JPH0117120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はマイクロ波発熱体に関し、特に電子レ
ンジ等によるマイクロ波加熱により食品に所望す
る焦げ目を付けるマイクロ波発熱体に関する。

〈従来技術とその問題点〉 食品を電子レンジ等によりマイクロ波加熱調理
する際、加熱しても一般的に焦げ目が付かない特
徴があり、このことは利点でもあり、また欠点で
もある。特に肉類、魚類等の食品は焦げ目が付い
ていた方が食感がよく好都合であるが、電子レン
ジで加熱しただけでは焦げ目が付かない場合があ
る。

そこで従来より焦げ目を付ける色々な方法が試
みられており、その一例として特公昭60−15548
号公報には、基材物質、該基材物質の食品接触面
に形成された保護層と、保護層と基材物質の間に
導電性元素金属層を設けたマイクロ波加熱調理容
器が示されている。

また前記公報にはアルミ等の真空蒸着により導
電性元素金属層を設けることが、最も有効な方法
であることも示されている。

本件出願人は、さまざまなマイクロ波発熱体を
提案してきたが上記のような構成の場合その蒸着
層の厚みが50〜60Åが最も効果的であることを確
認した。

しかしながら、50〜60Åの蒸着層を一度の工程
で設けたマイクロ波発熱体は加熱時に焦げ目にム
ラが発生するという欠点があつた。

〈解決しようとする問題点〉 本考案は上記問題点を解決しようとするもの
で、食品をマイクロ波発熱する際、焦げ目のムラ
が発生しないマイクロ波発熱体を提供するもので
ある。

〈問題点を解決するための手段〉 導電性元素金属の薄膜層を所定の厚さに設けた
耐熱性フイルムどうしを互いに積層したマイクロ
波発熱体を用いてマイクロ波加熱することにより
解決した。

〈作用〉 導電性元素金属の薄膜層を所定の厚さ以下に設
けると厚みのムラ等が発生しにくく品質が安定す
る。従つて所定の厚さ以下に設けた耐熱性フイル
ムを積層してなるマイクロ波発熱体は薄膜層の厚
みのムラが発生しにくい。

〈実施例〉 第１図は、本考案の一実施例を示す断面図であ
り、25Å〜30Åの厚みのアルミ蒸着層２を片面に
連続的に設けた12μ厚のポリエチレンテレフタレ
ートフイルムのアルミ蒸着層２面どうしを互いに
積層してなるマイクロ波発熱体Ａである。

第２図は上記マイクロ波発熱体Ａを容器Ｂの内
部底面に設け、その上に食品Ｃを載せてマイクロ
波加熱する状態を示す断面図であり、食品Ｃのマ
イクロ波発熱体Ｂとの接触面に焦げ目を付けるこ
とができる。

また、第３図に示すようにマイクロ波加熱時に
食品と接触する面の反対面に紙層３を設けた構成
としても良い。

本考案において、導電性元素金属の薄膜層を上
記実枝例のように片面に設けてもよいが、フイル
ムの両面に設けてもよく、それらを積層する場合
任意の組合せでよい。ただし製造する場合の効
率、品質安定性を考慮すると片面に設けたものど
うしを積層することが好ましい。

さらに、本考案のマイクロ波発熱体は使い捨て
の調理用品としてその効果を充分発揮するもので
あるが、使い捨てのパツケージ等に設けて加熱部
材として使用してもよい。

〈効果〉 本考案は以上のような構成からなるので、食品
をマイクロ波加熱する際、所望する焦げ目をムラ
なく均一に付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
第１図の使用時の断面図、第３図は他の実施例の
断面図である。 １…ポリエチレンテレフタレートフイルム、２
…アルミ蒸着層、３…紙層、AA′…マイクロ波発
熱体、Ｂ…容器、Ｃ…食品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電性元素金属の薄膜層を所定の厚さ設けた耐
   熱性フイルムどうしを互いに積層してなるマイク
   ロ波発熱体。