JPH0115344B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、連続鋳造設備のタンデイツシユの底
部開口を開閉するスライデイングノズルに対し脱
着して使用する浸漬ノズルの交換方法に関する。

（従来技術） 連続鋳造設備に於けるタンデイツシユカーに塔
載されたタンデイツシユは、鉄皮の内面に耐火物
ライニングを施して溶鋼を受容するように構成さ
れ、その底部に設けた溶鋼を流出させる開口下面
には水平移動によつて該開口を開閉し、且つモー
ルドに対し溶鋼を供給する浸漬ノズルを取付ける
スライデイングノズルが装備される。

上記、スライデイングノズルに取付ける浸漬ノ
ズルは、鋳造中に溶鋼流が暴露して酸化すること
を防止するためのものであり、モールドに対する
溶鋼供給時（鋳込み時）には、タンデイツシユカ
ー上でタンデイツシユ共、鋳込み位置まで降下さ
せてその下端部をモールド内の溶鋼中に浸漬（溶
鋼中へ挿入）して使用される。

上記のように、浸漬ノズルは体内に溶鋼を流
し、その下端部をモールド内の溶鋼中に浸漬して
使用するところから傷み易く、度々の交換を必要
とする。

従来より、この浸漬ノズルの交換は、モールド
に対する溶鋼の供給を一時中断し、タンデイツシ
ユを鋳込み位置から上昇させてモールドを覆うモ
ールドカバー上方に浸漬ノズルを引き上げ、その
脱着に支障のない作業空間をタンデイツシユとモ
ールドカバー間に形成して所定のノズル交換装置
を使用してその交換が行われている。

（発明が解決しようとする問題点） 従つて、浸漬ノズルの交換時には、鋳込み作業
を中断してタンデイツシユ共浸漬ノズルを昇降動
させるところから、作業が面倒となるばかりでな
く、一つのタンデイツシユに複数の浸漬ノズルを
取付けて鋳込み構成の多ストランド型の連鋳設備
に於いては、一つのノズル交換に際して交換を不
要とする健全なノズルによる鋳込みも同時に中断
しなければならず、鋳込み中断から作業再開に掛
けての作業性が著しく損なわれて作業能率の低下
を来し、製品の品質面からもそれぞれのストラン
ドに悪影響が及ぶ難点がある。

本発明は、上記の一連の浸漬ノズルの交換作業
に於いて、タンデイツシユは鋳込み位置に定置状
態で作業を行うようにし、多ストランド型の連鋳
設備に於いては、健全ノズルによる鋳込を中断す
ることなく、交換を必要とする浸漬ノズルのみを
適切に交換することを可能にし、前記諸問題に合
理的な解決を与えることを目的としてなされたも
のである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本発明の要旨とす
るところは、連続鋳造設備のタンデイツシユ底部
に設けたスライデイングノズルに対して浸漬ノズ
ルを取付けるに際し、ノズル交換装置の浸漬ノズ
ルを保持するハンド部が、スライデイングノズル
側へ向けての移動途中に、ハンド部に保持された
浸漬ノズルを水平位置から垂直位置へ位置を変更
させることにあり、この浸漬ノズルの姿勢変更制
御は、浸漬ノズルを保持するハンド部側と、スラ
イデイングノズル側に設けられたハンド部位置検
出装置からの出力により行うことを特徴とする連
続鋳造設備のノズル交換装置にある。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本発明を適用する装置の平面図、第２
図は同側面図である。

図に於いて、１はタンデイツシユ、鉄皮１ａ内
面に耐火物ライニング１ｂを施してなり、底部に
開口２を有し、タンデイツシユカー（図示せず）
に搭載される。

３はタンデイツシユ１下面に装備したスライデ
イングノズルで、タンデイツシユ１の開口２に連
通する開口４を有し、シリンダ（図示せず）に連
結して水平に移動し、タンデイツシユ１の開口２
を開閉する。

５はスライデイングノズル３に付設したノズル
取付機構で、このノズル取付機構５は周知の技術
で、下面に操作部６ａを有する昇降体６に、スラ
イデイングノズル３下方に伸びるノズルハンガー
７を突設してなり、昇降体６の操作部６ａの回動
操作によつてノズルハンガー７に保持する浸漬ノ
ズル８を昇降動させてスライデイングノズル３か
ら脱着させる。（例えば、実開昭56−3467号参照） ９はモールド、１０はモールド上方に開口１１
を有するモールドカバーで、操作床面に固設され
る。

１２はモールド９側方に於いて、床面に敷設し
たレール上を移動自在にした走行台車で、走行用
のアクチユエータ１３を備える。

１４は走行台車１２上に、ガイド部材１５を介
して装備した昇降ビームで、ビーム昇降用のアク
チユエータ１６に連結している。

１７は昇降ビーム１４上に装備され、レール１
８上を走行台車１２の走行方向に直交する方向に
水平移動自在とするハンド部材で、ハンド部材シ
フト用のアクチユエータ１９に連結している。

２０はハンド部材１７の前面に、前記スライデ
イングノズル３に対向して突設したノズルハンガ
ー、２１はこのノズルハンガー２０に設けたノズ
ル旋回機構で、このノズル旋回機構２１は、ノズ
ルハンガー２０に保持された浸漬ノズル８のピン
端部８ａに形成した偏平部８ｂに係合する係合部
材２２と、この係合部材２２を取付けた旋回用の
アクチユエータ２３とよりなり、浸漬ノズル８の
垂直姿勢から水平姿勢までの姿勢変更を行う。

２４は同じくノズルハンガー２０に設けた操作
部旋回機構で、この操作部旋回機構２４は、ノズ
ルハンガー２０に水平に支承され、旋回用のアク
チユエータ２６に連結された旋回軸２５と、この
旋回軸２５に別に取付けた操作用アクチユエータ
２７の軸２７ａに、前記昇降体６の回動操作部６
ａに係合する係合部材２８を取着してなり、浸漬
ノズル８の脱着時に係合部材２８と操作部６ａと
の係合回動によつて昇降体６を昇降動させる。

次に、２９，３０はハンド部材１７に設けた第
１、及び第２の位置検出器、３１はこれ等、第
１、第２の位置検出器２９，３０に対向してスラ
イデイングノズル３側に設けた被測定体である。

上記、第１の位置検出器２９は、スライデイン
グノズル３に対して、浸漬ノズル８の持ち込み時
に、ハンド部材１７を水平に移動させての中心位
置合わせと、ハンド部材１７を昇降動させての移
動経路の高さを設定するもので、例えば、投光器
と受光器とを一体型とするものであり、この第１
の位置検出器２９に対向して被測定体３１には反
射鏡３２が取付けてある。

第２の位置検出器３０は、スライデイングノズ
ル３に対する浸漬ノズル８の持ち込み時に、被測
定体３１までの離隔距離を測定するもので、例え
ば、超音波式のものであつて、浸漬ノズル８の姿
勢、つまり垂直姿勢と水平姿勢の変更位置の制御
をなす。

（作用） 上記構成に於いて、次にタンデイツシユ１に対
して新たに浸漬ノズル８を持ち込んで取付ける要
領を説明する。

(1) 走行台車１２が予め浸漬ノズル８を加熱する
ノズルヒータ（図示せず）位置まで後退し、ノ
ズルヒータから加熱された浸漬ノズル８を、ハ
ンド部材１７のノズルハンガー２０に受け取
る。

(2) 走行台車１２がスライデイングスノズル３に
向かつて前進動を開始する。

(3) 走行台車１２が走行を開始する迄に、ノズル
旋回機構２１によつて浸漬ノズル８は水平姿
勢、つまり底部を前方に向けて保持される。

(4) 走行台車１２が前進を続ける途上、第１の位
置検出器２９からの出力に基き、ハンド部材１
７は上下、左右に微調整的に動かされ、スライ
デイングノズル３に対する浸漬ノズル８の中心
位置合わせと、持ち込み高さの設定がなされ
る。

第３図はこの第１の位置検出器２９による調
整法の一例を示す被測定体面の説明図ある。

図ａ、走行台車１２が前進動開始点では、昇
降用アクチユエータ１６は縮限、ハンドシフト
用アクチユエータ１９は伸限にあり、各機器の
変形、停止誤差等を考慮して被測定体面上の投
光器からの光点Ｐは破線枠３１ａ内にある。

図ｂ、走行台車１２が走行を開始した直後
に、昇降ビーム１４が上昇して光点Ｐが反射鏡
３２に当たつたところで、昇降ビーム１４は上
昇を停止し、浸漬ノズル８の持ち込み高さが設
定される。

尚、反射鏡３２の位置、長さは枠３１ａを考
慮して決定されている。

図ｃ、引続いてハンド部材１７が水平移動
（光点Ｐは反射鏡３２に沿つて横に移動）して
光点Ｐが反射鏡３２端から外れた所で規定位置
３１ｂに到達し、スライデイングノズル３のノ
ズルハンガー７と走行台車１２のノズルハンガ
ー２０との水平、垂直方向の位置合わせが行わ
れる。

(5) 走行台車１２が前進動を続けてスライデイン
グノズル３に接近する途上で、第２の位置検出
器３０からの出力に基づいて、浸漬ノズル８は
水平姿勢からその先端部を次第に下方に向け、
スライデイングノズル３の下方を通過してモー
ルドカバー１０の開口１１からモールド９に挿
入されて垂直姿勢となり、スライデイングノズ
ル３に対する取付位置を第２の位置検出器３０
が検出して走行台車１２が停止する。

(6) 走行台車１２が停止すると、操作部旋回機構
２４の旋回軸２５が回動し、該旋回軸２５に装
備した操作用アクチユエータ２７先端の係合部
材２８がノズル取付機構５の昇降体下端の操作
部６ａに係合してこれを回動させることによつ
て昇降体６が上昇してノズルハンガー７がノズ
ルハンガー２０より浸漬ノズル８を受け取り、
スライデイングノズル３に浸漬ノズル８を接合
させて取付ける。

(7) この後、上記の逆順をを踏まえ、操作部旋回
機構２４、昇降用アクチユエータ１６、および
ハンドシフト用アクチユエータ１９を元位置へ
復帰後、走行台車１２を待機位置へ後退させて
作業を終了する。

尚、上記の(6)、(7)は従来の装置による作用と同
様のものである。

（効果） 以上説明したように本発明では、連続鋳造設備
のタンデイツシユ底部に設けたスライデイングノ
ズルに対して浸漬ノズルを取付けるに際し、ノズ
ル交換装置の浸漬ノズルを保持するハンド部が、
スライデイングノズル側へ向けての移動途中に、
ハンド部に保持した浸漬ノズルを水平位置から垂
直位置へ姿勢変更させるようにしたから、タンデ
イツシユ底部とモールド（モールドカバー）間で
浸漬ノズルの交換作業に必要な作業空間は、タン
デイツシユを鋳込み位置に定置状態のままでよ
く、従つて多ストランド型の連続鋳造に於いて
は、健全ノズルによる鋳込みは中断することなく
交換を必要とする浸漬ノズルのみを適切に変換す
ることを可能にし、作業能率の低下を来すような
ことがない。

又、スライデイングノズルに対する浸漬ノズル
の持ち込み時の姿勢及び位置制御は、浸漬ノズル
を保持するハンド部側と、スライデイングノズル
側、又はタンデイツシユ側に設けたハンド部位置
検出装置によつて電気的に制御するようにしたか
ら、従来のような位置合せピンとこれに嵌合する
ガイド部材とよりなる機械的制御構成に比べて格
段に精度、及び信頼度が向上し得る。

更に、一連のノズル交換作業に於いて、作業は
作業員の勘や経験に頼ることなく総て自動的に行
うことが可能で、作業を円滑かつ迅速に短時間で
遂行し得るものであり、而も作業は、比較的簡単
な構成の装置により遠隔操作化が可能となり、浸
漬ノズル交換時の高熱環境下に於ける主作業から
作業員を解放して所要人員を軽減出来る等の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の平面図、第２図は同側
面図、第３図は位置検出器の作動説明図、第４図
は浸漬ノズルの姿勢変更態様説明図である。 １……タンデイツシユ、２……開口、３……ス
ライデイングノズル、４……開口、５……ノズル
取付機構、６……昇降体、７……ノズルハンガ
ー、８……浸漬ノズル、９……モールド、１０…
…モールドカバー、１１……開口、１２……走行
台車、１３……走行用アクチユエータ、１４……
昇降ビーム、１５……ガイド部材、１６……昇降
用アクチユエータ、１７……ハンド部材、１８…
…レール、１９……ハンドシフト用アクチユエー
タ、２０……ノズルハンガー、２１……ノズル旋
回機構、２２……係合部材、２３……旋回用アク
チユエータ、２４……操作部旋回機構、２５……
旋回軸、２６……旋回用アクチユエータ、２７…
…操作用アクチユエータ、２８……係合部材、２
９……位置検出器、３０……位置検出器、３１…
…被測定体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続鋳造設備のタンデイツシユ底部に設けた
   スライデイングノズルに対して浸漬ノズルを取付
   けるに際し、ノズル交換装置の浸漬ノズルを保持
   するハンド部側と、スライデイングノズル側、又
   はタンデイツシユ鉄皮側に設けた非接触式ハンド
   部位置検出装置からの出力により、ハンド部がス
   ライデイングノズル側へ向けての移動途中に保持
   された浸漬ノズルを水平位置から垂直位置へ姿勢
   変更させることを特徴とする連続鋳造設備のノズ
   ル交換方法。