JPH0114988Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ヘツド摩耗に対する点も考慮しな
がら、信号の記録さらに再生特性を改良し得るよ
うにする、例えば固定ヘツド式ビデオテープレコ
ーダに使用される磁気ヘツド装置に関する。

固定ヘツド式の例えばエンドレステープ装置に
よつて、ビデオ信号を記録再生することが考えら
れている。このようなテープ装置にあつては、磁
気テープを毎秒数メートルの高速状態で走行駆動
すると共に、テープの幅方向に多数の記録トラツ
クを形成し、このトラツクをテープの周回走行毎
に順次連続させて、長時間にわたるビデオ信号を
記録再生し得るようにしている。したがつて、こ
こで使用されるヘツド機構にあつては、テープ幅
方向に多数のトラツクを高密度に形成するため
に、充分に記録および再生幅を小さくしたヘツド
チツプを有するものとされる。また、高速に走行
されるテープに対して、高密度の信号を確実に記
録し、再生するために、その小さなヘツドチツプ
を充分な圧力でテープに接触するように設定する
ものである。

第１図はこのようなヘツド機構部の構造を示す
もので、テープ１１はこのテープ１１の幅方向に
延びる軸線で形成される円筒面状のテープガイド
１２に沿つて走行駆動されるもので、このテープ
１１に充分な張力を設定し、テープ１１がテープ
ガイド１２の突出する円筒面に圧接される状態で
滑り走行されるようにする。そして、このテープ
ガイド１２の略中央部に開口１３を形成し、この
開口１３からヘツド取付ベース１４に取り付けた
記録再生ヘツド１５の先端チツプ部を突出させ、
テープガイド１２面を走行するテープ１１に接触
させるようにする。そして、上記テープガイド１
２はヘツド取付ベース１４に一体的に結合し、テ
ープガイド１２とヘツド１５が一体的に構成され
るようにする。

この場合、図示してないが、テープガイド１２
とヘツド１５の一体構造物は、例えばパルスモー
タで回転制御されるねじ軸機構によつて、テープ
１１の幅方向にステツプ移動されるように構成
し、テープ１１の幅方向に並べて形成される多数
の記録トラツクに、ヘツド１５が順次対応トラツ
キングされるようにしてなる。

このようなヘツド機構にあつては、ヘツドチツ
プとテープ１１とが確実に接触し、ドロツプアウ
ト等の信号の記録再生特性を得るために、ヘツド
１５のチツプ部をテープガイド１２の面より突出
設定し、テープガイド１２面に圧接走行するテー
プ１１にあつて、ヘツド１５のチツプ圧力による
突出変形が存在する状態とされる。このテープ１
１とヘツド１５との接触圧力を増加させるために
は、ヘツド１５のガイド面からの突出量Ｅを増大
させれば良いものである。しかし、この突出量Ｅ
を増大させることは、ヘツド１５のチツプの摩耗
を著るしく増大させることになり、ヘツド１５の
寿命、さらに記録再生特性の長期間にわたる安定
性が問題となるものである。

この考案は上記のような点に鑑みてなされたも
ので、ヘツド摩耗を増大することなく、ヘツドチ
ツプがより確実にテープに接触し、例えば信号ド
ロツプアウト等の発生を効果的に防止し得るよう
に構成する磁気ヘツド装置を提供しようとするも
のである。

以下この考案の一実施例を図面を参照して説明
する。すなわち、第２図および第３図に示すよう
に、走行するテープ１１は円筒面状のテープガイ
ド１２に圧接される状態で摺接されるもので、こ
のテープガイド１２に形成した開口１３から、取
付ベース１４に取り付けた記録再生ヘツド１５が
突出設定されるものである。そして、このヘツド
１５の先端チツプ部は、第１図で説明したと同様
に、テープガイド１２のガイド面から突出するよ
うに設定されている。

そして、このテープガイド１２の開口１３部の
周囲には、切欠きによる凹欠部１６が形成され
る。この凹欠部１６は、ヘツド１５を保護する状
態の開口１３よりも大きな範囲に設定されるもの
で、少なくとも突出するヘツド１５によるテープ
１１の突出変形範囲L1よりも大きな範囲L2に設
定される。この場合、その大きさは走行するテー
プ１１を充分案内することができる大きさ範囲内
にとどめられる。

すなわち、磁気ヘツド装置を上記のように構成
すると、ヘツド１５のチツプに対するテープ１１
の接触圧力は、ヘツドチツプのテープガイド１２
面よりの突出量に対応した状態となる。また、ヘ
ツド１５の接触によるテープ１１の変形範囲より
大きな範囲で凹欠部１６が形成されるため、この
凹欠部１６に対応するテープ部分は、その伸縮性
によりヘツド１５のチツプに良好に且つ確実に接
触するようになり、テープ１１の磁性面に対する
信号の記録再生特性が安定されるようになる。

以上のようにこの考案によれば、ヘツド摩耗に
影響を与えるヘツド圧力を特に増加させることな
く、テープとヘツドチツプの接触法を良好に保証
し得る状態となるものであり、ヘツドの長寿命化
と共に、記録再生特性の向上に大きな効果を発揮
する。

尚、実施例ではテープガイドに開口を設け、こ
の開口からヘツドチツプを突出する状態で示した
が、例えばテープガイドをヘツド位置に対応して
テープ走行方向で前後２分割設定したような場合
でも同様に実施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこれまで考えられていた磁気ヘツドを
説明する図、第２図はこの考案の一実施例に係る
ヘツド装置を示す斜視図、第３図は第２図の−
線に相当する断面図である。 １１…テープ、１２…テープガイド、１３…開
口、１５…記録再生ヘツド、１６…凹欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行するテープが滑り圧接されるテープガイド
   に開口を形成し、その開口部から記録再生ヘツド
   のチツプ先端を上記テープガイドのテープ接触面
   より突出させて上記テープに接触させると共に、
   上記開口部の突出するヘツドチツプ周囲に、少な
   くともこの突出するチツプで突出変形するテープ
   の変形範囲を越える広さで凹欠部を形成するよう
   にしてなる磁気ヘツド装置。