JPH01157419A - ジルコニア膜およびその製造方法 - Google Patents

ジルコニア膜およびその製造方法

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JPH01157419A
JPH01157419A JP8843329A JP4332988A JPH01157419A JP H01157419 A JPH01157419 A JP H01157419A JP 8843329 A JP8843329 A JP 8843329A JP 4332988 A JP4332988 A JP 4332988A JP H01157419 A JPH01157419 A JP H01157419A
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zirconium
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Toshio Hirai
平井 敏雄
Hisanori Yamane
久典 山根
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なジルコニア膜およびその製造方法に関
し、特に、緻密で、耐熱性、断熱性および耐食性が改良
されたジルコニア膜およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ジルコニア膜は、一般に、耐熱性、断熱性、耐食性に優
れ、金属等の表面保護被覆材料として利用されている。
特に、y、o、、 CaO等を固溶させたジルコニアは
安定化ジルコニアないしは部分安定化ジルコニアと称さ
れ、ジルコニアが本来有する約1100″Cにおける相
転移に伴なう体積変化が起らないかあるいは軽減され、
そのために破壊し難いという利点を有するものとして知
られている。この安定化または部分安定化ジルコニア膜
は、前記の緒特性に加えて、高い屈折率、高い酸素イオ
ン伝導性等を有するため、光学機能膜材、酸素センサー
、第3世代燃料電池用固体電解質などとじて各種用途へ
の利用が期待されている。
このようなジルコニア膜を製造する方法として、従来、
比較的成膜速度が速く、操作が容易である方法として、
化学気相堆積法(以下、CVD法という)が知られてい
る。このCVD法の中、より工業的であること、安全性
が高いことなどの利点があるため、酸化剤として酸素を
用いる方法が注目されている。この方法は、反応成分と
して、ジルコニウム原料としてのハロゲン化ジルコニウ
ム、酸化剤としての酸素、さらに安定化剤としてのイツ
トリウム等のハロゲン化物を用い、これらを予め混合し
て、大気圧下、900〜1400″Cに保持された基体
を配置してなる反応容器に導入することにより基体上に
成膜する方法である(G、  Wehlはが、Proc
、 CVD−■、 536. (1979))。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記従来の方法によって得られるジルコ
ニア膜は、緻密さが低いために、耐熱性、断熱性、耐食
性などが不十分であることがあるという問題を有してい
る。
そこで、本発明の目的は、高度に緻密であり、そのため
高い耐熱性、断熱性、耐食性などを有する安定化または
部分安定化ジルコニアからなるジルコニア膜およびその
製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、そのようなジルコニア膜として、基体の上に
形成され、実質的に(111)面および(200)面か
らなる群から選ばれるlまたは2種の結晶面のみが前記
基体の表面に平行に配向し、安定化または部分安定化ジ
ルコニアからなるジルコニア膜を提供するものである。
本発明において、「lまたは2種の結晶面のみが気体の
表面に平行に配向している」とは、特定の結晶面が1つ
である場合には、X線回折の測定において、その特定結
晶面の回折強度を100としたときに、他の結晶面の回
折強度がすべで20未満であることを意味する。また、
特定の結晶面が2つ存在する場合には、最も回折強度が
高い一方の特定結晶面の回折強度を100としたときに
、残る他方の特定結晶面の回折強度が20〜100であ
って、他の結晶面の回折強度がすべて20未満であるこ
とを意味する。
本発明のジルコニア膜は、ハロゲン化ジルコニウム、安
定化元素のハロゲン化物および酸化剤としての酸素ガス
を用い、化学気相堆積法により基体上に安定化または部
分安定化ジルコニアからなるジルコニア膜を製造する方
法において、前記酸素ガスと、前記ハロゲン化ジルコニ
ウムおよび前記安定化元素のハロゲン化物とを、別個に
1000〜1400℃に保持された前記基体付近の反応
帯域に供給することにより製造することができる。
ここで、「安定化元素Jとは、例えば、Ca、 Mg、
Y等を意味し、「安定化または部分安定化ジルコニア」
とは、これらの安定化元素が酸化物、例えば、CaO、
MgO、Y2O1として、ジルコニア(ZrOz)中に
20モル%以下の含有量で固溶したジルコニアを意味す
る。この安定化元素の酸化物の含有量は、通常、Yz(
hの場合には、3〜20モル%、CaOの場合には4〜
15モル%、MgOの場合には2〜12モル%である。
通常、安定化元素の酸化物含有量が8〜20モル%のジ
ルコニアが安定化ジルコニアと称され、8モル%未満の
ジルコニアが部分安定化ジルコニアと称されている。
上記の製造方法では、基体は1000〜1400℃、好
ましくは1100〜1200″Cに保持される。基体の
温度が1000℃未満であると、原料のハロゲン化物が
未分解のまま基体上に析出することがあり、また140
0℃を超えると、実質的に(111)および/または (200)面のみが基体の表面に平行に配向したジルコ
ニア膜は得難い。
本発明によるジルコニア膜の例としては、基体の表面に
平行である特定結晶面が、実質的に(200)面のみで
あるもの、実質的に(200)面と(111)面のみで
あるもの、および実質的に(111)面のみであるもの
がある。このような特定結晶面の種類は、上述した製法
において、ハロゲン化ジルコニウムと安定化元素のハロ
ゲン化物の反応帯域への供給開始時期を調節することに
よって選択的に決めることができる。
即ち、実質的に(200)面のみが基体の表面に平行に
配向している安定化ジルコニア膜は、前記製法において
、ハロゲン化ジルコニウムと安定化元素のハロゲン化物
とを、実質的に同時に反応帯域に供給し始めることによ
り得られる。この場合、再反応成分は、例えば、典型的
な反応条件下では、30秒以内の時間的ズレの範囲内で
供給が開始される。
実質的に、(200)面と(111)面のみが基体の表
面に平行に配向しているジルコニア膜は、前記の製法に
おいて、安定化元素のハロゲン化物の反応帯域への供給
開始を、ハロゲン化ジルコニウムの供給開始から数十秒
〜数分、典型的な反応条件下では例えば30秒〜4分遅
延させることにより得られる。
また、実質的に(111)面のみが基体の表面に平行に
配向しているジルコニア膜は、前記の製法において、安
定化元素のハロゲン化物の反応帯域への供給開始を、ハ
ロゲン化ジルコニウムの供給開始からさらに遅延させて
開始することにより、典型的な反応条件下では例えば4
分を超えて遅延させることにより得られる。
上記において、ある特定のジルコニア膜を得るために必
要な遅延時間は、装置の大きさおよび形状、基体の大き
さ、原料としてのハロゲン化物の供給速度などの反応条
件に依存するので、上記した時間は例示にすぎない。し
かし、当業者は上記の記載に基づいて各製造条件ごとの
適切な遅延時間を容易に見出すことができる。
本発明による実質的に(200)面のみ、または実質的
に(111)面のみが基体の表面に平行に配向している
安定化または部分安定化ジルコニアからなるジルコニア
膜は、緻密で透明性が高く、耐熱性、断熱性、耐食性等
がさらに向上したものである。
また、実質的に(200)面と(111)面のみからな
る安定化または部分安定化ジルコニアからなる膜におい
ては、通常、(200)面が基体表面に平行に配向して
いる相が板状に面成長してマトリックス相を形成し、一
方、(111)面が基体表面に平行に配向している相は
基体表面に垂直に粒成長して三角錐状、正三角柱状また
は六角柱状の粒子状態で前記マトリックス相中に分散し
、場合によってはその頂部がマトリックス相から突出し
た相を形成している。これら2相の間の結合は強固かつ
密であり、膜には空隙もクラックもないので、この膜も
耐熱性、断熱性、耐食性が向上したものである。
また、上記のように、錐状または柱状の粒子を形成する
相が平坦なマトリック相から突起状に突出した状態にな
っている場合には、このジルコニア膜の単位面積当りの
実質表面積は単一の相からなる場合に比し著しく大きい
。したがって、例えば燃料電池、ガスセンサなどの固体
電解質として使用する場合には、ガスとの接触面積が大
きいのでガス拡散の効率化が期待できる。したがって、
ガスセンサの応答性の改善、燃料電池の発電効率の向上
を図ることができる。
上述した、本発明のジルコニア膜の製造にジルコニウム
原料として用いられるハロゲン化ジルコニウムとしては
、塩化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、臭化ジルコ
ニウム、ヨウ化ジルコニウムなどが挙げられるが、蒸気
圧などの点で塩化ジルコニウムが最も好ましい。
ジルコニア膜の製造に用いられる安定化元素のハロゲン
化物としては、例えば、Ca、 Mg、 Yの塩化物、
フッ化物、臭化物およびヨウ化物が挙げられるが、その
中で塩化イツトリウムが添加量の制御性の点で好ましい
ハロゲン化ジルコニウムおよび安定化元素のハロゲン化
物は、通常気化されてガス状で反応帯域に導入されるが
、これらは別々に導入してもよいし、混合状態で導入し
てもよい。しかし、いずれの場合も酸化剤である酸素ガ
スとは別個に反応帯域に導入される。これらのハロゲン
化ジルコニウムおよび安定化元素のハロゲン化物は、通
常、11送用ガス、例えば窒素、アルゴン等の不活性ガ
スとともに反応帯域に導入される。搬送用ガスの流量は
線速度で200〜600 cm/minが好ましく、特
に、25f)〜500cm/minが好ましい。上記線
速度が200cm/min未満であると、生成物が粉体
として生ずることがある。また、600cm/minよ
り大きいと、基体温度を低下させることがあり、注意を
要する。
これらのハロゲン化物を気化させる際には通常加熱する
が、温度は使用する化合物の種類および圧力により異な
る。一般に高過ぎるとその化合物の蒸気圧が高くなりす
ぎて供給量の制御が困難になり、低過ぎると十分な供給
量が得難い。適切な加熱温度は、当業者は容易に見出す
ことができ、例えば塩化ジルコニウムでは、大気圧下、
290〜310℃程度、塩化イツトリウムでは、大気圧
下900〜1000’C程度である。
反応帯域に供給されるハロゲン化ジルコニウムのi (
Amol/minとする)と安定化元素のハロゲン化物
の量(B mol/minとする)の比によって得られ
るジルコニア膜中の安定化元素の含有量が決まる。本発
明の安定化または部分安定化ジルコニアからなる膜を得
るには、再反応成分に対する安定化元素のハロゲン化物
の比、すなわち、で表わされるXの値が、40以下とな
るように両成分の供給量を制御することが望ましい。供
給量の制御は、搬送ガスの流量および/または原料気化
のための加熱温度の調節により行なうことができる。一
般に、Xが約15〜40の場合に安定化ジルコニア膜が
得られる。部分安定化ジルコニア膜はXが15以下の条
件で得られる膜を急冷することにより得られる。
上述の製造方法に酸化剤として用いられる酸素ガスは、
前記のハロゲン化ジルコニウムおよび安定化元素のハロ
ゲン化物とは別個に、すなわち混合せずに、反応帯域に
供給し、ここで、反応に供される。上記酸素ガスをハロ
ゲン化ジルコニウムおよび/または安定化元素のハロゲ
ン化物とともに反応帯域に導入すると、気相中での反応
が起こり粉体の生成により成膜速度が低下したり、生成
する膜中に粉体が混入して好ましくない。酸素ガスは純
酸素のままでも、アルゴン、窒素等の不活性ガスとの混
合物としても導入することができるが、いずれの場合で
も、導入は線速度で50〜100cm/minが好まし
い。流速が50cm/minよりも小さいと基体上への
酸素供給が不充分となり、100cm/minより大き
いとハロゲン化物原料に対する酸素の比が大き過ぎ、粉
体が生成し易くなる。酸素ガスは通常予め反応帯域に供
給しておき、その後ハロゲン化ジルコニウムおよび安定
化元素のハロゲン化物を所定の時期に供給開始すればよ
い。
上記の方法では、酸素と他の反応成分の混合は反応帯域
で行なわれるが、特に、基体表面から40胴以内の領域
において混合することが好ましく、より好ましくは20
mm以内の領域である。混合が40mmを超える領域で
行なわれると、得られるジルコニア膜は多孔質で、しか
も結晶面が無配向か配向性の低いものとなる。
また、ジルコニア膜の製造を行なう際の圧力は、100
〜800Torrの範囲が好ましく、通常大気圧で十分
であることは、本発明の方法の利点の一つである。
上述の製法によればジルコニア膜が1〜10μm/hr
の成長速度で得られる。
本発明のジルコニア膜が形成される基体の材料としては
、例えば、石英、アルミナ、ジルコニア、マグネシアな
どの無機物の多結晶体、単結晶およびガラスなどが挙げ
られる。
上で説明した製造方法を実施する装置としては、後記実
施例で使用の装置が例示できるが、上述の条件を達成で
きる装置であればいずれの装置も使用することができる
以下、本発明を実施例により、より詳細に説明するが、
これらに限定するものではない。
〔実施例] 実施例1 第1図に示す反応装置を使用した。第1図において、内
径19薗の石英ガラス製反応管1には酸素ガス導入口2
および排気口3が設けられている。
この反応管の内部には内径8胴の石英ガラス管からなる
ハロゲン化物導入用の内管4があり、アルゴン等の不活
性気体を導入口5から流せるようになっている。内管4
の内部にはハロゲン化ジルコニウムを入れ気化させるた
めの容器6、および安定化元素のハロゲン化物を入れ気
化させるための容器7が配置されている。これらの容器
6.7は、外径6 mmの石英ガラス管の両端を封じ、
側壁に穴を開けたものである。これらの容器6.7は、
それぞれ外部に配置した電気炉8.9により、それぞれ
設定した温度となるように加熱され、気化したハロゲン
化物は導入口5から流入するアルゴン等の不活性気体に
より運ばれて、内管出口10から反応管1に供給される
。ハロゲン化物導入用内管4の出口近傍には、基体台1
1の上に核内管4の出口10から5+n+n離れた位置
に基体12が配置されている。基体12は、外部に配置
した電気炉13により設定温度となるように加熱され、
基体上での原料のハロゲン化物と酸素ガスが反応するこ
とにより安定化あるいは部分安定化ジルコニア膜が基体
12上に生成される。、 本実施例では、ハロゲン化ジルコニウムとして、塩化ジ
ルコニウムを、安定化元素のハロゲン化物としては塩化
イツトリウムを使用した。
酸素ガス導入口2から毎分170m1(60cm/m1
n)で純酸素を、原料供給用内管4には、導入口5から
毎分160m1 (318cm/m1n)のアルゴンガ
スを予め流しておいた。酸素ガスおよびアルゴンガスを
流しながら、電気炉8によって容器6内の塩化ジルコニ
ウムを300℃1電気炉9によって容器7内の塩化イツ
トリウムを950℃に同時に加熱した。このとき、塩化
ジルコニウムと塩化イツトリウムの供給量(mol/m
1n)の合計に対する塩化イツトリウム供給量の割合を
、10モル%、20モル%および30モル%と変えて各
場合についてジルコニア膜の形成を行なった。基体とし
ては10X40x l gの石英ガラス板を使用し、1
150℃に保持し、1時間成膜を行った。
得られたジルコニア膜は、すべて、膜厚が2 Itmで
あり、表面が平滑な板状で半透明であった。
X線回折の結果、すべての膜において(200)面の回
折強度が最も強く、これの強度を100としたときに(
400)面の回折強度が14でその他の面の回折強度は
すべて1未満であった。得られたジルコニア膜は、透明
性が高く、緻密で高い耐食性を示した。
実施例2 塩化ジルコニウムと塩化イツトリウムの加熱を次のよう
に行なった以外は、実施例1の操作を繰返した。
まず、電気炉8により容器6内の塩化ジルコニウムを3
00℃に、電気炉9により容器7内の塩化イツトリウム
を800℃に加熱した。これにより、塩化ジルコニウム
が気化して反応管1に流入し始めた。1分経過後、電気
炉9を調節して塩化イツトリウムの加熱温度を950’
Cに高め、塩化イツトリウムを気化させ、反応管1への
供給を開始した。
塩化ジルコニウムと塩化イツトリウムの供給量(mol
/m1n)の合計に対する塩化イツトリウム供給量の割
合が10モル%、20モル%または30モル%であるい
ずれの場合でも、得られたジルコニア膜は、すべて、膜
厚が約2μmであり、半透明であった。
得られたジルコニア膜を走査型電子顕微鏡によって観察
したところ、全体にわたって広がった平坦な相中に、−
辺の長さが1〜3μmの正三角錐または正三角柱で頂部
が平坦な突起からなる結晶相が、全膜面積の約10%の
割合で散在し、また平坦な相と突出した結晶相との結合
が強固かつ緻密であることがわかった。
また、X線回折の結果、すべてのジルコニア膜において
、(200)面の回折強度が最も強く、これの強度を1
00としたとき、他の面の回折強度は表1に示すとおり
であった。
表   1 実施例3 塩化ジルコニウムを300℃および塩化イツトリウムを
800℃に加熱してから3分経過後に塩化イツトリウム
の温度を950″Cに高めて、気化させ、反応管Iへの
供給を開始した以外は、実施例2と同様にしてジルコニ
ア膜を得た。
得られたジルコニア膜は、すべて膜厚が約2μmであり
、半透明であった。これらのジルコニア膜を走査型電子
顕微鏡によって観察したところ、全体にわたって広がっ
た平坦は相中に、−辺の長さが2〜3μmの正三角錐、
正三角柱および正六角柱状で頂部が平坦な突起からなる
結晶相が、全膜面積の約60%の割合で散在し、また平
坦な相と頂部が平坦な突起からなる結晶相との結合が強
固かつ緻密であることがわかった。
さらにX線回折の結果、すべての膜において(111)
面の回折強度が最も強く、これの強度を100としたと
き、他の面の回折強度は表2に示すとおりであった。
表   2 実施例4 塩化ジルコニウムと塩化イツトリウムの加熱を次のよう
に行なった以外は、実施例1の操作を繰返した。まず、
塩化ジルコニウムは300℃、塩化イツトリウムは80
0℃に加熱した。5分経過後、塩化イツトリウムの加熱
温度を950℃にした。
塩化ジルコニウムと塩化イツトリウムの供給量(mol
/m1n)の合計に対する塩化イツトリウム供給量の割
合が、10モル%、20モル%または30モル%である
いずれの場合でも、得られた膜は、すべて、膜厚が約2
μmであり、六角柱状組織で半透明であった。また、X
線回折の結果、すべての膜において(111)面の回折
強度が最も強く、これの強度を100としたときに、(
222”)面の回折強度が6、(220)面の回折強度
が1でその他の面の回折強度はすべて1未満であった。
得られたジルコニア膜は、透明性が高く、緻密で高い耐
食性を示した。
〔発明の効果] 本発明のジルコニア膜は緻密であり、耐熱性、断熱性、
耐食性などが従来のジルコニア膜よりも優れ、しかも簡
便な製造方法および装置で製造できる。特に前述の製法
は、常圧で実施でき製造の連続化も容易で、工業的に有
利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のジルコニア膜の製造に用いる装置例
を概念的に示す。 1・・・反応管 2・・・酸素ガス導入口 5・・・不活性気体導入口 6・・・ハロゲン化ジルコニウム容器 7・・・安定化元素のハロゲン化物の容器12・・・基

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基体の上に形成され、実質的に(111)面およ
    び(200)面からなる群から選ばれる1または2種の
    結晶面のみが前記基体の表面に平行に配向し、安定化ま
    たは部分安定化ジルコニアからなるジルコニア膜。
  2. (2)特許請求の範囲第1項記載のジルコニア膜であっ
    て、実質的に(200)面のみが基体の表面に平行に配
    向しているジルコニア膜。
  3. (3)特許請求の範囲第1項記載のジルコニア膜であっ
    て、実質的に(200)面と(111)面のみが基体の
    表面に平行に配向しているジルコニア膜。
  4. (4)特許請求の範囲第1項記載のジルコニア膜であっ
    て、実質的に(111)面のみが基体の表面に平行に配
    向しているジルコニア膜。
  5. (5)基体の上に形成され、実質的に(111)面およ
    び(200)面からなる群から選ばれる1または2種の
    結晶面のみが前記基体の表面に平行に配向し、安定化ま
    たは部分安定化ジルコニアからなるジルコニア膜の製法
    であって、 酸素ガスと、ハロゲン化ジルコニウムおよび安定化元素
    のハロゲン化物とを、別個に、1000〜1400℃に
    保持された前記基体付近の反応帯域に供給することを含
    む方法。
  6. (6)特許請求の範囲第5項記載の方法であって、前記
    の安定化元素がイットリウムまたはカルシウムである方
    法。
  7. (7)特許請求の範囲第5項記載の方法であって、ハロ
    ゲン化ジルコニウムと安定化元素のハロゲン化物とを、
    実質的に同時に反応帯域に供給することにより、(20
    0)面のみが前記基体の表面に平行であるジルコニア膜
    を形成する方法。
  8. (8)特許請求の範囲第5項記載の方法であって、安定
    化元素のハロゲン化物の反応帯域への供給開始を、ハロ
    ゲン化ジルコニウムの供給開始から、実質的に遅延させ
    ることにより、(111)面と(200)面のみ、また
    は(111)面のみが前記基体の表面に配向しているジ
    ルコニア膜を形成する方法。
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JP2006502015A (ja) * 2002-10-07 2006-01-19 ケンナメタル ヴィディア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト 複合材料

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