JPH0111039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、調味料として用いられる固形砂糖に
関するものであつて、砂糖の変化に富んだ使用を
可能にするものである。

〔従来の技術〕

砂糖は調味料として広い用途があるが、昨今で
は、単なる調味料に止まらず一種の菓子の如きフ
アツシヨン性に富んだ製品も市販されている。

例えば意匠登録第597348号等がその代表的なも
のであり、固形砂糖にクリーム状の砂糖材料を所
定形状の口金から絞り出し、花びら等の所望形状
に附着形成するものである。

これは例えば紅茶やコーヒーを喫茶する場合、
このように美麗にしてフアツシヨン性に富んだ砂
糖を用いることにより、、喫茶の楽しみを倍加さ
せようとするものであり、好評をもつて一般に受
け入れられている。

処で上記した砂糖は、、立方体形状の固形砂糖
に花びら等の所望形状の砂糖を附着形成したもの
であるが、更に進んで花びら等の装飾片を内部に
埋設することが考えられる。

しかしながら、このような装飾片を埋設した場
合、この装飾片が外部から透視できなければ、外
観装飾としての意味合いが薄れることになるの
で、固形砂糖自体が肉薄な平板形状であることが
望まれるようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

処が、固形砂糖を上述したような平板形状に成
形すると、固形砂糖はグラニユウ糖を固めて成形
するに過ぎないものであるために、肉薄なるが故
に脆弱であつて極めて成形しにくく、保存が困難
であつた。

本考案は、上述した従来の欠点、不都合を解消
し要望に応えるべく考案された固形砂糖に関する
ものであつて、肉薄な平板形状であつて、内部に
装飾片を埋設した外観体裁に優れた固形砂糖を得
ることができるようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕及び〔作用〕 本考案の固形砂糖１は、グラニユウ糖と粉糖と
を約２：１の割合で水分を加えて混合して成形さ
れた肉薄な平板体２内に、花びら等の装飾片６を
埋設して成形した構成である。

従つて、溶けた粉糖がグラニユウ糖粒子の間に
浸潤してグラニユウ糖粒子を相互に接着する機能
を果すことになり、単なるグラニユウ糖のみによ
つて成形する場合に較べてグラニユウ糖粒子相互
の結合が固く、乾燥した後の固形砂糖全体の強度
が或る程度強固なものとなり、肉薄な平板形状と
してもその形状を保持することができるので、多
少の振動等の衝撃が加わつても損傷することはな
い。本来粉糖は、極めてメツシユが細かく固結し
易い性質を有しており、それ故に数パーセント程
度のコーンスターチ或いはマルトース等を混入さ
せて固結をできるだけ防止するようにしているぐ
らいである。従つてこのような性質の粉糖を上記
した如くして用いれば、固形砂糖全体の強度を確
保させることが可能となるのである。

また砂糖のみで成形するものであつて肉薄とし
ているので、紅茶やコーヒーに入れた場合にも液
体が染み込み易く、従つて簡単に溶け、調味料と
しての本来の役目も充分に達成する。

そして、上述した肉薄な平板体２が得られる結
果、内部に花びら等の装飾片６を埋設した場合
に、この装飾片６が外部から視認することがで
き、外観体裁を極めて良好なものにすることが可
能となるのである。

〔実施例〕

本考案の固形砂糖１は肉薄な平板形状であつ
て、第１図で示した実施例では単なる平板正方形
形状であるが、長方形、ハート型形状、菱形形
状、円形形状等如何なる形状であつても良い。

図示実施例の場合、43mm×43mm×２mm程度で成
形されているが、勿論この大きさに限定されるも
のではなく、用途、要望に応じて各種のものが成
形され得る。形状は、成形型を各種用意するだけ
で選択できる。

またグラニユウ糖と粉糖との割合比率は、前述
したように約２：１とするのが最も望ましく、粉
糖の比率を大きくすると、強度の点では高まるも
のの、グラニユウ糖粒子が有する独特のきらめき
等の美観が減殺される虞れがある。

そして装飾を施す他の手段として、第３図に示
す如く、例えば食品的に無害な自然植物の花び
ら、レモンのスライス等の装飾片６を埋設するこ
とが考えられ、デザイン的に極めてユニークであ
るので、市販された場合の商品的な価値は大なる
ものがあると予想される。

平板体２は肉薄な平板形状であるが故に透明な
グラニユウ糖を透視し易く、従つて内部の装飾片
６を外部から見ることができ、装飾効果が大なる
ものとなる。この場合、装飾片６の表面はグラニ
ユウ糖粒子によつて薄く膜状に被覆されることに
なるので、装飾片６の色彩が和らげられて間接的
に透視できることになり、外観上極めて体裁の良
いものとなる。粉糖は、固まつた状態では白色不
透明であり、含有量が多過ぎると内部の装飾片６
が見にくくなるので、割合比率を最小限に止めて
おくのが良い。

そして装飾片６としては、前述したように一片
の花びらで構成することが考えられるが、その他
にも装飾片６にシナモン等の特徴ある香料を含浸
させたり更には、レモンのスライスの場合は紅茶
に最適である。

また、前記した固形砂糖１を成形する際に加え
る水分に、所望色の食用顔料を添加しておけば、
色彩の豊かな製品を得ることができるし、粉糖の
白色、グラニユウ糖の透明感と相俟つて、色調の
柔らかい刺激性の少ない色合を現出させることが
可能である。

このような固形砂糖１を２〜３枚重ねて透明紙
に包んで一単位として製品を、複数単位化粧箱に
収納すれば、クツキー等の高級菓子のイメージを
表現することができ、贈答用の商品としての価値
は極めて高いものとなる。また紅茶等の所謂テイ
ーバツグにこの固形砂糖１を重ねて包み、市販す
る形態をとれば、外観体裁が良好となりしかも便
利の良いものとなる。

更にはこのような薄い製品であるから、第２図
に示す如く、装飾を施した上で薄箱５に収納する
ことによつて、所謂グリーテイングカードとして
使用することも可能である。

この場合、上述した手段で成形された肉薄な平
板体２の表面に、更にデコレーシヨン３として従
来の如く花びら等を盛り上げて附着形成すること
も考えられる。このデコレーシヨン３は、例えば
顔料を混入した粉糖と卵白とをクリーム状に混ぜ
合せ、所定の口金を介して絞り出し、所望形状に
盛り付けるのである。

また平板体２の表面に、上記した材料を主成分
とする食用塗料を用いて、所定の文字等の模様４
を印刷附着することも可能である。この印刷は本
出願人が先に出願した特願昭58−231430号（特開
昭60−126057号）の技術によつて簡単に達成する
ことができる。

文字等の模様４は、例えば広告媒体として使用
することもできる。即ち平板体２の表面に店名、
地図等を附着記載させるなり、更には漫画、歌手
等のキヤラクターを付すのである。

図示実施例では、平板体２の表面に、デコレー
シヨン３と模様４とを合せて附着させており、グ
リーテイングカードとして極めて特異な製品とな
つている。

〔効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案の固形
砂糖は、強度が或る程度強固で肉薄な平板形状と
することができ、従つて肉薄な平板形状の固形砂
糖の内部に所望の装飾片を埋設することによつて
外部からこの装飾片の透視が可能となり、好みの
フアツシヨン性に富んだ製品が得られ、肉薄であ
るが故に成形後の乾燥も早く、構成が簡単であつ
て成形も容易である等、多くの優れた作用効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平板体の斜視図である。第２
図は実施例を示す斜視図である。第３図は本考案
の実施例を示す斜視図である。 符号の説明、１……固形砂糖、２……平板体、
３……デコレーシヨン、４……模様、５……薄
箱、６……装飾片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. グラニユウ糖と粉糖とを約２：１の割合で水分
   を加えて混合して成形された肉薄な平板体内に、
   花びら等の装飾片を埋設して成る固形砂糖。