JPH01165758A - 耐食性,めっき性及びはんだ性にすぐれたリードフレーム用表面処理鋼板の製造法 - Google Patents

耐食性,めっき性及びはんだ性にすぐれたリードフレーム用表面処理鋼板の製造法

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JPH01165758A
JPH01165758A JP32449187A JP32449187A JPH01165758A JP H01165758 A JPH01165758 A JP H01165758A JP 32449187 A JP32449187 A JP 32449187A JP 32449187 A JP32449187 A JP 32449187A JP H01165758 A JPH01165758 A JP H01165758A
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plating
steel sheet
alloy
less
corrosion resistance
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Application number
JP32449187A
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Inventor
Yukinobu Higuchi
樋口 征順
Toshinori Katayama
片山 俊則
Nobuo Tsuzuki
都築 信男
Fumio Yamamoto
山本 二三夫
Hirobumi Nakano
寛文 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐食性にすぐれるとともに、リードフレーム
製造工程における打抜き加工性(スタンピング性)に必
要な材質性能、めっき性能或いははんだ性能にすぐれた
リードフレーム用表面処理鋼板の製造法に関するもので
ある。
(従来の技術) 近時、エレクトロニクス分野において、集積回路(IC
)の需要が著しく増大し、リードフレーム材料の需要も
増加し、諸性能にすぐれたリードフレーム材料の開発が
強く望まれている。
一般にこれらリードフレーム材は、帯材とした後裁断、
打抜き加工を施こし、その表面にCuめっき或いははん
だめっき(浸漬はんだ或いは電気はんだめっき)を施こ
し、これにAg+Au等がめっきされ、これにシリコン
チップを結合(ワイヤーボンディング)してIC素材と
して使用される。
従って、これらリードフレーム材料は、打抜き成形加工
性が良好である事、めっき性がすぐれている事、はんだ
性がすぐれている事が要求される。
中でもリードフレームの端子部がIC基盤等には゛んだ
づけされるために、すぐれたはんだ性を有することが重
要である。
さらには素材は、上記のようなめっき等が行なわれる以
前の貯蔵時の耐錆性、さらには処理が行なわれた後の製
品の耐錆性がすぐれている事も要求される。
(発明が解決しようとする問題点) 従来、リードフレーム材料としては、強度と熱膨張特性
からFe−42%Ni合金が主として使用されており、
またコストと導電性の利点から、銅合金も使用されてい
る。しかしこの銅合金も、導電性及び熱放散性の点では
優れているが、Fe−42%Ni合金に比べ強度が不足
するため、ICの自動組立工程においてアウターリード
を部材に差込む際折れ曲がるという不都合があった。
さらには、最近ICの小型化の点から、リードフレーム
素材も極薄化の傾向にあり、高い強度が要求されている
コストの点からは低炭素鋼が最も有効であるが、錆を発
生し易い問題から使用することができない。
一方耐食性及び強度に優れたをもつステンレス鋼は、多
量のCrを含有するためにめっき性及びはんだ性に問題
がある。このような問題を改善するリードフレーム用素
材としては、例えば特開昭57−50457号、特開昭
59−9149号、特開昭60−103158号等の各
公報で紹介されている。これらは基本成分として4〜1
1%のCrを含有し、その他にNi。
Mo、Cu、Ti、Nb、V、Zr等を数%以下含有せ
しめてリードフレーム用素材に必要な耐錆性を向上せし
め、またステンレス鋼の欠点とするめっき性、はんだ性
を改善せしめたリードフレーム用素材である。
これら素材は、それなりの性能向上効果が得られるもの
の、必ずしもリードフレーム用素材として充分な性能が
得られていない。すなわち、Cuめつきのめっき密着性
が充分でなく、特にワイヤーポンディング時の加熱工程
において、Cuめっき層にブリスター(めっき層の部分
的な膨れ)を発生する欠点がみられた。またエレクトロ
ニクス分野で多く使用されるC1−イオンのようなハロ
ゲンイオンを含有しないノンハロゲンタイプのフラツク
スを用いたはんだづけ作業において、はんだが充分に付
かない問題があった。 。
さらにまた、上記した公知の鋼成分の鋼板に、Ni或い
はNi合金めっき、またはCu或いはCu合金のめっき
を施こしたリードフレーム用素材が特開昭61−284
948号公報で紹介されている。該素材は、Fe −C
r系合金鋼板、すなわち重量%でCr;5.0〜10.
5%、Cio、10%以下、Si;2.0%以下、Mr
12.0%以下、 AA io、10%以下の基本成分
の他に、必要に応じてNi;3.0%以下、 Cu; 
 2.0%以下。
MO;4.0%以下のうち1種又は2種以上あるいはN
b + T i+ Ta + Zrのうち1種又は2種
以上を0.6%以下添加し、残部実質的にFeよりなる
鋼板に、NiあるいはNi合金めっき、またはCuある
いはCu合金めっきの3〜5μの被覆層を施こし、冷間
圧延した鋼板である。
該鋼板は、冷間圧延されたまま或いは歪み取り焼鈍をし
、リードフレーム用素材として使用されるが、Auまた
はAgのめっき性或いはばんだづけが、Fe −Cr系
ベース材のまま使用される場合に比してかなり改善され
る。
しかしながら該鋼板は、めっき後の冷間圧延時にめっき
金属が圧延ロールに付着するため外観の平滑良好な製品
を得るのに煩雑な手入れを要するなど、製造面で問題が
多い。
また性能面に対しても、次の様な問題点がある。
すなわち、Ni或いはNi合金めっき層を施こした素材
はめっき性或いははんだ性が向上するものの、浸漬はん
だを行なった場合、はんだ組成中のSn金属とNi金属
が拡散反応を生じ、硬くて脆いNi −5n系合金を生
成する。その生成量が多くなると、はんだ層が脆くなっ
て衝撃或いは曲げ加工を受けた場合に破壊され易い欠点
(所謂、はんだ脆性)がある。特にこの欠点は、ワイヤ
ーボンディング時に加熱を受けたり、Ni或いはNi合
金のめっき層が厚くなったりした多い場合に発生し易い
傾向にある。
またCu或いはCu合金が施こされた場合には、Cu或
いはCu合金は、ベースに使用されるFe −Cr系組
成の鋼板に比較して著しく責な金属或いは合金であるた
めに、湿潤環境或いはC1−イオン等の腐食因子が存在
する腐食環境において、ベースの鋼板が優先腐食され、
赤錆発生成いは穿孔腐食がめつき層のピンホール部或い
は加工時の疵付き部から生じる場合がみられる。この傾
向は、Ni或いはNi合金のめっき層が施こされる場合
も、Fe−Cr系鋼板の鋼組成によっては同様の原因に
よる耐食性不良を生じる問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、耐食性、
めっき性及びはんだ性にすぐれたリードフレーム用表面
処理鋼板の製造法を提供する。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、重量%で、C;0.06%以下、酸可溶AI
!; 0.005〜0.10%、Cr;3〜10.5%
、さらにTi、Nb、Zr、V(7) 1種又は2種以
上を0.03〜0.8%を含有し、さらに必要によって
はCu ; 0.05〜1%。
Ni ; 0.05〜3%、 Mo ; 0.05〜0
.5%の1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不可
避的不純物からなるCr含有鋼板を冷間圧延後、その表
面に片面当りの付着量が10(1−3000mg / 
tdのNi、Co或いはNiとCoの合金の被覆層を設
け、次いで非酸化性雰囲気中の450℃〜再結晶温度の
温度範囲で加熱拡散処理を施こす耐食性、めっき性及び
はんだ性にすぐれたリードフレーム用表面処理鋼板の製
造法である。
以上のごとく本発明は、冷間圧延後の前記組成の鋼板表
面に、適正厚さのNt、Co或いはNi −Co合金の
被覆層を施こし、加熱拡散処理を施こすものである。
被覆処理後加熱拡散処理を行なう事によって、Ni、C
o、Ni−Co合金被覆層と鋼素材の相互拡散によりF
eを含有するNi −Fe、 C−Fe、或いは(Ni
+Co)−Feを主体とする拡散層が生成される。その
結果拡散被覆層は、Ni、 Co、 Ni−Co合金の
各単独被覆層よりもさらに素地調板との電位差が小さく
近接されるため、めっき欠陥部の素地鋼板の腐食や、赤
錆発生を防止する効果を有すると共に、Ni −Fe。
Go−Fe+ (Ni +Co) −Re拡散合金層自
体の耐食性もすぐれていることから、下地鋼素材を防食
し、耐錆性能を主体とした耐食性が向上する。特に該拡
散処理層は、Ni−Fe合金を被覆処理した鋼板に比べ
、耐錆性能を著しく向上させる。
また拡散被覆層は、Crを含有する素地鋼板に比較して
、リードフレーム製造工程においてCuめっき等のめっ
き処理に先立って施こされる酸洗浴により容易に活性化
され、さらに拡散条件を適正に選択する事によって、め
っき密着性及び均一被覆性にすぐれためっき性能が得ら
れる。
さらにこれら拡散合金被覆層は、Pb −Sn組成から
なる浸漬はんだに対して、ハロゲンイオンを含有しない
フラックスを使用しても、はんだ濡れ性、拡がり性がC
r含有鋼板に比較して極めてすぐれており、またFeが
合金化されているために、Ni等の単独層に比較してこ
れら拡散被覆層とSnとの間に生成される合金層が少な
くなり、さらには長期に経時或いはワイヤーボンディン
グ時に加熱を受けても、その生成が抑制され、はんだ性
が向上する。
第1図は7%Crを含有するFe −Cr系鋼板にNi
系拡散被渡層、及びNiめっき層1000mg/m2を
各々施こした場合のはんだ濡れ性と、はんだ付着後に長
期経時の密着性を対象とする加熱促進試験を行なった場
合のはんだ密着性を評価した一例を示す。
以上の如く本発明は、Fe −Cr系合金調板に被覆層
を施こす事によって、リードフレーム用素材に要求され
る性能特性、すなわち耐食性、めっき性及びはんだ性に
すぐれた性能特性が得られる事によってなされたもので
ある。
(作 用) 以下に本発明について詳細に説明する。
転炉、電炉等の溶解炉で溶製された溶鋼を連続鋳造また
は造塊、分塊法を経てスラブとし、熱間圧延、酸洗、冷
間圧延の工程を経てC、0,06%以下、酸可溶Al 
; 0.005〜0.10%、Cr:3〜10.5%を
含有し、さらにTi、NbtZr+Vの1種又は2種以
上を0.03〜0.8%含有する鋼板を製造する。
Cは強度向上元素として経済的に有利であるが、含有量
が増加しすぎるとNi、Co、Ni−Co合金の被覆層
のピンホール、被覆層欠陥等が増加し、また加熱拡散処
理に対しても均一拡散が損なわれ、耐食性、リードフレ
ーム製造工程でのめっき性、はんだ性が劣化する。すな
わち、Cは他の元素と結合して鋼表面にチタンカーバイ
ト、ニオブカーバイト、クロムカーバイト等を析出し、
Ni、Co等の被覆層の均一被覆性、めっき密着性等を
劣化させると共に、またカーバイトは加熱拡散処理にお
いて、拡散阻害要因となって均一拡散を阻害し、均一な
性能をもつ拡散被覆層が得られない。従って素地鋼板中
のC含有量は、耐食性、均一拡散被覆層の生成の観点か
ら0.06%以下、好ましくは0.01%以下である。
ANは、鋼中に残存する酸可溶Al(Sol、Ajり量
がo、oos%未満の少食有量では、酸素性ガスによる
気泡の発生を防止する事が困難であり、鋼の表面欠陥発
生率を著しく高め、鋼索材自体の耐食性劣化、機械的性
質劣化の起点となるので、好ましいものではない。また
、0.10%を越える過剰な酸可溶Alは、AI系酸化
物を鋼表面に点在せしめて耐食性性劣化の起点となり、
さらに被覆層処理に対して均一被覆性を阻害する要因と
なり好ましいものでない。従って、鋼中に含有されるS
ol。
八1は、表面処理鋼板の性能が安定して確保できる量と
して、0.005〜0.10%、好ましくは0.01〜
0.08%である。
Crは、本発明においてめっき原板の耐食性と強度を向
上する元素として添加するものでる。Cr含有鋼板は、
Cr含有なし鋼板に比して、鋼板自体の耐錆性、耐食性
自体がすぐれているとともに、腐食環境においてNi−
Fe系、Co −Fe系或いは(Ni十Co) −Fe
系の拡散被覆層の電位に近接化される。
その結果、鋼板自体の耐食性向上効果、被覆層による耐
食性向上効果及び鋼板と被覆層の複合相乗効果などから
すぐれた耐錆性、耐食性が得られる。
また鋼中にCrを含有することによって、機械的強度が
耐食性と共に併せ得られる。本発明においてCr含有量
が3%未満では、目的とする耐食性、強度が得られない
。またCr含有量が1000%を越える場合には次の様
な欠点を有する。すなわち、拡散処理に先立って施こさ
れるNi被覆処理には、密着性の良好な被覆層を得るの
に活性化前処理が必要である。また拡散処理後において
も、素地鋼板のCr含有量が増加すると、拡散被覆層表
面にCrの拡散量が増加し、その表面がCrを含有する
Ni −Cr−Fe系、或いはCo −Cr −Fe系
等の前処理酸洗等による活性化処理が困難な被覆層が形
成され易くなる。そのために、リードフレーム製造工程
で均一被覆性にすぐれためっき層或いは密着性の良好な
めっき層が得られにくくなり、はんだ濡れ性、拡がり性
等も著しく劣化してはんだ性能を低下させる。さらには
、リードフレーム素材に要求される電気伝導性、熱伝導
性の点からも、Crの含有量が少ない方が好ましい。従
ってCr含有量の範囲は、3〜10.5%、好ましくは
5〜10%である。
Ti、Nb、Zr+Vは、めっき原板中に含有されるC
或いはNと結合してCrの炭化物或いは窒素物形成を防
止し、Crの耐食性効果を有効に作用せしめる成分であ
る。また、Tiなどの炭化物或いは窒素物が結晶粒界に
微細に析出して、めっき原板の結晶粒の粗大化を防止し
、強度を確保する。特に機械的性質を調整するための加
熱温度の範囲が拡大できる効果もある。
このような効果を得るためにはTi+ Nb+ Zr+
 Vの1種又は2種以上で0.03%以上含存される事
が必要であり、またその含有量が0.8%を越えると、
析出物が多くなり過ぎ素材が脆くなって、成形時に割れ
を発生し電気伝導性、熱導性も劣化する傾向にある。好
ましい範囲は0.05〜0.5%である。
また原板素材中の不可避的不純物元素については、特に
規定されるものではないが、以下述べるような含有量が
好ましい。
Siは、0.6%以下が好ましい。Siは機械的強度上
昇に有効であるが、Si含有量が過剰に増加すると、S
i系酸化物が鋼表面に点在し、本発明における含有めっ
き被覆処理に対して、均一被覆性を阻害するので、耐食
性の点で好ましいものでない。
従って、0.6%以下好ましくはは0.15%以下であ
る。
Mnは、耐食性に悪影響を及ぼすことはないが、含有量
の増加により機械的強度が上昇し、圧延加工性を劣化す
るので、1.5%以下がよい。
その他、P、Sについては、通常の製鋼方式で含有され
る範囲で0.02%以下がよい。特に、端面等原板素材
が露出される部分の耐錆性を向上せしめるためには、S
がo、oos%以下が好ましい。
さらに、第2の本発明においては、上記の成分で構成さ
れるめっき原板にCu + N i + Moの1種又
は2種以上を含有せしめる。これら元素は、鋼板自体の
耐錆性、耐食性を向上するとともに、腐食環境において
は前記したようにCrとの複合添加によって電位が貴(
カソーデイック)になり、拡散被覆層との電位差が近接
化され、Feの優先腐食による耐錆性、耐食性能の劣化
が一段と防止される。
而して、これら元素の添加は、Cuが0.05〜1.0
%、Niが0.05〜3.0%、MOが0.05〜0.
5%である。
Cuの添加量が0.05%未満では、上記の耐食性効果
が得られず、また1、0%を越える場合は原板製造時の
熱延工程において赤錆脆性による割れや鋼表面にCuが
S縮し、スケール疵を発生し易(なる。
従って、Cuは0.05〜1.0%、好ましくは0.1
〜065%である。
Niは、添加量が0.05%未満では、耐食性効果が得
られず、また、3.0%を越える場合は、耐食性の向上
効果が飽和するとともに、Crとの共存効果によって被
覆層のすぐれた密着性を得るための鋼表面の前処理作業
が煩雑となる。従って、その添加量は0.05〜3.0
%、好ましくは0.1〜1.5%である。
Moの添加量が0.05%未満では、耐食性向上効果が
得られず、また0、5%を越える場合はその効果が飽和
するとともに材質が硬質化し、リードフレームのような
薄手材を得るための圧延加工が困難となる。従って、そ
の添加量は0.05〜0.50%、好ましくは0.1〜
0.3%である。
さらに上記のような成分組成の鋼板(めっき原板)をそ
のまま使用したのでは、耐錆性等の耐食性、リードフレ
ーム製造工程でのCu、Pb −5n合金等のめっき性
、或いははんだ性がリードフレーム用素材として不充分
であり、従ってNi−Fe系、C0−Fe系或いは(N
i十Co)  Fe系の拡散被覆層が設けられる。
本発明においては冷間圧延後の上記素地鋼板に対して、
所定の厚さのNi、Co、Ni−Co合金が被覆される
。この被覆処理に先立ち、素材表面は先ず浸漬或いは電
解等の方法による脱脂及び酸溶液を用いた活性化処理が
行なわれる。この活性化処理には、浸漬、スプレィ等に
よる酸洗処理或いは電解酸洗処理が行なわれるが、Cr
含有鋼板特有の表面の酸化膜の除去、還元を均一に行う
ためには、電解酸洗処理が望ましい。
すなわち、酸洗浴中での鋼素材を陰極にした陰極電解酸
洗による酸化膜の還元による活性化処理。
鋼素材を陽極にした陽極電解酸洗の酸化膜の溶解除去に
よる活性化処理、或いは陽極電解により酸化膜溶解除去
後に更に陰極電解によって表面の活性化処理を組み合わ
せた方法等が採用される。
これらのうち、特に陽極電解処理後にさらに陰極電解処
理を組み合わせる方法が、Cr含有鋼特有の焼鈍過程等
において形成された強固な酸化被膜を除去、還元せしめ
て、表面を活性化するのに好ましい。これらの電解酸洗
を行なう方法としては例えばH2SO,浴、 H2SO
4浴にF−イオンを含有せしめた浴等を用い、電流密度
10〜60A/dm” 。
温度が常温〜80℃、電解時間0.5〜10秒の範囲が
よい。
続いて行なわれるNi、Co+Ni −Co合金の被覆
処理方法については、例えば次のような条件での電気め
っき法によって被覆処理を行うとよい。
(alNiめっき めっき浴組成の一例 硫酸ニッケル     240g/l!塩化ニッケル 
     45g#! ホウ酸          40g/l電流密度   
      7.5A/dm”めっき浴温      
  40℃ (b)Goめっき めっき浴組成の一例 硫酸コバルト      75g/f 塩化コバルト     140g/j’ホウ酸    
      25g/j!電流密度         
50A/dm”めっき浴温        55℃ (CI  Ni−Co合金めっき めっき浴組成の一例 硫酸ニッケル      50g/j2硫酸コバルト 
     25g#! 塩化ニッケル     100g#! 塩化コバルト      50g/l ホウM          30g/7!電流密度  
       30A/dm2めっき浴温      
  65℃ の如き条件で電気めっき法による被覆処理を行なう。
次いで本発明においては、リードフレーム用素材に要求
される機械的性質を確保し、耐食性、リードフレーム製
造工程でのめっき性或いははんだ性にすぐれた性能を有
する拡散被覆層を得るための加熱拡散処理が行なわれる
すなわち上記成分の素地鋼板を冷間圧延後、脱脂、酸洗
等の前処理、活性再処理を施こした後、100〜300
0■/rrlの範囲の付着量(片面当り)のNi、Co
、Ni−Co合金の被覆処理を行ない、次いで450℃
より高温でかつ再結晶温度より低い温度の非酸化性雰囲
気で180秒以下の加熱処理を施こす。このような被覆
層を施こす事によって、加熱時にCr含有鋼板の酸化が
防止される。その結果として、加熱雰囲気、加熱時間等
の点で加熱処理が鋼板のままに比して、有利となる。
このような処理により、高強度材質でかつ曲げ加工性に
必要な延性を有し、さらに素材銅板と拡散被覆層との複
合効果によって、耐錆性を中心とした耐食性、めっき性
、はんだ性能の向上が可能なリードフレーム用素材を効
率よく製造する事が可能となる。
この加熱条件は、性能にすぐれた拡散被覆層を得るため
に、Ni、Co、Ni −Co合金の被覆層量の規制が
重要である。すなわちこれらの被覆層量が100mg/
rd未満の場合では、被覆層のピンホール等の被膜欠陥
が多く生成されるため、加熱拡散処理後も均一な拡散被
覆層が生成され難く、加熱処理時に欠陥部からの素材鋼
板の酸化も生じ易い。そのため素材鋼板の露出部分の面
積の増加等によって、耐食性向上効果、めっき性或いは
はんだ性の向上効果が得られにくい。
また、その被覆層量が3000mg/m2を越える場合
には、これらの被膜を設けた後加熱拡散処理を施こした
素材の耐食性、めっき性、はんだ性等の向上効果が飽和
するとともに、剪断加工等の加工を受けた場合に、被膜
にクランクが生成されたり、或いは部分剥離を生じる現
象が起こる。
さらに被膜量が上記のように多くなると、充分に拡散処
理が行なわれ難く、各々表面拡散被覆層にNi、Co或
いはNiとCoのFeに対する含有比率の大なる例えば
各々の濃度が90%をこえるような拡散被覆層が形成さ
れる。その結果として被膜自体の耐食性、はんだ濡れ性
等の向上効果は得られるものの、Ni、Go等が多くな
ると電位が責な方向に移行するため、原板素材との電位
差が拡大し、被膜欠陥部等から原板素材の優先腐食によ
る赤錆発生が生じ易くなり、耐食性を劣化する傾向にな
る。
また、Ni、Goは安定した緻密な酸化膜を生成するた
め、これらの含有率が大なる拡散被覆層は、リードフレ
ーム製造工程でのめっき(Cu或いはpb−5n電気は
んだめっき等)に先立つ酸洗活性化処理を困難にする傾
向があるので、均一なめっき被覆性及びめっき密着性を
得るためには好ましいものではない。
さらに最も重要な問題は、Feに対する拡散合金化元素
が高濃度の場合(例えば90%を越えた場合)には、溶
融Pb  Snはんだの濡れ性、拡がり性等の効果が飽
和するとともに、はんだ中のSn金属とこれら合金化元
素との反応或いは拡散によるNi−5n、 Co−5n
合金の生成量が多くなり、これらの硬くて脆い合金層の
生成によってはんだづけ部が衝撃或いは曲げ加工等を受
けた場合に破壊され易すくなる。従って、このはんだ脆
性防止の観点から、加熱処理に先立って施こされるNi
、Co、 NiとCoの合金の被覆層量は3000■/
耐以下である。
従って加熱拡散処理に先立つNlIC0或いはNiとC
の合金の被覆層量は、100〜3000■/if、好ま
しくは300〜2000■/耐である。
次いでリードフレーム用素材に要求される機械的性質及
び必要性能(耐食性、リードフレーム工程でのめっき性
、はんだ性)を得るために加熱処理が施こされる。加熱
処理条件は次のような理由から規制される。すなわち、
鋼成分の素地銅板を冷間圧延後、脱脂、酸洗の前処理・
活性化処理後Ni等の被覆層を設け、加熱処理が施こさ
れる。
リードフレーム用素材に要求される機械的性質は、リー
ドフレーム形状への打抜き成形加工性を考慮した場合、
延性の少ない高強度材がすぐれており、またリードフレ
ーム製品には強度と同時に、折れ曲げ加工性が要求され
る。
これらの観点から種々検討した結果、強度は45〜85
kg/ll1m2好ましくは55〜80 kg7mm2
、伸びは3〜20%好ましくは5〜15%の機械的性質
のものが良好である。すなわち、強度が45kg/mm
2未満の場合は、素材の硬度が低く、軟質のために、打
抜き成形機のポンチ或いはダイスからの加工材の抜は性
が悪く、打抜き成形速度に悪影響を及ぼす。また強度が
85 kg/mm2を越える場合は、素材の硬度が高く
なり、打抜き成形時、素材に割れを発生し、成形機のポ
ンチ、ダイスに損耗が生じ易くなる。従って、素材の強
度は45〜85 kg/mm2、好ましくは55〜80
 kg/n++n”である。
またリードフレーム製品は、曲げ加工された足部分の強
度と同時に、曲げ加工時の繰り返し曲げ加工に充分たえ
ることが必要である。従って、素材の伸び率が3%未満
の場合は、折り曲げ加工によって素材の割れが発生する
。また伸び率が20%を越える場合は、曲げ加工性は良
好であるが、高強度が得られ難く、リードフレーム製品
の強度が不足するとともに、又打抜き成形性に対しても
好ましくない。従って、伸びは3%〜20%、好ましく
は5〜15%である。
而して、本発明に使用される鋼成分の素材に被覆層を設
けた素材を用いて、これらの機械的性質を確保するとと
もに、リードフレーム用素材に要求される耐食性、めっ
き性或いははんだ性の優れた性能を得る事が可能な製造
方法として加熱拡散処理を行なう。
リードフレーム用素材として上記の機械的性質及び各種
性能を向上せしめるためには、加熱温度450℃以上で
かつ再結晶温度より近い温度で加熱処理温度と拡散処理
を同時に、非酸化性雰囲気において、保定時間180秒
以下の加熱処理を行なう。
加熱温度が450℃より低い温度でかつ保定時間180
秒以下の加熱処理では、曲げ加工に耐える機械的性質を
得るのに素地鋼板の成分が限定される問題があり、Ni
、Co等の被覆層の拡散処理が充分に行なわれ難い問題
がある。従って前記した素材鋼成分の全組成範囲に亙っ
てリードフレーム用素材として好ましい機械的性質を得
るのが困難であり、また拡散被覆層はNi、Co等の濃
度の大なる被覆層或いは表面はNi、Co層のまま残存
するために、耐食性、或いはリードフレーム製造工程で
のめっき性、はんだ脆性等の点で本発明の目的とする効
果が得られない。
加熱温度が再結晶温度を越える場合には、素地鋼板の強
度が軟質化して上記の目的とする機械的強度が得られに
くい。さらに加熱温度が高温になるとCrの拡散量が多
くなり、また加熱処理を非酸化性雰囲気といえども拡散
被覆層表面が高温のため酸化され、緻密で強固な酸化膜
が生成して、リードフレーム製造工程のめっき性、はん
だ性を阻害する。従ってこれらの観点から、加熱温度は
450℃より高い温度で、かつ再結晶温度より低い温度
の範囲が採用される。而して素地鋼板は、基本成分のC
r以外にTi+Nbを含有しているので再結晶温度が高
温側に移行するため、拡散被覆層が得やすくなる。尚再
結晶温度は、鋼成分及び圧下率の程度によって若干のば
らつきがあり、概ね650℃程度であるが、中でも47
5〜625℃の加熱処理がよい。
また加熱時間が180秒を越える場合は、上記の加熱温
度の範囲での処理によって素地鋼板からの被覆層への拡
散によるFe以外にCr等の添加元素の拡散量が多くな
り、前記した如く加熱雰囲気の調整を可成り厳格に行な
っても、拡散層表面に強固で緻密な酸化膜が生成され易
すくなる。その結果として、リードフレーム製造工程で
のめっき作業において、前処理・活性化処理が極めて困
難となり、均一被覆性とめっき密着性のすぐれたCuめ
っき或いは電気Pb −Snはんだめっき等を得るのが
難しくなり、また浸漬はんだに対してその濡れ性、はん
だ拡がり性を劣化する。
また、保定時間の下限は特に規定しないが、拡散処理を
均一に行なわしめるために10秒以上、好ましくは20
秒以上がよい。さらに、このような加熱処理の加熱雰囲
気は、非酸化性雰囲気が採用され、N2ガス、アンモニ
ア分解ガス(AXガス)、5%Hz  Nz系Mixガ
スが用いられる。
尚加熱処理を行なった後、形状修正のための軽圧下処理
を施こしてもよく、またNi等の被覆処理を施す過程に
おいて、めっき浴或いは電極等から不可避的に含有され
る不純物、例えばS、B等が小量(約1%未満)含有さ
れても、本発明に支障をきたすものではない。
以上の如く鋼成分に、Ni、Co等の被覆層を設け、前
記の加熱処理方法で製造された鋼板素材は、その複合効
果によってリードフレーム用素材として、耐錆性、打抜
き成形加工性、リードフレーム製造工程でのめっき被膜
の均一処理性、密着性、はんだ性能等にすぐれた効果を
発揮する。
(実施例) 第1表に示す鋼成分の素材鋼板を冷間圧延後、脱脂、酸
洗による表面活性化処理を行なってから、被覆処理及び
加熱処理を行なってリードフレーム用素材を製造した。
該評価材に対して、リードフレーム製品に要求される主
要性能について、各々以下の性能評価試験を実施して、
その性能評価を第2表に示す。
尚、評価材については、熱延において各種属さ(に評価
材を調整して、冷間圧下率を変化させて、厚さ0.25
4mの評価材を得た。
この結果、本発明の製造法による鋼板は、比較材に比べ
て、リードフレーム用素材として極めてすぐれた性能を
示す。
〔評価試験方法〕
■ 本発明の拡散被覆層の密着性 Ni、Co或いはNiとCoの合金の被覆層を設け、加
熱処理を行なった本評価材について、曲率半径が板厚と
同一の繰り返し曲げ加工を行ない、その後セロファンテ
ープを貼布、剥離して、被覆層の剥離程度を調査した。
尚、評価基準は以下の方法によって行なった。
◎・・・繰り返し回数10回以上、めっき被覆層の剥離
なし ○・・・繰り返し回数7回以上〜9回でめっき被覆層の
剥離なし △・・・繰り返し回数4回以上〜6回でめっき被覆層の
剥離なし ×・・・繰り返し回数3回以下でめっき被覆層の剥離発
生 ■ 打抜き成形加工性(スタンピング性)評価材に対し
て32ピン型のリードフレーム形状に連続スタンピング
を行ない、リードフレーム形状への打抜き成形性を以下
の評価基準で評価し、その成形加工性を評価を行なった
◎・・・打抜き端面部のかえりの発生、素材の割れ発生
等殆んどなく、打抜き成形性極めて良好。
O・・・評価材の打抜き成形性は上記と同様良好である
が、若干成形機のポンチ、ダイスの連続運転による摩耗
損傷が発生。
△・・・打抜き端面部にかえりが若干発生するが、或い
は成形材の装置から抜は性が劣るため、打抜き成形時に
トラブルが発生し易い。
×・・・打抜き成形によって割れが評価材に可成り発生
するか、或いはポンチ、ダイス等の摩耗が長期連続運転
によって可成り大。
■ 耐食性能  ゛ (a)  評価法A 評価材の保管貯蔵時の耐錆性能を評価するために、評価
材を所定のリードフレーム形状(48ビン型形状)に打
抜き、加工後リードフレーム製造工程での表面処理が施
こされるまでの保管時の耐錆性能の評価を以下の促進試
験法及び評価基準により、その平面部及び打抜き端面部
について評価を行なった。
(60分冷凍・結露(−5℃)−120分高温湿潤(4
9℃、湿度≧98%)124時間・室内放置(30℃)
)を1サイクルとして5サイクル評価試験を実施して、
以下の評価基準で耐錆性能を相対評価した。
平面部の耐錆性評価基準 ◎・・・赤錆発生率5%以下 ○・・・  〃  5%超〜10%以下Δ・・・  〃
  10%超〜20%以下×・・・  〃  20%超 端面部の耐錆性評価基準 ◎・・・赤錆発生率10%以下 ○・・・  〃  lO%超〜20%以下△・・・  
〃  20%超〜40%以下×・・・  〃  40%
超 (b)  評価法B リードフレーム製品の耐錆性を対象とした評価試験とし
て、リードフレーム形状(48ピンの形状)に打抜き加
工後、脱脂、浸漬酸洗を行なって、厚さ3μのCuめっ
きを施こし、塩水噴霧試験(JIS−C−5028)に
より、その耐食性を平面部及び端面部において赤錆発生
状況を観察、以下の評価基準により評価を行なった。
◎・・・塩水噴霧試験24時間後の赤錆発生率1%未満 ○・・・   〃        赤錆発生率1%以上
〜5%未満 △    〃        赤錆発生率5%以上〜1
0%未満 ×・・・   〃        赤錆発生率10%以
上 ■ めっき性能 リードフレーム製造工程でのめつき性能を評価するため
に、以下の方法によりCuめつき及びpb−5n合金電
気はんだめっきを行ない、そのめっき性能を評価した。
(a)  評価法A 評価材をリードフレーム形状に打抜き加工後、脱脂(リ
ン酸ソーダ系電解脱脂)後に、lO%HzSO,浴を用
いて30℃で7.5秒間の浸漬酸洗を行ない、シアンC
uメツキ浴を用いて電流密度7.5A/dm”で厚さ3
μのめっきを施こし、Cuめつき後の外観調査及び以下
の方法による曲げ加工試験を行なってその密着性を併せ
検討した。
すなわち曲げ加工試験は、板幅0 、5 mmのアウタ
ーリード部について、長さ15flに剪断後、旧LST
D 883C/2004に従い、一端を試験治具に固定
し、試料を垂直にぶら下げ、もう一端に230gのおも
りを付けて試験治具を906に折曲げ後、もとにもどす
という工程を繰り返し実施し、Cuめつき密着性の評価
を行なった。
尚、評価は以下の評価基準で行なった。
◎・・・Cuめっき面は均一平滑でめっき欠陥存在せず
、繰り返し曲げ回数10回以上でCuめつき層の剥離な
し。
O・・・Cuめっき面は均一平滑でめっき欠陥存在せず
、繰り返し曲げ回数6回以上でCuめつき層の剥離なし
△・・・Cuめっき面に部分的に明瞭なめっき欠陥が若
干発生するも、繰り返し曲げ回数6回以上でCuめっき
層の剥離なし。
×・・・Cuめっき面にめっき欠陥が明瞭に発生すると
ともに、繰り返し曲げ回数5回以下でCuめっき層の剥
離発生。
(b)  評価法B 評価法Aと同様のCuめっき後に、ワイヤーボンディン
グ時の加熱を受ける場合を想定して、400℃で5分間
の加熱処理を行なった場合のCuめつき面に発生するブ
リスター(Cuめっき屡の微細な膨み)の発生状況を調
査してそのCuめつき層の密着性を評価し、以下の評価
基準でそのめっき性能を評価を行なった。
■・・・ブリスターの発生なし △・・・ブリスターが5 x 5 ctl+面積当りに
換算して5点以下発生 ×・・・ブリ、スターが5X5ci面積当りに換算して
6点以下発生 TC)  評価法C 前記と同様の脱脂、酸洗の前処理を施こした後、アルカ
ノスルフォン酸系Pb−50%Sn電気はんだめっき浴
を用い、そのめっき性の評価を行なった。
電気はんだめっき条件としては、めっき浴温50℃、電
流密度10A/di2で厚さ5μのめっきを施こした。
評価方法は、衝撃加工(評価面に直径12.5m++。
高さ9 mmの半球を2m/secの速度で衝撃荷重を
加えて押し込み加工)後、テープ貼布、剥離してそのめ
っき層の密着性を評価した。
評価基準は以下の方法により行なった。
◎・・・めっき層の剥離なし ○・・・めっき層の剥離面積10%未満△・・・ 〃 
  剥離面積10%以上〜30%未×・・・ 〃   
剥離面積30%以上■ はんだ性能 (a)  評価法A 評価材のはんだ性について、リードフレーム製造工程で
打抜き加工後、Cuめっき処理の前にはんだが行なわれ
る工程を想定して、そのはんだ性について、特に打抜き
端面部のはんだ性についての評価を行なった。すなわち
、10n+×5Qm+1のくけい形に剪断した評価材に
ロジンアルコールフラックスを塗布して10mの剪断面
を下方にし、Pb−60%sb系はんだ浴に垂直に浸漬
した場合の濡れ応力と濡れ時間の測定により、そのはん
だ性を以下の評価基準により評価した。
尚、はんだ性の上記評価試験は、打抜き加工直後と室内
に1.5月保管した経時後について、各々評価した。
■・・・濡れ応力400 mg以上かつ濡れ時間7秒未
満で、はんだの濡れ性及び濡れ速度共極めて良好 ○・・・濡れ応力300■以上〜400■未満かつ濡れ
時間8秒未満で、はんだの濡れ性及び濡れ速度共可成り
良好 △・・・濡れ応力250■以上〜300■未満或いは濡
れ時間8秒以上〜10秒未満で、はんだの濡れ性或いは
濡れ速度のいずれかが若干劣る ×・・・濡れ応力250■未満或いは濡れ時間10秒以
上で、はんだの濡れ性或いは濡れ速度のいずれかが極め
て劣る 向上記の濡れ応力及び濡れ時間の測定は、レス方式のは
んだ濡れ性評価試験機を用い、フラックスを塗布した評
価材を溶融した温度350°Cのはんだ浴中に一定速度
(4mm/5ec)で浸漬し、浸漬深さ4璽1で30秒
間浸漬を行ない、第2図に示すように、その際のメニス
コグラフ測定により、濡れ応力、濡れ時間の評価を実施
した。
(bl  評価法B 評価材を幅30n×長さ100龍のくけい状に剪断後、
評価材に27%ロジンアルコール・フラックスを塗布し
、はんだ組成Pb−60%Sn浴に端面部から長さ50
m深さまで浸漬、温度360 ’Cで10秒間浸漬して
はんだを付着せしめた。
このあとワイヤーボンディング時の加熱処理を想定する
とともに、併せ経時に対する促進試験をも兼ねて、20
0℃で60分間の加熱処理を行なった場合のはんだの密
着性を評価した。
密着性評価法としては、曲率半径0.25m (板厚と
同厚み)の繰り返し曲げ加工テストを行ない、はんだの
剥離状況を調査してそのはんだ性能を評価した。
◎・・・繰り返し曲げ回数10回以上で、はんだの剥離
及びはんだ層にクラック生成なし O・・・繰り返し曲げ回数6回以上で、はんだの剥離及
びはんだ層にクラック生成なし △・・・繰り返し曲げ回数3回以上で、はんだの剥離及
びはんだ層にクラック生成なし ×・・・繰り返し曲げ回数2回以下で、はんだの剥離及
びはんだ層にクランク生成 第1図は浸漬はんだのはんだ性及びはんだ密着性評価結
果を示すグラフであり、 (注)■は評価材のはんだ性について、10龍X 50
 amのくけい形に剪断した評価材にロジンアルコール
フラックスを塗布して、101mの剪断面を下方にして
、Pb−60%Sn系はんだ浴に垂直に浸漬した場合の
濡れ応力と濡れ時間の測定により、そのはんだ性を以下
の評価基準により評価した。
尚、はんだ性の上記評価試験は、打抜き加工直後と室内
に1.5月間保管した経時後について、各々評価した。
その評価基準は以下のとおりである。
◎・・・濡れ応力400■以上でかつ濡れ時間7秒未満
ではんだの濡れ性及び濡れ速度共極めて良好 ○・・・濡れ応力300■以上〜400■未満でかつ濡
れ時間8秒未満ではんだの濡れ性及び濡れ速度共可成り
良好 △・・・濡れ応力250■以上〜300■未満で或いは
濡れ時間8秒以上〜10秒未満ではんだの濡れ性或いは
濡れ速度のいずれかが若干劣×・・・濡れ応力250■
未満或いは濡れ時間10秒以上で、はんだ性或いは濡れ
速度のいずれかが掻めて劣る 尚、前記の濡れ応力及び濡れ時間の測定は、レスカ式の
はんだ濡れ性評価試験機を用い、フラックスを塗布した
評価材を溶融した温度350℃のはんだ浴中に一定速度
(4m/5ec)で浸漬し、浸漬深さ4鶴で、30秒間
浸漬を行ない、第2図に示すように、その際のメニスコ
グラフ測定により濡れ応力、濡れ時間の評価を実施した
(注)2は各評価機にノンハロゲンタイプ・フラックス
(イソプロピルアルコールに13%のロジンを含有せし
めたフラックス)を塗布して230℃のPb−60%S
nはんだ浴に浸漬し、引き上げ後エアプローではんだ付
着厚さ8μ目標に施こした。
該評価材を長期経時後の密着性を想定して100℃で6
0分加熱処理し、衝撃加工(評価面に直径12.5m、
高さ9日の半球を2m/secの速度で衝撃荷重を加え
て押し込み加工)後、テープ貼布剥離して、その密着性
を以下の評価基準で評価する。
◎:はんだの剥離なし ○:はんだの剥離面積10%未満 △:はんだの剥離面積が10%以上30%未満×:はん
だの剥離面積が30%以上で極めて大(発明の効果) 以上説明したごとく本発明の製造法によれば、集積回路
などに使用するリードフレーム材料として、拡散被覆層
の密着性やスタンピング性とともに、耐食性、めっき性
、はんだ性に優れた鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は浸漬はんだのはんだ性及び密着性の評価結果を
示すグラフ、第2図はメニスコグラフによる濡れ応力、
濡れ時間の測定方法を説明する図面である。 代理人 弁理士 秋 沢 政 光 他I名

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C;0.06%以下、酸可溶Al;0
    .005〜0.10%、Cr;3〜10.5%を含有し
    、さらにTi、Nb、Zr、Vの1種又は2種以上を0
    .03〜0.8%含有し、残部Fe及び不可避的不純物
    からなるCr含有鋼板を冷間圧延後、その表面に片面当
    りの付着量が100〜3000mg/m^2のNi、C
    o或いはNiとCoの合金の被覆層を設け、次いで非酸
    化性雰囲気中の450℃〜再結晶温度の温度範囲で18
    0秒以下の加熱拡散処理を施こす事を特徴とする耐食性
    、めっき性及びはんだ性にすぐれたリードフレーム用表
    面処理鋼板の製造法。
  2. (2)重量%で、C;0.06%以下、酸可溶Al;0
    .005〜0.10%、Cr;3〜10.5%を含有し
    、さらにTi、Nb、Zr、Vの1種又は2種以上を0
    .03〜0.8%とCu;0.05〜1%、Ni:0.
    05〜3%、 Mo;0.05〜0.5%の1種又は2
    種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる
    Cr含有鋼板を冷間圧延後、その表面に片面当りの付着
    量が100〜3000mg/m^2のNi、Co或いは
    NiとCoの合金の被覆層を設け、次いで非酸化性雰囲
    気中の450℃〜再結晶温度の温度範囲で加熱拡散処理
    を施こす事を特徴とする耐食性、めっき性及びはんだ性
    にすぐれたリードフレーム用表面処理鋼板の製造法。
JP32449187A 1987-12-22 1987-12-22 耐食性,めっき性及びはんだ性にすぐれたリードフレーム用表面処理鋼板の製造法 Pending JPH01165758A (ja)

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