JPH0110702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は飲料を封入した紙パツク商品を冷蔵あ
るいは温蔵して販売する自動販売機において、前
記紙パツク商品を重積収納し、下部に併設された
搬出機構の駆動により最下位の商品から順次放出
される商品収納棚に関する。

〔従来の技術〕

自動販売機等から販売される清涼飲料の空罐、
空ビン等の後処理が社会的な問題となつている昨
今、安価で、しかも一般廃棄物と一緒に簡単に焼
却処理できる紙製パツクが前記罐、ビンと並ぶ飲
料容器として注目を浴びている。このような紙パ
ツク商品を自動販売機で販売する場合に、その販
売機構としては、垂直方向に移動する無端チエー
ンに複数の商品支持棚を配設し、無端チエーンの
駆動により商品支持棚を昇降して搬出機構部に商
品を運搬し、順次商品支持棚上から搬出するよう
にしたチエーンエレベータ方式、あるいはスパイ
ラルの間に商品を係止し、スパイラルを回転させ
ることにより順次商品を搬出するようにしたスパ
イラル方式が一般的であつた。しかしながら、こ
のようなチエーンエレベータ方式、あるいはスパ
イラル方式の販売機構にあつては、商品の充填作
業が非常に面倒で、しかも外形の割りに商品収納
個数が少ないという欠点がある。

そこで、かかる欠点に鑑み、例えばレンガ状の
紙パツク商品に関しては、第１図ａおよびｂに示
すように、対向する２つの壁板１，２を所定の間
隔で垂設して、支持板３上に柔軟な紙パツク商品
を重積して該商品を２つの壁板間１，２間に収納
する商品収納棚を形成し、下部に併設された搬出
機構（図示せず）により最下位の商品から順次搬
出するようにした商品搬出装置が考案された。
尚、図中４はレンガ状の紙パツク商品を示す。と
ころが、紙パツク商品は一般に柔軟で、しかも荷
重により変形しやすいため、重積した場合には第
２図に示す商品４のように、上位の商品の重量に
より押しつぶされて変形し、壁板１，２に圧接し
て壁板間に挟持されることがある。そして、この
ように壁板間に変形した商品４が挟持された場合
には、商品が円滑に搬出機構まで移送できないた
め、商品収納棚に商品があるにも拘らず販売不可
の状態になつてしまい、販売機会が無益に失なわ
れることとなる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、荷重に対する紙パツク商品の変形量を
見込んで壁板間の間隔を第３図のように広げた場
合、変形した商品４が斜めに傾いた際に壁板間に
係止され、やはり商品が下部の搬出機構まで移送
できずに販売不可となつてしまう。そして、さら
に壁板間の間隔を広げていくと、前述したような
商品が壁板間に係止されるという問題はなくなる
が、今度は第４図のように商品が商品収納棚内で
傾斜し、あるいは起立し、局部的な荷重を受けて
破損したり、また円滑に商品を搬出できない等の
問題が生じる。

本考案の目的は、上述したような点に鑑み、紙
パツク商品を販売する自動販売機にあつて、重積
した状態に収納された商品を円滑に搬出機構まで
移送することのできる商品収納棚を提供すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

かかる目的を達成するために、本考案は、対向
する２つの壁板を所定の間隔で垂設して、支持板
上に柔軟な紙パツク商品を重積して該商品を前記
２つの壁板間に収納する商品収納棚を形成し、重
積された商品を最下位の商品から順次搬出するよ
うにした自動販売機において、少なくとも一方の
壁板の他方の壁板との対向面に凹部を設け、商品
の変形に対する逃げしろを形成したものである。

〔作用〕

上記の構成では、変形した商品の側面が壁板に
圧接することなく凹部のコーナーで商品の側面の
４箇所を案内するので、重積収納により変形した
商品であつても、壁板間に挟持されたり斜めに傾
いたりすることがない。

〔実施例〕

次に本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。第５図ａおよびｂは本考案の第１実施例の構
成を示す正面図および横断面図である。この第１
実施例における商品収納棚は、壁板５，６の互い
の対向面にそれぞれ凹部５ａ，６ａを有し、荷重
による商品４の変形に対する「逃げしろ」を形成
する。一般に、レンガ状の紙パツク商品４は、第
６図に示すように、稜線４ａが強固で、側面４ｂ
が軟弱であるため、矢印方向から荷重がかかる
と、主に側面４ｂが変形する（ふくらむ）。この
ように側面４ｂの変形した商品４は、壁板５，６
の凹部５ａ，６ａのコーナーによつて側面４ｂの
稜線４ａに近い４箇所が案内される。このとき、
側面４ｂの中央近傍（変形が著しい部分）は壁板
５，６の凹部５ａ，６ａに臨み、壁板５，６と離
間している。

このように対向する壁板に凹部を設け、商品の
変形に対する「逃げしろ」を形成した商品収納棚
にあつては、変形した商品の側面が壁板に圧接す
ることなく、かつ前記凹部におけるコーナーで側
面の４箇所を案内するようにしたので、重積収納
により変形した商品であつても、壁板間に挟持さ
れたり、あるいは斜めに傾いたりすることなく、
搬出動作に伴つて円滑に搬出機構まで移送するこ
とができる。

第７図ａおよびｂは本考案の第２実施例の構成
を示す正面図および横断面図である。この第２実
施例における商品収納棚は、壁板７が単なる平板
であつて、壁板５だけが商品の変形に対する「逃
げしろ」を形成する凹部５ａを有する。したがつ
て、変形した商品４は、一方の側面４ｂを壁板７
に沿わせ、他方の側面４ｂの２箇所を壁板５の凹
部５ａの２つのコーナーに案内されて壁板間を移
送される。壁板５，７は、変形した商品４が一方
の側面４ｂを壁板７に圧接しない程度に離間され
る。

このような商品収納棚にあつても、第１実施例
で示したものと同様に、商品は壁板に圧接される
ことなく円滑に移送でき、しかも側面が壁板の凹
部のコーナーによつて案内されているので、斜め
に傾いたりすることもない。そして、一方の壁板
を単なる平板としたこの第２実施例の商品収納棚
は、前述した第１実施例のものと比べて横幅が短
かく、商品搬出装置の小形化を図ることができ
る。

尚、上述した実施例では、一方の壁板の表裏に
２つの商品収納棚を並設したが、本考案はかかる
構成に限定されるものではなく、また搬出機構と
しても種々のものが使用可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり、本考案によれば、対向す
る２つの壁板を所定の間隔で垂設して、支持板上
に柔軟な紙パツク商品を重積して該商品を前記２
つの壁板間に収納する商品収納棚を形成し、重積
された商品を最下位の商品から順次搬出するよう
にした自動販売機において、少なくとも一方の壁
板の他方の壁板との対向面に凹部を設け、商品の
変形に対する「逃げしろ」を形成したので、収納
された商品は壁板間に挟持されたり、傾いて係止
されたりすることなく、整然と重積した状態で搬
出機構まで円滑に移送される。したがつて、商品
の変形により搬出動作に支障を来たす恐れが解決
され、従来に比べて多数の商品を収納することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａおよびｂは、従来の商品収納棚の構成
を示す正面図および横断面図、第２図、第３図お
よび第４図は第１図の商品収納棚における問題点
を説明するための説明図、第５図ａおよびｂは本
考案の第１実施例の構成を示す正面図および横断
面図、第６図は紙パツク商品の荷重に対する変形
を説明するための説明図、第７図ａおよびｂは本
考案の第２実施例の構成を示す正面図および横断
面図である。 １，２，５，６，７……壁板、３……支持板、
４……商品、５ａ，６ａ……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する２つの壁板を所定の間隔で垂設して、
   支持板上に柔軟な紙パツク商品を重積して該商品
   を前記２つの壁板間に収納する商品収納棚を形成
   し、重積された商品を最下位の商品から順次搬出
   するようにした自動販売機において、少なくとも
   一方の壁板の他方の壁板との対向面に凹部を設
   け、商品の変形に対する逃げしろを形成したこと
   を特徴とする自動販売機の商品収納棚。