JPH0115716Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水路底部にコンクリートを打設して
水路底を形成する形式の組立式コンクリート水路
に関するものである。

上記の形式の組立式コンクリート水路として
種々の構造のものが考案されているが、水路の構
成部材である台ブロツク、側板、梁部材或るいは
蓋板の相互の組付け部分の構造が各部材に設けら
れた突出部と、これに対応する凹部との嵌合によ
るものが大部分であつた。従つて、各部材の形状
が複雑となり、また各部材の集積或るいは運搬時
に嵩張つて広い場所を必要とすると共に、各部材
の突出部が欠損し易いという不具合があつた。

本考案は、上記不具合に鑑み、組立て作業を安
全、かつ能率よく行うことができ、しかも組立式
コンクリート水路を構成する各部材の形状を単純
にして、各部材の集積或るいは運搬を容易にする
ことを目的としてなされたものであり、以下実施
例を挙げて本考案を詳細に説明する。

第１図ないし第８図に、本考案の一実施例の組
立式コンクリート水路が示されており、この水路
は、壁板Ａと、台ブロツクＢと、蓋板Ｃとの３つ
の部材で構成される。

壁板Ａは、第２図に示されるように厚板状のも
ので、下面が平面状になつていると共に、両端面
の下面から上端部の間に接合溝１が設けられてお
り、しかも上端部の内側に蓋板Ｃを施蓋するため
の段部２が設けられ、両端の下端部にナツト３が
前記接合溝１に臨んで設けられたものである。前
記接合溝１は、段部２には達しているが、壁板Ａ
の上面には達していない。

また、台ブロツクＢは、第３図に示されるよう
に四角柱状のもので、上面が平面状になつている
と共に、上面の両端部の前記壁板Ａの設置位置の
内側と外側とにそれれ位置決め溝４，５が壁板Ａ
の設置方向に設けられ、各位置決め溝４，５の間
にナツト６がそれぞれ埋設されたものである。

そして、上記構成の壁板Ａ、台ブロツクＢ並び
に蓋板Ｃを用いてコンクリート水路を組み立てる
には、水路予定位置を掘削して、台ブロツクＢを
所定の間隔と、必要に応じて高さの差を設けて互
いに平行に据え付け、しかる後に壁板Ａを吊つて
相前後する台ブロツクＢの間に橋渡し状に吊り降
ろす。この際、壁板Ａは、台ブロツクＢの上面の
各位置決め溝４，５の間に吊り降ろす必要があ
り、この位置決め溝４，５を目安にして吊り降ろ
すと、壁板Ａの台ブロツクＢに対する位置決めが
行い易い。また、台ブロツクＢに対する壁板Ａの
吊り降ろし位置が多少ずれた場合には、各位置決
め溝４，５のいずれかに金てこの先端部を差し込
み、てこの作用を利用して壁板Ａを正位置に容易
に微動させることができる。

壁板Ａを台ブロツクＢの正位置に設置した後
に、第４図ないし第６図に示されるように、Ｌ形
の固定金具７を壁板Ａの接合溝１の下端部に宛
い、ボルト８を壁板Ａに埋設されたナツト３に螺
合すると共に、ボルト９を台ブロツクＢに埋設さ
たナツト６に螺合すると、壁板Ａが台ブロツクＢ
に強固に固定される。尚、壁板Ａの両端部を台ブ
ロツクＢに固定すれば、一層確実であるが、壁板
Ａの一端部のみを台ブロツクＢに固定しても、十
分な固定強度が得られるので差し支えない。

以上の各操作を反復して、相前後する台ブロツ
クＢの間に壁板Ａを垂直にして順次設置し、固定
金具７を介して壁板Ａと台ブロツクＢとを固定し
てゆく。

次に、隣接する壁板Ａの突合せ部分の各接合溝
１によつて形成される空所にコンクリートを充填
して相前後する壁板Ａを互いに接合し、その後
に、第７図および第８図に示されるように、底部
にコンクリートを打設して水路底１０とする。水
路底に打設したコンクリートは壁板Ａの下方を通
つて外部に流出し、硬化したコンクリートにより
壁板Ａの下端部が支持される。尚、水路の底部に
コンクリートを打設する際に、必要に応じて勾配
を設けることが可能である。そして、相対向する
壁板Ａの上端部に蓋板Ｃを施蓋し、しかる後に壁
板Ａの外方に土砂を埋め戻すことにより、水路の
施工が完了する。

また、本考案の組立式コンクリート水路の壁板
Ａに加わる側圧に対しては、固定金具７と、水路
底部に打設されるコンクリート層と、蓋板Ｃとで
対処している。

尚、図中１１は、壁板Ａに設けらた吊り孔を示
す。

本考案に係る組立式コンクリート水路は、上記
した構成であるので、以下のような種々の効果を
有する。

(1) 台ブロツクＢの上面両端部に設けられた位置
決め溝４，５を目安にして壁板Ａを吊り降ろす
ことができ、また台ブロツクＢに対して壁板Ａ
の設置位置が多少ずれた場合には、各位置決め
溝４，５に金てこの先端部を差し込み、金てこ
のてこ作用により壁板Ａを容易に正位置に微動
させることがきるため、壁板Ａの位置決めが簡
単にでき、ひいては施工能率を著しく向上させ
ることがきる。

(2) 壁板Ａは固定金具７を介して台ブロツクＢに
強固に固定されているので、隣接する前後の水
路を組み立てたり、水路底部にコンクリートを
打設したり、更には壁板Ａの突合せ部分に形成
される空所にコンクリートを充填したりする際
に、壁板Ａの転倒に起因して発生する人身災害
を未然に防止することができる。このため、作
業者は安心して水路の組み立て作業に専念で
き、作業能率が向上する。

(3) 壁板Ａの端面に設けられた接合溝１が壁板Ａ
の上面に達していないので、対向する壁板Ａの
間に蓋板Ｃを施蓋すれば、コンクリート投入跡
が表面に現れず、よつて、水路の外観が極めて
良好となる。

(4) 本考案に係る組立式コンクリート水路は、壁
板Ａと、台ブロツクＢと、蓋板Ｃとから構成さ
れ、壁板Ａおよび台ブロツクＢは、上述の如く
種々の有効な機能を有しながら、壁板Ａと蓋板
Ｃはともに厚板状であると共に、台ブロツクＢ
は角柱状であつて、いずれの構成部材も突出箇
所を殆んど有していないので、各構成部材の集
積、運搬等の際に、密に集積できるため嵩張ら
ないと同時に、取扱いが極めて簡単であり、し
かも各部材の集積或るいは運搬時に欠損を生ず
ることが殆んどない。

(5) 壁板Ａに加わる側圧に対しては、固定金具
７、水路底部に打設されるコンクリート層、並
びに蓋板Ｃにより対処することがきるため梁部
材を用いていないので、水路底部にコンクリー
トを流し込む際に梁部材が障害となることはな
く、従つて、水路底部にコンクリートを流し込
む作業が極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る組立式コンクリート水
路の平面図、第２図は、壁板Ａの斜視図、第３図
は、台ブロツクＢの斜視図、第４図は、第１図の
Ｘ−Ｘ線断面図、第５図は、第４図のＹ−Ｙ線断
面図、第６図は、第４図のＺ−Ｚ線断面図、第７
図は、完成された水路の横断面図、第８図は、同
じく縦断面図である。 主要部分の符号の説明、Ａ……壁板、Ｂ……台
ブロツク、Ｃ……蓋板、１……接合溝、２……段
部、４，５……位置決め溝、７……固定金具、１
０……水路底。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下面の少なくとも両端部が平面状になつている
   と共に、両端面に接合溝１が上面に達しない状態
   で設けられ、しかも上端部の内側に蓋板施蓋用の
   段部２が設けられた厚板状の壁板Ａと、上面の少
   なくとも両端部が平面状になつていると共に、上
   面両端部の前記壁板Ａの設置位置の内側と外側と
   にそれぞれ位置決め溝４，５が前記壁板Ａの設置
   方向に設けられた角柱状の台ブロツクＢと、蓋板
   Ｃとから成り、 所定の間隔をおいて平行に据え付けた前記台ブ
   ロツクＢの各位置決め溝４，５の間に前記壁板Ａ
   を橋渡し状に設置すると共に、壁板Ａの少なくと
   も一方の端部を固定金具７を用いて台ブロツクＢ
   に固定し、隣接する壁板Ａの突合せ部分の各接合
   溝１で形成される空所にコンクリートを充填し、
   水路底部にコンクリートを打設して水路底１０を
   形成して成る組立式コンクリート水路。