JPH0117003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は太陽熱温水器、排熱回収装置、空調機
器等に利用される無動力の熱搬送装置に関するも
のである。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種の熱搬送装置は第１図に示すよう
に構成されていた。複数の集熱パイプよりなるコ
レクタ１（発生器）の下方に給湯水を貯めた熱交
換タンク２が配置され、その内に収納されている
熱交換器３とコレクタ１は途中に逆止弁４ａが設
けられた往管５で接続されている。内部に液面検
知センサー６が収納された液溜めタンク７はコレ
クタ１の上方に配置され、熱交換器３とは復管８
で接続され、コレクタ１とは途中に逆止弁４ｂが
設けられた戻管９で接続され、また、液溜めタン
ク７の上部とコレクタ１の上部とは途中に開閉弁
１０（弁機構）が設けられた連通管１１で接続さ
れている。液面検知センサー６により検出された
作動液１２の液面が設定値Ｈより大きくなつたと
き開閉弁１０の開状態にさせる制御器１３によつ
て作動液１２の液面が制御されている。

作動液１２は日射によりコレクタ１が加熱され
ると沸騰蒸発し、コレクタ１内の圧力を上昇させ
ることにより加熱された作動液１２が往管５を通
り熱交換器３へ押し込まれ、熱交換タンク２内の
給湯水と熱交換して冷却された作動液１２が往管
８を通つて液溜めタンク７へ送られて、液溜めタ
ンク７内の作動液１２の液面は徐々に上昇してい
く。液面検知センサー６により検出された作動液
１２の液面が設定値Ｈより大きくなると制御器１
３により開閉弁１０が開状態にされてコレクタ１
の上部と液溜めタンク７の上部が連通管１１によ
つて連通され、コレクタ１内の圧力が液溜めタン
ク７に導びかれ、液溜めタンク７内の作動液１２
は戻管９を通つてコレクタ１に回収される。作動
液１２の液面が低下して設定値Ｈより小さくなる
と制御器１３により開閉弁１０が閉状態にされて
作動液１２のコレクタ１への回収は終了する。

この構成では、コレクタ１で加熱された作動液
１２が熱交換器３で給湯水と熱交換し冷却され復
管８を通り液溜めタンク７下部より流入していく
が、液溜めタンク７内には作動液１２のコレクタ
１への回収時にコレクタ１の上部より連通管１１
を通つて導かれた作動液１２の高温蒸気が残留し
ており、作動液１２が液溜めタンク７下部より流
入するに従つて作動液１２の蒸気は圧縮されて液
溜めタンク７内は高圧となり、コレクタ１から熱
交換器３を通つて液溜めタンク７へ作動液１２が
流れにくくなり、作動液１２の流量が減少してコ
レクタ１から熱交換器３への熱搬送性能及び集熱
性能が低下するといつた問題があつた。

考案の目的 本考案は上記従来の問題を解消するもので、液
溜めタンク内における作動液の蒸気の圧縮を防止
し作動液の流量を増大させることによつて、熱搬
送性能の向上を図ることを目的とする。

考案の構成 上記目的を達成するため本考案は、熱交換器と
液溜めタンク上部を接続する復管の前記液溜めタ
ンクとの接続部に作動液の流れを拡散させる拡散
手段を設けたものである。

この構成によつて、弁機構が閉状態のとき熱交
換器で熱交換し冷却された作動液が往管を通り液
溜めタンク上部より液溜めタンク内に流入してい
くが、作動液の流れが拡散手段により拡散され作
動液の蒸気を激しく撹拌して凝縮させ、液溜タン
ク内の圧力を低下させて発生器と液溜めタンクと
の圧力差を大きくさせ、作動液の流量を増大させ
る。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を第２図、第３図によ
り説明する。第１図と同一部材には同一番号を付
与し説明を省略している。復管８で熱交換器３と
液溜めタンク７上部を接続し、その液溜めタンク
との接続部に作動液１２の流れを拡散させる円錐
形状の拡散手段１４が設けられている。

作動液１２は日射によりコレクタ１が加熱され
ると沸騰蒸発し、コレクタ１内の圧力を上昇させ
て加熱された作動液１２を押し出し往管５を通つ
て熱交換器３に圧送し、熱交換タンク２内の給湯
水に放熱させて冷却し往管８を通つて液溜めタン
ク７へ流入させる。往管８と液溜めタンク７との
接続部に設けられた拡散手段１４によつて復管８
より流入してきた冷却された作動液１２の流れは
四方に拡散し、作動液１２の蒸気と激しく混合し
て蒸気を冷却し凝縮させて液溜めタンク７内の圧
力を低下させる。液溜めタンク７内の圧力が低下
してコレクタ１との圧力差が大きくなると、コレ
クタ１から熱交換器３、液溜めタンク７への作動
液１２の流量は増大し、コレクタ１の熱を急速に
奪い集熱温度を低下させて集熱効率を向上せさ、
熱交換器３内における作動液１２に流速を増大さ
せて熱交換能力を向上させる。液溜めタンク７へ
作動液１２が流入して液面検知センサー６によつ
て検出される作動液１２の液面が設定値Ｈより大
きくなると制御器１３により開閉弁１０が開状態
にされ、コレクタ１の上部と液溜めタンク７の上
部が連通管１１によつて連通され、コレクタ１内
の圧力が液溜めタンク７に導びかれ、液溜めタン
ク７内の作動液１２は戻管９を通つてコレクタ１
に回収される。液溜めタンク７内の作動液１２の
液面が低下して設定値Ｈより小さくなると制御器
１３により開閉弁１０が閉状態にされて作動液１
２のコレクタ１への回収は終了する。

このように上記実施例においては、復管８より
液溜めタンク７内に流入してきた作動液１２の流
れを拡散手段１４により四方に拡散させ作動液１
２の蒸気を冷却凝縮させて液溜めタンク内の圧力
を低下させ、発生器との圧力差を大きくしてコレ
クタ１から熱交換器３、液溜めタンクへの作動液
１２の流量を増大させるため、コレクタ１の集熱
温度が低下して集熱効率が向上し、さらに熱交換
器３内における作動液１２の流速が増大して熱交
換能力が向上する。

考案の効果 本考案の熱搬送装置は、熱交換器と液溜めタン
ク上部に接続する復管の前記液溜めタンクとの接
続部に作動液の流れを拡散させる拡散手段を設け
ているため、液溜めタンクへ流入してきた作動液
は拡散手段により四方に拡散し作動液の蒸気を冷
却凝縮させて液溜めタンク内の圧力を低下させ、
発生器と液溜めタンクとの圧力差を大きくして作
動液の流量を増大させて発生器及び熱交換器の熱
交換能力を向上させ、発生器から熱交換器への熱
搬送性能を向上させる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱搬送装置のシステム図、第２
図は本考案の熱搬送装置の一実施例を示すシステ
ム図、第３図は第２図の部分拡大断面図である。 １……発生器、２……熱交換タンク、３……熱
交換器、４ａ，４ｂ……逆止弁、５……往管、６
……液面検知センサー、７……液溜めタンク、８
……復管、９……戻管、１０……弁機構、１１…
…連通管、１２……作動液、１４……拡散手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 潜熱媒体の作動液が封入されその蒸気を発生さ
   せる発生器と、前記発生器の下方に位置する熱交
   換タンク内に設けられた熱交換器と、前記発生器
   の上方に位置し内部に液面検知センサーが収納さ
   れた液溜めタンクと、前記発生器上部と前記液溜
   めタンク上部を接続し前記液面検知センサーによ
   り制御される弁機構が途中に設けられた連通管
   と、前記発生器と前記液溜めタンク下部を接続し
   途中に逆止弁が設けられた戻管と、前記発生器と
   前記熱交換器を接続し途中に逆止弁が設けられた
   往管と、前記熱交換器と前記液溜めタンク上部を
   接続する復管と、前記復管の前記液溜めタンクと
   の接続部に設けられ作動液を拡散させる拡散手段
   とからなる熱搬送装置。