JPH0111349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ねじのような頭付き棒材に座金を一
体的に組込む装置の送り出し側の下流に設けられ
た座金のない頭付き棒材選別装置に関する。

一般に、ねじ部品と座金類の組付コストの低減
のために、転造前のねじ素材に、ねじ外径より小
さい内径の座金を座金供給組込装置により組付け
た後に転造盤によりねじを成形することが行われ
ている。しかしながら、座金供給組込装置の構造
上の問題で100％確実に座金をねじに組付けるこ
とは現在不可能であるため、最終製品になる過程
で座金のないねじを選別して排出する必要があ
る。このため、座金供給組込装置からねじ転造盤
へ至るねじ供給通路に座金のないねじの選別装置
が設けられている。

従来の座金のないねじの選別装置を第１図と第
２図により説明すると、ねじ１の首下部が入る
が、頭部が入らないような通路３を区画する２本
の供給レール４，４′を傾斜して配置し、そして
２本の供給レール４，４′の間にねじの頭部が通
るような広い選別領域５を設けてある。また、供
給レール４，４′の上方には押え板６がある。こ
のような座金のないねじ選別装置では、ねじ首下
部が通路３内に垂下した状態でねじ頭部が供給レ
ール４，４′の上面の上をすべり落ちながら移送
されるが、供給レール４，４′より突出するねじ
頭部の高さは、座金を組付けたねじの方が座金の
ないねじよりも若干高くなる。この高さの差を利
用して、すべり落ちて来た座金のないねじは選別
領域５の中へ落下するが、座金付きねじは選別領
域５で前記の高さの差だけ高い位置へ落下して選
別領域５に隣接した通路３に到達するように、選
別領域５の長さと傾斜を決めてある。しかしなが
ら、特にねじの首下寸法が短かい場合には不安定
になる上、傾斜したレール上では座金付きねじと
座金のないねじとの頭部の高さの差が明確になら
ないため、座金のないねじでも選別領域５を通過
して下流へ進んでしまうことがあり、結局作業員
が監視して選別しなければならなかつた。

従つて、本考案の目的は、上記の欠点を除去し
て、座金が組込まれたねじと座金のないねじとを
確実に選別できる選別装置を提供することであ
る。

以下、本考案を実施例について附図により説明
する。

第３図は、ねじ供給装置１０とねじ転造盤１１
を連結する傾斜した供給レール１２の途中に水平
に配置された本考案による座金のないねじの選別
装置２０を示す。なお、１３は座金組込装置、１
４は座金供給装置をそれぞれ示す。

第４図は、ねじ供給装置１０の送り出し側に連
結された上部供給レール１２ａと、ねじ転造盤１
１の供給側に連結された下部供給レール１２ｂと
の間に配置された本考案の座金のないねじの選別
装置２０を拡大して示した外観図である。なお、
１３ａ，１３ｂはそれぞれ押え板を示す。本考案
の装置２０は、大略、水平に配置された供給レー
ル２２およびねじ頭部ガイドレール２４と、これ
らのレールに対し移送方向に前進するような振動
を与える手段３０とからなる。

本考案のレールの詳細を第５図乃至第１０図に
示す。供給レール２２が、第９図と第１０図のよ
うにねじ頭部を下方から支持する上面２２ａを有
する。この供給レール２２の斜め上方に平行にね
じ頭部ガイドレール２４が配置されている。ねじ
頭部ガイドレール２４は、供給レール２２に対し
横方向に、ねじ首下部が垂下しながら通るような
間隔を置いた側面２４ａを有し、かつ供給レール
２２の上面２２ａより上方に間隔を置いた下面２
４ｂを有する。ねじ頭部ガイドレール２４の下面
２４ｂとねじ供給レール２２の上面２２ａの間隔
は、第１０図のように、ねじ１の首下部が供給レ
ール２２とねじ頭部ガイドレール２４の間の通路
内に垂下した状態で、座金２のないねじ１の頭部
の一方の側が供給レール２２の上面２２ａに支持
されかつ反対側の頭部側縁がガイドレール２４の
側面２４ａと接触しないような間隔となつてい
る。これによつて、座金のないねじは下方に落下
するが、座金が組込まれたねじの頭部は前述のよ
うに座金の分だけ高くなるので、第９図のように
ねじ頭部ガイドレール２４の側面２４ａと接触し
て移送方向の振動により移送される。

上記のように配置される供給レール２２とねじ
頭部ガイドレール２４はどのように一体的に結合
しても良いが、本実施例では、ねじ頭部ガイドレ
ール２４の両端から２つの脚部２６，２６′を延
ばし、これらの下端を供給レール２２の下端から
横に延びる部分と結合してある。

供給レール２２の上面２２ａとねじ頭部ガイド
レール２４の下面２４ｂの間隔は、座金の種類に
よつて変える必要があるので、ねじ頭部ガイドレ
ール２４の高さを変える調整手段を設けるのが望
ましい。また、供給レール２２の側面とねじ頭部
ガイドレールの側面２４ａとの横の間隔について
も同様に調整手段を設けるのが望ましい。

このように構成されたレール２２と２４は、第
４図のように供給レール２２の上面２２ａが上部
供給レール１２ａおよび下部供給レール１２ｂの
接続端部の上縁と一致するように配置される。

これらのレールを支持する振動移送手段３０
は、ソレノイドコア３２が固定された下板３４
と、ソレノイドコア３２と上方に対向した磁性体
３６を有する上板３８と、ソレノイドコア３２と
磁性体３６の間に微小な間隙をを残して上板３８
と下板３４を平行に連結しかつ移送方向に向つて
斜め下方に互に平行に延びる２つの板ばね４０，
４０′とからなる。ソレノイドコイルに断続的に
通電することにより、２つのレール２２と２４に
より支持された座金付きねじを移送方向に進める
ことができる。この振動手段３０は、上板３８
を、レールが取りつけられたレール支持板２８に
固定しかつ下板３８に固定された基板４２を機械
に固定することにより取りつけることができる。

以上の記載から、本考案の装置の作動は改めて
説明するまでもなく明らかであろう。

本考案の装置では、水平にかつ互いに平行に配
置された供給レール上面とねじのような棒材頭部
ガイドレールの下面の上下の間隔により、座金の
ないねじのような頭付き部品を選別するようにし
たので、ねじのような棒材頭部を下から支持した
場合の座金付きねじのような棒材と座金のないね
じのような棒材との頭部の高さの差が明確にな
り、座金のないねじのような頭付き棒材を確実に
選別することができる。同時に、水平なレールに
移送方向に進むような振動を与えるようにしたの
で、座金が組み込まれたねじのような頭付き棒材
を確実に移送することができる。さらに、本考案
では、棒材頭部の一方の側を下方から支持する供
給レールに、棒材首下部を案内する垂直な側面が
あるので、振動を与えても棒材首下部が常に安定
した状態で座金のある頭付き棒材を移送すること
ができ、その結果座金のない頭付き棒材のみが確
実に選別される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の座金のないねじの選別装置の側
面図、第２図は第１図の装置を矢印２の方向より
見た図、第３図は本考案の座金のないねじの選別
装置が、ねじ供給装置とねじ転造盤を連結する傾
斜した供給レールの途中に水平に組込まれた所を
示す斜視図、第４図は供給レールの途中に組込ま
れた本考案の装置を拡大して示す側面図、第５図
は本考案の装置の一体的な供給レールとねじ頭部
ガイドレールの正面図、第６図は第５図のレール
の平面図、第７図はその側面図、第８図は第５図
の線−に沿つて切断した横断面図、第９図は
座金付きねじがレールにより支持された状態を示
す図、第１０図は座金のないねじがレールにより
選別されて落下する状態を示す図である。 １……頭付き棒材、２……座金、２０……選別
装置、２２……供給レール、２２ａ……供給レー
ルの上面、２４……ガイドレール、２４ａ……ガ
イドレールの側面、２４ｂ……ガイドレールの下
面、３０……振動を与える手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ねじのような頭付き棒材に座金を一体的に組み
   込む装置の送り出し側の下流に設けられた座金の
   ない頭付き棒材の選別装置において、棒材頭部の
   一方の側を下方から支持する上面および棒材首下
   部の案内面となる垂直な側面を有する供給レール
   と、この供給レールに対し横方向に、棒材首下部
   が垂下しながら通り得る間隔を置いた側面を有し
   かつ前記供給レールの上面より上方に間隔を置い
   た下面を有する棒材頭部ガイドレールとを有し、
   これらのレールを水平に配置した状態で、供給レ
   ールの上面とガイドレールの下面との間隔を、棒
   材首下部が供給レールと棒材頭部ガイドレールの
   間の通路内に垂下したときに、座金のない棒材頭
   部の一方の側が供給レールの上面と接触しかつ反
   対側がガイドレールの側面と接触しないような間
   隔に設定して、供給レールと棒材頭部ガイドレー
   ルをその下方で一体に結合し、さらにこれらのレ
   ールに対し移送方向に移動するような振動を与え
   る手段を設けたことを特徴とする装置。