JPH0115303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来刈刃の上方に複数の掻込輪を順次噛合させ
て横方向に配列したコンバインは、刈刃の後方に
設けた横フレームから前方へ向けて複数の分草フ
レームを突設し、この分草フレームに前記掻込輪
を取付けるブラケツトを熔接していた。

従つて、刈取作業中分草フレームと掻込輪の間
及びその支持部材等に藁屑や雑草が詰り易く、分
草フレームが変形したり、又は作業中掻込輪が分
草フレームとともに大きく振動する等の欠点があ
つた。

また、分草フレームから掻込輪の軸が立ち上つ
ているので藁屑や雑草が掻込軸及びその輪に巻き
付き、それに土が混入して塊状となり掻込み性能
が著しく低下する欠点もあつた。

前記掻込輪の噛合部を前方へ回動する非掻込部
に形成し、この後部を横搬送経路に構成した場
合、それらの掻込輪の支持フレームが横移送及び
掻込の障害になると共に各掻込輪を刈取フレーム
から立設した個別の支持フレームにより支承する
と、掻込輪相互の間隔及び高さに誤差を生じ易い
という欠点があつた。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的と
するものであつて、刈刃の上方に、複数の掻込輪
を順次噛合させて横方向に配設し、そのうちの２
個の掻込輪の噛合部を前方へ向けて回動する非掻
込部に形成し、他の掻込輪を上記掻込輪の外側に
噛合させて掻込経路に形成し、一側の掻込輪を駆
動することにより他の掻込輪を従動させるように
したコンバインにおいて、刈刃の後部に設けた前
処理枠と一体な横フレームに、複数の支持フレー
ムを横方向に間隔を隔てて立設し、それらの支持
フレームの上部前面のブラケツトに前記掻込輪を
吊り下状に支承するに、前記非掻込部を形成する
一対の掻込輪の支持フレームを、噛合部の後部に
形成される凹部に入り込ませると共にこの支持フ
レームに両方の掻込輪を支承して掻込輪の下方に
広い空間を形成し、これらの掻込輪の後部を横搬
送経路に構成したことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
はコンバインの前処理枠であつて、その前部には
横フレーム２が熔接してあり、該横フレーム２の
両側下部と、中央前部と、それらの間の上面にそ
れぞれ分草フレーム３…を突設し、上記横フレー
ム２の両側部上面には上部を中央側へ向けて折曲
した支持フレーム４ａ，４ｃを立設し、中央部上
面には真直な支持フレーム４ｂを立設し、それら
の上部前面にはそれぞれ掻込ブラケツト５ａ，５
ｂ，５ｃが固定してあり、中央の掻込ブラケツト
５ｂと一体な受金６とその前方の分草フレーム３
上に固定した受金７とは連杆９で連結してある。

１０は後面にブラケツト１１を有する軸受筒で
あつて、それに挿通して支持した掻込軸１０′の
上部にはＶプーリー１２を取付け、下部には下面
に跳出板１３を有する掻込輪１４を螺着し、上記
Ｖプーリー１２とベルトフレーム１５の前部に軸
支したＶプーリー１２′とには可撓ラグを有する
掻込ベルト１６を張設して掻込装置が構成されて
いる。

そして、両側の前記掻込ブラケツト５ａ，５ｃ
にはそれぞれ一組の掻込装置のブラケツト１１，
１１を螺着し、中央の掻込ブラケツト５ｂには左
右２組の掻込装置のブラケツト１１，１１を螺着
することによりすべての掻込装置を吊り下げ状に
支持しており、各掻込輪１４…をそれぞれ噛合さ
せ、前方からみて左側の掻込軸１０′に取付けた
スプロケツト１７はその後方の駆動スプロケツト
１７′により掻込チエン１８を介して強制駆動さ
れているので他の掻込輪１４…は順次従動回転す
る。

また、中央の２組の掻込装置は一つの下向椀状
フレーム１９で結合してあり、該下向椀状フレー
ム１９は前記受金６，７の下面に接合してねじ２
０，２０により固定してある。

而して中央の２組の掻込装置の掻込ベルト１
６，１６の上面は稈ガイドを兼ねた一連のカバー
２１で覆つてあり、前記椀状フレーム１９の後面
にボルト２２により取付けた立面カバー２３はそ
の上縁が前記カバー２１の後端部下面に当接して
おり、該立面カバー２３の両側部は第２図及び第
３図に示すようにカバー２１及び下向椀状フレー
ム１９より幅狭となるように前方へ向けて円弧状
に折り曲げ、その前端下部をボルト２４，２４に
より下向椀状フレーム１９の上面に取付けられて
いるので下向椀状フレーム１９とカバー２１の両
側部間には空間２５が形成される。

２６は前方からみて右端の掻込軸１０′に取付
けたスプロケツト２７と後方の遊動スプロケツト
間に張設した掻込みチエンであり、２８は左側の
掻込装置の後部から中央の２組の掻込装置及び右
側の掻込装置の後方を経て後方の脱穀装置のフイ
ードチエンの前端に臨む株元搬送チエンであつ
て、該株元搬送チエン２８の横送り部分に対設し
た挟持レール２９は一対のアーム３０，３０にて
支持されており、それらのアーム３０，３０は前
記立面カバー２３に穿設した孔に挿入し、下向椀
状フレーム１９上に固定した取付金３１，３１に
弾機を介して装着してある。

また、前記下向椀状フレーム１９の前部左側に
は掻込通路３２に突出して左から２個目の掻込輪
１４の回転軌跡外に出て対向する掻込チエン１８
に沿うガイド杆３３が固定してあり、右側前部に
固定したガイド杆３４は右側の掻込通路３５内で
噛合する掻込輪１４，１４の上面から掻込チエン
２６に添い、その後方に固定したガイド杆３６は
掻込通路３５を斜めに横断して掻込チエン２６の
後端回行部に圧接している。

そして、前記中央の一対の掻込輪１４，１４を
支承する支持フレーム４ｂは、非掻込部となつて
いる噛合部の後部に形成される凹部に入り込んで
いるので、それらの後方に前記株元搬送チエン２
８の横送り部分（横搬送経路を構成する）を掻込
輪１４，１４に接近させて掻込経路及び機体の前
後長さを短くすることができる。

なお、図面中３７は穂側搬送帯、３８は案内
板、３９はガイドレールである。

前述の装置において、立毛穀稈は図示してない
が従来のコンバインと同様分草体により分草され
ると共に穀稈引起体により引き起されてから掻込
ベルト１６…、掻込輪１４…により掻込通路３
２，３５に掻き込まれて刈刃４０により刈り取ら
れる。

また、左側の掻込通路３２に掻込まれた穀稈は
中央の掻込装置の後方の移送経路を横送りされ、
右側の掻込通路３５からの穀稈は前記横送りされ
た穀稈に合流し、後方の脱穀装置に向けて株元搬
送チエン２８と穂側搬送帯３７とにより搬送され
る。

而して、立毛穀稈が掻込通路３２，３５に掻込
まれながら刈刃４０によつて刈取られると、株元
部に付着しているはかまと称する藁屑及び穀稈と
共に刈取られた雑草は穀稈から多量に脱落する
が、掻込輪１４…の下方には何もなく広に空間と
なつて地面に直接通じているので、そのまゝどこ
にも堆積することなく全量地面上に落下する。

また、中央の支持フレーム４ｂはそれが支持す
る左右の掻込輪１４，１４の噛合部と対応する部
位に立設してあるので、掻込軸１０′の直後に立
設した場合より、支持フレーム４ｂが後方の横移
送通路に突出して障害となることがなく、かつ掻
込輪１４，１４を前後方向に短い支持フレーム４
ｂに支持することができる。

更に掻込通路３２，３５の直下に位置する分草
フレーム３，３はその後端を横フレーム４上に熔
接して高くすることにより、第１図に示すように
刈取穀稈の株元端部の移動軌跡と交叉する点を掻
込輪１４の中心線よりやゝ後位となしたので、左
右から掻込まれて刈取られた穀稈の株元部は上記
分草フレーム３，３によつて受け止められながら
区分された状態で後送され、左右から掻き込まれ
る穀稈の株元部が互に交叉して乱れることがなく
整然と合流させながら掻込むことができる。

本考案は前述のように刈刃の上方に、複数の掻
込輪を順次噛合させて横方向に配設し、そのうち
の２個の掻込輪は噛合部が前方へ向けて回動する
非掻込部に形成し、他の掻込輪を上記掻込輪の外
側に噛合させて掻込経路に形成し、一側の掻込輪
を駆動することにより他の掻込輪を従動させるよ
うにしたコンバインにおいて、刈刃の後部に設け
た前処理枠と一体な横フレームに、複数の支持フ
レームを横方向に間隔を隔てて立設し、それらの
支持フレームの上部前面のブラケツトに前記掻込
輪を吊り下状に支承するに、非掻込部を形成する
前記一対の掻込輪の支持フレームを、噛合部の後
部に形成される凹部に入り込ませると共にこの支
持フレームに両方の掻込輪を支承して掻込輪の下
方に広い空間を形成し、これらの掻込輪の後部を
横搬送経路に構成したので、刈刃により刈取られ
て掻込まれる穀稈から藁屑や雑草が多量に脱落し
てもそれが掻込輪の下方の広い空間から地面上に
自在に落下することとなり、従来のもののように
分草フレーム、掻込輪及び掻込軸の下部にある支
持フレーム、ブラケツト等の支持部材に上記藁屑
等が詰つたり、それに土が混入して塊状となつて
掻込性能及び刈取性能が低下することがない。

また、掻込軸は前処理枠と一体な横フレームに
支承されているので作業中に大きく振動すること
がなく、刈取穀稈を安定した状態で整然と掻き込
むことができると共に非掻込部を構成する掻込輪
及びその外側に噛合して掻込経路を構成する掻込
輪の高さ及び間隔を正確に設定することができ
る。

更に、前記非掻込部を形成する一対の掻込輪
を、一つの支持フレームにより支持し得て構成を
簡略化することができると共にその下部の空間を
一層広くして藁屑や雑草が詰まるのを更に効果的
に防止することができ、かつ、それらの掻込輪の
後部に形成される横搬送経路を掻込輪に接近させ
て掻込経路及び機体の前後長さを短くすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの前処理装置の一部断面を示
す側面図、第２図は第１図のＡ矢視図、第３図は
第１図のＢ矢視図、第４図はフレームの分解斜視
図である。 １……前処理フレーム、２……横フレーム、３
……分草フレーム、４ａ，４ｂ，４ｃ……支持フ
レーム、５ａ，５ｂ，５ｃ……掻込ブラケツト、
１４……掻込輪、１６……掻込ベルト、４０……
刈刃。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈刃の上方に、複数の掻込輪を順次噛合させて
   横方向に配設し、そのうちの２個の掻込輪の噛合
   部を前方へ向けて回動する非掻込部に形成し、他
   の掻込輪を上記掻込輪の外側に噛合させて掻込経
   路に形成し、一側の掻込輪を駆動することにより
   他の掻込輪を従動させるようにしたコンバインに
   おいて、刈刃の後部に設けた前処理枠と一体な横
   フレームに、複数の支持フレームを横方向に間隔
   を隔てて立設し、それらの支持フレームの上部前
   面のブラケツトに前記掻込輪を吊り下状に支承す
   るに、前記非掻込部を形成する一対の掻込輪の支
   持フレームを、噛合部の後部に形成される凹部に
   入り込ませると共にこの支持フレームに両方の掻
   込輪を支承して掻込輪の下方に広い空間を形成
   し、これらの掻込輪の後部を横搬送経路に構成し
   たことを特徴とするコンバインの刈取装置。