JPH01111005A - エヤギャップ紡糸法 - Google Patents

エヤギャップ紡糸法

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JPH01111005A
JPH01111005A JP26805887A JP26805887A JPH01111005A JP H01111005 A JPH01111005 A JP H01111005A JP 26805887 A JP26805887 A JP 26805887A JP 26805887 A JP26805887 A JP 26805887A JP H01111005 A JPH01111005 A JP H01111005A
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長沢 啓作
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栄二 佐藤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、紡糸口金から紡糸ドープ(以下ドープと略称
する)を−旦空気中に吐出し、次いで凝固液中に導いて
紡糸する、謂ゆるエヤギャップ式湿式紡糸に関し、更に
詳しくは、高速度紡糸に適した、紡糸状態が安定し、且
つ紡糸操作の容易なエヤギャップ紡糸に関する。
〔従来の技術〕
紡糸口金からドープを一旦空気又は不活性な非凝固性雰
囲気中に吐出し、その後凝固浴に導びきドープ流を凝固
させる、謂ゆるエヤギャップ式湿式紡糸法(又は、ドラ
イジェット湿式紡糸法、半乾半湿式紡糸法、乾湿式紡糸
法等とも呼ばれる)は、吐出されたドープ流が凝固され
ない空気層中で流動延伸される為にドープ流を細化、即
ち細デニール化しやすいことや、高速引取りしやすいこ
と、又、紡糸口金が凝固液に浸漬されない為に、各々を
独立に温度設定できること等の利点を有し、慣用の湿式
紡糸法の一つとして多くの提案(例えば、特公昭31−
8313号公報、特公昭36−12711号公報、特公
昭40−26212号公報、特公昭42−815号公報
他)がある。
更に、このエヤギャップ式湿式紡糸(以下エヤギャップ
紡糸と略称する)の高速引取り性、即ち高速紡糸性を更
に助長する為に、凝固糸条を凝固液と共に紡糸浴に設け
た流管を通じて紡糸浴から引出す、謂ゆる流管式湿式紡
糸との組合せも、特公昭45−2765号公報、特公昭
55−14170号公報等で提案されている。
このエヤギャップ紡糸と流管式湿式紡糸の組合せは、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミドの如き直線的分子構
造のアラミド他の液晶ドープの紡糸や、銅アンモニアレ
ーヨン又はビスコースレーヨンの如く、紡糸浴を出た後
の延伸率が低(、従って紡糸浴からの引取り速度そのも
のを速くせざるを得ない場合に多く提案されており、更
に凝固液と凝固糸条の走行摩擦抵抗を軽減して、凝固糸
条に加わる損傷を避けんとする提案も多く見られる。こ
れらについては例えば、特開昭53−78230号公報
、特開昭53−78231号公報、特開昭56−128
312号公報、特開昭57−121612号公報、特開
昭59−157316号公報、特開昭61−10241
3号公報、特開昭61−239012号公報等に開示さ
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のエヤギャップ紡糸法は高速化等の点で好ましいも
のではあるが、その最大の問題点は、紡糸口金から実質
的に凝固能のない空気層にドープが吐出される為に、ド
ープの紡糸口金面からの離れが悪いこと、紡糸口金面に
粘着したドープは単に粘着した部分のみの糸切断に止ま
らず、隣接する紡孔から吐出されるドープ流をも紡糸口
金面に粘着させ、ついには紡糸口金全面に亘って紡糸不
能とするという問題を生じやすい、同様に気体中にドー
プや熔融ポリマーを吐出する乾式紡糸法や熔融紡糸法に
おいても同様の問題を抱える。これらの問題はいずれも
、気体中でドープが乾燥されたり、熔融ポリマーが冷却
固化される等の点でエヤギャップ紡糸法における困難の
比ではない。
更に、エヤギャップ紡糸法の問題点は、空気層に吐出さ
れたドープ流が、次いで凝固液面を突破して凝固液中に
導かれねばならぬことである。この場合糸立て時や、糸
切れ時に、ドープ流が凝固液面との界面張力により、液
中には沈まずに液面を漂流することが多く、糸立て操作
を複雑にしている他、特に紡糸中に発生した単糸切断時
に、切断したドープ流が液面を漂流し、それが他の糸と
接触することで他の糸まで切断したり、漂流糸を随伴し
て流管入口を閉塞したりする。
これらはいずれもエヤギャップ紡糸を工業的に゛実施す
る上で、紡糸開始に人手と時間を必要とし、又、紡糸の
中断等、操業度を高める上で問題が大きい。
〔問題点を解決する手段〕
上記の問題は、エヤギャップ紡糸において、凝固された
糸条を流管を通じて凝固液と共に紡糸浴から引出し、該
流管の入口を凝固液面から5關乃至40mの距離に位置
させ、紡糸口金としてその紡孔軸が流管の中心線上であ
って、凝固液面から流管入口までの距離(L0)の中間
点と、流管入口からL0だけ流管出口方向に離れた点と
の間の一点で交差する如く穿孔されたものを用い、更に
紡糸ドープを該紡孔から350m/分以上の吐出線速で
吐出することにより解決される。
以下、本発明の構成につき、実施態様の一例を示す図を
引用しつつ詳細に説明する。
第1図は本発明の実施態様の一例を示すものであり、ド
ープはドープ供給管lを経てスピンパック2に供給され
、紡糸口金3を通じて吐出される。
紡孔4から吐出されたh′−プ流は、空気層8を通った
後、凝固液面(以下単に液面と称する)9に突入し、凝
固液10中を凝固しつつ糸条7として走行した後、流管
11を通って糸条14として引出され、変向ガイド15
を介して図示されない仕上げ装置へ送られる。凝固液は
ノズル13より密閉構造の紡糸浴12に送り込まれ、こ
の例ではその全量が流管11を通って糸条と共に流出す
る。
本発明のエヤギャップ紡糸で最も特徴とするところは、
紡糸口金3として、紡孔4の紡孔軸5が流管11の中心
線上の一点6で交差する如く傾いて穿孔されていること
であり、更にそのように設計された紡孔からドープが3
50m/分以上の極めて高い吐出線速で吐出されること
であり、これらの組合せにより、本発明の問題とする紡
糸口金面でのドープ離れの困難さ、空気層8から凝固液
面9ヘドープ流が突入するときの界面突破の困難さが解
決できる。
即ち、吐出線速度が350m/分未満では、吐出された
ドープが紡糸口金面に粘着しやすく避けられるべきであ
り、更に、吐出されたド−プ流の運動エネルギーも小さ
い為、空気N8を走行して凝固液面9に衝突した時に、
界面張力に打勝って、自動的に凝固液10中にドープ流
が侵入しない。
従って吐出線速は大なる程本発明の効果が顕著となるが
、大略350m/分以上であればよく、更に好ましくは
450m/分以上に選ばれればよい、吐出線速の上限は
特に制限されるものではなく、安定したドープの吐出が
保たれる範囲であれば、目的とするデニ゛−ルや引取り
速度等から任意に選定されてよい。
又、本発明の特徴とする紡孔軸5が流管中心線上の特定
の点6で交差するよう設計された紡孔群から、上記の条
件でドープを吐出することが肝要で、このような傾いた
紡孔軸5の紡孔4から上記の如く高い吐出線速で吐出さ
れたドープは、該紡孔軸5に沿ってドープ流を形成して
空気中を走行し、凝固液面に傾いた角度で衝突し、ドー
プ流の液面突破を助長する。更に凝固液中に浸入したド
ープ流は液中で拡散することなく自動的に流管入口に達
し、流管中を凝固液と共に流出する。
紡孔軸5の交差点6の位置も勿論重要であり、液面9と
流管11の入口との中間点よりも液面9に近いときは、
先立て時に各ドープ流が一本に合流し易く、引出し力が
加わっても液面9の界面張力によってドープ流が集束さ
れ、ドープ流を容易に分離できない問題を生じる為、好
ましくない。
又、該交差点6が液面9からあまりにも遠くなると従来
の紡糸口金を用いたと同様になって本発明の効果が得ら
れず、大略、流管入口から流管出口に向ってLoだけ入
った点以内に止めるべきである。
尚、該交差点6は、現実には工作精度の点から完全に一
点で交差せぬことがあることは十分理解されるべきであ
り、大略紡糸口金面と流管入口の距離り、の10%以内
又は2〜3n以内であれば、本発明の目標は達成される
本発明の実施に用いる紡糸口金の好適な例は、第1図の
如く、紡糸口金を凹面とし、紡孔を大略該凹面に垂直に
穿孔したものである。このような場合、ドープ流は大略
紡糸口金面に垂直に吐出され、紡糸口金面への粘着の発
生が生じにくい点でより好ましい実施態様を与える。但
し、紡孔軸は工作精度等の事情で完全に紡糸口金面に垂
直にならぬことがあることは理解されるべきであり、大
略10°好ましくは5°以内の誤差に入っていれば目的
を達する。
本発明の特徴とする上記の傾いた紡孔軸を持つ紡孔群の
効果がどのような原理に基ずくものであるかは十分解明
されるに至っていないが、一つには傾いた角度で液面に
ドープ流が衝突することが界面張力の作用を弱めている
ものと想像される。
又、現象的には、各ドープ流が液面に傾いて、それも流
管の中心に集束する方向に傾いて衝突する為に、液面を
突破できずに液面を漂流するドープ流が発生した時でも
、その漂流方向はドープ流群の中心に向うものであり、
且つ大きなドープ流れの運動エネルギーがそのま\漂流
速度となって漂流するドープ流が一点に集束し、その流
れの合流により液面を突破する場合もある。同様に紡糸
中に事故により部分的な糸条切断が生じた際にも、たと
えドープ流が液面を突破できずに漂流したとしても、そ
の漂流ドープは他の切断せず走行しているドープ流の方
向に急速に流れるので、走行ドープ流に瞬時に合流し液
面を突破してそのま\液中に導かれるのである。
尚、ドープ流が凝固液10の中で凝固しつつ走行し、流
管11を通じて凝固糸条14として引取られるに至った
ときには、空気層8を走行するドープ流はもはや紡孔軸
方向を外れ、凝固液中を走 9行する糸条7とはり同一
線上を、紡孔から直線的に流管に向って走行することが
多い。
本発明を実施する上で、紡孔の大きさや形状は制限され
るものではないが、紡孔の直径は、少なくとも0.04
w以上が好ましく、それ以下では、高速のドープ吐出に
より孔詰りを生じやすく、又、孔の工作上も穿孔精度が
悪く問題が多い、又、紡孔径が大きすぎると、−孔当り
のドープ吐出量が大きすぎ、高吐出線速に対応した高速
引取りにも限界がある為、単糸当りのデニールが過大と
なり、自ずと限界がある。通常は大略0.20w以下、
更に好ましくは0.10tm程度以下に選定されること
が多い。
本発明に用いる紡糸口金は当然、上記吐出線速による背
圧に耐える強度設定が考慮されればよく、その他の材質
や形状等については何ら制限するものではない。紡孔の
形状も特に制限するものではなく、謂ゆる異形断面糸を
紡糸する為に円形以外の形状であってもよい。
本発明を実施する上で、適用できる紡孔群を形成する紡
孔の数や、群の形や広さとしては、Loや、流管の口径
や形状、凝固液の流管への流入速度等により異なり、特
に制限されるものではない。
しかし紡孔群の面積が過大であれば、紡孔軸の交差角度
が大きくなりすぎ、紡糸口金の加工面で問題となる為、
円周上に紡孔を配列する場合には、最外周の紡孔配列用
の径としては、紡糸口金面から流管入口までの距離L0
の3倍以下、好ましくはLoの2倍以下、さらに好まし
くはり、以下、孔数としては1000孔以下、好ましく
は150孔以下に選ばれる。特別な場合として、流管を
スリット状にし、紡孔群の配列を数列の直線上に配置し
て長方形状とする場合では、更に多くの紡孔数であって
も本発明の効果が発揮できる。
本発明の流管を用いるエヤギャップ紡糸を実施する上で
、凝固液面9と流管11の入口の距離(L0)を適切に
定めることが重要である。
Loが大であると、紡糸開始時又は紡糸中に発生する糸
条切断時に、前述の如く自動的に液面を突破して浴中に
導入された糸条が引続き流管入口に導びかれす、凝固液
10の部分に滞留しやすい。
又、同時にLoが大であると走行糸条7と凝固液10と
の接触が長くなり摩擦抵抗が増して糸条の切断等の問題
を生じる。従ってLoは約40wm以下、更に好ましく
は30fi以下、特別な場合は15m以下に設定される
一方、し、が5fi以下では凝固液面に渦が発生しやす
く、液面が安定に保てない等の問題が生じ、好ましくな
い。
流管の入口は好ましくは、紡糸口金面に正対し、紡孔群
の中心から紡糸口金面に立てた垂直線上に位置すること
であるが、必らずしも正確にそれが守られなくとも本発
明の効果は期待できる。
本発明で言う流管とは、凝固浴から凝固しつつある糸条
を凝固液と共に流出させて取出す為の細管を総称してお
り、その内径、長さ、形状等については、何らの制限も
なく、用いるポリマー、ドープ性状、凝固機構等により
任意に最適のものが選ばれて良く、極端な場合は、凝固
浴に穿たれたオリフィスであっても良い。
流管の特別なものとしては、前述の如く、紡孔群を長方
形状に配置し、流管をこれに対応してスリット状にして
用いてもよい。
本発明を実施する上で、流管からの糸状の引取り速度や
流管を流れる凝固液の速度は特に制限されるものではな
いが、本発明の高い吐出線速や安定な紡糸性を活かすた
めには、引取り速度は高い方が好ましく、少なくとも2
00m/分以上、場合によっては、2000m/分とい
った高速度の引取りも可能である。又、このような高速
度で流管から糸条を引取る上で、流管中での凝固糸条と
凝固液の速度差が過大であると、摩擦力により糸条に無
用の変形を生じ、繊維切断や物性低下の原因となり好ま
しくない。通常この速度差は、200m/分以下、更に
は100m/分以下に設定されるのが好ましい。
空気層の長さも、本発明を実施する上で制限されるもの
ではないが、あまりに大きいと、空気層を走行するドー
プ流が不安定となり本発明の特徴とする液面突破効果ま
で失なうことがある為、通常30+n以下、好ましくは
20m5以下に選ばれる。
本発明の流管式湿式紡糸を実施する上で、紡糸用ドープ
の組成は限定されるものではなく、本発明の必要とする
条件が工業的に実施できるものであれば良いが、上記の
如く、従来の紡糸の概念からは異常とも言える吐出線速
故、紡糸口金の背圧が極めて高くなる為、高剪断速度下
に粘性抵抗が激減する構造粘性を有する光学的異方性ド
ープ又は液晶ドープや、流動配向しやすい剛直鎖ポリマ
ー又はウオーム(虫)ライク鎖ポリマーといわれるポリ
マーの溶液が好適である。
更に、同じ理由から、紡孔通過時の剪断速度下での見掛
けの粘度は、低い方が望ましく、好適には200ポアズ
以下であるが、それ以上であっても紡糸設備が十分な機
械強度をもって設計されていれば、本発明の実施は可能
である。
これらの本発明の実施に好適なドープの例としては、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミド(以下PPTAと略
記)を濃硫酸に溶解した光学異方性ドープ(特公昭50
−8474号公報、特公昭59−14568号公報を参
照)、セルロース誘導体の光学異方性ドープ(特開昭5
2−96230号公報参照)が挙げられる。
更に光学異方性ドープではないが、セルロースを銅アン
モニア錯体溶液に溶解したドープ、N−メチルモルホリ
ンオキサイド(以下NMMOと略称)と水の混合物に溶
解したドープ、セルローズザンテートのアリカリ水溶液
のドープ(謂ゆるビスコースドープ)も、本発明の実施
に好適であり、中でも、ビスコースドープは粘度が低く
、極めて高い吐出線速度、例えば1000m/分以上ま
で安定に吐出できる。又、NMMOと水のドープも、1
00℃前後まで温度を高めて使用でき、吐出時の粘度を
低めることができる点で有利である。
本発明の方法により流管式湿式紡糸された糸条は、次い
で、各々のポリマーや糸条の性質、引出し速度に応じて
任意の仕上げ工程に導かれ、繊維として完成される。
例えば、PPTA他の光学異方性ドープから得られた凝
固糸条は、紡糸されたま\で既に繊維構造が完成されて
いる為、既に本発明者らが提案した特公昭55−908
8号公報の如く、コンベア上に堆積させて、水洗、給油
、乾燥する方法が適用可能である。又、ビスコースレー
ヨンに本発明を適用した場合は、従来のセントル方式で
ケーク状に一旦捲取った後精錬仕上げされても良く、又
、本発明の安定な紡糸性を活かして、ネルソンロール方
式他の連続式精錬−乾燥装置により仕上げ処理されるこ
とも好ましい。
〔発明の作用〕
本発明のエヤギャップ紡糸の特徴とするところは、流管
紡糸法を併用して高速紡糸に適したものとし、更に最も
特徴とするところは、紡糸口金として、その紡孔の紡孔
軸が流管の中心線上であって、凝固浴面から流管入口ま
での距離は(L0)の中間点と、流管入口からLoだけ
流管出口方向に離れた点との間の一点で交差する如(穿
孔されたものを用い、且つドープを350m/分以上の
高速度で吐出させることであり、このような超高速度で
噴出的に吐出されたドープは、それ自体の運動エネルギ
ーにより紡糸口金面のドープ剥離力に勝り、これまでの
エヤギャップ紡糸で問題であった紡糸口金面へのドープ
の粘着という問題が発生しない、更に、ドープ流が紡孔
軸に沿って噴出され、凝固液面に傾いた角度で大きなエ
ネルギーで衝突する為に凝固液面に漂流することなく、
ただちに凝固液中に自動的に浸入し、液中でも拡散する
ことなく集束状態で流管に達する。
流管入口が上記の如く適切に設定されており、この糸条
は自動的に流管を通って凝固液と共に流出する。
このように円滑に紡糸開始が自動的に行え、又紡糸中に
事故的に発生する部分的なドープ流の切断に対しても、
自動的に紡糸が復旧される為、これまでエヤギャップ紡
糸の問題とされた操業率の低さが解消できる。
〔実施例〕
以下に実施例をもって本発明の実施態様の一例を例示す
るが、例中詩に断わらぬ限り、百分率は重量によるもの
である。
実施■1 下記条件で低温溶液重合法によりPPTAポリマーを得
た。
特公昭53−43986号公報に示された重合装置中で
N−メチルピロリドン1000部に無水塩化カルシウム
70部を溶解し、次いでパラフェニレンジアミン48.
6部を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸ジク
ロライド91.4部を粉末状で一度に加えた。数分後に
重合反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−4
3986号公報記載の方法にしたがって重合装置より重
合反応物を排出し、直ちに2軸の密閉型ニーグーに移し
、同ニーダ−中で重合反応物を微粉砕した0次に微粉砕
物をヘンシェルミキサー中に移し、はぼ等量の水を加え
てさらに粉砕した後、濾過し、数回温水中で洗浄して、
110℃の熱風中で乾燥した。98.5%硫酸中、0.
2 g /100−の濃度で30℃にて測定したηin
hが6.2の淡黄色のPPTAポリマー95部を得た。
得られたPPTAポリマーを99.8%濃硫酸にポリマ
ーta度が19%となるように、70℃で2時間かけて
溶解した。溶解は真空中で行い、溶解に次いで2時間真
空下に静置脱泡し、光学異方性ドープを調整した。尚、
光学異方性は偏光顕微鏡のクロスニコル下の暗視野が、
ドープのプレパラートにより明視野化することで確認し
た。
このドープを5US316ステンレス鋼の焼結不織布の
5,1/Imまで排除保証のフィルターで濾過した後、
タンタル製で、紡糸口金面が第2図の如く周辺部が16
2°の角度を成す斜面となるように凹面に加工され、そ
の斜面に直径8龍の円周上に0.045m1+の直径の
紡孔が25個、はり紡糸口金面にその紡孔軸が垂直とな
るように穿孔されており、紡孔軸は紡糸口金から25m
mの点で交差する紡糸口金を通じて、吐出線速400 
m /分で15mmので空気層に吐出した。
紡糸浴としては、第2図の如く、特開昭59−1573
16号公報記載の流管11の出口に減圧室16を設け、
ノズル17aを通じて該室内を減圧に吸引し、ノズル1
7bにて室内に溜る凝固液を吸引排出し、室下部に設け
たオリフィス18を通して糸条を引出す装置を用いた。
ここで、凝固液面と流管入口の距離L0は15寵で、凝
固液としては30℃の20%濃硫酸を用いた。
流管11は、15mの直径のガラス管の一端を円錐形に
絞り、その先端に直径約1m、長さ約1mmのオリフィ
スを穿ったものを、オリフィス部が紡糸浴中に挿入され
る如く設置した。
減圧室16を減圧にし、オリフィスから減圧室に流入す
る凝固液のオリフィス部線速を950m/分となるよう
に調整し、紡糸を開始した。
紡糸を開始すると同時に紡孔からドープ流が勢いよく噴
出され、紡孔軸に沿って円錐を形成する如く空気層を走
行し、瞬間的に液面を突破して流管に吸込まれて茶室て
が自動的に完了した。
次いで減圧室16から下部オリフィス18を通じて凝固
糸条を1000m/分の速度で引出した。
引出された凝固糸条は、特公昭55−9088号公報に
記載の如く、ステンレス鋼針金の平織金網の無端ベルト
よりなるコンベア上に先山状に堆積された状態で、1%
水酸化ナトリウム水溶液で中和され、次いで水洗、給油
された後、乾燥され、コンベア上から引取られ、巻き取
られた。
得られたPPTA繊維は、ヤーンデニールが85デニー
ル、強度23.7 g / d、伸度5.2%、初期モ
ジュラス375 g / dであった。
尚、紡糸を開始した後、最後の約30分の間、スピンパ
ック内のドープの置換不良によると思われる吐出ドープ
流への空気の混入が見られ、単糸切断を十数回生じたが
、その都度自動的にドープ流は液面を突破し、他の糸条
と共に流管及び下部オリフィスを通過し、紡糸を中断す
べき故障には至らなかった。
北笠■土 紡糸口金を、紡糸口金面が平坦で、紡孔軸が該口金面に
垂直に互いに平行に穿孔されている従来のものに変えた
他は実施例1と同一の条件で紡糸を行った。
先ず紡糸開始に当っては、ドープ流は一部は液面を突破
したものの、大半は液面を漂い、次いで突破した一部の
糸条と共に流管に引込まれた為、流管入口を漂流してい
た糸条塊が閉塞し、先立てできなかった。
次いで人手によって全ての糸条を流管に通し、下部オリ
フィスを通過させ、ネットコンベアに導き、糸条を巻き
取った。
実施例1と同様に、紡糸開始後はドープ流に空気の混入
があり、単糸切断が生じ、その結果単糸切断部のドープ
流が液面を漂い、その後他の糸条に巻き込まれて流管に
導かれる現象が観察された。
巻き込まれた糸条が塊状となって流管を閉塞することで
、紡糸の継続が不可能となった。
1隻■ル −ヨンに用いられる溶解用針葉樹パルプを稀硫酸に浸漬
して加水分解し、銅−アンモニア液によるηinhから
算出した平均重合度330のセルロースを、水酸化ナト
リウムを触媒としてアクリロニトリルと反応させ、置換
度が2.62のシアノエチルセルロース(CyEC)に
誘導した。
このCyECを予じめ尿素により亜硝酸根を除去された
75%硝酸に0℃で、30%となるよう溶解して得た光
学異方性ドープを第2図の装置を用い。
て紡糸を行った。
紡糸口金にステンレス鋼製であって、紡孔配列円の直径
が9Nと5Hの二重同心円配列で且つ0.055mの紡
孔が40孔配置されており、平坦な紡糸口金面にその紡
孔軸が紡糸口金面から25鰭の点で交差するよう穿孔さ
ているものを用い、吐出線速度を350m/分として吐
出させた。凝固液としては5℃の水を用い、空気層を1
0mm、液面と流管の距離を25鶴とした。流管は内径
が1mのガラス管を5011に切断したものを用い、凝
固液が775m/分で流出するように減圧室の排気を二
周整した。
紡糸開始時も、糸切れ時も、いずれも実施例1同様の極
めて容易な液面通過性と流管へのドープの流入による糸
条引出しが確認された。
引出された繊維を、ステンレス製のボビン上に巻き取り
、ボビンのま〜終夜流水に浸漬して洗浄し、次いでエヤ
オープン中で乾燥し、6.0 g / dの強度、5.
1%の伸度のcyEc繊維を得た。
土較舅1 紡糸口金として、通常の紡孔軸が平行である他は実施例
2と同様の設計のものを用い、その他の条件は実施例2
と同一条件で紡糸を行った。
この比較例では、吐出されたドープは、凝固液面に漂流
して容易には液中に導入されず、紡糸開始に手間取ると
いう操作上の問題が発生した。
3、  ′ 3 通常のビスコース(水酸化ナトリウム6%、セルロース
8.5%、1価40、粘度50秒)を、硫酸120 g
 / 1、硫酸ナトリウム260 g / l、硫酸亜
鉛15g/lを含む凝固液中にエヤギャップ紡糸した。
本実施例では紡糸浴としては第1図のものを用い、紡糸
口金としては、はり球面を形成する凹面の紡糸口金面に
、0.05mの直径の紡孔がその軸を紡糸口金面から2
0flの点で交差する如く33個穿孔された金−白金金
金製のものとし、空気層を5fl、液面と流管の距離を
8鰭に設定した。
流管は内径1.5Nのガラス管を4011に切断して用
い、凝固液を600 m /分の速度で該流管を通過す
るように供給した。
800m/分の吐出線速でビスコースを吐出したところ
、全く問題なく液面を突破し、流管から自動的に流れ出
した。
この糸条を600m/分で紡糸浴から引出し、凝固液と
共に空間を落下させ、次いでガイドを経て引取りロール
に導き、ネットコンベア上に堆積して精錬、水洗、乾燥
し、巻取った。尚、流管を出てから引取りロールの間で
約40%の伸長が生じており、引取りロールで850m
/分で引取ることができた。
得られた繊維は、75デニール、強度1.71 g /
d、伸度21.7%であり、通常のビスコースレーヨン
の数倍の速度で紡糸したにも関わらず、ケーク糸と遜色
ない物性を示した。
一方比較の為、吐出線速を200m/分に低めて紡糸を
開始したところ、吐出されたビスコース流が液面にたま
り、流管入口を閉塞する為、紡糸が不可能であり、ビス
コースドープの凝固繊維が弱いため、人手による流管へ
の糸通しも不可能であり、紡糸を断念した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高速紡糸に適したエヤギャップ紡糸と
流管式紡糸を組合せた湿式紡糸が、極めて容易に紡糸を
開始できる上、紡糸中の事故による単糸切断発生時も自
動的に糸条がつながりつつ紡糸が安定に継続するという
利点が提供され、湿式紡糸の生産性を高める上で有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の方法を実施するための装置
の一例を示す縦断面図である。 2・・・スピンパック、    3・・・紡糸口金、7
・・・凝固糸条、      8・・・空気層、9・・
・凝固液面、      10・・・凝固液、11・・
・流管、       12・・・紡糸浴、14・・・
凝固糸条、     16・・・減圧室、18・・・下
部オリフィス。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、紡糸口金より紡糸ドープを一旦空気中に押出し、次
    いで該ドープ流を凝固液中に導いて紡糸するエヤギャッ
    プ紡糸法において、凝固された糸条を流管を通じて凝固
    液と共に紡糸浴から引出し、該流管の入口を凝固液面か
    ら5mm乃至40mmの距離に位置させ、紡糸口金とし
    てその紡孔軸が流管の中心線上であって、凝固液面から
    流管入口までの距離(L_0)の中間点と、流管入口か
    らL_0だけ流管出口方向に離れた点との間の一点で交
    差する如く穿孔されたものを用い、更に紡糸ドープを該
    紡孔から350m/分以上の吐出線速で吐出することを
    特徴とするエヤギャップ紡糸法。 2、紡糸口金面が凹面であり、紡孔が該紡糸口金面にほ
    ゞ垂直に穿孔された紡糸口金を用いることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載のエヤギャップ紡糸法。 3、紡糸ドープがポリパラフェニレンテレフタルアミド
    の光学異方性ドープである特許請求の範囲第1項又は第
    2項記載のエヤギャップ紡糸法。 4、紡糸ドープがセルロール誘導体の光学異方性ドープ
    である特許請求の範囲第1項又は第2項記載のエヤギャ
    ップ紡糸法。 5、紡糸ドープがセルロースザンテートのアルカリ水溶
    液ドープ、セルロースの銅アンモニア錯体溶液ドープ、
    セルロースのN−メチルモルホリンオキサイドと水の混
    合物ドープのいずれかである特許請求の範囲第1項又は
    第2項記載のエヤギャップ紡糸法。
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