JPH0113340Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主に衛星放送用の室内外において使
用される機器および関連機器間の電気的接続に用
いる同軸コネクタに関するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案の目的は、同軸ケーブルの保持力が強く
て、その内部および外部導体の電気的接続を確実
にして、かつ簡易になし得ると共に、防水性にも
優れた高性能の同軸コネクタを提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） この目的のため、本考案は、絶縁物を介して嵌
合部を有する中心コンタクトが内装されたシエル
と、このシエルの内周段部にそのつば部を係合さ
せて同軸状に配設されたスリーブと、このスリー
ブの中空軸部に前後のワツシヤを介して外挿され
たガスケツトと、シエルの雌ねじと螺合する雄ね
じを有し、かつ中心軸方向に同軸ケーブル挿通孔
を有する締付ナツトとを備え、締付ナツトの挿通
孔を介して挿通された同軸ケーブルの内部導体が
中心コンタクトの嵌合部に内挿されて電気的接続
され、同軸ケーブルの外部導体がスリーブのつば
部とワツシヤで挾着されると共に、シエルに対す
る締付ナツトの締着によりガスケツトが軸方向に
押圧されて、このガスケツトの軸方向と半径方向
とへの圧縮力によつて外被と共に外部導体が一体
的に電気的接続される構成を特徴とするものであ
る。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

第１図は全体の半断面図で、黄銅製の円筒形の
シエル１は大径の部分２と小径の部分３、つば部
４および部分３よりもやや小径の部分５を一体に
有すると共に、部分２の内周面には、その開口端
から内方の略中間部位にかけて雌ねじ６が刻設さ
れ、また部分２内の非ねじ部分にして、かつ部分
３との境部位には段部７が周設されると共に、部
分３内にも段部８が周設され、さらにつば部４と
部分５との境部分の内部にも段部９が周設されて
いる。そして部分３内には、中心軸方向に後述す
る同軸ケーブルの内部導体挿通孔１１を有すると
共に、テーパー状の座グリ１２を有するポリエチ
レン樹脂製の絶縁物１０が段部８に係止せしめて
一体的に固装され、また部分３の一部から部分５
にかけてはその内部に、ポリエチレン樹脂製の絶
縁物１３がその段部１４を段部９に係止せしめて
一体的に固装されると共に、この絶縁物１３の中
心軸方向には、中心コンタクト１５がそのスリ割
状の嵌合部１６を絶縁物１０との間に位置させた
状態をもつて固装されている。

シエル１の部分２の内部には、黄銅製のスリー
ブ１７が配設されている。

このスリーブ１７は、第２図に示すように、シ
エル１の部分２の内径と略同径のつば部１８とや
や小径の中空軸部１９を一体に有する倒Ｔ字形で
あつて、その軸部１９の中間部位外周面には凹部
２０が周設されると共に、その後端はテーパー付
周縁部２１となつている。

そして、このスリーブ１７は、前記したよう
に、そのつば部１８を段部７に係止せしめて同軸
状に配設されている。

なお、スリーブ１７における中空軸部１９の凹
部２０は、後述する同軸ケーブル結線において、
外被の圧着を介しての外部導体の挾着をより確実
に行わせるためであり、またテーパー付周縁部２
１は、ケーブル接続時における同軸ケーブルの外
部導体と絶縁物間への挿入を容易とするためであ
る。

スリーブ１７の中空軸部１９には、前後一対の
黄銅製のワツシヤ２２，２２′を介してクロロプ
レンゴム製のガスケツト２３が外挿されている。

一対のワツシヤ２２，２２′の外径はスリーブ
つば部１８と同径であり、またガスケツト２３の
外径はワツシヤ２２，２２′のそれよりも僅少小
さく、その長さはスリーブ凹部２０のやや外端か
らテーパー付周縁部２１にかかる長さに設定さ
れ、さらにガスケツト２３の内周面（ワツシヤ２
２，２２′の内周面も含む）とスリーブ１７の中
空軸部１９の外周面との空隙部２４は、同軸ケー
ブルの外被と外部導体が挿入されるに充分な空隙
に設定されている。

シエル１内に配設された後部のワツシヤ２２′
は、雌ねじ６の後方寄りの部位に位置し、雌ねじ
６には黄銅製の締付ナツト２５が軸方向に進退可
能として螺着されている。

締付ナツト２５は、その軸部２６にシエル１の
雌ねじ６と螺合する雄ねじ２７を有すると共に、
その中心軸方向には同軸ケーブル挿通孔２８を有
している。

なお、数字２９は、シエル１の部分５に外挿着
されたクロロプレンゴム製のガスケツトを示し、
また数字３０は、その端縁部をシエル１のつば部
４の部分にカシメ止めしてシエル１に外挿着され
た黄銅製の接続ナツトを示す。

（作用） 次に、以上の構成に係る本案コネクタと同軸ケ
ーブル（以下、ケーブルという）１００との接続
方法を第３図および第４図を参照して説明する。

先ず、ケーブル１００に締付ナツト２５、後部
のワツシヤ２２′、ガスケツト２３および前部の
ワツシヤ２２を外挿して、ケーブル１００の外被
１０１を切り取り、次いで、外部導体１０２を所
定の長さに切つた後、外被１０１の切り取りによ
り露出した絶縁物１０３側より、スリーブ１７の
中空軸部１９を外挿して、その軸部１９を絶縁物
１０３と外部導体１０２との間に圧入して、外部
導体１０２と電気接触させると共に、外部導体１
０２の切断部分をスリーブ１７のつば部１８に電
気接触させ、前部のワツシヤ２２と共にガスケツ
ト２３を圧着させて、外部導体１０２の切断部分
をワツシヤ２２とスリーブつば部１８で挾持し、
次いで、内部導体１０４を所定の長さに切断した
後、この内部導体１０４をシエル１の部分２の開
口部より挿入して、中心コンタクト１５の嵌合部
１６に挿着して電気接触させ、次いで、締付ナツ
ト２５をスパナでその雄ねじ２７とシエル１の雌
ねじ６との螺合を介してワツシヤ２２′と共に締
着する。

すると、締付ナツト２５の軸部２６の前端面に
よるワツシヤ２２′を介して軸方向への押圧力に
よつて、ガスケツト２３はワツシヤ２２との間で
圧縮変形すると共に、その圧縮力は第４図に拡大
して示すように、軸方向（矢印Ａ方向）と半径方
向（矢印Ｂ方向）に働いて、外部導体１０２は、
ワツシヤ２２とスリーブ１７のつば部１８との挾
着および外被１０１とスリーブ１７における凹部
２０を含む中空軸部１９との挾着により一体的に
強固に接続されて、ケーブル１００全体が強固に
保持されると共に、ガスケツト２３の圧縮変形に
よつて防水的に接続保持される。

（考案の効果） 以上説明したところから明らかなように、本考
案によれば、同軸ケーブルの外部導体をスリーブ
と一対のワツシヤ、ガスケツトおよび締付ナツト
等の有機的結合によつて強固に接続し得ると共
に、同軸ケーブル全体もきわめて強固にして、か
つ防水性に接続し得るので、同軸ケーブルの保持
力と防水性に優れると共に、ガスケツトの圧縮力
による同軸ケーブルの保持力がきわめて強い結
果、同軸ケーブルの内部導体の接続は中心コンタ
クトの嵌合部に挿入接触させるだけでよくて、従
来のような半田付接続を要せず、また締付ナツト
をスパナでシエルに締着させるだけで同軸ケーブ
ルをガスケツトの圧縮作用によつて強固にして確
実、かつ防水的に接続し得ると共に、ケーブル接
続の作業性が良くてその作業コストを低減し得る
等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る同軸コネクタの一例での
半断面図、第２図はスリーブの半断面図、第３図
は同軸ケーブルの接続状態を示す半断面図、第４
図は同上要部の拡大半断面図である。 １……シエル、６……雌ねじ、７……段部、１
０，１３……絶縁物、１５……中心コンタクト、
１６……嵌合部、１７……スリーブ、１８……つ
ば部、１９……中空軸部、２０……凹部、２１…
…テーパー付周縁部、２２，２２′……一対のワ
ツシヤ、２３……ガスケツト、２５……締付ナツ
ト、２７……雄ねじ、２８……同軸ケーブル挿通
孔、１００……同軸ケーブル、１０１……外被、
１０２……外部導体、１０４……内部導体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 絶縁物を介して嵌合部を有する中心コンタク
   トが内装されたシエルと、このシエルの内周段
   部にそのつば部を係合させて同軸状に配設され
   たスリーブと、このスリーブの中空軸部に前後
   のワツシヤを介して外挿されたガスケツトと、
   前記シエルの雌ねじと螺合する雄ねじを有し、
   かつ中心軸方向に同軸ケーブル挿通孔を有する
   締付ナツトとを備え、締付ナツトの挿通孔を介
   して挿通された同軸ケーブルの内部導体が中心
   コンタクトの嵌合部に内挿されて電気的接続さ
   れ、同軸ケーブルの外部導体が前記スリーブの
   つば部とワツシヤで挾着されると共に、前記シ
   エルに対する締付ナツトの締着により前記ガス
   ケツトが軸方向に押圧されて、このガスケツト
   の軸方向と半径方向とへの圧縮力によつて外被
   と共に外部導体が一体的に電気的接続される構
   成を特徴とする同軸コネクタ。 ２ 前記スリーブにおける中空軸部の外周面に凹
   部が周設されると共に、その後端周縁部がテー
   パー付周縁部となつている実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の同軸コネクタ。