JPH01162548A - 連続鋳造における溶湯の電磁撹拌方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ この発明は、連続鋳造における溶湯に磁場を印加するこ
とにより、溶湯を撹拌して鋳片における中心偏析を防止
する連続鋳造における溶湯の電磁撹拌方法に関する。

［従来の技術］ 通常、連続鋳造においては、タンデイツシュから鋳型に
溶鋼を供給し、鋳型で溶鋼を冷却しつつ、これを引き抜
いて連続鋳造している。このような連続鋳造において、
鋳片の内部構造を劣化させる中心偏析が発生することが
あり、このような中心　−偏析を防止するために、従来
、鋳型内の溶鋼を電磁撹拌する方法が公知である。電磁
撹拌装置は、鋳型内に埋め込んだコイルを有し、このコ
イルに電流を印加することによって、鋳型内の溶鋼に磁
場を印加してこれを電磁撹拌している。この場合、溶鋼
の電磁撹拌は、撹拌の強さが強ければ強いほど、中心偏
析を効果的に防止できることが知られている。

一方、鋳型に供給された溶鋼には、通常介在物（酸化物
）が含まれているから、このような介在物を溶鋼から除
去する必要がある。介在物は鋳片の品質を劣化させるた
めに、一般に、鋳型内で溶鋼を沈静化して、これを浮上
分離することにより溶鋼から取り除いている。

このように、中心偏析の防止と介在物の除去とは、溶鋼
の撹拌と沈静という互いに相反するものであり、このよ
うな２つの作用を同時に成立させることは困難である。

このため、従来は、中心偏析を防止するため強く鋳型内
の溶鋼を撹拌するか、または鋳型内の溶鋼を沈静化して
介在物を浮上分離させるかのどちらか一方を選択して実
施し、他方を犠牲にしている。

［発明が解決しようとしている問題点］しかしながら、
近年、中心偏析を防止することにより内部構造が優れ、
しかも介在物の極めて少ない、いわゆる極清浄鋼が要求
されている。例えば、軸受は用鋼材等においては、この
ような高品質の鋼材が要求されている。しかも、製造コ
スト面からはこのような鋼材を連続鋳造することが必要
である。

この発明は斯る事情に鑑みてなされたもので、中心偏析
を防止しつつ介在物を除去することができる連続鋳造に
おける溶鋼の電磁撹拌方法を提供することを目的とする
。

［問題点を解決するための手段］ この発明に係る連続鋳造における溶湯の電磁撹拌方法は
、連続鋳造における溶湯に、磁場を形成して、溶湯を撹
拌する溶湯の電磁撹拌方法において、電流値１００Ａ乃
至９００Ａをコイルに印加することにより磁場を形成す
ることを特徴とする。

［作用］ この発明によれば、電流値１００Ａ　（アンペア）以上
９００Ａ　（アンペア）以下の電流をコイルに印加して
、連続鋳造における溶湯を電磁撹拌している。この範囲
の電流を印加すると中心偏析を防止する程度に溶鋼を電
磁撹拌するとともに、溶鋼内の介在物を充分に浮上分離
することができる。

印加電流が１００Ａ未満の場合には、溶鋼内の介在物を
充分に浮上分離させることができるが、溶鋼の撹拌が充
分にできず、内部構造の劣化をきたすような中心偏析が
発生してしまう。

一方、印加電流が９０ＯＡ以上の場合には、中心偏析の
発生は防止できるが、撹拌力が強すぎるために、介在物
を浮上分離できず、介在物を鋳片から充分に除去するこ
とができない。′［実施例］ 以下に、添附図面の第１図乃至第３図を参照して、この
発明の実施例を詳細に説明する。

第１図に、この発明の実施例に係る電磁撹拌方法により
、鋼の連続鋳造をする垂直型連続鋳造機１０を示す。連
続鋳造機１０において鋳型１２の上方には、タンデイツ
シュ（図示せず）が配置され、このタンデイツシュから
鋳型１２内に溶鋼が定量的に供給されている。鋳型１２
には、溶鋼を冷却する冷却水が供給されており、溶鋼を
所定の冷却速度で冷却してこれを凝固している。更に、
鋳型１２には第２図に示すように、溶鋼を取巻くように
、コイル２１が埋め込まれた第１の電磁撹拌装置２２が
配置されている。第１の電磁撹拌装置２２は、最大交流
電流２ＫＨｚ　　（キロヘルツ）、２００ＯＡ　（アン
ペア）、最大磁界４５０ガウス、２極回転式装置が使用
されている。このような第１の電磁撹拌装置２２は、二
相交流電源に接続されている。

鋳型１２の下方には、鋳片１４を案内するガイドロール
１６と鋳片１４を鋳型１２から引抜くピンチロール１８
とが、鋳片１４を挟んで下方に向けて配列されている。

ガイドロール１６及びピンチロール１８の列において、
鋳片１４のクレータエンド１５付近には、その中央部に
おいて未だ凝固していない溶鋼を、電磁撹拌する第２の
電磁撹拌装置２３が設けられている。

第２の電磁撹拌装置２３は、鋳型１２に設けられた第１
の電磁撹拌装置２２と同様に、鋳片１４の周囲を取巻い
てコイルが配置されており、このコイルは二相交流電源
に接続されている。

次に、この実施例の動作について説明する。

第１図に示すように、鋳型１２に供給された溶鋼は、こ
こで冷却されて凝固しながら下方に引抜かれていく。鋳
片１４は、外側が凝固して凝固シェル２５を形成し、そ
の内側が冷却しきれずに未凝固のまま引抜かれる。

鋳型１２では、第２図に示すように、第１の電磁撹拌装
置２２のコイル２１に２相交流電流を印加しており、電
流値１００Ａ以上９００Ａ以下好ましくは約６０ＯＡの
交流電流が印加される。この場合、第２図に示すように
、第１の電磁撹拌装置２２のコイル２１に電流１１が印
加されると、溶Ｍ２５には磁場が印加され誘導電流Ｉ２
が流れ、これにより矢印Ａに示すように電磁力が作用す
るから矢印Ｂ方向に溶鋼２５が流動する。

ここで電磁撹拌装置での印加電流と総酸素濃度の差との
関係を第３図に示す。第３図は、横軸に印加電流（Ａ）
を取り、縦軸には、鋳片に含有されている総酸素濃度か
ら溶鋼に含有されている総酸素濃度を引いた濃度差の値
を取り、印加電流を様々に変えた場合の濃度の差の値を
プロットしている。この第３図に示すグラフから明らか
なように、印加電流が６０ＯＡで総酸素濃度の濃度差が
最少となり、即ち介在物の除去が最大となり、６００Ａ
より多ければ多い程、または少なければ少ない程総酸素
濃度の差が大きくなり、即ち介在物の除去がされにくく
なっている。

一方、このような場合の中心偏析の状況を下記の第１表
に示す。

第１表 この第１表では、左の縦列に多値の印加電流、即ちケー
ス１では電流値ＯＡ、ケース２では６００Ａ、ケース３
では９００Ａの場合を示しており、この列から右に順次
介在物、中心偏析の状況、そして総合的な状況を示して
いる。第１表から明らかなように、中心偏析については
、印加電流がＯＡ（アンペア）の場合には、中心偏析の
発生により鋳片の内部構造の点で劣り、６００Ａでは中
心偏析が鋼材にほとんど影響を与えず、即ち鋳片の内部
構造が良好であり、１２００Ａでは中心偏析がほとんど
発生していない。このような結果を総合的に判断すると
、第１表に示すように、電磁撹拌装置への印加電流が約
６０ＯＡの場合に、介在物がほとんどなく、中心偏析も
その発生を有効に防止しており、両方の条件を充分に満
すこ−とができる。この場合、印加電流が１００Ａ以上
９００Ａ以下で、介在物の除去と中心偏析の発生の防止
とを充分に満した鋳片を得ることができる。

尚、第１表中、丸は良好な状態、二重丸は最良の状態、
三角は劣化している状態を示している。

鋳型１２から引抜かれた鋳片１４は、その下方に配置さ
れた第２の電磁撹拌装置２３において、鋳型１２と同様
に、電磁撹拌される。第２の電磁撹拌装置２３付近の鋳
造片においては、中心付近の溶鋼が未だ未凝固であるか
ら、ここで、この未凝固の溶鋼を電磁撹拌する。即ち、
第２の電磁撹拌装置２３には、第１の電磁撹拌装置２２
と同様に、約６０ＯＡの電流が印加され、鋳片内の未凝
固の溶鋼が撹拌される。

そして、第１図に示すように、鋳片１４は更に冷却され
つつ引抜かれて完全に凝固し、連続鋳造される。

この発明は、上述した一実施例に限定されることなく、
この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である
。

例えば、上述した一実施例では、連続鋳造機に２個の電
磁撹拌装置を配置しているが、これに限らず、１個の電
磁撹拌装置、例えば鋳型にのみ電磁撹拌装置を設置して
も同様な効果を得ることができる。

［発明の効果］ この発明によれば、連続鋳造における溶湯を電磁撹拌す
るが、この場合、コイルに電流値１００Ａ乃至９００Ａ
を印加することにより溶湯に磁場を印加して、溶鋼を電
磁撹拌しているから、鋳片の連続鋳造において、中心偏
析を防止しつつ介在物を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る電磁撹拌方法を用いた連続鋳造
機の模式図、第２図は電磁撹拌装置にょる溶鋼の撹拌状
況を示した模式図、第３図は電磁撹拌装置のコイルに流
す電流と、溶鋼内の総酸素濃度から鋳片の総酸素濃度を
差し引いた値との関係を示したグラフ図である。 １０・・・連続鋳造機、１４・・・鋳片、２１・・・コ
イル、２２・・・第１の電磁撹拌装置、２３・・・第２
の電磁撹拌装置。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 ″　暑嶌−畔￥６槻

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 連続鋳造における溶湯に、磁場を形成して、溶湯を撹拌
   する溶湯の電磁撹拌方法において、電流値１００Ａ乃至
   ９００Ａをコイルに印加することにより磁場を形成する
   ことを特徴とする連続鋳造における溶湯の電磁撹拌方法
   。