の製造法。 10 R3が低級アルキル基またはハロゲン原子
    によつて置換されていてもよいフエニル基である
    特許請求の範囲第7項、第8項または第9項記載
    の製造法。
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