JPH01104257A - 人工皮膚およびその製造方法 - Google Patents

人工皮膚およびその製造方法

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JPH01104257A
JPH01104257A JP18798588A JP18798588A JPH01104257A JP H01104257 A JPH01104257 A JP H01104257A JP 18798588 A JP18798588 A JP 18798588A JP 18798588 A JP18798588 A JP 18798588A JP H01104257 A JPH01104257 A JP H01104257A
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JP
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layer
fibrous material
fiber material
artificial skin
polymer support
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JP18798588A
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English (en)
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Yosuke Urabe
浦部 洋輔
Hiroyuki Kawashima
川島 裕幸
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BIO MATERIAL YUNIBAASU KK
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
BIO MATERIAL YUNIBAASU KK
Dow Corning Asia Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、人間そ・の他の動物の熱傷や外傷などによる
創傷部への被覆材として用いられる人工皮膚およびその
製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
現在、熱傷や外傷などに起因する創傷部を−時的に被覆
し、体液の喪失、細菌の感染などを防止して治應の促進
を図る目的で使用される人工皮膚あるいは創傷被覆材と
して、いくつかのものが知られている。一般にこの種の
人工皮膚は、高分子支持膜とこの高分子支持膜に固定さ
れた繊維材とにより構成されており、繊維材が創傷面に
接するよう患部に貼付された状態で皮膚面に固定されて
適用される。そして最近においては、繊維材として生体
吸収性物質よりなるものを用いたものが提案され、開発
されている。
このような生体吸収性物質よりなる繊維材を高分子支持
膜に設けてなる人工皮膚は、創傷の治應するときまでに
その繊維材が生体内に吸収されるため、新生表皮の形成
後に高分子支持膜を剥離したときに新生表皮を傷つける
ことがなく、後処置も簡便であるなどの点で有利である
而して、以上のような生体吸収性物質よりなる繊維材を
使用した従来の人工皮膚の製造方法においては、第2図
に示すように、適用される際に剥離除去される剥離性の
保護用フィルム1の剥離性面上に、例えば未硬化のシリ
コーンゴムなどよりなる支持膜材料を層状に設けること
により、硬化されたときに高分子支持膜2を形成するこ
ととなる支持膜材料層を形成し、この支持膜材料層上に
生体吸収性物質よりなる繊維材3を配置して圧着させ、
これによって当該繊維材の一部を支持膜材料層内に埋没
した状態とし、この状態で当該支持膜材料層を硬化処理
することにより、繊維材3が固定された高分子支持膜2
を形成するようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、以上のような方法によっては、生体吸収
性物質よりなる繊維材3を好適に高分子支持膜2に固定
することができない。すなわち、硬化して高分子支持膜
2を形成する支持膜材料層に繊維材3を圧着させるとき
には、圧着力の大きさに厳密さが要求されるにもかかわ
らず、この圧着力の制御は相当に困難であり、その圧着
力が過大である場合には、第2図(A)に示すように、
繊維材3が支持膜材料層を貫通する結果、保護用フィル
ム1に被覆されている高分子支持膜20表面Sに繊維材
3が露出する状態となる。このような状態の人工皮膚は
、繊維材3の実際に機能する部分3Aの厚さtが小さく
て所期の効果を得ることができないのみならず、高分子
支持膜2内に繊維材が介在するために当該高分子支持膜
2に大きな強度を得ることができず、伸長されたときに
破断しやすいものとなる。
一方、圧着力が過小の場合には、第2図(B)に示すよ
うに、繊維材3は支持膜材料層内に僅かに埋没されるの
みであるため、高分子支持膜2の厚さ方向における繊維
材3の埋没深さdが小さい状態となる。このような状態
の人工皮膚は、高分子支持膜2と繊維材3との一体性が
低くて適用されている間に高分子支持膜2が脱離するお
それがあり、また繊維材3の実際に機能する部分3Aの
厚さtが大きいため、高分子支持膜2と適用された皮膚
面との間に間隙が形成されるようになって感染を招く原
因となり、人工皮膚としての機能を果たすことのできな
いものである。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであ
って、その第1の目的は、生体吸収性物質よりなる繊維
材が高分子、支持膜に好適に固定されており、十分大き
な強度を有すると共に、繊維材の所期の作用が確実に発
揮される人工皮膚を提供することにある。
本発明の第2の目的は、生体吸収性物質よりなる繊維材
が高分子支持膜に好適に固定された人工皮膚を、容易に
かつ確実に製造することのできる方法を提供することに
ある。
〔問題点を解決する手段〕 本発明に係る人工皮膚は、基体膜層およびこの基体膜層
上に形成されたIllll面材固定層なる高分子支持膜
と、この高分子支持膜の繊維材固定層にその一部が埋没
されて固定された生体吸収性物質よりなる繊維材とより
なることを特徴とする。
以上において、前記繊維材は、高分子支持膜の繊維材固
定層にふける厚さ方向の全体に埋没されているものとさ
れること、並びに前記高分子支持膜の基体膜層が合成高
分子化合物により形成されかつ繊維材固定層が当該基体
膜層と同種の合成高分子化合物により形成されることが
好ましい。
以上のような構成の人工皮膚によれば、高分子支持膜の
基体膜層は繊維材と別個に形成することができるため、
これを常に十分な柔軟性と強度を有するものとすること
ができ、また生体吸収性物質よりなる繊維材はいわば専
用の繊維材固定層に固定されるため、十分な固定強度が
得られると共に、当該m雑材の所期の機能を確実に発揮
させることができる。
そして繊維材を繊維材固定層における厚さ方向の全体に
埋没させることにより、繊維材の固定状態にムラのない
、従って全体に均一性の高い人工皮膚が得られ、また高
分子支持膜の基体膜層と繊維材固定層とを同種の合成高
分子化合物によって形成することにより、両者の一体性
を確実なものとすることができて大きな強度の高分子支
持膜を有する人工皮膚を得ることができる。
本発明の人工皮膚の製造方法は、基体膜層上に形成され
た、硬化して繊維材固定層を形成する繊維材固定材料層
に、生体吸収性物質よりなる#ia維材雑材着してその
一部を埋没させ、その後繊維材固定材料層を硬化処理す
ることにより、前記繊維材が固定された、前記基体膜層
と共に高分子支持膜を構成する繊維材固定層を形成する
ことを特徴とする。そして繊維材は、繊維材固定材料層
の厚さ方向の全体に埋没するよう当該繊維材固定材料層
に圧着させるのが好ましい。
このような方法によれば、生体吸収性物質よりなる繊維
材を繊維材固定層に圧着する際に、厳しい圧着力の制御
を要することなく、確実に所期の埋没深さで繊維材固定
層に圧着させることができ、製造上の条件が緩やかにな
ると同時に、品質および特性の安定した人工皮膚を容易
に製造することができる。
以下図面によって本発明の実施例について具体的に説明
する。
第1図は、本発明に係る人工皮膚10の構成を示す説明
用断面図であって、11は剥離性の保護用フィルム、1
3は繊維材、15は基体膜層12および繊維材固定層1
4よりなる高分子支持膜を示す。すなわち、保護用フィ
ルム11の剥離性面F上に、基体膜層12と繊維材固定
層14とが積層されてなる高分子支持膜15が設けられ
、生体吸収性物質よりなる繊維材13は、その一部が繊
維材固定層14における厚さ方向の全体に埋没された状
態で、高分子支持膜15に固定されている。
本発明によれば、このような人工皮膚10は、次のよう
にして製造される。すなわち、剥離性の保護用フィルム
11を用意し、この保護用フィルム11の剥離性面F上
に、例えば未硬化のシリコーンゴムを塗布し、必要な熱
処理を施して硬化させて高分子化合物よりなる基体膜層
12を形成させる。次いでこの基体膜層12上に、当該
基体膜層12の材料と同じシリコーンゴムを塗布して繊
維材固定材料層を形成し、この繊維材固定材料層上に生
体吸収性物質よりなる繊維材13を配置して圧着させ、
これにより繊維材13の一部を繊維材固定材料層におけ
る厚さ方向の全体に埋没させ、この状態において、必要
な熱処理を施すことにより当該繊維材固定材料層を硬化
させ、これにより、基体膜層12と一体となった高分子
支持膜15を構成しかつ繊維材13が固定された高分子
化合物よりなる繊維材固定層14を形成させる。
斯くして、繊維材13が繊維材固定層14の厚さと実質
的に等しい埋没深さdで高分子支持膜15に固定されて
なる人工皮膚10を製造することができる。
以上において、高分子支持膜は、 (イ)正常な皮膚と同程度あるいはそれに近い水分透過
率を有すること、 (ロ)関節その他の体用曲部を覆うために必要な柔軟性
を有すること、 (ハ)縫合糸等によって創傷面に固定する上で必要な強
度を有すること、 (ニ)治癒後の剥離操作が容易になされ得るよう、十分
な一体性を有すること、 (ホ)発熱性や抗原性を有しないこと、(へ)耐滅菌性
を有すること、 が要求されるので、そのような要求を十分に充足し得る
ものであることが好ましい。
このような高分子支持膜を構成する基体膜層の材質とし
ては、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ
素ゴム、ブタジェンゴム、スチレン−ブタジェンゴム、
フチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴ
ムなどの合成ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルアルコール、ポリエステル、フッ素樹脂等を挙げる
ことができる。これらのうち、シリコーン弾性体、特に
シリコーンゴムが好ましい材質であり、過酸化物加硫型
、白金系触媒加硫型、室温加硫型など種々のシリコーン
弾性体から選んだものを有利に用いることができる。あ
るいはいわゆるシリコーン接着剤、または斯かるシリコ
ーンと他の有機高分子体との共重合体若しくは配合物も
使用することができる。
具体的には、米国ダウコーニング社から「ダウコーニン
グMDX 4−4210  工5ス)?−J、「サイラ
スティック382  エラストマー」、「ダウコーニン
グ891  接着剤j等の医療用シリコーンとして市販
されているものがある。
また繊維材固定層の材質としては、上記基体膜層と良好
な密着性を有し、硬化処理する以前の未硬化時には生体
吸収性物質よりなる繊維材を圧着によって埋没させるこ
とのできる程度に軟かい状態を有し、硬化処理したとき
は強い高分子化合物となって繊維材の埋没された部分を
固定することができるものであれば、特に制限されるも
のではないが、実際には、基体膜層に対して良好な密着
性が確実に得られることから、当該基体膜層と同一ある
いは同種の高分子化合物を与えるものを用いるのが好ま
しい場合が多い。
上記の高分子支持膜の厚さは、後述するように人工皮膚
として機能するよう適用される部位、すなわち創傷部の
表面形状に合うように密着することができ、かつ剥離さ
れるときに、簡単に裂けたり破れたりすることのないよ
うな厚さであれば、特に制限されるものではない。しか
し、その厚さが10卿以下では破れ易くなり、また50
0μs以上では、適用されたときに当該高分子支持膜と
創傷部の凹所との間に隙間が形成されるようになるおそ
れがあるので、特に20〜100 mの範囲であること
が好ましい。
上記繊維材は、当該人工皮膚が適用されて新生表皮が成
長する治癒期間の間、当該高分子支持膜が適用創傷面か
ら離脱することがない程度に、高分子支持膜の繊維材固
定層に一体的に固定されていることが必要である。
前記繊維材としては、生体吸収性物質よりなるものが用
いられる。斯かる繊維材は、通常、生体吸収性高分子物
質を紡糸することによって得ることができるが、生体吸
収性高分子物質と非吸収性高分子物質との混紡繊維より
なるものであってもよい。ここに生体吸収性高分子物質
とは、生体組織に接触した状態に右いて、当該生体組織
の物理的あるいは化学的作用によって分解、変質して当
該生体に吸収される物質であり、その具体例としては、
例えば、ポリグリコール酸、ポリラクチド、ポリジオキ
サノン、ポリカプロラクトン、グリコール酸゛−乳酸共
重合体くグリコリド−ラクチド共重合体)、コラーゲン
、ポリアミノ酸、グリコリド−カプロラクトン共重合体
、アミノ酸−乳酸共重合体、ポリ乳酸、乳酸−カプロラ
クトン共重合体、キチン、キトサン、その他を挙げるこ
とができる。
このような生体吸収性高分子物質の5auiの具体例と
しては、例えば「バイクリル」 (エチコン社製グリコ
ール酸−乳酸共重合体) 、rPDsJ (エチコン社
製ポリジオキサノン)、「デキソン」(デービスアント
ゲツク社製ポリグリコール酸)、その他のものが市販さ
れている。
以上のような生体吸収性物質よりなるm雑材は、単繊維
、繊維束、繊維の編織布すなわち編成物若しくは織成物
の状態のいずれのものであっても使用することができる
が、特にメッシニ状の編織布であることが好ましい。
繊維材の繊維の太さは限定されるものではないが、通常
50デニール以下の太さ、例えば20〜30デニールで
あることが好ましい。また編成物若しくは織成物よりな
る繊維材を用いる場合において、当該編成物若しくは織
成物の組織は特に限定されるものではなく、例えばシン
グル、ダブルなどの丸編、あるいはトリコットなどの経
編、平織、綾織などの任意の組織のものとすることがで
きるが、伸縮性および縁部のほつれなどの点から、経編
組織が最適である。またいわゆる編・織目は完全に詰ま
った状態ではなくて、規則的に配列された孔(目)を有
する多孔状のものであることが好ましい。
固定されるべき繊維材の量若しくは厚みは特に制限され
るものではないが、実際に用いられる繊維材の材質であ
る生体吸収性物質の種類、適用されるべき創傷部の状態
、その他の条件に応じ、繊維材の量(厚み)、繊維材を
形成している繊維の状態、特に繊維の太さあるいは形態
、その他を適宜選定することができる。
ただし、繊維材は、後述するように高分子支持膜を創傷
面に密着させる機能を果たすものであることから、当該
機能が確実に5発揮されるに十分な量で高分子支持膜上
に存在する必要がある。この観点から、高分子支持膜の
単位面積当たりの繊維材の量は5g/m’以上、特に1
0 g /m”以上であることが好ましい。一方、当該
繊維材が生体に吸収されるということからは、当該繊維
材の量はできるだけ少ないことが望ましく 、200 
g 7m2以下、特に30 g /m’以下であること
が好ましい。結局、本発明において繊維材の量は10〜
30 g /m2の範囲が特に好ましい。
なお、このような量で繊維材を固定する繊維材固定層の
厚みは、当該繊維材が固定されればよいので、特に限定
されるべきものではない。
上述の生体吸収性物質よりなる繊維材には、必要に応じ
て生物学的製剤を保持させることができる。ここに用い
られる生物学的製剤の具体例としては、例えばコラーゲ
ン、ゼラチン、フィブリノーゲン、アルブミン、その他
の蛋白質、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、その他
のムコ多糖類、リジン、アスパラギン酸、グリシン、そ
の他のアミノ酸、レシチンなどを挙げることができる。
このうち、特にコラーゲンを好適に用いることができる
斯かる生物学的製剤は、加水分解処理が施された繊維材
に保持させればよいが、そのための手段は特に制限され
るものではなく、例えば散布、浸漬などの種々の塗布手
段のうちから、用いる生物学的製剤の性状、その他の条
件に応じて選んだ適宜の手段によって繊維材に保持させ
ればよい。また生物学的製剤を繊維材に適用した後、化
学的処理あるいは熱的処理を施すことにより、当該生物
学的製剤をm雑材に架橋させてその結合状態を強化する
ことが可能な場合がある。
前記生物学的製剤の適用量は特に限定されるものではな
いが、例えば繊維材に対して数ミクロンから約100ミ
クロンの厚さとなる範囲とされる。
適用量が多い場合は不経済となろう。
そして前記生物学的製剤は、通常、前記繊維材に単に塗
布するなどの手段によって適用すれば足りるが、プライ
マー処理、架橋反応、その他の特別な固定子役を施して
もよい。
〔発明の作用ふよび効果〕
以上のような構成の人工皮膚10は、適用に際して、繊
維材13が露出する面が対象とする創傷面に接するよう
貼付され、保護用フィルム11が高分子支持膜15から
剥離されて高分子支持膜15が創傷部の周囲の皮膚に、
縫合、その他の手段によって固定される。これにより、
創傷部が当該人工皮膚によって覆われて保護される。そ
して創傷部における新生表皮の成長は繊維材中にも進入
した状態で行われるようになるため、当該人工皮膚の創
傷面に対する接着性が十分であって適用された創傷部が
治癒するまでの間に離脱するようなことがない。
しかも繊維材は、生体吸収性物質よりなるものであるた
め適用中に吹竿に吸収され、通常2〜4週間の長さであ
る治癒期間の終期には殆ど分解劣化するようになる。こ
の結果、当該繊維材の境界付近において当該繊維材の繊
維材固定層による固定状態が解消されあるいは固定力が
きわめて微弱となり、この結果、高分子支持膜のみをき
わめて弱い力で確実に適用皮膚面から剥離することがで
き、しかも新生表皮を傷つけることがない。
そして本発明に係る人工皮膚においては、基体膜層12
は繊維材13と別個に単独で形成することができるので
、必要な強度および柔軟性を有するものとすることが容
易であり、また生体吸収性物質よりなる繊維材13は専
用の繊維材固定層14に固定されるため、十分な固定強
度が得られてしかも所期の機能を確実に発揮させること
ができる。
更に、高分子支持膜15における繊維材13の埋没深さ
dを、当該繊維材固定層4の厚さと実質的に等しいもの
とすることが容易であり、また繊維材13の繊維材固定
層14における固定状態を全体に高い均一性をもって実
現することができるため、作用または特性の均一性が高
い人工皮膚が得られる。
また高分子支持膜15を構成する基体膜層12と繊維材
固定層14とを互いに同種の合成高分子化合物により形
成すると、両者の一体性を確実なものとすることができ
、その結果大きな強度の高分子支持膜を具えた人工皮膚
を得ることができる。
なお、繊維材に生物学的製剤を適用した場合には、その
種類によっても異なるが、例えば生体組織に対する適合
性(親和性)の向上、新生表皮の成長の促進、あるいは
適用創傷面に対する接着性の向上などを図ることができ
る。そして前記繊維材は、生物学的製剤に対してきわめ
て優れた保持体であり、このように繊維材に保持させる
ことにより当該生物学的製剤の創傷面に対する接触面積
を大きくすることがきわめて容易である。また生物学的
製剤を繊維材に保持させることにより、人工皮膚全体の
強度の向上を期待することができる場合もある。
また本発明の方法によれば、繊維材13が貫入されない
基体膜層12上に繊維材固定材料層を形成し、この繊維
材固定材料層に生体吸収性物質よりなる繊維材13を圧
着し、その後に当該繊維材固定材料層を硬化処理して繊
維材13が固定された繊維材固定層14を形成させるた
め、繊維材を圧着する際の圧着力を多少大きく設定する
ことにより、確実に繊維材固定層14における厚さ方向
の全体に当該繊維材13を埋没させて圧着することがで
き、従って作用させるべき圧着力に要求される厳密さが
大幅に緩和されてしかも確実に繊維材13の固定を達成
することができると共に、繊維材13が高分子支持膜1
5を貫通して表面に露出することがなく、高分子支持膜
15の強度が犠牲にされることもない。そして、繊維材
13の埋没深さdは、常に一定の埋没深さ、すなわち繊
維材固定層14の厚さと同じ埋没深さとすることができ
るため、均一な特性と安定した品質の人工皮膚を容易に
得ることができる。
〔実施例〕
以下実施例について説明するが、本発明がこれらによっ
て限定されるものではない。
実施例1 ポリエチレンテレフタレートよりなる剥離性の保護用フ
ィルムの剥離性面上に、白金系触媒加硫型シリコーンゴ
ム「サイラスティック(SILASTIC)エラストマ
ー Q7−4840^/B」のクロロセンによる濃度4
0%の分散液を、硬化後の厚さが25ミクロンとなるよ
うに塗布し、風乾した後温度120℃で10分間加熱処
理することにより当該シリコーンゴムを硬化させて高分
子支持膜を形成した。
次に上記と同一のシリコーンゴムの分散液を、硬化後の
厚さが20ミクロンとなるように高分子支持膜上に塗布
して繊維材固定材料層を形成し、この繊維材固定材料層
上に、ポリグリコール酸よりなる繊維をメツシュ状に編
織して得られた繊維材を18g/m2の量となるように
置いて2 kg/4.5cm幅のゴムロールを使用して
50cm/minの速度で1回転がすことによって圧着
させ、風乾した後温度120℃で10分間加熱処理する
ことにより当該繊維材固定材料層のシリコーンゴムを硬
化させ、これにより繊維材が固定された繊維材固定層を
形成した。そしてこの繊維材に対してアテロコラーゲン
の0.3%水溶液をスプレーによって塗布し、室温で1
日乾燥させることにより、繊維材が繊維材固定層の厚さ
方向の全体に繊維材が埋没されてなる人工皮膚を製造し
た。これを「試料1」とする。
実施例2 実施例1において、繊維材固定材料層に対する繊維材の
圧着を、同様のゴムロールに更に4kgの荷重を与えて
行った他は、実施例1と全く同様にして、繊維材が繊維
材固定層の厚さ方向の全体にm雑材が埋没されてなる人
工皮膚を製造した。これを「試料2」とする。
実施例3 実施例1で用いたシリコーンゴム「サイラスティック 
(SILASTIC)  エラストマーロア −484
0A/BJのクロロセンによる濃度40%の分散液の代
わりに、シリコーンゴム「サイラスティック (SIL
ASTIC)エラストマー Q7−4720J (Q、
クロロセンによる濃度30%の分散液を用いた他は、実
施例1と全く同様にして、繊維材が繊維材固定層の厚さ
方向の全体に繊維材が埋没されてなる人工皮膚を製造し
た。
これを「試料3」とする。
比較例1 実施例1と同様の保護用フィルムに、シリコーンゴム「
サイラスティック (SILASTIC)  エラスト
マー Q7−484OA/BJのクロロセンによる濃度
40%の分散液を、硬化後の厚さが45ミクロンとなる
ように塗布してシリコーンゴムよりなる支持膜材料層を
形成し、この支持膜材料層上に実施例1におけるものと
同様の繊維材を18g/m’の量となるように首いて2
kg/4.5cm幅のゴムロールを使用して50cm/
minの速度で1回転がすことによって圧着させ、風乾
した後温度120℃で10分間加熱処理することにより
当該支持膜材料層のシリコーンゴムを硬化させて高分子
支持膜を形成した。そして、繊維材に対してアテロコラ
ーゲンの0,3%水溶液をスプレーによって塗布し、室
温で1日乾燥させることにより、人工皮膚を製造した。
これを「比較試料1」とする。
この人工皮膚は、繊維材が硬化されたシリコーンゴム層
の厚さ方向の全体に埋没されてしかも当該シリコーンゴ
ム層の表面に繊維材が露出するものであり、実際の使用
には供し得ないものであった。
以上のようにして得られた試料および比較試料の各々に
ついて引張試験を行い、引張強度および伸びを、下記の
測定条件により測定した。結果は第1表に示すとおりで
ある。
第1表 第1表の結果から、本発明の製造方法によれば、繊維材
に作用させる圧着力の差異が、最終的に得られる人工皮
膚に与える影響が非常に小さく、きわめて安定した品質
の人工皮膚が得られることが明らかである。また、同一
の全厚さを有する高分子支持膜を具えたものでありなが
ら、本発明のように当該高分子支持膜をその外側に位置
する基体膜層と内側に位置する繊維材固定層とに分割し
て当該基体膜層を単独で形成しかつ当該繊維材固定層に
生体吸収性物質よりなる繊維材を埋没させてなる試料1
の人工皮膚は、そのような基体膜層を分離して形成され
ない比較試料1の人工皮膚に比して、引張強度および伸
び特性がいずれも卓越していることが明らかである。
実施例4 実施例1において、繊維材の量を10g/m’としたこ
とおよびアテロコラーゲンの0.3%水溶液の代わりに
ゼラチンの1.0%水溶液を用いたことの他は、実施例
1と全く同様にして、人工皮膚を製造した。これを「試
料4」とする。
実施例5 実施例1において、繊維材の量を10g/m2としたこ
とおよびアテロコラーゲンの0.3%水溶液のスプレー
塗布をしなかったことの他は、実施例1と全く同様にし
て、人工皮膚を製造した。これを「試料5」とする。
以上の試料4および試料5を8 a+m X 8 mm
の大きさに切断し、これをエチレンオキサイドガスによ
って滅菌した後、ウサギの全層皮膚欠損側を作成した背
部に載せ、包帯を使って覆い止めた。
一方、生体吸収性物質よりなる繊維材を用いていない市
販の人工皮膚剤を比較試料2として用いて同様の処理を
行った。
そして3週間経過後に、各試料をウサギの背中から剥離
し、その剥離時の強度を測定し、同時に創傷の治甑の程
度を観察した。結果は第2表に示すとおりである。
第2表
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による人工皮膚の構成を示す説明用断面
図、第2図(A)および(B)はそれぞれ従来の人工皮
膚についての説明用断面図である。 1.11・・・保護用フィルム 2.15・・・高分子支持膜 3.13・・・繊維材1
0・・・人工皮膚     12・・・基体膜層14・
・・繊維材固定層 代理人 弁理士  大 井 正 彦1ラ  ゛パ−こン

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1) 基体膜層およびこの基体膜層上に形成された繊維
    材固定層よりなる高分子支持膜と、この高分子支持膜の
    繊維材固定層にその一部が埋没されて固定された生体吸
    収性物質よりなる繊維材とよりなることを特徴とする人
    工皮膚。 2) 繊維材は、高分子支持膜の繊維材固定層における
    厚さ方向の全体に埋没されている特許請求の範囲項1に
    記載の人工皮膚。 3) 高分子支持膜の基体膜層が合成高分子化合物より
    なりかつ繊維材固定層が当該基体膜層と同種の合成高分
    子化合物よりなる請求項1から請求項2のいずれか一に
    記載の人工皮膚。 4) 高分子支持膜の単位面積当たりの繊維材の量が2
    00g/m^2以下である請求項1から請求項3のいず
    れか一に記載の人工皮膚。 5) 高分子支持膜の単位面積当たりの繊維材の量が3
    0g/m^2以下である請求項1から請求項4のいずれ
    か一に記載の人工皮膚。 6) 基体膜層上に形成された、硬化して繊維材固定層
    を形成する繊維材固定材料層に、生体吸収性物質よりな
    る繊維材を圧着してその一部を埋没させ、その後繊維材
    固定材料層を硬化処理することにより、前記繊維材が固
    定された、前記基体膜層と共に高分子支持膜を構成する
    繊維材固定層を形成することを特徴とする人工皮膚の製
    造方法。 7) 繊維材を繊維材固定材料層の厚さ方向の全体に埋
    没するよう当該繊維材固定材料層に圧着させる特許請求
    の範囲第4項記載の人工皮膚の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004337307A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Toyota Motor Corp 人工皮膚
JP2023037597A (ja) * 2021-09-03 2023-03-15 海西紡織新材料工業技術晋江研究院 人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法

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