JPH01124627A - 炭素繊維の製造方法及び装置 - Google Patents

炭素繊維の製造方法及び装置

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JPH01124627A
JPH01124627A JP28266487A JP28266487A JPH01124627A JP H01124627 A JPH01124627 A JP H01124627A JP 28266487 A JP28266487 A JP 28266487A JP 28266487 A JP28266487 A JP 28266487A JP H01124627 A JPH01124627 A JP H01124627A
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JP
Japan
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fiber bundle
pitch
infusibility
furnace
fibers
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JP28266487A
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English (en)
Inventor
Kikuji Komine
小峰 喜久治
Yoshitomo Iba
伊庭 良知
Hiroyuki Kuroda
博之 黒田
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Toa Nenryo Kogyyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般には炭素縁!i(本明細書にて「炭素繊
維」とは特に明記しない場合には炭素繊維のみならず黒
鉛繊維をも含めて使用する。)の製造方法及び装置に関
するものであり、特に種々の炭素質ピッチから炭素繊維
を極めて効率よく且つ多量に製造する方法及び装置に関
するものである。
び。 く 石油系ピッチ、石炭系ピッチ等の炭素質ピッチから製造
されるピッチ系炭素繊維は、現在最とも多量に製造され
ているレーヨン系やPAN系の炭素繊維に比較して炭化
収率が高く、弾性率等の物理的特性も優れており、更に
低コストにて製造し得るという利点を有しているために
近年注目を浴びている。
現在、ピッチ系炭素#a雄は、 (1)石油系ピッチ、石炭系ピッチ等から炭素繊維に適
した炭素質ピッチを調製し、該炭素質ピッチを加熱溶融
して紡糸機にて紡糸し、集束してピッチ繊維を製造し、 (2)前記ピッチ繊維を不融化炉にて酸化性雰囲気下に
て250〜350℃までに加熱して不融化し、 (3)次いで、不融化された繊維を炭化炉にて不活性雰
囲気下にてtooo〜2000℃まで加熱して炭化して
、更には3000℃まで加熱して黒鉛化すること、 により製造されている。
しかしながら、紡糸機にて紡糸し、集束された炭素繊維
の前駆体繊維である不融化前のピッチ繊維は極めて脆く
1例えば引張強度がO、OIGPa程度と小さいために
、従来の上記製造方法及び製造装置にては、連続したフ
ィラメント状の不融化繊維を多量同時に製造することが
極めて困難であった。
特開昭61−258020号には、連続したフィラメン
ト状のピッチ系炭素繊維を多量に生産するべく、ピッチ
繊維を不融化する不融化工程と、不活性ガス雰囲気下に
て430〜650℃にて不融化繊維を加熱する予@炭化
工程とが一体となった前段走行処理炉を開示している。
該前段走行処理炉は、孔付の金網又は直径100mmの
駆動ロールを200mmのピッチにて多数本配置して、
炉床を形成し、該炉床表面上に繊維を載せ搬送する構成
とされた。
このような構成の前段走行処理炉を使用した炭素繊維の
製造装置においては、該処理炉内のピッチ繊維が完全に
不融化されていない不融化工程の前段部分では未だにピ
ッチ繊維は脆く、本発明者等の実験によると上述のよう
な炉床上に載せて搬送することははなはだ困難であるこ
とが分かった。又、ピッチ繊維が炉床と接触することに
より繊維束の炉内切断が起ったり、繊維の表面に毛羽立
ちが発生し、外観上良くないという欠点を有していた。
更に又、炭素繊維の製造に際して不融化前のピッチ1!
雄を斯る構成の前段走行処理炉内へと送り込み、更には
処理炉内を通して出口部へと搬送するといった、連続フ
ィラメント状の炭素繊維を製造するための初期セツティ
ングが極めて困難であり、そのために多大の時間を必要
とすることが分かった。
本発明者等は、このような従来の炭素繊維製造装置が有
する問題、特に不融化前のピッチ繊維が脆弱であること
に起因する様々な弊害を解決するべく多くの研究実験を
行なった結果、紡糸されたピッチ繊維を集束しそして該
ピッチ繊維に耐熱性油剤を付与して合糸した繊維束は強
度が増大し、糸扱い性が極めて著しく向上することを見
出した。又、油剤の付与量をピッチ繊維束の長手方向に
沿って又ピッチ繊維束間に適量且つ均一に付与すること
によって繊維束の長手方向に沿った繊維束強度の「バラ
ツキ」を解決することができた。
つまり、このような繊維束は、炭素繊維の製造に際して
、最とも糸扱い性が困難な不融化処理工程において、従
来に比較して相邑大きなテンションを掛けることができ
、それによりピッチ繊維束を水平方向に送給した場合の
通糸時のピッチ繊維束のたるみ量を十分に小さくするこ
とができた。
このことは不融化処理時にピッチmra束を支持する支
持部材の配置間隔を大きくし得て、従って該支持部材の
量を大幅に少なくすることができ、それによってピッチ
繊維束が他の部材に接触する頻度を減らし、断糸の危険
性及び気羽立ちをなくすことが可能となった。
更に、通糸時のピッチ繊維束のたるみ量を十分に小さく
し得ることは、多数のピッチ繊維束を層状に配列して同
時に多量に送給するのを可、能とするのみならず、ピッ
チ繊維束を複数、層状に積層して通糸しながら加熱し、
極めて多量のピッチ繊維束を同時に且つ短時間にて不融
化処理を行なうことを回部とすることを見出した。
更に又、本発明者等は、ピッチ繊維束強度の増大は、多
数のピッチ繊維束を不融化処理炉内を通して出口部へと
搬送し、連続フィラメント状の炭素繊維を製造するため
の初期セツティングを行なうことを極めて容易なものと
し、その結果繊維束を層状に配列して一度に多量の繊維
束を連続的に不融化、更には炭化、黒鉛化を行ない、連
続フィラメント状の高強度、高弾性率の炭素繊維を生産
性良く製造し得ることを見出した。
色五二上」 本発明の目的は、ピッチ繊維束を層状に配列して一度に
多量の繊維束を連続的に不融化を行ない、更には引続い
て予m炭化、炭化、黒鉛化を行ない、連続フィラメント
状の高強度、高弾性率の炭素繊維を生産性良く製造し得
る炭素繊維製造方法及び装置を提供することである。
本発明の他の目的は、繊維表面の毛羽立ちが少なく、外
観上優れた連続フィラメント状の高強度、高弾性率の炭
素繊維を製造するための炭素繊維製造方法及び装置を提
供することである。
本発明の他の目的は、簡単な構成の処理炉を使用して、
不融化処理、予備炭化処理、炭化処理及び黒鉛化処理速
度を増大することができ、生産性を向上せしめた炭素繊
維製造方法及び装置を提供することである。
□   占         る − 上記諸口的は、本発明に係る炭素繊維製造方法及び装置
にて達成される。要約すれば本発明は、紡糸されたピッ
チ繊維を集束する工程、該集束されたピッチI繊維束に
耐熱性油剤を付与し合糸する工程及び該合糸されたピッ
チ繊維束を不融化する工程を少なくとも有する炭素繊維
の製造方法であって、前記不融化工程は、耐熱性油剤を
付与し合糸されたピッチ繊維束を1層又は複数、層状に
通糸しながら加熱し不融化処理を行なうことを特徴とす
る炭素繊維の製造方法である。該方法は、紡糸されたピ
ッチta維を集束しそして耐熱性油剤が付与されて合糸
されたピッチ繊維束を不融化するための不融化炉を少な
くとも備えた炭素繊維の製造装置であって、前記不融化
炉は、ピッチm#I束を通過移動せしめる繊維束通路が
1層又は複数、層状に形成され、各繊維束通路には通糸
されるピッチ繊維束を支持するために約50〜500c
mの間隔にて支持部材が配置されたことを特徴とする炭
素繊維の製造装置にて極めて好適に実施される。
采」1例 次に、本発明に係る炭素繊維の製造方法及び装置を図面
に即して更に詳しく説明する。
第1図は本発明に係る炭素繊維製造装置の一実施例を示
す、第1図に図示されるように、炭素繊維製造装置は少
なくとも、紡糸されたピッチ繊維を集束しそして耐熱性
油剤が付与されて合糸されたピッチ繊維束Fを不融化す
るための不融化炉10を有する0本実施例にて不融化炉
10は、耐熱性炉材等が内張すされた外側ハウジング1
2を備え、内部にはピッチ繊維束Fを通過移動せしめる
m#I束通路カ、 未実施例テt* 3 a p 1、
P2、P3が形成されている。斯る繊維束通路は3層に
限定されるものではなく、1暦でも良いが、好ましくは
複数層、層状に形成され、操業上からみて、2〜20層
、好ましくは2〜5層とされる。#I維東通路PL、P
2.P3は各々複数個の互いに50−150cm、好ま
しくは80〜100cmの間隔1)にて配列された支持
部材14にて画成される。又各繊維束通路Pi、P2、
P3は上下方向に各々2〜15mm、好ましくは3〜1
0mmの間隔(h)だけ離間して形成される。尚、繊維
束通路が1層とされる場合にはピッチのたるみ量を大ご
くとることができるので支持部材14の間隔は50〜5
00cmとより広い範囲内にて選択することができる。
該支持部材14は、本実施例では外側ハウジング12に
固定された直径3〜200mm、好ましくは5〜100
mmの支持ローラエ4とされ、好ましくはステンレス鋼
製のローラとされる。前述のように該ローラ14は回転
駆動される必要はなく、従って、ローラの代りに例えば
外表面が湾曲した半月状細長部材か、外表面が湾曲した
細長板状部材とすることも可能であり、又、ステンレス
鋼の外に銅、アルミニウム等の金属、黄銅等の合金、黒
鉛、炭素繊維強化複合材料、炭素H&維強化金属複合材
料等も使用し得る。
上述のように、本発明に従えば、ピッチ繊維束Fを支持
し搬送する支持部材14は、ピッチ繊維束Fの強度の増
大により不融化炉内を通過するピッチ繊維束Fにテンシ
ョンを掛けることができ、それによりピッチm維束のた
るみが殆んど発生せず、50〜150cmの範囲(又は
50〜500cmの範囲)で大きく離間して配置するこ
とができるために、ピッチ繊維束が支持ローラに接触す
る頻度を従来の装置に比し、大幅に減少することができ
、断糸の発生及びman表面の毛羽立ちの発生を最小限
度に抑え、外観上優れた連続フィラメント状の炭素mI
aを製造することができる。
又、支持ローラの数を大幅に減少することができたため
に不融化炉内の熱容量を著しく減少することができ、不
融化炉に必要とされる熱源の容量を極めて小さくするこ
とができ、運転コストを減少することが可能となった。
更には、各繊維束通路Pi、P2.P3の支持部材14
を上下方向に互い違いに配列することにより、上下方向
に隣接するローラの当接を防止し、各通路の上下方向の
間隔(h)を最小限度に小さくすることができる・ 又、不融化炉内は、図示されるように、仕切板16にて
複数の、例えば3〜20個の個室に、好ましくは5〜1
0flの個室に、本実施例では5つの個室R1−R5に
区画されている。線番側室の大きさは特に限定されるも
のではないが、図示されるように、各個室R1〜R5に
1個の支持ローラ14を有するように分画するのが好適
である。
又、上記のような複数の室からなる炉を2つ以北の炉に
分割して、それらを連結して使用することも差支えない
不融化炉内は一般に、酸化性雰囲気にて最高温度で30
0〜350℃に保持されるが、このように不融化炉内を
複数の個室に分けることにより不融化炉内の温度制御を
極めて緻密に且つ適正に行ない得るという利点がある0
例えば1本実施例では入口に近接した室R1は170〜
200℃に、室R2は200〜230℃に、室R3は2
30〜270℃に、室R4は270〜300℃に、室R
5は280〜350℃に、階段状に増湿加熱して保持さ
れる。
又、各m離京通路P1〜P5の入口及び出口には溝付ロ
ーラ20が、好ましくは回転自在にして、配置される。
該溝付ローラ20は不融化炉10の内部に設けることも
できるが、本実施例では外側ハウジング12の外側に設
置される。該溝付ローラ20には、第2図に詳細が図示
されるように、不融化炉10に供給される複数の、後述
されるように各々耐熱性油剤が付与された2〜3000
本の繊維束Fを互いに分離して炉内を通糸し得るように
、2〜3000個の溝22が約2〜15mm、好ましく
は3〜l Om m間隔(ピッチ)にて形成される。溝
付ローラ20は、直径3〜200mm、好ましくは直径
5〜100mm程度のステンレス鋼製ローラとされるが
、他に好ましい材質としては銅、アルミニウム等の金属
、黄銅等の合金、黒鉛、炭素繊維強化複合材料、炭素繊
維強化金属複合材料等も使用し得る。
次に、本発明に係る炭素繊維製造装置の上記不融化炉1
0へと送給され、不融化処理がなされるピッチ繊維につ
いて説明する。
先ず、当業者には周知の紡糸機を使用し、石油系ピッチ
、石炭系ピッチ等の炭素繊維の製造に適した炭素質ピッ
チを加熱溶融して1〜2000本、好ましくは50−1
000本のフィラメントを紡糸し、各フィラメントには
通常使用されているオイリングローラを使用して集束剤
を付与して、これら多数のフィラメントを集束し、1本
の糸条としてボビンに巻取られる。
集束剤としては1例えば水、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、等のアルコール類又は粘度5〜1000cs
t (25℃)のジメチルポリシロキサン、アルキルフ
ェニルポリシロキサン等を、低沸点のシリコーン油(ポ
リシロキサン)又はパテフィン油等の溶剤で稀釈したも
の。
又は乳化剤を入れて水に分散させたちの;同様にグラフ
ァイト又はポリエチレングリコールやヒンダートエステ
ル類を分散させたもの;界面活性剤を水で稀釈したもの
;その他通常の繊維、例えばポリエステル繊維に使用さ
れる各種油剤の内ピッチ繊維を犯さないものを使用する
ことができる。
集束剤のピッチ繊維への付与量は、通常0.01〜1重
量%とされるが、特に0.05〜5重量%が好ましい。
上述のようにして一旦ボビンに巻取られた多数のフィラ
メントから成る糸条は、複数個の1例えば2〜50個の
ボビンを同時に解舒することによって、又は複数回に分
けて1例えば1回目は2〜10本を、次いで残余分をと
いったように、解舒合糸を繰返し行なうことによって、
2〜50本の糸条を合束(合糸)し、100〜1000
00本、好ましくは500〜5000木のフィラメント
からピッチ繊維束が製造され、他のボビンに巻取られる
斯る合糸時に、本発明に従えば、不融化時及び予備炭化
時の処理を考慮してピッチ繊維束に耐熱性の油剤が付与
される。耐熱性の油剤としては、アルキルフェニルポリ
シロキサンが好ましく、フェニル基を5〜80%、好ま
しくは10〜50%含み、又、アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基が好ましく、同一分子に2
種以上のアルキル基を有していても良い、又、粘度は2
5℃にて1ON100OcStのものが使用される。更
に後述するような酸化防止剤を添加することもできる。
他の好ましい油剤としては、ジメチルポリシロキサンに
酸化防止剤を入れたものが使用可能であり、粘度として
は25℃で5〜1000cstのものが好ましい、酸化
防止剤としては、アミン類、有機セレン化合物、フェノ
ール類等、例えばフェニル−α−ナフチルアミン、ジラ
ウリルセレナイド、フェノチアジン、鉄オクトレート等
を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、上述し
たように、更に耐熱性を高める目的で上記アルキルフェ
ニルポリシロキサンに添加することも可能である。
更に、好ましい油剤としては、上記各油剤を沸点が60
0℃以下の界面活性剤を用いて、乳化したものを使用す
ることもできる。このとき界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル、ポリオキシエチレン変性シリコーン、
ポリオキシアルキレン変性シリコーン等を使用し得る。
これら油剤は、ローラ接触、スプレー塗布、泡沫塗布等
により、ピッチ繊維束に0.01−10重量%、好まし
くは0.05〜5重量%が付与される。
上述のように、合糸されたピッチr繊維束に耐熱性油剤
を付与することにより、該ピッチ繊維束は強度が極めて
著しく強くなり糸扱い性が極めて向上した。
以上の如くにして製造されたピッチ繊維束を有したポビ
ンB1は炭素繊維製造ライン(装N)にセットされ、該
ポビンBlより、第1図に図示されるように、上記構成
の不融化炉10へとビー2チ1繊維束Fが送給される。
不融化炉10は、上述のように本実施例では3R構造と
される繊維束通路P1〜P3を有しており、従ってボビ
ンBは各繊維束通路Pl−P3毎に2〜3000個配置
され、各通路には該ポビンB1から解舒された2〜30
00本のm#1束Fが供給される。
又、不融化炉lO内へと供給された繊維束Fは、図示さ
れるように1本実施例では5つの個室R1〜R5を通っ
て移動される。各個室の大きさは特に限定されるもので
はないが、本実施例では幅(W)1000m、長さ(L
)loocmとされ、入口に近接した室R1は170〜
200℃に、室R2は200〜230℃に、室R3は2
30〜270℃に、室R4は270〜300℃に、室R
5は280〜350℃に加熱し保持される。
又、不融化炉lO内は酸化性雰囲気とされ、該不融化炉
lOには空気、酸素、空気と酸素又は空気・ と窒素の
混合ガス等の酸化性ガスが供給されるが、好ましいガス
として酸素濃度30〜90%の富酸素ガスが使用される
。炉内の酸化性ガスは、繊維m円内9ガスの浸透を推進
し、且つ不融化炉内の温度分布をなくすためにファン(
図示せず)等により強制的に攪拌するのが好ましく、そ
の風速は0.1〜10m/sec、好ましくは0.5〜
5m/secとされる。更に、これら酸化性ガスは好ま
しくは毎分0.1〜3回の割合で流通置換して炉内の古
いガスを排出するのが好ましい。
本発明の好ましい実施態様によれば、不融化炉10内を
通過するm#I束Fには適度の張力が付加され、支持部
材14間にてm#I束が許容以上に、例えば最大たるみ
量10cm程度には施緩しないようにされる0本発明に
従えば、不融化炉へと送給される繊維束の引張強度は、
lO〜500g程度の張力を付加することができる程度
に増大されており、斯る張力を各繊維束に付加すること
により、例え支持部材14を互いに150cm離隔した
としても許容限度以上にたわむことはなく、炉内におけ
る各繊維束通路を極めて接近して構成することができる
という利点がある。又、もし繊維束通路が1暦形成され
る場合には、ピッチ繊維束のたるみ量を大きくとること
ができ、各支持部材14は更に離隔し、50〜500c
mの範囲で設定することが可能である。
このような繊維束Fへの張力の付与は、不融化炉の入口
部に配置された、例えばダンサ−24を有したm離京緊
張手段にて達成される。斯る緊張手段の構成は当業者に
は周知であるのでこれ以上の詳しい説明は省略する。
上述のようにして不融化された繊維束Fは公知の方法に
よって炭素化されて炭素繊維、更に黒鉛化まで進めて黒
鉛繊維かえられる0例えば線状のままで次の予S炭化工
程へ送られるか、或いはポビンB2に巻取られ、次いで
、該ボビンB2より、通常態様に従って炭化炉(図示せ
ず)へと送られる。該炭化炉は不活性雰囲気下にてto
o。
〜2000℃まで加熱され、繊維束Fを炭化して炭素繊
維とするか、更には3000℃まで加熱して黒鉛化し黒
鉛繊維とされる。
上記実施例は、特に不融化炉10に形成される繊維束通
路Pi、P2.P3は水平方向に形成されるものとして
説明したが、繊維束通路は傾斜して構成することもでき
るし、又、第4図に図示されるように、垂直方向に整列
して層状に形成することもできる。
特に、第4図に図示するように繊維束通路が垂直となる
ように不融化炉lOを形成した場合には、支持部材14
は繊維束Fを炉内で担持する代りに、互いに隣りあった
繊維束通路を通る繊維束同志が接触するのを防止する隔
離部材として作用するべく設けられる。又、m雑書は、
図示されるように不融化炉10の上部から、又は不融化
炉の下部からのいずれからでも通糸可能である。
以下1本発明に係る炭素繊維製造方法及び装置を使用し
て炭素繊維を製造する作動態様を以下更に詳しく具体例
を挙げて説明する。
実施例1 第1図に図示される構成の不融化炉10を有した製造装
置にて炭素繊維を製造した。
本製造装置に使用するピッチ繊維を製造するに当り、光
学的異方性相を約55%含有し、軟化点が232℃であ
る炭素質ピッチを前駆体ピッチとして使用した。この前
駆体ピッチを遠心分離により光学的異方性相の多いピッ
チと光学的等方性相の多いピッチとを連続的に分離し、
それぞれ抜き出した。
得られた光学的異方性相を多く含むピッチは、光学的異
方性相を98%含み、軟化点は265℃、午ノリン不溶
分は29.5%であった。該炭素m雑用ピッチを500
孔の紡糸口金を有する溶融紡糸機(ノズル孔径:直径0
.3mm)に通し、355℃で200mmHgの窒素ガ
ス圧で押し出して紡糸した。得られたピッチ繊維(フィ
ラメント)の直径は15.繊維であった。
紡糸した500本のフィラメントはエアーサッカーで略
集束してオイリングローラに導き、糸ニ対して約0,2
重量%の割合で集束用油剤を供給し、500フイラメン
トから成るピッチ繊維を形成した。油剤としては、25
℃における粘度が14cstのメチルフェニルポリシロ
キサンを使用した。
該ピッチ繊維は、ノズル下部に設けた高速で回転する直
径210mm、幅200mmのステンレス鋼製のボビン
に巻き取り、約500m/分の巻き取り速度で10分間
紡糸した。ボビン1回転当たりのトラバースのピッチは
10mm71回転であった。紡糸の間に糸切れは発生し
なかった。
次いで、ピッチ繊維を巻いた前記ボビン6個を解舒し、
モしてオイリングローラを使用して耐熱性油剤を付与し
ながら合糸し、3000フイラメントから成るピッチ繊
維束を形成し、他のステンレス製ボビンに巻取った。
合糸時に油剤としては25℃で40cstのメチルフェ
ニルポリシロキサン(フェニル基含有量45モル%)を
使用した。付与量は糸に対し0゜5%であった。
以上の如くにして製造されたピッチ繊維束Fを有したボ
ビンB1は炭素繊維製造ライン(装置)にセットし、該
ボビンB1より、第1図に図示されるように、不融化炉
10へとピッチ繊維束Fを送給した。不融化炉lOは3
層構造とされ、繊維束通路P1〜P3を有しており、従
ってボビンBlは各繊維束通路P1〜P3毎に各20個
配置し、各通路には該ボビンB1から解舒された20本
の繊維束Fを供給した。
又、不融化炉10内は、本実施例では5つの個室R1〜
R5を有し、各個室の大きさは幅(W)120cm、長
さ(L)loOcmとされ、入口に近接した室R1は1
90℃に、室R2は220℃に、室R3は250℃に、
室R4は280℃に、室R5は310℃に加熱し保持さ
れた。支持部材14は直径100mmのステンレスロー
ラであり、各室の概略中央部に配置された。又、不融化
炉10内には富酸素ガス(酸素−窒素の混合ガス:混合
比50150)を導入し、ファンにより強制的に攪拌し
た。このときの風速は0.7m/SeCとされた。そし
て、毎分0.5回の割合で流通置換し炉内の古いガスを
排出した。
ピッチ繊維束Fは不融化炉10内を0.3m/minに
て移動され、又該繊維束Fには繊維束緊張手段24を調
整してloogの張力がかけられた。斯る構成にて、支
持ローラ14間にて繊維束が3cm以上たるむことはな
かった。
上記構成にてピッチm#1束Fを不融化処理するのに要
した時間は15分であった。不融化中、ボビンからのピ
ッチ繊維束Fの解舒は円滑に行なわれた。不融化炉内で
の繊維束の断糸もなく、円滑に不融化処理が実施できた
各繊維束通路から排出された不融化処理後の不融化ピッ
チH&維京間の物性的特性のバラツキはなかった。
不融化終了後、通常の炭化炉を使用して不活性ガス雰囲
気中で、1500℃まで昇温し炭素繊維を得た。その炭
素繊維の糸径は9.8g、mであり、引張強度は3.0
GPa、引張弾性率は280GPaであった。
更に、この炭素繊維を通常の炭化炉を使用して不活性ガ
ス雰囲気で2500℃まで昇温して得た黒鉛繊維の、糸
径は9.フルm、引張強度は3゜4GPa、引張弾性率
は700GPaであった。
i」JL穫」 以上説明した如く本発明に係る炭素繊維製造方法及び装
置は、ピッチ繊維束が層状に配列して一度に多量の繊維
束を連続的に不融化を行ない、更には引続いて予@炭化
、炭化、黒鉛化を行なうことができるので、連続フィラ
メント状の炭素繊維を生産性良く製造し得るという特長
を有する。
又、本炭素繊維製造装置によれば、繊維表面の毛羽立ち
が少なく、外観1優れた連続フィラメント状の炭素fa
維を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る炭素繊維製造装置の不融化炉の
断面図である。 第2図は、不融化炉の溝付ローラの正面図である。 第3図は、第1図の線■−■にとった断面図である。 第4図は、本発明に係る炭素繊維製造装置の他の実施例
の断面図である。 10:不融化炉 12:外側ハウジング 14:支持ローラ 20:溝付ローラ 24:繊維束緊張手段

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)紡糸されたピッチ繊維を集束しそして耐熱性油剤が
    付与されて合糸されたピッチ繊維束を不融化するための
    不融化炉を少なくとも備えた炭素繊維の製造装置であつ
    て、前記不融化炉は、ピッチ繊維束を通過移動せしめる
    繊維束通路が1層又は複数、層状に形成され、各繊維束
    通路には通糸されるピッチ繊維束を支持するために約5
    0〜500cmの間隔にて支持部材が配置されたことを
    特徴とする炭素繊維の製造装置。 2)複数、層状に形成された繊維束通路は、2〜20層
    形成されて成る特許請求の範囲第1項記載の装置。 3)繊維束通路は水平方向に、又は垂直方向に或いは傾
    斜して形成されて成る特許請求の範囲第1項又は第2項
    記載の装置。 4)繊維束通路が複数層水平方向に形成される場合には
    支持部材は約50〜150cmの間隔にて配置されて成
    る特許請求の範囲第3項記載の装置。 5)支持部材は、固定された直径3〜200mmの支持
    ローラか、外表面が湾曲した半月状細長部材か、外表面
    が湾曲した細長板状部材である特許請求の範囲第1項〜
    第4項のいずれかの項に記載の装置。 6)合糸されたピッチ繊維束は100〜100000本
    のフィラメントから成り、各繊維束通路には該ピッチ繊
    維束が2〜3000本平行に整列して通糸される特許請
    求の範囲第1項〜第5項のいずれかの項に記載の装置。 7)不融化炉の入口及び出口には2〜15mmの間隔に
    て2〜3000個の溝を有した溝付ローラを配置して成
    る特許請求の範囲第6項記載の装置。 8)不融化炉の入口又は出口には繊維束緊張手段を配置
    し、不融化炉内を通過するピッチ繊維束に10〜500
    gの張力を付与して成る特許請求の範囲第6項又は第7
    項記載の装置。 9)不融化炉内は酸化性雰囲気にて280〜350℃に
    保持されて成る特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれ
    かの項に記載の装置。 10)不融化炉内は複数に区画されて成る特許請求の範
    囲第9項記載の装置。 11)不融化炉内は3〜20の室に区画され、入口から
    出口へと階段状に順次に高温となるように加熱し保持さ
    れて成る特許請求の範囲第10項記載の装置。 12)紡糸されたピッチ繊維を集束する工程、該集束さ
    れたピッチ繊維束に耐熱性油剤を付与し合糸する工程及
    び該合糸されたピッチ繊維束を不融化する工程を少なく
    とも有する炭素繊維の製造方法であつて、前記不融化工
    程は、耐熱性油剤を付与し合糸されたピッチ繊維束を1
    層又は複数、層状に通糸しながら加熱し不融化処理を行
    なうことを特徴とする炭素繊維の製造方法。 13)ピッチ繊維束は、2〜20層にて通糸されて成る
    特許請求の範囲第12項記載の方法。 14)ピッチ繊維束は水平方向に、又は傾斜して或いは
    垂直方向に通糸されて成る特許請求の範囲第12項又は
    第13項記載の方法。 15)ピッチ繊維束は約50〜500cmの間隔にて配
    置された複数個の部材にて層状に案内されて成る特許請
    求の範囲第12項〜第14項のいずれかの項に記載の方
    法。 16)支持部材は、固定された直径3〜200mmの支
    持ローラか、外表面が湾曲した半月状細長部材か、外表
    面が湾曲した細長板状部材である特許請求の範囲第15
    項記載の方法。 17)合糸されたピッチ繊維束は100〜100000
    本のフィラメントから成り、該ピッチ繊維束が2〜30
    00本平行に整列して通糸される特許請求の範囲第12
    項〜第16項のいずれかの項に記載の方法。 18)各ピッチ繊維束は2〜15mmの間隔にて離隔し
    て通糸されて成る特許請求の範囲第17項記載の方法。 19)不融化処理されるピッチ繊維束には10〜500
    gの張力が付与されて成る特許請求の範囲第17項又は
    第18項記載の方法。 20)不融化処理は酸化性雰囲気にて280〜350℃
    にて行なわれて成る特許請求の範囲第12項〜第19項
    のいずれかの項に記載の方法。 21)不融化処理は、入口から出口へと階段状に順次に
    高温となるように加熱して行なわれて成る特許請求の範
    囲第20項記載の方法。 22)不融化処理を富酸素ガス雰囲気下で行なう特許請
    求の範囲第12項〜第21項のいずれかの項に記載の方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102691134A (zh) * 2012-06-07 2012-09-26 中钢集团江城碳纤维有限公司 高温碳化炉碳纤维生产引丝方法及其高温碳化炉

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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