JPH01130069A - 水力機械の運転方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明はガイドベーンを有するポンプまたはポンプ水車
等の水力機械の発電時運転制御方法に関する。

（従来の技術） 水力発電所に設置された水車またはポンプ水車などの水
力機械において、水車運点時の軸出１月ま落差一定のも
とでは、ガイドベーンの開度によって定まるので、水車
またはポンプ水車と発電機または発電電動機を備えた水
力発電設備において出力を変化させる場合には、発電機
または発電電動機の出力目標値に応じたガイドベーン開
度となるようにガイドベーンを開閉制御するのが通例で
ある。

第５図は本発明が適用される水力発電所の概略構成を示
すもので、上池１０から水圧鉄管１１で導かれた水のエ
ネルギーは水車またはポンプ水車１２により機械エネル
ギーに変換されて発電機または発電電動機１３を駆動し
、発生したエネルギーは電力として電力系統（図示せず
）へ供給される。水車またはポンプ水車１２によりエネ
ルギーを吸収された後の水は廃棄水として下池１４へ排
水される。

水車またはポンプ水車１２にはガイドベーン（図示せず
）が設けられており、その開度を変えることにより、水
圧鉄管１１を経て水車またはポンプ水車］２に供給され
る水の流ｆｆ１Ｑは調節される。

第６図は従来から使用れている出力制御方法の一例を示
すもので、出力目標値Ｐ＊と発電機出力ＰＣの偏差ΔＰ
は出力制御装置１５に入力され、ガイドベーン開度目標
値ａ＊を出力する。ガイドベーン制御装置１６はガイド
ベーン開度目標値ａ＊に合せてガイドベーン開度ａを設
定する。

このガイドベーン開度ａによってガイドベーンは開度を
制御され、水車またはポンプ水車１２に流入する流量は
調節され、従って、軸出力ｐｔも調節され、発電機また
は発電電動機１３の出力ＰＣを変化させる。

このようにして出力を変化させた場合の制御例を第７図
に示す。この図は横軸に時間Ｔをとり、縦軸に発電機出
力Ｐ１ガイドベーン開度ａ、水車流量Ｑ　ｓ水車の有効
落差Ｈｅの変化の様子を示したものであり、発電機出力
Ｐの図における実線ＰＣは実際の発電機出力を示し、破
線は出力目標値Ｐ＊を示している。

第７図からも分るように、発電機出力が変化し始めた点
Ａの直後で、実際の出力ＰＧは出力目標値Ｐ＊から大き
く離れ、しかも出力を下げるのが目標であるにもかかわ
らず、−旦上昇してから下降する現象が見られる。この
現象は水車またはポンプ水車に接続されている水圧鉄管
１１内の水撃が原因で発生するものである。

次に、その理由を説明する。

前述した構成の水力発電設備において、ガイドベーンの
開度を変えることによって、水の流量を変化させた場合
には、水圧鉄管１１の水撃作用により、その末端部に設
置された水車またはポンプ水車］２の入口部の水圧が変
動する。この時の水車またはポンプ水車１２°の入口圧
をＨとすると、この人口圧Ｈは水撃の基本式から次のよ
うに表すことができる。

Ｈ−Ｃ・ｄＱ／ｄ　ｔ　＋Ｈｏ　　　　　−＜１）ここ
で、Ｑは水圧鉄管１１を流れる水の流量、Ｈｏは流ｆｉ
ｈＱが変化する前の水車またはポンプ水車１２の入口水
圧を示し、Ｃは水圧鉄管１１の長さ、断面積、水の密度
などで決まる負の定数である。

それ故、水の流量Ｑの変化率ｄＱ／ｄｔに応じて水圧Ｈ
が定まり、流量Ｑが減少する場合には水圧Ｈは変化前の
水圧ＨＯより高くなる。

従って、第７図の特性を考慮し、発電機出力ＰＣを減少
させようとしてガイドベーン開度ａを閉じはしめると、
流ＷＱが減少し、その結果、前述の水圧鉄管内に水撃現
象が発生して水車の入口圧が上昇するため、水車の有効
落差Ｈｅも上昇すことになる。

水車の軸出力ｐｔは水の流ｆｆ１Ｑと水車の有効落差Ｈ
ｅの積にほぼ比例するため、上記の水撃作用による水車
有効落差Ｈｅの上昇分が大きい場合には、水車の軸出力
が一旦上昇し、発電機出力Ｐも上昇する。すなわち、水
の流ｍＱの時間変化率の絶対値１ｄＱ／ｄｔｌが大きい
と、前記の不具合か生ずることになる訳である。

ここで、水の流量Ｑの時間変化率ｄＱ／ｄｔについて考
察すると、次式のように表すことができる。

ｄＱ／ｄ　ｔ−ｄＱ／ｄＰ　−ｄＰ／ｄ　ｔ・・・　（
２）すなわち、ｄＱ／ｄｔは、ｄＰ／ｄｔにより変化す
ることは無論であるが、水車またはポンプ水車の特性で
あるｄ　Ｑ／ｄ　Ｐによっても変化する。

第８図は、水車またはポンプ水車の流量特性の一例を示
すもので、横軸には軸出力ｐｔを、縦軸には流量Ｑをと
っである。図中、ｐ　ｍａｘは最大軸出力、Ｑ　ｍａｘ
は最大流量を示す。

この図から分るように、一般的に水車またはポンプ水車
の流量特性においては、大出力、大流量側でｄＱ／ｄＰ
が大きくなる傾向を有し、従って例えば、ｄＰ／ｄｔを
一定にして出力変化させようとすると、（２）式の関係
からｄＱ／ｄＰの大きくなる大出力側でｄＱ／ｄｔも大
きくなる。

それ故、第７図で説明したような発電機出力Ｐか目標変
化と逆の方向へ一旦振れる現象は、はとんどが大出力側
で変化する時に発生するものである。

（発明が解決しようとする問題点） このように従来の出力制御方法では、電力系統からの要
求に対し、発電機または発電電動機の出力が一旦逆の応
答をすることになるため、系統電力の運用上、問題とな
っていた。

そこで、本発明は系統からの出力要求に対して追従性か
良く、安定して出力を制御できる水力機械の運転方法を
提供することを目的とするものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明の可変速水力機械の運転方法は、水量を調節する
ガイドベーンを有する水車またはポンプ水車等の水力機
械と、この水力機械に直結された発電機または発電電動
機とを存する水力発電設備において、前記ガイドベーン
の動作速度上限値を前記発電機または発電電動機の出力
の関数としてあらかじめガイドベーン動作速度制限装置
に与えておき、前記発電機または発電電動機の出力を検
出し、この出力検出値に応じて定まるガイドベーン動作
速度上限値を越えないように前記ガイドベーンの開度を
制御することを特徴とするものである。

（作　用） 上述のように構成した本発明の方法によれば、水虫軸出
力の単位出力変化に対して流量変化分の大きな大出力側
の運転領域では、ガイドベーンの動作速度を小さく抑制
し、反対に単位出力変化に対して流量変化分の小さい小
出力側の運転領域では、ガイドベーンの動作速度を相対
的に大きい値まで許容することにより、水圧鉄管内の水
撃現象の誘発を抑制でき、従って、発電機出力が出力目
標に対して逆方向に一旦振られる過度現象を抑制でき、
出力の目標値への追従性を改善することができる。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の詳細な説明する。

第１図は本発明による制御方法を適用した出力制御シス
テムの構成例を示すもので、第６図におけると同一部分
には同一の記号を付しである。

第１図と第６図とを対比すれば明らかなように本発明に
おいて使用される制御システムは、出力制御装置１５と
ガイドベーン制御装置１６の間にガイドベーン動作速度
制限装置２０を介挿したものである。このガイドベーン
動作速度制限装置２０はガイドベーン動作速度上限値関
数発生器２１とガイドベーン動作速度低値優先回路２２
とからなる。

第１図において、系統からの要求である出力目標値Ｐ＊
が与えられると、実際の発電機出力ＰＣとの偏差ΔＰが
出力制御装置１５に入力され、ガイドベーンの開度目標
値ａ＊がガイドベーン動作速度低値優先回路２２に向け
て出力される。

一方、発電機出力ＰＧはガイドベーン動作速度制限装置
２０のガイドベーン動作速度上限値関数発生器２１にも
人力されている。このガイドベーン動作速度上限値関数
発生器２１は、人力された発電機出力ＰＧに対応して、
ガイドベーン動作速度（単面時間当りのガイドベーン変
化幅をいう）の上限値Δａ　　ｌｉｍを出力する。

このガイドベーン動作速度上限値Δａｌｉｍは、ガイド
ベーン動作速度低値優先回路２２において出力制御装置
１５からのガイドベーン開度目標値ａ＊と比較され、い
ずれか低い方の値が動作速度信号ａ＊＊とじて導出され
る。このａ＊＊はガイドベーン制御装置１６に入力され
てガイドベーン開度ａを出力する。その結果、水車また
はポンプ水車１２のガイドベーンの開度が、予め設定さ
れた制限速度以下の速度で開閉し、水車またはポンプ水
車１２の軸出力ｐｔひいては発電機出力ＰＧを変化させ
る。

上記において、ガイドベーン動作速度上限値関数発生器
２１には、ガイドベーン動作速度上限値Δａ　　Ｉｌｎ
が発電機出力ＰＣの関数として予め設定されている。第
２図はその特性例を示すもので、溝軸は発電機出力ＰＣ
を示し、縦軸はガイドベーン動作速度上限値の絶対値１
Δａ’１１ｍ１を示す。

この図から明らかなように、発電機出力ＰＣが大きい場
合には１Δａｌｉｍｌは小さく、発電機出力ＰＧが小さ
い場合には１Δａｌｉｍｌは大きな値をとる。

次に、第１図と第３図を参照して前述した本発明の実施
例の作用を説明する。なお、線および記号の定義は前述
した図におけると同一である。

発電機出力ＰＧが設定値ＰＡより大きい範囲では、ガイ
ドベーン動作速度上限値Δａ１１ｍが選択され、ガイド
ベーンの動作速度は小さく抑制されるため、流量Ｑが急
減しなくなり、水撃現象が抑制される。これにより、発
電機出力ＰＧが一旦上昇することもなく出力目標値Ｐ＊
に良く追従するようになる。

このように本発明の実施例では、従来の出力制御装置に
、あらたにガイドベーン動作速度上限値関数発生器２１
とガイドベーン動作速度低値優先回路２２を付加するだ
けなので、従来の出力制御装置を白゛する水力発電設備
の改造にも容易に適用できる。

第４図は本発明方法で用いるガイドベーン動作速度上限
値関数の他の実施例を示す。この図の横軸は発電機出力
ＰＧを示し、縦軸はガイドベーン動作速度上限値の絶対
値ＩΔａｌｉｍｌを示しており、発電機出力ＰＣが予め
設定した設定出力ＰＢより小さい時には、ガイドベーン
動作速度上限値１Δａ１１ｍｌは１Δａ＾１なる一定値
をとり、反χ・１にＰＩ３より大きい時には、１Δａｌ
ｉｍｌはｌΔａＡｌより小さい１ΔａＢ　ｌなる一定値
をとる。

この実施例は、第２図の場合に比べると、発電機出力Ｐ
Ｃの出力目標値Ｐ＊に対する追従性は多少劣るが、実用
上の問題はなく、動作速度上限値関数発生器２１の構成
が簡単になるので、実用上大きな効果がある。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば発電運転時の出力
制御が極めて安定し、水力発電設備を追従性良く制御で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の水力機械の運転方法を実現するための
制御ブロック図、第２図は第１図のガイドベーン動作速
度上限値関数発生器に記憶された発電機出力ＰＣとガイ
ドベーン動作速度上限値の絶対値ＩΔａｌｊｍｌの関係
を示すグラフ、第３図は第１図の実施例の作動を示すグ
ラフ、第４図は本発明の池の実施例を示すグラフ、第５
図は本発明が適用される水力発電所の概略図、第６図は
従来の水力発電所の制御ブロック図、第７図と第８図は
その作動を示すグラフである。 １０・・・上池、１１・・・水圧鉄管、１２・・・水車
またはポンプ水車、１３・・・発電機または発電電動機
、１４・・・下池、１５・・・出力制御装置、１６・・
・ガイドベーン制御装置、２０・・・ガイドベーン動作
速度制限装置、２１・・・ガイドベーン動作速度上限値
関数発生器、２２・・・ガイドベーン動作速度低値優先
回路。 出願人代理人　　佐　　藤　　−雄

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、水量を調節するガイドベーンを有する水車またはポ
   ンプ水車等の水力機械と、この水力機械に直結された発
   電機または発電電動機とを有する水力発電設備において
   、前記ガイドベーンの動作速度上限値を前記発電機また
   は発電電動機の出力の関数として予めガイドベーン動作
   速度制限装置に与えておき、前記発電機または発電電動
   機の出力を検出し、この出力検出値に応じて定まるガイ
   ドベーン動作速度上限値を越えないように前記ガイドベ
   ーンの開度を制御することを特徴とする水力機械の運転
   方法。 ２、発電機または発電電動機の出力検出値が予め設定し
   た値よりも小さいときはガイドベーン動作速度上限値を
   第１の設定速度とし、前記発電機または発電電動機の出
   力検出値が予め設定した値よりも大きいときはガイドベ
   ーン動作速度上限値を前記第１の設定速度よりも小さな
   第２の設定速度とすることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の水力機械の運転方法。 ３、ガイドベーン動作速度制限装置として、ガイドベー
   ン動作速度上限値関数発生器およびガイドベーン動作速
   度低値優先回路からなる装置を使用することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の水力機械の運転方法。