JPH01138004A - 内部品質の良好な厚鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、内部品質の良好な厚鋼板の製造方法に関し、
さらに詳しくは、厚鋼板の素材として通常使用されてい
る厚板用スラブに比較して、断面積が小さいがゆえに偏
析の少ないブルームを使用することにより、偏析が少な
く内部品質の良好な厚鋼板を効率的に製造する方法に関
する。

（従来技術） 近年、連続鋳造技術の進歩に伴い、厚鋼板の製造には主
に生産効率が良いことから連続鋳造で製造された厚板用
スラブ（以下スラブという）が使用されているが、内部
品質の厳しい用途に使用される厚鋼板をスラブから製造
すると、スラブ自体が大断面であることから連続鋳造時
にその内部品質、特に偏析を改良するにも限度があり、
従って、スラブから製造された厚鋼板を、例えば、金型
用鋼板に使用する場合、その機械加工時において、偏析
に起因する板厚中央部の硬化部を加工する際に、工具の
早期摩耗や損傷が生じて問題となっている。また、偏析
部をドリルで穿孔すると、孔の方向が所期の方向に対し
て僅かに曲がる場合があり、金型の寸法精度が厳しい今
日では問題となりつつある。

そこで、厚鋼板の偏析の軽減策として、１２００°Ｃ前
後の高温下で１０時間以上加熱して拡散均熱処理を施し
たスラブの使用や、一方向凝固鋼塊から製造されたスラ
ブの使用等が実用化されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、これ等の方法においても、次のような問
題がある。すなわち、拡散均熱処理を施したスラブを使
用する方法では、拡散均熱処理時に、高温且つ長時間の
加熱を伴うことから、著しいエネルギーコストの上昇が
ありコスト高になる。また、一方向凝固鋼塊から製造さ
れたスラブを使用する方法では、鋼塊トップ部の濃厚偏
析帯の除去に当たって、機械的な切削、グラインダ研削
、スカーフィング等が行われ、これ等の作業は煩雑であ
り、工数の増加を招くと共にコスト高になる。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記のような背景から、エネルギーコストや
工数等の大幅な増加を伴うことなく、しかも、連続鋳造
で製造された厚板用スラブから製造された厚鋼板と比較
して、偏析の少ない内部品質の良好な厚鋼板の製造方法
を提供するもので、その要旨は、所定長さに切断された
幅１０００ｍｍ未満のブルームの２個以上を、厚さ方向
の側面同士を当接して配置し、その上および下当接面部
をブルーム厚さの０．０５倍以上の深さにそれぞれ溶接
接合した後、幅出し圧延を行うものである。

（作　　用） ブルームは、スラブに比較して断面積が小さいので、凝
固時の冷却速度制御がし易く、偏析の生じる固相一液相
共存温度域を短時間で通過させ得ること、および、スラ
ブに比較して幅と厚さとの差が小さいので、近年多用さ
れるようになった電磁攪拌が掛は易く、また、その作用
が及び易いことから、スラブに比較して偏析を少なくし
得、従って、このように内部品質の良好なブルームを用
いることにより、確実に偏析の少ない内部品質の良好な
厚鋼板が得られる。

しかし、ブルームは、スラブに比較して一般に幅が狭い
ので、通常要求される厚鋼板の幅が１０００閣以上であ
ることから、幅出し圧延を行って広幅にする必要がある
。

ところで、この種の圧延機は大重量の鋼片を圧延するた
め、圧延機の入側および出側に設けられているテーブル
ローラのローラはその大重量を支えるため、一般に大径
に造られ、ローラ間隔が大きいものになっている。この
ため、所定長さに切断されたブルームを横にして安定し
た状態で圧延機に送給するには問題があり、そこで、所
定長さに切断したブルームの２個以上を、厚さ方向の側
面同士を当接して配置し、その上および下当接面部をそ
れぞれ溶接接合して、一般に使用されているローラ間隔
以上の長さにして、安定した状態で圧延機に送給するも
のである。

また、上および下当接面部をブルーム厚さの０゜０５倍
以上の深さに溶接接合するのは、幅出し圧延の際、溶接
接合部から破断するのを防止するためで、ブルーム厚さ
の０．０５倍未満の溶接深さでは、幅出し圧延の負荷に
耐え得ず破断する危険があるためである。実際、厚さ２
５０ｍｍのスラブを２枚突合わせて、第１表に示す開先
加工を行い、サブマージアーク溶接を行って、溶接線の
方向と直角な方向で厚さ５０ｒｎｍまで熱間圧延し、圧
延途中および最終仕上状態での溶接接合部の状況を調査
したところ、第１表に示す結果を得た。

第１表 第１表から明らかなように、厚さ２５０謹全てに渡って
溶接した試料Ｎｏ、　１は、最終仕上状態でも完全に接
合していた。但しこの方法では溶接パス数が約１２０も
要し、溶接工数が掛かり好ましい方法とは言い難い。試
料ＮＯ４２は、接合面が少な（圧延中に破断した。試料
Ｎ０１３および試料Ｎ０１４は、圧延が厚さ５０ｍｍに
近ずくにつれ、溶接線の両サイドに切れ込みが生じるも
のの、圧延には充分耐え得、しかも、溶接パス数は、試
料Ｎ０１３の場合１パスで、試料Ｎｏ、　４の場合４バ
スで溶接接合し得、溶接工数も少なくてすむ。

（実　施　例） 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。

第２表に示す鋼種および寸法のブルームを準備し、幅１
０００ｍｍ未満のブルームはそれぞれ２乃至３個を表記
の溶接条件で溶接して、幅１０００ｓ以上にして、幅出
し圧延を含んで厚さ５０１ＩＩＩｎまで熱間圧延した。

また、幅１０００ｍｍ以上のスラブを比較材として同様
の圧延を行った。そして、これ等の圧延中における接合
部の破断の有無および圧延後の板厚中央部の偏析を偏析
の程度を示す尺度としての値（（板厚中央部の硬さ）／
（表面２Ｍ下の硬さ））で訓べた。これ等の結果も第２
表に示す。

第２表から明らかなように、試料Ｎｏ、　Ａ　−Ｆは、
溶接接合部が圧延中に破断することなく、且つ、元々偏
析の少ないブルームを用いているので、圧延後の偏析部
の硬さは表面部の硬さに比較して僅かに高い（１，１倍
以下）程度であり、偏析が軽微なものであることが分か
る。

これに対し、試料Ｎｏ、ＧおよびＨは、スラブであって
、圧延後の偏析部の硬さは表面部の硬さに比較して１．
３倍以上もあり、偏析が著しいことが分かる。また、試
料Ｎｏ、　ＩおよびＪは、溶接接合部の熔接深さが浅い
ため、圧延中に破断した。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明によれば、エネルギーコスト
や工数等の大幅な増加を伴うことなく、しかも、偏析の
少ない内部品質の良好な厚鋼板を製造することが出来る
。

特許出願人　株式会社神戸製鋼所 代理人　弁理士　金　丸　章　−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　所定長さに切断された幅１０００ｍ未満のブルームの
   ２個以上を、厚さ方向の側面同士を当接して配置し、そ
   の上および下当接面部をブルーム厚さの０．０５倍以上
   の深さにそれぞれ溶接接合した後、幅出し圧延を行うこ
   とを特徴とする内部品質の良好な厚鋼板の製造方法