JPH0116232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋳型造型機における模型交換方法に
係り、詳しくは鋳型造型用のジヨルトテーブル上
に取付けられている上型用模型およびスクイズ装
置に取付けられている上湯道模型をそれぞれ新し
い模型と交換するための方法に関する。

車両用エンジンのシリンダブロツクのような大
型鋳型を型込めする場合や１つの鋳枠に多数個の
鋳型を造型する多数込めの場合には、上型の上面
に上湯道（各湯口に溶湯を分配するためのＩ形や
Ｈ形あるいは十字形の溝）を形成するのが一般的
であり、通常鋳型造型時においてこの上湯道を形
成するための上湯道模型はスクイズ装置のスクイ
ズヘツドに取付けられている。そして、上湯道模
型は上型用模型が新しいものと交換されたときに
は、それに伴い新上型用模型に対応するものと交
換されるのが普通である。従来は上型用模型の交
換に関しては機械化されているものの、上記上湯
道模型の交換作業については人手によつて行つて
いることから、模型交換に伴う造型作用の停止時
間が長く、このことが生産率を低下させる原因の
１つとなつており、また上湯道模型自体は相当な
重量を保有するものであり、従つてこれを足場の
悪い作業条件のもとでスクイズヘツドに対して脱
着させることは甚だ面倒でかつ危険を伴うもので
ある。

本発明の目的は、上述した従来の不具合に鑑み
て、上型用模型と上湯道模型との２種類の模型を
機械的かつ合理的に変換することの可能な鋳型造
型機における模型交換方法を提供することにあ
る。

以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。鋳型造型機は、ジヨルトシリンダ、
ジヨルトバルブ、スクイズシリンダならびにリフ
トシリンダ等を内蔵してなるジヨルト装置１と、
該ジヨルト装置１の上方においてフレーム２に横
架されたレール３に横方向に移動可能に配置され
た鋳砂投入装置４と、鋳砂投入装置４に並列され
かつ鋳砂投入装置４と共に移動可能なスクイズ装
置５とからなり、鋳砂投入装置４とスクイズ装置
５とは造型作業工程に応じてジヨルト装置１の真
上に相対する仕事位置とジヨルト装置１から外れ
た待機位置とへ流体圧シリンダ（図示しない）に
よつて位置換えされるようになつている。

スクイズ装置５におけるスクイズヘツド８に固
定されたスクイズプレート９の下面には、たとえ
ばＨ形の上湯道模型１０がクランプ装置１１を介
して固定されており、クランプ装置１１はスクイ
ズプレート９の中央部両側に対称的に形成した２
つの凹所９ａ内にそれぞれ配置されている。すな
わち、第３図および第４図に示すように、各クラ
ンプ装置１１の駆動部であるダブルピストン形の
クランプシリンダ１２はスクイズヘツド８の下面
に横向きに固着され、このクランプシリンダ１２
内を摺動するピストン１３のピストンロツド１４
はそれぞれ外側に延出されている。各ピストンロ
ツド１４の先端には雌形の咬合部材１５が上下方
向に若干の変位を許容されるように取付けられ、
該咬合部材１５はそれぞれの前面上下部を前方へ
突出し、かつ突出部内面をテーパに形成してなる
咬合面１５ａを有している。なお、１６，１７は
クランプシリンダ１２に対する圧力流体の給排用
流路である。また、雌形の咬合部材１５と咬合可
能な雄形の咬合部材１８は２つの咬合爪１８ａ，
１８ｂからなり、一方の咬合爪１８ａはスクイズ
ヘツド８にボルト１９ａにて固定され、他方の咬
合爪１８ｂは上湯道模型１０の上面側にボルト１
９ｂにて固定されており、そして咬合爪１８ａ，
１８ｂの外側は前記雌形咬合部材１５の咬合面１
５ａに対応するテーパに形成されている。従つ
て、クランプシリンダ１２をピストンロツド１４
が突出するように作動させたときには、雌形の咬
合部材１５が雄形の咬合部材１８に咬合し、上湯
道模型１０をスクイズヘツド８に両突張式に固定
する。なお、２０はスクイズプレート９の下面に
設けたノツクピン、２１は上湯道模型１０に設け
たノツク孔である。

また、ジヨルト装置１のジヨルトテーブル６上
には、上型模型を支持するための模型支承体７が
載置されており、該模型支承体７のジヨルトテー
ブル６に対する固定は、図示はしないが前述した
上湯道模型１０用のクランプ装置１１と同様のク
ランプ装置によつてなされる。模型支承体７の上
面には１個または複数個の上型用模型２２と、こ
の模型２２の形状や大きさに対応して設定される
適数本の湯口棒２３とが取付けられている。しか
して、湯口棒２３は模型交換に際しては、第５図
に示すように前記上湯道模型１０の支持用として
作用するものであつて、仮に湯口棒２３のみでは
上湯道模型を安定姿勢で支持し得ない場合に限
り、支持専用（湯口棒としての機能をもたない）
の支持ピン（図示しない）が設けられる。なお、
上湯道模形１０の下面には湯口棒２３あるいは支
持ピンの先端が係合する僅かな凹部が形成され
る。

つぎに、模型交換用の装置について第１図およ
び第２図を参照して説明する。模型移載用のピン
２４ａを４本ずつ上部に有した２本のフイードバ
ー２４は、ジヨルト装置１の両脇に近接した状態
で水平方向に互いに平行に延びており、該フイー
ドバー２４の両端部側、すなわちフイードバー２
４の長手方向に関してのジヨルト装置１の両側に
は、模型搬入用と模型搬出用のローラコンベヤ２
５，２６が配設され、両ローラコンベヤ２５，２
６はその搬送方向がフイードバー２４の長手方向
と直交し、かつ搬送面高さがジヨルトテーブル６
の上面とほぼ同一となるように設定されている。
２本のフイードバー２４は少くともジヨルトテー
ブル６および一方のローラコンベヤ２５を横切る
長さを有するとともに、ローラコンベヤ２５，２
６の下方に配置された適数個（本例では一方のフ
イードバーについて４個）の揺動リンク２７の上
端に取付けられた鍔付きの支持ローラ２８によつ
て長手方向に移動可能に支持されている。揺動リ
ンク２７はフレーム２に適宜間隔を置いて揺動可
能に支持されるとともに、その下端部が連動ロツ
ド２９によつて相互に結合され、また連動ロツド
２９の一端はフレーム２に支持されたリフトシリ
ンダ３０のピストンロツド３１に連結されてい
る。すなわち、フイードバー２４はリフトシリン
ダ３０の作動によつて揺動リンク２７を介して昇
降されるものであり、そしてフイードバー２４に
設けられた模型移載用のピン２４ａは、下降状態
ではローラコンベヤ２５，２６の搬送面ならびに
ジヨルトテーブル６の上面よりも下方に位置して
いるが、上昇時にはそれらよりも上方へ突出して
前記模型支承体７の両側に突設されたピン受部７
ａを受承する。また、両フイードバー２４の一端
は連結部材３２によつて互いに連結され、この連
結部材３２にはフレーム２に支持されたフイード
シリンダ３３のピストンロツド３４が該連結部材
３２の上下動を許容するように長孔を介して連結
されている。

つぎに、上記の如く構成された鋳型造型機にお
ける模型交換作用について説明する。

模型交換に際しての準備作業として、まずスク
イズ装置５がジヨルト装置１の真上に変位され
る。一方、搬入用ローラコンベヤ２５上には、交
換すべき新上型用模型２２′ならびに湯口棒２
３′（場合によつては支持ピンも）がセツトされ
た模型支承体７′が用意されるとともに、これに
対応するたとえば形の上湯道模型１０′が湯口
棒２３′上に乗載され、そしてそれら模型は搬入
用ローラコンベヤ２５における交換位置（ジヨル
ト装置１の真横）へ搬送される。

斯かる状態において、ジヨルト装置１を上昇作
動（リフトシリンダとスクイズシリンダとの上昇
動作）し、ジヨルトテーブル６と共に交換される
べき旧の模型支承体７を所定位置まで上昇させて
湯口棒２３を交換されるべき旧の上湯道模型１０
の下面に当接させる。なお、この場合湯口棒２３
（支持ピンが存在するときは支持ピンも含む）を
ばねを介して伸縮自在に構成して模型支承体７を
弾性的に支持する形式とすれば前述した当接時の
衝撃を緩和する上で有効である。また、ジヨルト
装置が上昇動作するときに、鋳枠搬送用ローラコ
ンベヤ上に載置されている空の鋳枠（図示しな
い）を模型支承体にて拾い上げ、鋳枠上縁部をス
クイズプレートに当接させることによつて模型支
承体とスクイズプレートとの高さ方向の位置関係
を正確に決めることも可能である。しかして、こ
の状態でスクイズ装置５におけるクランプ装置１
１のクランプシリンダ１２が作動して雌形の咬合
部材１５を後退させ雄型の咬合部材１８から離脱
させると、クランプを解放された旧上湯道模型１
０は旧模型支承体７の湯口棒２３によつて受承さ
れるので、その後ジヨルト装置１が下降作動され
ジヨルトテーブル６と共に旧模型支承体７および
旧上湯道模型１０が下降される。

しかるのち、リフトシリンダ３０の作動により
揺動リンク２７を介してフイードバー２４が上昇
され該フイードバー２４の模型移載用のピン２４
ａによつて、前述した搬入用ローラコンベヤ２５
上の新模型支承体７′およびジヨルトテーブル６
上の予めクランプを解放された旧模型支承体７が
それぞれピン受部７a′，７ａを介して持上げられ
る。つづいて、フイードバー２４がフイードシリ
ンダ３３の作動により支持ローラ２８を案内にし
て所定量前進され、その後リフトシリンダ３０の
作動により揺動リンク２７を介して下降されるた
め、新模型支承体７′とこれに湯口棒２３′を介し
て支持された新上湯道模型１０′がジヨルトテー
ブル６上に、また旧模型支承体７とこれに湯口棒
２３を介して支持された旧上湯道模型１０が搬出
用ローラコンベヤ２６上にそれぞれ移載される。
その後、フイードバー２４はフイードシリンダ３
３の作動により原位置に後退復帰して次回の模型
交換まで待機する。なお、ジヨルトテーブル６上
に移載された新模型支承体７′はノツクピン６ａ
によつて位置決めされるとともに、クランプ装置
によつてジヨルトテーブル６に固定される。

しかるのち、ジヨルト装置１は再び上昇作動し
てジヨルトテーブル６と共に新模型支承体７′お
よび新上湯道模型１０′を上昇させ、新上湯道模
型１０′をスクイズ装置５のスクイズプレート９
の下面に当接させる。このとき、スクイズプレー
ト９のノツクピン２０が新上湯道模型１０′の孔
２１と係合して位置決めされる。斯かる状態にお
いて、クランプシリンダ１２が作動して雌型の咬
合部材１５を雄型の咬合部材１８に咬合させるこ
とにより新上湯道模型１０′をスクイズプレート
９に固定させる。その後、ジヨルトテーブル６と
共に新模型支承体７′が下降され、ここに新旧の
模型交換が完了する。

なお、上述した実施例では上湯道模型用のクラ
ンプ装置１１における咬合部材１５，１８の咬
合、離脱すなわち、上湯道模型１０のクランプと
その解放との双方を流体圧によつて行う形式とし
たが、クランプ作用に関しては流体圧に代えばね
力による形式とすれば安全性の面でより有効であ
る。また、本実施例では模型を移載する装置とし
て、フイードバー２２に昇降動と前後進との組み
合せからなるいわゆるボツクスモーシヨンを行わ
せる形式のものを利用したが、必ずしもこれに限
るものではなく、たとえばＤ字運動を行う形式で
あつても差支えない。

また、１つの造型機内に上型と下型の模型支承
体を有し、上下型同時に造型する形式の鋳型造型
機においても、模型搬入出用ローラコンベヤを複
列とし、フイードバーの支持ピンを増加すること
により本発明による上湯道模型の交換が可能であ
る。

以上詳述したように、本発明はジヨルトテーブ
ル上の上型用模型とスクイズヘツド下面の上湯道
模型との２種類の模型交換を機械的にかつ自動的
に行い得ることを可能にしたものであつて、とく
に上湯道模型の移送を上型用模型を利用して行う
方法であるから、模型交換の所要時間を、従前は
勿論のこと、上湯道模型の移送にそれ専用の支持
台を利用するような場合に比較して大幅に短縮す
ることが可能で、鋳型造型の生産率の向上に大き
く役立つものであり、また作業員を面倒でかつ危
険を伴う作業から解放し得るものである。

また、本発明の模型交換はその作業の大部分を
既設の装置の作用を巧みに利用するものであつ
て、上湯道模型用のクランプ装置を新たに追加す
るだけで済むため、模型交換のための設備費を安
価に抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は鋳型造
型機および模型交換のための装置を示す正面図、
第２図は同じく平面図（ただし、鋳砂投入装置お
よびスクイズ装置は省略）、第３図は上湯道模型
のクランプ装置を示す平面図、第４図は正断面
図、第５図は模型支承体上に上湯道模型を乗載し
た状態を示す正面図である。 １……ジヨルト装置、４……鋳砂投入装置、５
……スクイズ装置、６……ジヨルトテーブル、７
……模型支承体、８……スクイズヘツド、１０…
…上湯道模型、１１……クランプ装置、２２……
上型用模型、２３……湯口棒、２４……フイード
バー、２５……搬入用ローラコンベヤ、２６……
搬出用ローラコンベヤ、３０……リフトシリン
ダ、３３……フイードシリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳型造型用のジヨルトテーブルを挾んで一側
   に搬入コンベヤを、他側に搬出コンベヤを備え、
   かつ搬入コンベヤ側からジヨルトテーブルを経て
   搬出コンベヤ側へ模型を移載する模型移載装置を
   備えた鋳型造型機において、ジヨルトテーブル上
   の旧上型用模型を該ジヨルトテーブルと共に所定
   位置まで上昇させたもとで、スクイズ装置におけ
   るスクイズヘツドにクランプ装置を介して固定さ
   れている旧上湯道模型を離脱後、これを旧上型用
   模型の湯口棒または支持ピンにて受承させて原位
   置へ下降させる工程と、この工程に前後して、新
   上型用模型の陽口棒または支持ピンにて新上湯道
   模型を受承させたもとでこれら両模型を前記搬入
   コンベヤ上の交換位置へ搬入する工程と、前記模
   型移載装置によつて、交換位置の２つの模型をジ
   ヨルトテーブル上へ、かつジヨルトテーブル上の
   ２つの模型を前記搬出コンベヤ上へそれぞれ移載
   する工程と、ジヨルトテーブル上へ移載された模
   型を該ジヨルトテーブルを介して所定位置まで上
   昇させたもとで新上湯道模型をクランプ装置を介
   してスクイズヘツドに固定させてから新上型用模
   型をジヨルトテーブルと共に下降させる工程とか
   らなるを特徴とする鋳型造型機における模型交換
   方法。