JPH0114059B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はダンプカーの荷箱に関し、２つの後方
煽戸を使い分けて多用途化をはかるものである。

（従来の技術） ダム工事、砕石現場等で使用される岩石運搬用
ダンプカーで通常スクープ型と称され、後方煽戸
を有しないタイプのものがあつた。

また、主として土砂運搬用のダンプカーで荷箱
の後端に後方煽戸の上端を枢着し、荷箱の傾倒時
に枢着部を中心に後方煽戸を開く下開きタイプの
ものがあつた。

さらに、主に岩石運搬用であるダンプカーに積
荷案内を兼ねた後方煽戸を設けたものとして特公
昭54−30564号公報に示されるタイプのものがあ
り、これは荷箱の後端下部に後方煽戸の下端を枢
着し、荷箱の傾倒時に枢着部を中心に後方煽戸を
開く上開きタイプのものであつた。

（本発明が解決しようとする問題点） 従来のダンプカーはいずれも排出方式が限定さ
れ、例えば土砂運搬時は下開きとし、岩石運搬時
は上開きで、かつ後方煽戸で積荷案内ができるよ
うにしたものはなかつた。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決するために本発明では車体上に
傾倒可能に載置した荷箱の後方床面には後端まで
開口した切欠部を形成し、該切欠部前端に下端が
枢支され伏倒時、前記切欠部全体を遮蔽するとと
もに荷箱床面に連続する略同一平面を形成可能な
第１後方煽戸を設け、該第１後方煽戸の下端に突
設された突杆と車体との間には荷箱の傾倒に関連
して第１後方煽戸の起伏を規制する屈折リンクを
設け、該屈折リンクもしくは屈折リンクと突杆と
の間もしくは屈折リンクと車体との間には脱着ピ
ン等からなる脱着部を設けて脱着可能に形成し、
さらに荷箱後端には第１後方煽戸の後方に位置し
て下開きの第２後方煽戸を離脱装着自在に構成し
てなり、前記脱着部を連結して第１後方煽戸を起
立するとともに第２後方煽戸を離脱して形成され
る荷箱状態と、前記脱着部を離脱して切欠部に伏
倒し第１後方煽戸で床面を形成するとともに第２
後方煽戸を装置して形成される荷箱状態とに選択
可能であることを特徴とするものである。

（実施例） 本発明の実施例を図面により説明すると、１は
ダンプカーの車体で、該車体１上には荷箱２が後
端部おいてヒンジ部３を中心としてダンプ機構
（図示せず）によつて後方に傾倒可能に載置され
ている。荷箱２の後方床面には後端まで開口した
切欠部が形成され、該切欠部の前端には第１後方
煽戸５の下端が枢支４され、第１後方煽戸５は伏
倒時に切欠部全体を遮蔽する大きさとされてい
る。また、第１後方煽戸５の下端には枢支部４を
介して突杆６が突設され、該突杆６と車体１との
間には屈折リンクが設けられている。屈折リンク
は荷箱２の傾倒に関連して第１後方煽戸５の起伏
を規制するもので一端が突杆６の端部に枢支８さ
れたリンク１３と一端が車体１後端に枢支７され
たリンク１４とよりなり、リンク１３，１４の他
端同志は枢支１５されている。これらの枢支部
７，８，１５のうち少なくとも一箇所は脱着ピン
等で脱着自在に構成された脱着部とされている。
１１はストツパで荷箱２の側板の後部内側に固設
され、伏倒時の第１後方煽戸５を支持するもの
で、これにより第１後方煽戸５は荷箱２の床面に
連続する略同一平面を形成する。

さらに、１６は第２後方煽戸で上端が荷箱２の
後端上部に脱着可能に枢支１７され、枢支部１７
を中心に下開き可能とされる。

次に、本発明の作用について説明すると岩石等
の塊状物を運搬する際にはあらかじめ枢支部１７
を解除して第２後方煽戸１６を取りはずしてお
く。

一方、第１後方煽戸５は伸長状態の屈折リンク
を介して車体１と連結され実線図示のように起立
されている。

岩石等の排出時にはダンプ機構によりヒンジ部
３を中心として時計方向に傾倒すると第１後方煽
戸５もその自重及び積荷負荷により枢支部４を中
心に時計方向に伏倒する。この際、屈折リンクが
第１後方煽戸５の伏倒力を受けて伸長状態にある
ため、適当な荷箱の傾動角度（略20〜30度）まで
第１後方煽戸５は伏倒を続ける。そして、第１後
方煽戸５がストツパ１１に当接支持されると全開
状態となり、それ以降の荷箱傾倒には関連せず伏
倒は阻止され荷箱２の床面と連続した略同一平面
を形成し積荷の排出を案内するが屈折リンクは屈
折作動される。

また、土砂等の流動物の運搬時には脱着部であ
る枢支部８（枢支部７または１５でもよい）を離
脱することにより第１後方煽戸５を二点鎖線図示
のように床面と略同一平面上に伏倒して切欠部を
遮蔽するとともに第２後方煽戸１６を枢支１７し
ておく。

（発明の効果） 以上のような本発明によれば、積荷種類に応じ
て第１・第２後方煽戸を選択的に用いることがで
き、一台のダンプカーで多用途化することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る煽戸を備えた荷箱の側面図
（一部破断）である。 １……車体、２……荷箱、４……枢支部、５…
…第１後方煽戸、６……突杆、７，８，１５……
枢支部（脱着部、１３，１４……リンク（屈折リ
ンク）、１６……第２後方煽戸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体上に傾倒可能に載置した荷箱の後方床面
   には後端まで開口した切欠部を形成し、該切欠部
   前端に下端が枢支され伏倒時、前記切欠部全体を
   遮蔽するとともに荷箱床面に連続する略同一平面
   を形成可能な第１後方煽戸を設け、該第１後方煽
   戸の下端に突設された突杆と車体との間には荷箱
   の傾倒に関連して第１後方煽戸の起伏を規制する
   屈折リンクを設け、該屈折リンクもしくは屈折リ
   ンクと突杆との間もしくは屈折リンクと車体との
   間には脱着ピン等からなる脱着部を設けて脱着可
   能に形成し、さらに荷箱後端には第１後方煽戸の
   後方に位置して下開きの第２後方煽戸を離脱装着
   自在に構成してなり、前記脱着部を連結して第１
   後方煽戸を起立するとともに第２後方煽戸を離脱
   して形成される荷箱状態と、前記脱着部を離脱し
   て切欠部に伏倒し、第１後方煽戸で床面を形成す
   るとともに第２後方煽戸を装着して形成される荷
   箱状態とに選択可能であることを特徴とするダン
   プカーの荷箱。