JPH01110190A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱転写記録媒体に係わり、さらに詳しくはその
インク層の改良に関する。

〔従来の技術〕

熱転写記録媒体における熱溶融性インクは、バインダー
であるワックス類および樹脂類などの溶融物にカーボン
ブラックなどの着色剤を混合、分散させることによって
調製されている。

そして、市販の熱転写記録媒体を入手して、分析したと
ころ、上記着色剤としては平均粒径５０ｎｍ程度のカー
ボンブラックが使用されていた。

しかし、この場合、カーボンブラック含率が１６重重量
では印字したときの印字濃度が不充分であった。そこで
、カーボンブラックの含率を高くして印字濃度を高める
ことが検討されているが、カーボンブラックの含率を１
８〜２０重量％に増加すると、インクの溶融粘度が高く
なり、インクを支持体に均一な厚さで塗布することがで
きないという問題が発生した。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は、上記従来製品が持っていた印字流　　、度
が不充分であったという問題点を解決し、印字濃度が高
く、しかもインク層を均一な厚さに形成することができ
る熱転写記録媒体を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、粒径の異なる着色剤を特定割合で併用するこ
とによってインクの着色濃度を高め、かつインクの熔融
粘度を下げて、高反射濃度の印字が得られるようにする
とともに、インクを均一厚さで塗布することができるよ
うにしたものである。

すなわち、本発明は、インク層中の着色剤の構成を、粒
径７０〜８０ｎｍのものが２５〜７５重量％で、粒径２
０〜３０ｎｍのものが７５〜２５重量％となるようにし
たものである。

インク層中に粒径の異なる着色剤を用いることによって
、インクの着色濃度を高め、かつ溶融粘度を下げ得る理
由は次によるものである。

ワックス類および樹脂類をバインダーとし、それに一定
量の着色剤を加えて分散した場合、その着色剤の粒径が
小さいと、インクの着色濃度は高くなるが、溶融粘度も
大きくなって、インクを支持体に均一な厚さで塗布する
ことが困難になる。

これに対し、着色剤の粒径が大きいと、インクの溶融粘
度は小さく、インクを均一な厚さで塗布することが可能
になるが、インクの着色濃度が不充分になる。

そこで、本発明では、着色剤として粒径の小さいものと
、粒径の大きいものとを特定割合で混合して使用するこ
とにより、両者の長所を生かし、かつ欠点を補って、イ
ンクの着色濃度を高くし、かつ溶融時の粘度を小さくし
たのである。

インク中の着色剤を前記のような特定の構成にするには
、もともとそのような分布を持つものを使用すればよい
が、簡便な方法としては、平均粒径７５ｎｍの着色剤と
平均粒径２５ｎｍの着色剤とを前記のような割合で混ぜ
あわせるようにしてもよい。

着色剤としては、例えばカーボンブラック、アニリンブ
ラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ンなど種々のものを用い得るが、一般にはカーボンブラ
ックが用いられる。

本発明においては、インク中の着色剤を粒径７０〜８０
ｎｍのものが２５〜７５重量％で、粒径２０〜３０ｎｍ
のものが７５〜２５重量％にするが、これは粒径７０＝
３− 〜８０ｎｍの着色剤が２５重重量より少なくなると、イ
ンクの溶融粘度が高くなって、インクを均一な厚さで塗
布することが困難になり、また粒径７０〜８０ｎｍの着
色剤が７５重量％より多くなると、インクの着色濃度が
高くならず、したがって高反射濃度の印字が得られなく
なるからである。

〔実施例〕

実施例１〜３ パラフィンワックス５０重量部、カルナウバワックス１
０重量部、マイクロクリスタリンワックス１０重量部、
低分子量ポリエチレン１０重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体５重量部および着色剤として平均粒径７５ｎ
ｍのカーボンブラック（米国キャボット社製５ＴＥｌ？
ＬＩＮＧ　ＮＳ（商品名））を４重量部、８重量部、１
２重量部および平均粒径２５ｎｍのカーボンブラック（
米国キャボット社製ＭＯＧＵＬ　Ｌ（商品名））を１２
重量部、８重量部、４重量部混合し、温度１２０±５℃
に保温された振動式分散器中にて８時間分散を行った。

得られた３種類のインクの溶融粘度はそれぞれ６．７ポ
アズ、４．３ポアズ、３．５ポアズであった。

支持体としては厚さ３．５μｍのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを用い、この支持体上に、前記３種類の
インクをそれぞれ別々に４．０上５μｍの厚みにホット
メルトコーティング法で塗布して、インク層を形成する
ことにより熱転写記録媒体を得た。このようにして得ら
れた熱転写記録媒体を第１図に示す。第１図において、
■は支持体で、２はインク層であり、支持体１はポリエ
チレンテレフタレートフィルムからなり、インク層２は
上記のようにして調製された熱溶融性インクを上記支持
体１上に塗布することによって形成されたものである。

上記のようにして得られた熱転写記録媒体を６゜３５ｍ
ｍ幅にスリットし、得られたリボン状の熱転写記録媒体
をサーマルプリンターに装着し、ヘッド押付力３５０　
ｇ　、ヘッドサイズ（１ドツト）１５０μｍ×１５０μ
ｍ、エネルギー０．５ｍｊ／ｄａｔで、表面粗さへツタ
平滑度２００秒の紙に印字し、その印字濃度（反射濃度
）をマクベス社製反射濃度計で測定した。

また、インクの溶融粘度はレオメータ−（島津製作所製
ＲＭ−１型）で測定した。それらの結果を第１表に示す
。

比較例１ バインダーとしてのワックス類および樹脂類は実施例と
同一とし、着色剤として平均粒径２５ｎｍのカーボンブ
ラック（米国キャボット社製ＭＯＧＵＬＬ）を１６重量
部配合したほかは実施例と同様に行った。

比較例２ バインダーとしてのワックス類および樹脂類は実施例と
同一とし、着色剤として平均粒径７５ｎｍのカーボンブ
ラック（米国キャボット社製５ＴＵＲＬＩＮＧ　ＮＳ）
を１６重量部配合したほかは実施例と同様に行った。

これら比較例１〜２の熱転写記録媒体についても、実施
例と同様に印字して、その印字濃度を測定し、また、使
用されたインクの溶融粘度を測定した。それらの結果も
第１表に示す。なお、第１表においては、平均粒径７５
ｎｍのカーボンブラックの配合量の少ないものから順に
配置した。

第１表に示すように、実施例１〜３では、印字濃度が高
く、かつインクの溶融粘度も低く、インクを均一な厚さ
で塗布することができ、インク層表面の均一性が優れて
いた。

これに対し、比較例１は、インクの溶融粘度が高く、イ
ンクを均一な厚さで塗布することが困難なため、インク
層表面の均一性が劣っていた。−方、比較例２は、イン
クの溶融粘度が低く、インクを均一な厚さで塗布するこ
とは容易であったが、インクの黒色濃度が低いために印
字濃度が低かった。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明では、インク中の着色剤と
して粒径の異なるものを特定割合で用いることによって
、印字濃度を高くし、かつインクの溶融粘度を低くして
インク層を均一な厚さで形成することができるようにな
った。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る熱転写記録媒体の一例を示す断面
図である。 １・・・支持体、　２用インク層 特許出願人　日立マクセル株式会社

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）耐熱性の支持体上に、着色剤、ワックス類および
   樹脂類を主成分とする熱溶融性のインク層を設けた熱転
   写記録媒体において、上記インク層中の着色剤は、粒径
   ７０〜８０ｎｍの着色剤が２５〜７５重量％で、粒径２
   ０〜３０ｎｍの着色剤が７５〜２５重量％であることを
   特徴とする熱転写記録媒体。
2. （２）粒径７０〜８０ｎｍの着色剤が５０〜７５重量％
   で、粒径２０〜３０ｎｍの着色剤が５０〜２５重量％で
   ある特許請求の範囲第１項記載の熱転写記録媒体。