JPH0113222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は少なくともバーナーヘツドをセラミツ
ク化したガスバーナー装置に関する。

〔従来の技術〕

加熱装置例えばガスコンロのバーナーにあつて
は、略筒状に形成されたバーナーボデイと、外周
縁部下面に多数の突子歯を有するバーナーヘツド
を備えており、バーナーヘツドをバーナーボデイ
上に載置した構成とし、突子歯間に生ずる隙間を
小火口としている。ところで、バーナーヘツドは
一般に耐錆性の強い金属例えば真ちゆうにより形
成されているものの、高温度環境下に晒される関
係上、長期使用に伴いバーナーヘツドが錆や変質
を生じ劣化してしまうことがある。このため近
時、バーナーヘツドを耐火、耐熱および耐熱衝撃
性をともに有する材料、セラミツクにより成形し
てバーナーヘツドの劣化を防ぎ、耐久性を大幅に
向上させることが考えられている。

しかしながら、ガス体の燃焼時に炎によりバー
ナーヘツドの外周縁部が酷熱状態になり全体の温
度分布に極端なむらが生じ膨脹量の差により変形
力が加わり、亀裂発生の原因となる不具合が予想
される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

したがつて本考案は少なくともバーナーヘツド
をセラミツクにより形成しながらも亀裂が生じな
いよう構成し、耐火、耐熱および耐熱衝撃性が優
れ、耐久性を大幅に向上するガスバーナー装置を
提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、燃料ガスと一次空気とを混合するた
めの筒状バーナーボデイと、該バーナーボデイと
一体または別体で形成され外周縁に小火口群が列
設されたバーナーヘツドとを備え、少なくとも前
記バーナーヘツドがセラミツクにより形成される
と共に複数部分に分割構成されていることを特徴
とする。

〔作用〕

使用時、バーナーヘツドが温度分布差の大きい
不均一状態に加熱された場合、膨脹量の差により
生ずる変形力は分割端部により解放されるように
なり亀裂の発生が未然に防止される。

〔実施例〕

以下、本考案をガスコンロに適用した第一実施
例を第１図ないし第５図に基づいて説明する。

ガスコンロの外ケース１の上面には第１図に見
られるよう左右一対の収納部２，２が設けられ各
収納部２，２には、バーナーボデイ３とこれに載
置されたバーナーヘツド４とからなるバーナー５
を収容している。このバーナーボデイ３は燃料ガ
スと一次空気を混合するもので、断面が略コ字状
で全体的に環状を成しており、その上面を載置部
３ａとする。前記バーナーヘツド４は、コージエ
ライトを主成分とするセラミツクにより円形皿状
に形成されたもので、外周縁部下面には相互間を
小火口７とする多数の突子歯４ａを有し、中央部
には上下に開口する導風筒８を有す。

かかるバーナーヘツド４は直径方向いつぱいに
亘る分割端面９を境にして二分割されており、分
割端面９間にセラミツクウールなどの耐熱、可撓
性のシール部材１０を設けると共に、環状の連結
部材１１を導風筒８に嵌め込んでバーナーヘツド
４を一体的に保持している。

上記構成にて、調理時にはガス体が炎１２とし
て第２図のように上部に吹出し、ガスコンロ上に
載置された調理鍋（図示せず）を加熱する。この
場合、バーナーヘツド４の外周縁部は中心部に比
較して極端に強い熱を受け高い温度となる。ちな
みに、バーナーヘツド４の中心部では200℃程度
であるのに対して外周縁部では600℃程度の高温
になることが分かつている。この結果、バーナー
ヘツド４の中心部と外周部との間で膨脹量に大き
な差が生じ、この差が変形力として作用するが、
上記構成ではバーナーヘツド４を二分割にしたの
で、その熱膨脹に伴いバーナーヘツド４の分割端
面９の変位が許容され、膨脹による変形力は外部
に解放され亀裂などの発生の虞れがない。したが
つて、セラミツク固有の性質により耐火、、耐熱、
耐熱衝撃性にともに優れ耐久性が向上する。しか
も、バーナーヘツド４は従来の金属性のものと異
なり長期使用しても錆や変質など劣化の原因が生
じないので、この点からも耐久性が向上する。

なお、バーナーヘツド４には第６図に示すよう
に分割端面９の一方に凹条溝１３を設け他方に凸
条部１４を形成し、凹条溝１３内にセラミツクウ
ールなどのシール部材１５を設け、この状態で凹
条溝１３と凸条部１４とを所定の間隙を余して嵌
合しても良い。さらには、バーナーヘツド４の外
周側端部に第７図および第８図に示すよう凹条溝
１６を形成し、この凹条溝１６にワイヤ状の連結
リング１７を嵌め込みバーナーヘツド４を保持す
るようにしてもよい。この場合、連結リングを形
状記憶合金により形成し、常温では遊嵌状態で高
温にて連結リングが縮径してバーナーヘツド４を
より強く緊縛するよう構成してもよい。

つぎに本考案の第二実施例を第９図および第１
０図を参照しながら説明する。この第二実施例が
第一実施例と異なるところは、第二実施例ではバ
ーナーヘツド４とバーナーボデイ３とを一体に成
形したことである。これに伴いバーナーヘツド４
とともにバーナーボデイ３も分割端面９により二
分割される。そして、バーナーヘツド４とバーナ
ーボデイ３の各外周側部に第一実施例と同様な連
結リング１８，１８ａをそれぞれ嵌め込んでバー
ナー５を一体的に保持する。なお、バーナーヘツ
ド４の導風筒８周辺には小炎口１９を有する案内
突部２０を設けている。このようにしても第一実
施例と同様な効果が得られる。なお、バーナーヘ
ツドあるいはバーナーボデイは二部分に分割構成
するものだけに限られず三部分、四部分など複数
に分割構成してもよい。その他、具体的な実施に
あたつては要旨を逸脱しない範囲で種々変形でき
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、使用時の亀
裂発生の虞れなくバーナーヘツドをセラミツクに
より成形でき、錆などによる劣化の危惧が解消さ
れ耐久性が向上することは勿論、耐火、耐熱およ
び耐熱衝撃性にともに優れ耐久性の大幅に向上す
るガスバーナー装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の第一実施例を示
し、第１図はガスコンロの斜視図、第２図はガス
コンロにおける要部の縦断面図、第３図はバーナ
ーヘツドの分解斜視図、第４図および第５図はバ
ーナーヘツドの平面図および底面図であり、第６
図ないし第８図は本考案の他の実施例を示し、第
６図はバーナーヘツドの連結部分を示す断面図、
第７図は連結リングにより連結状態を示す断面
図、第８図は連結リング部分を示す拡大詳細図で
あり、第９図および第１０図は本考案の第二実施
例を示し、第９図は要部の斜視図、第１０図は縦
断面図である。 図中、３……バーナーボデイ、４……バーナー
ヘツド、７……小火口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料ガスと一次空気とを混合するための筒状バ
   ーナーボデイと、該バーナーボデイと一体または
   別体で形成され外周縁に小火口群が列設されたバ
   ーナーヘツドとを備え、少なくとも前記バーナー
   ヘツドがセラミツクにより形成されると共に複数
   部分に分割構成されていることを特徴とするガス
   バーナー装置。