JPH01163057A - スエード調積層体シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスェード調積層体シート、更に詳しくは、自動
車内装部品を真空成形で製造するに当りその表皮材とし
て適用され、特に耐汚染性に優れ、表面タッチの良いス
ェード調積層体シートに関する。

自動車内装部品（たとえばクラッシュパッド、ドアトリ
ム、ピラー等）の表皮材として、最近では、居住性や商
品性の向上、あるいは豪華さやソフト感に優れた触感、
そして防眩性やクツション性といった安全性のため、高
級織物やバックスキン、スェードといった素材が用いら
れるようになっている。しかし、かかる素材はそれ自体
高価で、かつ耐久性が乏しく、しかも手詰加工となるた
め工程が複雑化する。

こうした中で、比較的安価で且つ加工し易い合成樹脂製
の表皮材シートとして、たとえば縦長楕円状のセル構造
を有する熱１性樹脂発泡層および熱可塑性樹脂非発泡シ
ート層から成り、上記熱可塑性樹脂発泡層の表面を熱融
着処理した積層体シートが提案されている（特開昭６１
−１３２３３２号公報参照）。このシー・トは、発泡層
のセル構造を楕円状としたことにより、真空成形時の表
面の融着除去や成形後のキラキラ感を無くすことカテき
、比較的品位の高い外観を呈することから極めて有用で
はあるが、表面に汚れがつき易く、かつとれ難＜、また
起毛路やソフト感のタッチ感がいま一つ不足がちである
。

そこで本発明者らは、かかる表皮材の欠点を解消すべき
検討を進めた結果、楕円状セル構造の発泡層をポリ塩化
ビニル素材とし、かつ起毛処理後にフッ素系表面処理を
施こしておけば、上述の汚染やタッチ感の問題が悉く解
決しうろことを見出し、本発明を完成させるに至った。

すなわち、本発明は、縦長楕円状のセル構造を有するポ
リ塩化ビニル発泡層（Ａ）および熱可塑性樹脂非発泡シ
ート層（Ｂ）から成り、上記ポリ塩化ビニル発泡層（Ａ
）の表面を起毛処理した後、フッ素系表面処理を施こし
たことを特徴とするスェード調積層体シートを提供する
ものである。

本発明におけるポリ塩化ビニル発泡＠　（Ａ）　＜　ｇ
下、Ａ層と称す）は、縦長楕円状のセル構造を有するも
のであり、かかる楕円状セルにおいて、その長径が短径
の１．３倍以上、好ましくは１，３〜２．０倍、および
短径が２００μ以下、好ましくは１００〜２００μに設
定されていることが適当である。

かかるセル構造を有するＡ層は、ポリ塩化ビニル（ＰＶ
Ｃ）、可塑剤〔たとえばフタル酸ジブチル、フタル酸ジ
ヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル
、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジウンデシル（ＤＵＰ
）、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル系
〕、安定剤（ジブチル錫ジラウレート、エポキシ化大豆
油、Ｓｎ系、Ｂａ−Ｚｎ系など）、発泡剤（アゾシカ−
ボンアミドなど）、充填剤（炭酸カルシウムなど）およ
び着色剤等を適宜配合して得られるペーストゾル組成物
（以下、組成物Ａと称す）から形成される。

上記ＰＶＣとしては、中高溶融温度のＰＶＣ（通常、数
平均重合度（Ｐ）＝１７００〜４０００）、または（１
１）架橋性官能基を有するＰＶＣ［例えば塩化ビニルと
分子内にヒドロキシル基またはカルボキシル基ヲ有する
モノマー（２−ヒドロキシエチルアクリレート、２−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、２−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート・ヒドロキシブチルビニルエーテル、メ
タクリル酸、モノブチルマレイン酸など）とのコポリマ
ー、または塩化ビニル／ビニルエステル共重合体の加水
分解物、塩化ビニル／アクリル酸エステル共重合体の加
水分解物、塩化ビニル／エポキシ基含有ビニルモノマー
共頃合体の酸処理物など〕に、ヒドロキシル基またはカ
ルボキシル基と反応しうる官能基（たとえばインシアネ
ート基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基
、アミノ基など）を分子内に２個以上有する架橋剤（例
えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、アジピン酸、フタル酸、トリグリシジル
イソシアヌレート、エポキシ樹脂、トリエチルテトラミ
ン、メチロールメラミン、ブトキシメチルメラミンなど
）を組合せたものが好適に使用できる。

本発明における上記熱可塑性樹脂非発泡シート層（Ｂ）
　（以下、Ｂ層と称す）は、Ａ層の下地層を構成し真空
成形性には要な役割を果す。かかるＢ層として、ＰＶＣ
，ＡＢＳ等の真空成形性良好なシートを採用しうるが、
Ａ層の溶融発泡条件（通常２００〜２３０℃）およびＡ
、Ｂ二層積層にソフト感をもたせる点を考慮すれば、高
溶融温度のＰｖＣのシートが適当である。Ｂ層は通常、
上記高溶融温度のＰＶＣ１可塑剤、安定剤および充填剤
等を適宜配合して得られるゾル組成物（以下、組成物Ｂ
と称す）から形成される。

本発明に係るスェード調積層体シートは、上記Ａ層およ
びＢ層で構成されるが、必要に応じてＢ層の下地層とし
て通常の熱ａＴＩ性樹脂発泡層（Ｃ）（以下、０層と称
す）を設けてもよい。この０層は、真空成形加工の安定
化（加工性向上、ブリッジ、ドローダウンの向上、成形
後収縮の向上、Ｂ層へのヒートムラ減少、成形後の型保
持）、成形物にクツション感を付与するため、加えてＡ
層。

Ｂ層からの可塑剤の移行や基材からの有害物質の移行（
特にウレタン樹脂注入発泡におけるアミン系触媒などに
よる劣化）を防止するためといった目的から適用され、
通常、ｐ＝ｔｓｏｏ〜３５００のｐｖｃ、可塑剤、発泡
剤および安定剤等を適宜配合して得られるペーストゾル
組成物（以下、組成物Ｃと称す）から形成されてよい。

なお、０層のセル形状は特に制限なく、楕円状、球状あ
るいは柱状のいずれであってもよい。

以下、本発明積層体シートの製造手順について詳述する
。

■）先ずベルトまたは工程紙などのキャリア上に、必要
に応じて組成物Ｃを塗布しゲル化させ、次いで組成物Ｂ
を塗布しゲル化させた上に組成物Ａを順次塗り重ねた後
１８０〜２３０℃で１〜３分間加熱処理を行い、組成物
Ａ（および必要に応じてＣ）を溶融発泡させて上からＡ
層およびＢ層（および必要に応じて０層）から成る積層
スポンジシートを得る。この場合、Ａ層の縦長楕円状セ
ルは、組成物Ａを通常０．１〜０．５　ｔｘｍ厚で塗布
してから、そのゾルがゲル化する直前もしくは同時にお
いて発泡剤を分解せしめるよう安定剤を選定し、発泡を
コントロールすることにより得ることができる。このよ
うに各組成物を塗り重ねた後溶融発泡させる方法を採用
すれば、容易に作業を行うことができ、しかも後の成形
時に層間剥離等の不具合が生じないので有利であり、ま
た加工コスト面でも有利である。なお、上記０層の設置
にあって、例えばＡｌｌおよびＢ層から成る積層スポン
ジシートを形成した後そのＢ１１側に、予め作成した熱
可塑性発泡シートをラミネートするか、あるいは熱可塑
性未発泡シートをラミネートし未発泡のＡ層と同時に発
泡させる方法が採用されてもよい。

■）次に、上記積層スポンジシートのＡ　１１表面をパ
フィング処理、例えば該表面を、通常サンドベルトと呼
ばれる紙ベースに研摩材を固定し、ベルト状に加工した
もので連続的に研摩する。

■）このように起毛処理した後、フッ素系表面処理を行
って、本発明のスェード調積層体シートを得る。

この表面処理には、通常のフッ素系処理剤またはこれに
必要に応じて通常の改質用樹脂等を加えたものが使用さ
れてよく、これを２０〜１ｏｏｙ／−の量で塗布し、ｉ
ｏｏ〜１５０ｔ：で１〜２分間の乾燥を行う。

更に必要に応じて、通常の方法（グラビア印刷、スクリ
ーン捺染など）でプリントを行ってもよい。

本発明積層体シートは、耐汚染性に優れており、また起
毛感やソフト感に満足できることが認められる。

次に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。

実施例Ｉ Ａ層（組成物Ａ）　　　　　　　　　　重量部架橋性α
能基を有するＰＶＣ（三菱化成ビニル社製、Ｐ−１００
Ａ）　　　　　　　　　・・・・・・７０高溶融温度の
ＰＶＣ（三菱化成ビニル社製、Ｐ−４７０，Ｐ＝３５０
０）　　　　　　　・・・・・・３０ＤＵＰ　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・
９０Ｓｎ系安定剤（昭島化学工業社製、ＴＳＩＯＩ）・
・・・・・ｌ Ｂａ−Ｚｎ系安定剤（アデカ・アーガス社製、ＦＬ　５
４　）　　　　　　　　　　　　　　　　−−−−−−
２・５エポキシ化大豆油（アデカ・アーガス社製、０１
３０Ｐ）　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・
２アゾシカ−ボンアミド系発泡剤（大塚化学社製、ＡＺ
Ｌ）　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・３．５
水添ブロツクイソシアネート架橋剤（式日薬品工業社製
、８８１５Ｎ）　　　　　　　　　・・・・・・５顔料
　　　　　　　　　　　　　　　・山・・１゜ｐｖｃ樹
脂（瞳側化学社製、ＰＳＨ２０）・・・・・・１００ ＤＵＰ　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・６
０Ｓｎ系安定剤（昭島化学工業社製、ＴＳＩＯＩ）　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　°−°°−２Ｂａ
−Ｚｎ系安定剤（アデカ・アーガス社製、ＡＣｌｌｌ）
　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・３エポキ
シ化大豆油（アデカ・アーガス社製、０１３０Ｐ）　　
　　　　　　　　　　　　　・・・・・・５類料　　　
　　　　　　　　　　　　　・・川・５フツ素系処理剤
（大日本インキ化学工業社製、デイックガードＦ７０）
　　　　　　・・・・・・１００塩ビ酢ビ系樹脂（大日
本インキ化学工業社製、エバデイックＥＶ２６０）　　
　　　　　・・・・・・１０水　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　・・・・・・１００工程紙の上に上記
組成物Ｂを厚み０．５　ｔｔｍで塗布し、２２０℃×４
５秒間でゲル化を行いＢ層を形成する。次に該８層上に
組成物Ａを厚み０．４ｍで塗布し、２１０℃×２分でゲ
ル化発泡（発泡倍率４倍）を行った後、工程紙を剥離し
てＡ＠およびＢ層からなる積層スポンジシートラ得る。

次いで、上記積層スポンジシートのＡ層表面をサンドベ
ルト（理研コランダムφ１００）でパフィング処理して
起毛させた後、該起毛面にグラビアロールにて上記表面
処理剤を６０ｙ／ｍ’で塗布し、１５０℃で６０秒間乾
燥する。

かかる表面処理の効果として、各種汚染物を適用した一
場合の状態結果を下記表１に示す（なお、未処理の場合
の結果を併記する）。

表１ 特許出願人　サンスター技研株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、縦長楕円状のセル構造を有するポリ塩化ビニル発泡
   層（Ａ）および熱可塑性樹脂非発泡シート層（Ｂ）から
   成り、上記ポリ塩化ビニル発泡層（Ａ）の表面を起毛処
   理した後、フッ素系表面処理を施こしたことを特徴とす
   るスエード調積層体シート。 ２、縦長楕円状セルの長径が短径の１．３倍以上で、短
   径が２００μ以下である前記第１項記載の積層体シート
   。 ３、熱可塑性樹脂非発泡シート層（Ｂ）の下地層として
   熱可塑性樹脂発泡層（Ｃ）を設けた前記第１項または第
   ２項記載の積層体シート。