JPH06327757A - 生体インプラント複合材及び生体適合性複合材 - Google Patents
生体インプラント複合材及び生体適合性複合材Info
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- JPH06327757A JPH06327757A JP5118075A JP11807593A JPH06327757A JP H06327757 A JPH06327757 A JP H06327757A JP 5118075 A JP5118075 A JP 5118075A JP 11807593 A JP11807593 A JP 11807593A JP H06327757 A JPH06327757 A JP H06327757A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 人工臓器、補綴材料等の生体材料として使用
される広義の生体適合性複合材であって、人工血管、人
工気管、人工腱、インプランタブルリザーバー、長期留
置カテーテルの皮下アンカー部材、ろう(瘻)孔部材、
経皮端子部材等、もしくはそれらの一部を構成するのに
適し、特に生体軟組織に使用して親和性が優れ、ズレ等
のトラブルを生じないような生体インプラント複合材を
得る。 【構成】 本発明に係る生体インプラント複合材乃至生
体適合性複合材は、燐酸カルシウム系化合物の被覆を有
する有機繊維又は無機繊維からなる繊維集合体層1とプ
ラスチック成形体等のポリウレタンチーブ4とを接合し
た少くとも2層よりなる複合材で、本来硬質材料である
燐酸カルシウム系のセラミックスを、繊維集合層に薄く
コーティングすることで、可撓性を持たせ、プラスチッ
ク成形体と複合材にすることで生体軟組織への応用を可
能にした。
される広義の生体適合性複合材であって、人工血管、人
工気管、人工腱、インプランタブルリザーバー、長期留
置カテーテルの皮下アンカー部材、ろう(瘻)孔部材、
経皮端子部材等、もしくはそれらの一部を構成するのに
適し、特に生体軟組織に使用して親和性が優れ、ズレ等
のトラブルを生じないような生体インプラント複合材を
得る。 【構成】 本発明に係る生体インプラント複合材乃至生
体適合性複合材は、燐酸カルシウム系化合物の被覆を有
する有機繊維又は無機繊維からなる繊維集合体層1とプ
ラスチック成形体等のポリウレタンチーブ4とを接合し
た少くとも2層よりなる複合材で、本来硬質材料である
燐酸カルシウム系のセラミックスを、繊維集合層に薄く
コーティングすることで、可撓性を持たせ、プラスチッ
ク成形体と複合材にすることで生体軟組織への応用を可
能にした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工臓器、補綴材料等の
生体材料として使用される広義の生体適合性複合材に関
し、特に具体的には、人工血管、人工気管、人工腱、イ
ンプランタブルリザーバー、長期留置カテーテルの皮下
アンカー部材、ろう(瘻)孔部材、経皮端子部材等、も
しくはそれらの一部を構成するのに適する生体インプラ
ント複合材に関するものである。
生体材料として使用される広義の生体適合性複合材に関
し、特に具体的には、人工血管、人工気管、人工腱、イ
ンプランタブルリザーバー、長期留置カテーテルの皮下
アンカー部材、ろう(瘻)孔部材、経皮端子部材等、も
しくはそれらの一部を構成するのに適する生体インプラ
ント複合材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の生体適合性材料の開発が進
展し、これらの材料の使用による人工臓器技術の発展に
大いに寄与している。特に、ハイドロキシアパタイトに
代表される燐酸カルシウム系化合物の幅広い優れた生体
適合性は、大いに注目されている。ハイドロキシアパタ
イトに代表される燐酸カルシウム系化合物は、骨との親
和性が極めて優れていることから、人工骨、人工歯根等
の生体硬組織分野への応用や実用化が進められている。
また、一方でこれらハイドロキシアパタイトに代表され
る燐酸カルシウム系化合物と血液との適合性(抗血栓
性)及び軟組織との適合性についても多くの研究がなさ
れ、優れた血液適合性、組織適合性を示すことが知られ
ている。
展し、これらの材料の使用による人工臓器技術の発展に
大いに寄与している。特に、ハイドロキシアパタイトに
代表される燐酸カルシウム系化合物の幅広い優れた生体
適合性は、大いに注目されている。ハイドロキシアパタ
イトに代表される燐酸カルシウム系化合物は、骨との親
和性が極めて優れていることから、人工骨、人工歯根等
の生体硬組織分野への応用や実用化が進められている。
また、一方でこれらハイドロキシアパタイトに代表され
る燐酸カルシウム系化合物と血液との適合性(抗血栓
性)及び軟組織との適合性についても多くの研究がなさ
れ、優れた血液適合性、組織適合性を示すことが知られ
ている。
【0003】上述のような知見から、ハイドロキシアパ
タイトに代表される燐酸カルシウム系化合物を、血液と
の適合性(抗血栓性)又は軟組織との適合性が要求され
る生体適合性材料として使用し、医療用デバイスに応用
しようとする試みも多く行われている。例えば、Sci
ence and Medial Applicati
ons of Hydroxyapatite、JAA
S、1991、p193−p214、Takayama
Press System CenterCo. I
nc.発行、には、水酸アパタイトをCAPD(持続的
可動性腹膜透析療法)、又はIVH(中心静脈高カロリ
ー輸液療法)の皮膚端子及び人工血管に使用した例が開
示されている。そして、例えばこれらの皮膚端子や人工
血管は、一般には上述のハイドロキシアパタイトを使用
して形成され、生体内に留置されて使用されるところか
ら、広く生体インプラント部材と呼ばれている。
タイトに代表される燐酸カルシウム系化合物を、血液と
の適合性(抗血栓性)又は軟組織との適合性が要求され
る生体適合性材料として使用し、医療用デバイスに応用
しようとする試みも多く行われている。例えば、Sci
ence and Medial Applicati
ons of Hydroxyapatite、JAA
S、1991、p193−p214、Takayama
Press System CenterCo. I
nc.発行、には、水酸アパタイトをCAPD(持続的
可動性腹膜透析療法)、又はIVH(中心静脈高カロリ
ー輸液療法)の皮膚端子及び人工血管に使用した例が開
示されている。そして、例えばこれらの皮膚端子や人工
血管は、一般には上述のハイドロキシアパタイトを使用
して形成され、生体内に留置されて使用されるところか
ら、広く生体インプラント部材と呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の生
体インプラント部材において、ハイドロキシアパタイト
に代表される燐酸カルシウム系化合物は、通常、焼結体
で供されるので、実際に臨床応用を試みると、生体軟組
織とは硬さが桁違いに異なることによる問題が生じてい
た。すなわち、硬さの違いによって、両者の界面でズレ
を生じ、そのため、固定の不十分さによる感染、炎症等
の不都合を生じ、本来ハイドロキシアパタイトに代表さ
れる燐酸カルシウム系化合物の有する軟組織との適合性
を発揮させることができないということが問題となって
いた。
体インプラント部材において、ハイドロキシアパタイト
に代表される燐酸カルシウム系化合物は、通常、焼結体
で供されるので、実際に臨床応用を試みると、生体軟組
織とは硬さが桁違いに異なることによる問題が生じてい
た。すなわち、硬さの違いによって、両者の界面でズレ
を生じ、そのため、固定の不十分さによる感染、炎症等
の不都合を生じ、本来ハイドロキシアパタイトに代表さ
れる燐酸カルシウム系化合物の有する軟組織との適合性
を発揮させることができないということが問題となって
いた。
【0005】さらに、上記のズレの問題を回避するため
に、ハイドロキシアパタイトに代表される燐酸カルシウ
ム系化合物からなる成形体の表面を多孔質にしたり、こ
の化合物の板状成形体に小孔を多数設けることで生体軟
組織を孔内に誘導増殖せしめ、これらの成形体を生体軟
組織に固定しようとする試みがなされているが、これと
ても、本来硬さの異なる物同志を接触・固定しようとい
うものであり、例えば間断なくストレスの加わる部位で
は、効果が薄いという問題があった。
に、ハイドロキシアパタイトに代表される燐酸カルシウ
ム系化合物からなる成形体の表面を多孔質にしたり、こ
の化合物の板状成形体に小孔を多数設けることで生体軟
組織を孔内に誘導増殖せしめ、これらの成形体を生体軟
組織に固定しようとする試みがなされているが、これと
ても、本来硬さの異なる物同志を接触・固定しようとい
うものであり、例えば間断なくストレスの加わる部位で
は、効果が薄いという問題があった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、特に生体軟組織に使用しても親
和性が優れ、ズレ等のトラブルを生じないような生体イ
ンプラント複合材を得ることを目的とするものである。
ためになされたもので、特に生体軟組織に使用しても親
和性が優れ、ズレ等のトラブルを生じないような生体イ
ンプラント複合材を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
前記状況に鑑みて鋭意研究の結果、燐酸カルシウム系化
合物の被覆を有する有機繊維又は無機繊維からなる繊維
集合体層とプラスチック成形体層とを接合成形した複合
材が、前述の問題点を解決し得ることを見出だし、本発
明に到達するに至ったものである。これらの知見に基づ
く本発明に係る生体インプラント複合材乃至生体適合性
複合材は、燐酸カルシウム系化合物の被覆を有する有機
繊維又は無機繊維からなる繊維集合体とプラスチック成
形体とを接合した少くとも2層よりなる複合材である。
前記状況に鑑みて鋭意研究の結果、燐酸カルシウム系化
合物の被覆を有する有機繊維又は無機繊維からなる繊維
集合体層とプラスチック成形体層とを接合成形した複合
材が、前述の問題点を解決し得ることを見出だし、本発
明に到達するに至ったものである。これらの知見に基づ
く本発明に係る生体インプラント複合材乃至生体適合性
複合材は、燐酸カルシウム系化合物の被覆を有する有機
繊維又は無機繊維からなる繊維集合体とプラスチック成
形体とを接合した少くとも2層よりなる複合材である。
【0008】本発明の第1の特徴は、本来硬質材料であ
る燐酸カルシウム系のセラミックスを、繊維集合層に薄
くコーティングすることで、可撓性を持たせ、プラスチ
ック成形体と複合材にすることで生体軟組織への応用を
可能にしたことである。本発明の第2の特徴は、繊維集
合層を構成する繊維の1本1本に、薄く、均一に、かつ
確実なコーティングを実現するため液相析出法を用いて
燐酸カルシウム系被覆を施したことである。本発明の第
3の特徴は、複合材に、空隙(見掛けの比表面積)が大
きく、又は「開放気孔」が多く、従って生体組織細胞の
侵入を容易とする繊維集合体層を有し、さらに生体組織
細胞の侵入を容易とするために、燐酸カルシウム系被覆
繊維の表面に生体吸収性で異物化反応性のコーティング
を施したところにある。
る燐酸カルシウム系のセラミックスを、繊維集合層に薄
くコーティングすることで、可撓性を持たせ、プラスチ
ック成形体と複合材にすることで生体軟組織への応用を
可能にしたことである。本発明の第2の特徴は、繊維集
合層を構成する繊維の1本1本に、薄く、均一に、かつ
確実なコーティングを実現するため液相析出法を用いて
燐酸カルシウム系被覆を施したことである。本発明の第
3の特徴は、複合材に、空隙(見掛けの比表面積)が大
きく、又は「開放気孔」が多く、従って生体組織細胞の
侵入を容易とする繊維集合体層を有し、さらに生体組織
細胞の侵入を容易とするために、燐酸カルシウム系被覆
繊維の表面に生体吸収性で異物化反応性のコーティング
を施したところにある。
【0009】燐酸カルシウム系被覆を施した有機繊維又
は無機繊維からなる繊維集合体層とプラスチック集合体
層とよりなる本発明に係る複合材は、生体適合性に優れ
た生体インプラント材料として、人工血管、人工気管、
人工腱、インプランタブルリザーバー、長期留置カテー
テルの皮下アンカー部材、ろう孔部材、経皮端子部材等
や、あるいはそれらの一部を構成するのに有用である。
は無機繊維からなる繊維集合体層とプラスチック集合体
層とよりなる本発明に係る複合材は、生体適合性に優れ
た生体インプラント材料として、人工血管、人工気管、
人工腱、インプランタブルリザーバー、長期留置カテー
テルの皮下アンカー部材、ろう孔部材、経皮端子部材等
や、あるいはそれらの一部を構成するのに有用である。
【0010】以下、本発明の構成・作用について、より
詳細に説明する。本発明に係る繊維集合体としては、繊
維の一次加工品であって、例えば編組品、織物、不織
布、フェルト或いは巻き付け糸等を例示し得る。これら
の繊維集合体の形態は複合材としての使用目的、使用部
位等に応じ適宜選択する。繊維集合体へ燐酸カルシウム
系被覆を施すのは、いずれの加工段階でもよいが、編組
品、織物、不織布、フェルト或いは巻き付け糸等に加工
してから以後のできるだけ最終形態に近い加工段階で行
うのが好ましい。繊維集合体は、組織細胞の侵入を容易
とするため、一般に20μ〜1000μの空隙又は開放
気孔を有していることが望ましい。繊維集合体を構成す
る繊維材料としては、例えばポリエステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリウレタン等の有機繊維と、炭素繊維、
黒鉛繊維、ガラス繊維、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、アパタイト等の無機繊維を例示し得る。これらの繊
維は、単独で又は複合して使用する。また、繊維の形態
及び太さ等は特に限定されず、形態としては単糸、双
糸、撚糸、紡績糸、短繊維又はウィスカー等が挙げられ
る。
詳細に説明する。本発明に係る繊維集合体としては、繊
維の一次加工品であって、例えば編組品、織物、不織
布、フェルト或いは巻き付け糸等を例示し得る。これら
の繊維集合体の形態は複合材としての使用目的、使用部
位等に応じ適宜選択する。繊維集合体へ燐酸カルシウム
系被覆を施すのは、いずれの加工段階でもよいが、編組
品、織物、不織布、フェルト或いは巻き付け糸等に加工
してから以後のできるだけ最終形態に近い加工段階で行
うのが好ましい。繊維集合体は、組織細胞の侵入を容易
とするため、一般に20μ〜1000μの空隙又は開放
気孔を有していることが望ましい。繊維集合体を構成す
る繊維材料としては、例えばポリエステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリウレタン等の有機繊維と、炭素繊維、
黒鉛繊維、ガラス繊維、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、アパタイト等の無機繊維を例示し得る。これらの繊
維は、単独で又は複合して使用する。また、繊維の形態
及び太さ等は特に限定されず、形態としては単糸、双
糸、撚糸、紡績糸、短繊維又はウィスカー等が挙げられ
る。
【0011】本発明に係る燐酸カルシウム系材料として
は、ハイドロキシアパタイト(HAp)、フッ素アパタ
イト(FAp)、非晶質燐酸カルシウム(ACP)及び
燐酸三カルシウム(TCP)等を例示できる。ハイドロ
キシアパタイトに代表される燐酸カルシウム系被覆を施
すのは、この被覆によって、繊維表面が血液に触れた時
にアルブミンを吸着して優れた抗血栓性を示すと共に、
吻合部に於いては優れた生体適合性によって内膜肥厚を
有効に低減するからである。
は、ハイドロキシアパタイト(HAp)、フッ素アパタ
イト(FAp)、非晶質燐酸カルシウム(ACP)及び
燐酸三カルシウム(TCP)等を例示できる。ハイドロ
キシアパタイトに代表される燐酸カルシウム系被覆を施
すのは、この被覆によって、繊維表面が血液に触れた時
にアルブミンを吸着して優れた抗血栓性を示すと共に、
吻合部に於いては優れた生体適合性によって内膜肥厚を
有効に低減するからである。
【0012】ハイドロキシアパタイトに代表される燐酸
カルシウム系材料の被覆方法としては、前述のような本
発明の特徴を生かすため、液相析出法が好適である。本
明細書で言う液相析出法は、特開平2−255515号
公報に開示された「生体活性水酸アパタイトのコーティ
ング法」に始まる一連の研究の中から得られた全く新し
い燐酸カルシウム系材料のコーティング方法を指すもの
である。すなわち、予めハイドロキシアパタイトに代表
される燐酸カルシウム系材料の核を付着してあるか、或
いは/及び燐酸カルシウム系結晶かが成長し易くなる表
面処理を施した基材(本発明では有機或いは無機繊維)
をカルシウムイオンと燐酸イオンを含有する水溶液中に
浸漬することによって、この基材表面に燐酸カルシウム
系の被覆を設ける方法である。また、ハイドロキシアパ
タイトに代表される燐酸カルシウム系被覆の厚みは、1
〜15μmがよく、好ましくは3〜10μmがよい。す
なわち、1μm未満では、工業的に被覆した場合の均一
性に乏しいことと、生体内に長期移植された場合、侵蝕
されて燐酸カルシウム系被覆がなくなってしまう心配が
あるからである。逆に、15μmを越えると屈曲耐久性
が著しく低下するからである。
カルシウム系材料の被覆方法としては、前述のような本
発明の特徴を生かすため、液相析出法が好適である。本
明細書で言う液相析出法は、特開平2−255515号
公報に開示された「生体活性水酸アパタイトのコーティ
ング法」に始まる一連の研究の中から得られた全く新し
い燐酸カルシウム系材料のコーティング方法を指すもの
である。すなわち、予めハイドロキシアパタイトに代表
される燐酸カルシウム系材料の核を付着してあるか、或
いは/及び燐酸カルシウム系結晶かが成長し易くなる表
面処理を施した基材(本発明では有機或いは無機繊維)
をカルシウムイオンと燐酸イオンを含有する水溶液中に
浸漬することによって、この基材表面に燐酸カルシウム
系の被覆を設ける方法である。また、ハイドロキシアパ
タイトに代表される燐酸カルシウム系被覆の厚みは、1
〜15μmがよく、好ましくは3〜10μmがよい。す
なわち、1μm未満では、工業的に被覆した場合の均一
性に乏しいことと、生体内に長期移植された場合、侵蝕
されて燐酸カルシウム系被覆がなくなってしまう心配が
あるからである。逆に、15μmを越えると屈曲耐久性
が著しく低下するからである。
【0013】予めハイドロキシアパタイトに代表される
燐酸カルシウム系材料の核が付着している基材(本発明
では有機或いは無機繊維)を得る方法しては、例えば基
材と主成分がCaO及びSiO2のガラスとを所定距離
以下の間隔をおいて対峙せしめ、実質的に飽和乃至過飽
和濃度のカルシウムイオンと燐酸イオンを含有する水溶
液中に浸漬して核を形成させる方法がある。また、燐酸
カルシウム系結晶が成長し易くなる表面を得る表面処理
方法としては、シランカップリング剤による方法や、ゾ
ル−ゲル法によってSiO2のコーティングをする方法
がある。なお、カルシウムイオンと燐酸イオンを含有す
る水溶液の具体例は、実施例の説明で後述する。
燐酸カルシウム系材料の核が付着している基材(本発明
では有機或いは無機繊維)を得る方法しては、例えば基
材と主成分がCaO及びSiO2のガラスとを所定距離
以下の間隔をおいて対峙せしめ、実質的に飽和乃至過飽
和濃度のカルシウムイオンと燐酸イオンを含有する水溶
液中に浸漬して核を形成させる方法がある。また、燐酸
カルシウム系結晶が成長し易くなる表面を得る表面処理
方法としては、シランカップリング剤による方法や、ゾ
ル−ゲル法によってSiO2のコーティングをする方法
がある。なお、カルシウムイオンと燐酸イオンを含有す
る水溶液の具体例は、実施例の説明で後述する。
【0014】プラスチック成形体層を構成するプラスチ
ック材料としては、一般の医療用プラスチックであれば
どのようなものであってもよく、またエラストマーであ
ってもよい。例えば、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素
系樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン樹脂、塩化ビニ
ール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素化シリコーンゴ
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリヒドロキシエチルメタアクリレ
ート、ポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリエー
テルサルフォン、ポリ−N−ビニルピロリドン、セグメ
ント化ポリウレタン等のプラスチックを例示できる。な
お、これらのプラスチックは、繊維集合体層との接着を
よくするためにエッチング、グロー放電処理又は表面処
理剤等の塗布等により表面処理することも好ましい。ま
た、内部に血液を通すことを目的とする複合材の場合、
必要に応じプラスチック成形体の内面或いは全周に、ヘ
パリン、ウロキナーゼ、アルブミン、ストレプトナーゼ
等の凝血防止剤をコーティング又は固定化することが有
効である。
ック材料としては、一般の医療用プラスチックであれば
どのようなものであってもよく、またエラストマーであ
ってもよい。例えば、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素
系樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン樹脂、塩化ビニ
ール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素化シリコーンゴ
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリヒドロキシエチルメタアクリレ
ート、ポリアクリルアミド、ポリサルフォン、ポリエー
テルサルフォン、ポリ−N−ビニルピロリドン、セグメ
ント化ポリウレタン等のプラスチックを例示できる。な
お、これらのプラスチックは、繊維集合体層との接着を
よくするためにエッチング、グロー放電処理又は表面処
理剤等の塗布等により表面処理することも好ましい。ま
た、内部に血液を通すことを目的とする複合材の場合、
必要に応じプラスチック成形体の内面或いは全周に、ヘ
パリン、ウロキナーゼ、アルブミン、ストレプトナーゼ
等の凝血防止剤をコーティング又は固定化することが有
効である。
【0015】繊維集合体層とプラスチック成形体層の接
合は、繊維集合体層の多孔性と可撓性が損なわれない限
り、任意の方法を用いることができる。最も一般的に
は、プラスチック成形体表面に接着剤を薄く塗布して繊
維集合体層をこれに圧着する。接着剤を用いる代わり
に、プラスチック成形体表面を溶融させ、これに繊維集
合体層を融着させてもよい。また、接着剤を塗布した
り、部分溶融させたプラスチック成形体表面に直接繊維
を編み付けたり、巻き付けたり或いは植毛する等の方法
によってもよい。上述の接合に使用し得る接着剤として
は、シリコーン系接着剤、ポリエチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリエステル、ナイロン、ウレタンエラストマ
ー、酢酸ビニル、アクリル樹脂等が挙げられる。この場
合、繊維間の接着されない部分は、繊維集合体層全体の
可撓性を維持するためにも、また生体細胞が侵入して固
定化する上にも、必要である。また、充分な強度が得ら
れる場合には、プラスチック成形体に繊維を巻き付けた
り、繊維を袋編状にしてプラスチック成形体層に被せて
固定する等の機械的な力を利用してもよい。
合は、繊維集合体層の多孔性と可撓性が損なわれない限
り、任意の方法を用いることができる。最も一般的に
は、プラスチック成形体表面に接着剤を薄く塗布して繊
維集合体層をこれに圧着する。接着剤を用いる代わり
に、プラスチック成形体表面を溶融させ、これに繊維集
合体層を融着させてもよい。また、接着剤を塗布した
り、部分溶融させたプラスチック成形体表面に直接繊維
を編み付けたり、巻き付けたり或いは植毛する等の方法
によってもよい。上述の接合に使用し得る接着剤として
は、シリコーン系接着剤、ポリエチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリエステル、ナイロン、ウレタンエラストマ
ー、酢酸ビニル、アクリル樹脂等が挙げられる。この場
合、繊維間の接着されない部分は、繊維集合体層全体の
可撓性を維持するためにも、また生体細胞が侵入して固
定化する上にも、必要である。また、充分な強度が得ら
れる場合には、プラスチック成形体に繊維を巻き付けた
り、繊維を袋編状にしてプラスチック成形体層に被せて
固定する等の機械的な力を利用してもよい。
【0016】燐酸カルシウム系被覆繊維の表面に生体吸
収性で異物化反応性のコーティングを施すのは、生体組
織細胞の繊維集合体への侵入を一層容易にするためであ
る具体的なコーティング材料としては、吸収性縫合糸に
用いられるようなコラーゲン、ポリグリコール酸−乳酸
共重合体、ポリジオキサノン、トリメチレンカーボネー
ト−グリコリド共重合体等が例示される。また、機械的
強度が要求されない場合には、デンプン、ゼラチン等も
使用できる。燐酸カルシウム系被覆繊維の表面に生体吸
収性で異物化反応性のコーティングを施すのは、繊維集
合体に燐酸カルシウム系被覆を施した後ならいずれの加
工段階でもよいが、できるだけ最終形態に近い加工段階
で行うのが好ましい。
収性で異物化反応性のコーティングを施すのは、生体組
織細胞の繊維集合体への侵入を一層容易にするためであ
る具体的なコーティング材料としては、吸収性縫合糸に
用いられるようなコラーゲン、ポリグリコール酸−乳酸
共重合体、ポリジオキサノン、トリメチレンカーボネー
ト−グリコリド共重合体等が例示される。また、機械的
強度が要求されない場合には、デンプン、ゼラチン等も
使用できる。燐酸カルシウム系被覆繊維の表面に生体吸
収性で異物化反応性のコーティングを施すのは、繊維集
合体に燐酸カルシウム系被覆を施した後ならいずれの加
工段階でもよいが、できるだけ最終形態に近い加工段階
で行うのが好ましい。
【0017】なお、本発明の生体適合性複合材乃至生体
インプラント複合材は、繊維集合体層とプラスチック成
形体層とを接合した二層体だけでなく、プラスチック成
形体層を中間にして両側に燐酸カルシウム系被覆を施し
た有機繊維又は無機繊維からなる繊維集合体層等を有す
る三層体であってもよい。また、形状についてもシート
状、パイプ状、チューブ状等任意の形状のものを対象と
し得るものである。また、必要によっては、上記のプラ
スチック成形体層に燐酸カルシウム系化合物の粉体とプ
ラスチックとの混合物で形成したものを使用すること
は、若干のコストアップが避けられないとしても有効的
な構成となる。
インプラント複合材は、繊維集合体層とプラスチック成
形体層とを接合した二層体だけでなく、プラスチック成
形体層を中間にして両側に燐酸カルシウム系被覆を施し
た有機繊維又は無機繊維からなる繊維集合体層等を有す
る三層体であってもよい。また、形状についてもシート
状、パイプ状、チューブ状等任意の形状のものを対象と
し得るものである。また、必要によっては、上記のプラ
スチック成形体層に燐酸カルシウム系化合物の粉体とプ
ラスチックとの混合物で形成したものを使用すること
は、若干のコストアップが避けられないとしても有効的
な構成となる。
【0018】
【実施例】本実施例において、繊維集合体に燐酸カルシ
ウム系被覆を施す方法は、前述の特開平2−25551
5号公報で開示された液相析出法に準拠して行ったもの
である。以下、その詳細を記述する。まず、繊維集合体
層を主成分がCaOとSiO2のガラス粉末中に埋入
し、これをカルシウムイオンと燐酸イオンを含有する水
溶液A中に浸漬してハイドロキシアパタイトに代表され
る燐酸カルシウム系材料の核を繊維表面に形成し、次い
で水溶液Aより高濃度のカルシウムイオンと燐酸イオン
を含有する水溶液B中に浸漬することによって、繊維集
合体層の繊維表面に、燐酸カルシウム系化合物の被覆を
形成した。主成分をCaOとSiO2とする前記のガラ
ス粉末のガラスは次のようにして作製した。まず、下記
の配合量を有する各原料試薬を準備した。 CaCO3 … 28.431g MgO … 2.289g β−Ca2P2O7 … 14.517g CaF2 … 0.249g SiO2 … 17.015g 上記の試薬を乳鉢を用いて微粉末化し均一に混合した
後、白金ルツボに入れて1450℃で2時間焼成した。
これを鉄板に流して急冷した後、この焼成品をボールミ
ルを使って粉砕した。これを分級用のフルイ(篩)を使
って、粒径が100〜600μmのガラス粉末を採取し
た。
ウム系被覆を施す方法は、前述の特開平2−25551
5号公報で開示された液相析出法に準拠して行ったもの
である。以下、その詳細を記述する。まず、繊維集合体
層を主成分がCaOとSiO2のガラス粉末中に埋入
し、これをカルシウムイオンと燐酸イオンを含有する水
溶液A中に浸漬してハイドロキシアパタイトに代表され
る燐酸カルシウム系材料の核を繊維表面に形成し、次い
で水溶液Aより高濃度のカルシウムイオンと燐酸イオン
を含有する水溶液B中に浸漬することによって、繊維集
合体層の繊維表面に、燐酸カルシウム系化合物の被覆を
形成した。主成分をCaOとSiO2とする前記のガラ
ス粉末のガラスは次のようにして作製した。まず、下記
の配合量を有する各原料試薬を準備した。 CaCO3 … 28.431g MgO … 2.289g β−Ca2P2O7 … 14.517g CaF2 … 0.249g SiO2 … 17.015g 上記の試薬を乳鉢を用いて微粉末化し均一に混合した
後、白金ルツボに入れて1450℃で2時間焼成した。
これを鉄板に流して急冷した後、この焼成品をボールミ
ルを使って粉砕した。これを分級用のフルイ(篩)を使
って、粒径が100〜600μmのガラス粉末を採取し
た。
【0019】カルシウムイオンと燐酸イオンを含有する
水溶液Bは、1リットル中の組成成分が下記のような試
薬配合からなるものを調製し、塩酸(HCl)の量をコ
ントロールして36.5℃におけるpHの値を7.3に
調節したものを使用した。 [水溶液1リットル中の成分組成] NaCl … 11.994g NaHCO3 … 0.525g KCl … 0.336g K2HPO4・3H2O … 0.342g MgCl2・6H2O … 0.458g CaCl2 … 0.417g Na2SO4 … 0.107g 1N−HCl … 約 68ml トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン … 8.086g なお、前記の水溶液Aは、水溶液Bを2/3に希釈した
ものを使用した。以下、幾つかの実施例による具体的な
応用例について、関連する比較例を参照しながら説明す
る。
水溶液Bは、1リットル中の組成成分が下記のような試
薬配合からなるものを調製し、塩酸(HCl)の量をコ
ントロールして36.5℃におけるpHの値を7.3に
調節したものを使用した。 [水溶液1リットル中の成分組成] NaCl … 11.994g NaHCO3 … 0.525g KCl … 0.336g K2HPO4・3H2O … 0.342g MgCl2・6H2O … 0.458g CaCl2 … 0.417g Na2SO4 … 0.107g 1N−HCl … 約 68ml トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン … 8.086g なお、前記の水溶液Aは、水溶液Bを2/3に希釈した
ものを使用した。以下、幾つかの実施例による具体的な
応用例について、関連する比較例を参照しながら説明す
る。
【0020】[実施例1]・・・人工気管への応用 まず、ポリエステル繊維集合体層を1mm厚のシート状
のフェルトで構成し、このポリエステル繊維の表面に、
前述の方法で、燐酸カルシウム系化合物の被覆を形成し
た。この場合、水溶液への浸漬時間は、水溶液Aに2日
間、水溶液Bに6日間であった。走査型電子顕微鏡で観
測した被覆厚みは約10μmであった。図1に示すよう
に、この処理済みフェルトを6mm幅に切断し外径18
mm、内径16mm、長さ50mmに成形された医療用
ポリウレタンエラストマー(サーメディックス社商品:
テコフレックスEG85A、ショアー硬度:85A)か
らなるポリウレタンチューブ4の両端に巻き付けて繊維
集合体層1を形成し、ポリウレタン系の接着剤で接着・
固定した。接着剤の乾燥後、全体を滅菌袋に入れてエチ
レンオキサイドガスで滅菌した後、動物試験用試料とし
て使用した。動物試験の要領は、成犬の気管を一部除去
し、この部分を図1で示した人工気管に置換して、3ケ
月後に周囲の組織ごと取り出して評価するようにした。
生体適合性の指標として、吻合部における肉芽の成長具
合に注目して観察した。その結果は、肉芽の成長は見ら
れず、繊維層の間に組織細胞が入り込んで空隙を埋めて
おり、人工気管はしっかりと固定されていた。また、繊
維層周辺の組織を標本にして病理組織的な観察を行った
ところ、異物巨細胞や非特異性炎症等は全く認められな
かった。したがって、本実施例(図1)に示す生体イン
プラント複合材が良好な生体親和性を有することが分か
った。
のフェルトで構成し、このポリエステル繊維の表面に、
前述の方法で、燐酸カルシウム系化合物の被覆を形成し
た。この場合、水溶液への浸漬時間は、水溶液Aに2日
間、水溶液Bに6日間であった。走査型電子顕微鏡で観
測した被覆厚みは約10μmであった。図1に示すよう
に、この処理済みフェルトを6mm幅に切断し外径18
mm、内径16mm、長さ50mmに成形された医療用
ポリウレタンエラストマー(サーメディックス社商品:
テコフレックスEG85A、ショアー硬度:85A)か
らなるポリウレタンチューブ4の両端に巻き付けて繊維
集合体層1を形成し、ポリウレタン系の接着剤で接着・
固定した。接着剤の乾燥後、全体を滅菌袋に入れてエチ
レンオキサイドガスで滅菌した後、動物試験用試料とし
て使用した。動物試験の要領は、成犬の気管を一部除去
し、この部分を図1で示した人工気管に置換して、3ケ
月後に周囲の組織ごと取り出して評価するようにした。
生体適合性の指標として、吻合部における肉芽の成長具
合に注目して観察した。その結果は、肉芽の成長は見ら
れず、繊維層の間に組織細胞が入り込んで空隙を埋めて
おり、人工気管はしっかりと固定されていた。また、繊
維層周辺の組織を標本にして病理組織的な観察を行った
ところ、異物巨細胞や非特異性炎症等は全く認められな
かった。したがって、本実施例(図1)に示す生体イン
プラント複合材が良好な生体親和性を有することが分か
った。
【0021】[比較例1]実施例1のフェルトの繊維集
合体層1の代わりに、焼結により形成したハイドロキシ
アパタイトのリング(図示しないが、外径20mm、内
径18mm、長さ6mmのもの)をポリウレタンチュー
ブ4の両端に接続したものを、それ以外は実施例1と同
様に作製し、動物試験に供した。3ケ月後に取り出して
同様に観察したところ、ハイドロキシアパタイト焼結体
と生体組織との間に隙間が生じているものがあった。こ
の隙間の存在は、上記のリングと生体組織との親和性が
乏しいことを示すもので、この部分を詳細に観察してみ
ると、炎症が発生していることが確認された。
合体層1の代わりに、焼結により形成したハイドロキシ
アパタイトのリング(図示しないが、外径20mm、内
径18mm、長さ6mmのもの)をポリウレタンチュー
ブ4の両端に接続したものを、それ以外は実施例1と同
様に作製し、動物試験に供した。3ケ月後に取り出して
同様に観察したところ、ハイドロキシアパタイト焼結体
と生体組織との間に隙間が生じているものがあった。こ
の隙間の存在は、上記のリングと生体組織との親和性が
乏しいことを示すもので、この部分を詳細に観察してみ
ると、炎症が発生していることが確認された。
【0022】[実施例2]・・・長期留置カテーテルの
皮下アンカー部材への応用 実施例1で作成したフェルト状のシートからなり表面に
燐酸カルシウム系被覆を有する繊維集合体シートを3m
m幅に切断し、押し出し成形した医療用ポリウレタンエ
ラストマー(サーメディックス社商品:テコフレックス
EG85A、ショアー硬度:85A)のカテーテル(1
6G)2の先端から約100mmのところに、図2に示
すように巻き付け、ポリウレタン系の接着剤で接着し、
カフ(cuff)状繊維集合体層6を取り付けた。接着
剤が乾燥した後、滅菌袋に入れてエチレンオキサイドガ
スにて滅菌して動物試験用試料を作成した。皮下アンカ
ー部が皮下に位置するように、成犬の大腿静脈に上記カ
テーテル2を留置し、3ケ月後に周囲の組織ごと取り出
して詳細に観察した。その結果、繊維層の繊維相互の間
に組織細胞が入り込んで空隙を埋めており、カフ状部分
すなわちカフ状繊維集合体層6の部分がしっかりと固定
されていた。また、繊維層周辺の組織を標本にして病理
組織的な観察を行ったところ、実施例1の場合と同様
に、異物巨細胞や非特異性炎症等は全く認められなかっ
た。
皮下アンカー部材への応用 実施例1で作成したフェルト状のシートからなり表面に
燐酸カルシウム系被覆を有する繊維集合体シートを3m
m幅に切断し、押し出し成形した医療用ポリウレタンエ
ラストマー(サーメディックス社商品:テコフレックス
EG85A、ショアー硬度:85A)のカテーテル(1
6G)2の先端から約100mmのところに、図2に示
すように巻き付け、ポリウレタン系の接着剤で接着し、
カフ(cuff)状繊維集合体層6を取り付けた。接着
剤が乾燥した後、滅菌袋に入れてエチレンオキサイドガ
スにて滅菌して動物試験用試料を作成した。皮下アンカ
ー部が皮下に位置するように、成犬の大腿静脈に上記カ
テーテル2を留置し、3ケ月後に周囲の組織ごと取り出
して詳細に観察した。その結果、繊維層の繊維相互の間
に組織細胞が入り込んで空隙を埋めており、カフ状部分
すなわちカフ状繊維集合体層6の部分がしっかりと固定
されていた。また、繊維層周辺の組織を標本にして病理
組織的な観察を行ったところ、実施例1の場合と同様
に、異物巨細胞や非特異性炎症等は全く認められなかっ
た。
【0023】[比較例2]実施例2のカフ状繊維集合体
層6の部分を、同じサイズの筒状の焼結したハイドロキ
シアパタイトの部材(部材)に置き換え同様な動物試験
を行った。その結果、本比較例の筒状のハイドロキシア
パタイトと生体組織との固着性は弱く、ハイドロキシア
パタイト焼結体と生体組織との間に隙間の生じているも
のがあった。隙間の生じた部分を詳細に観察すると、炎
症が起こっていることが確認された。
層6の部分を、同じサイズの筒状の焼結したハイドロキ
シアパタイトの部材(部材)に置き換え同様な動物試験
を行った。その結果、本比較例の筒状のハイドロキシア
パタイトと生体組織との固着性は弱く、ハイドロキシア
パタイト焼結体と生体組織との間に隙間の生じているも
のがあった。隙間の生じた部分を詳細に観察すると、炎
症が起こっていることが確認された。
【0024】[実施例3]・・・経皮端子への応用 図3は本発明による経皮端子の一実施例を示す模式断面
図である。図3において、5は樹脂製の経皮端子基材で
あり、そのくびれ部分に燐酸カルシウム系被覆を有する
繊維集合体層1が設けられている。この経皮端子は、例
えばポリエーテルサルホン(BASF社製品、ウルトラ
ゾンE1010)を射出成形して作成したボビン状の経
皮端子基材5のくびれた部分に実施例1で作成したもの
と同様なフェルトシートからなる繊維集合体層1を3m
m幅に切断後巻き付け、接着剤で固定して作成したもの
である。接着剤の乾燥後に、滅菌袋に入れてエチレンオ
キサイドガスを用いて滅菌し、次に示すような動物試験
用の試料とした。成犬の背中の皮膚を切開し、本実施例
の経皮端子を留置した。2週間静置した後、機械的スト
レスを加える目的で、1日1回経皮端子の頭部を指で回
す試験を行った。3ケ月後に、周囲の組織ごと取り出し
て詳細に観察したところ、皮膚は経皮端子に強く固着し
て繊維層の間に組織細胞が入り込んで空隙を埋めてい
た。また、繊維層周囲の組織を標本にして病理組織的な
観察を行ったところ、異物巨細胞や非特異性炎症等は全
く認められなった。上記のような試験結果からも本実施
例の経皮端子は、実施例1,2の場合と同様に優れた生
体適合性を有することが示された。
図である。図3において、5は樹脂製の経皮端子基材で
あり、そのくびれ部分に燐酸カルシウム系被覆を有する
繊維集合体層1が設けられている。この経皮端子は、例
えばポリエーテルサルホン(BASF社製品、ウルトラ
ゾンE1010)を射出成形して作成したボビン状の経
皮端子基材5のくびれた部分に実施例1で作成したもの
と同様なフェルトシートからなる繊維集合体層1を3m
m幅に切断後巻き付け、接着剤で固定して作成したもの
である。接着剤の乾燥後に、滅菌袋に入れてエチレンオ
キサイドガスを用いて滅菌し、次に示すような動物試験
用の試料とした。成犬の背中の皮膚を切開し、本実施例
の経皮端子を留置した。2週間静置した後、機械的スト
レスを加える目的で、1日1回経皮端子の頭部を指で回
す試験を行った。3ケ月後に、周囲の組織ごと取り出し
て詳細に観察したところ、皮膚は経皮端子に強く固着し
て繊維層の間に組織細胞が入り込んで空隙を埋めてい
た。また、繊維層周囲の組織を標本にして病理組織的な
観察を行ったところ、異物巨細胞や非特異性炎症等は全
く認められなった。上記のような試験結果からも本実施
例の経皮端子は、実施例1,2の場合と同様に優れた生
体適合性を有することが示された。
【0025】[比較例3]比較用試料として、図3の繊
維集合体層1を含めた全体形状の焼結ハイドロキシアパ
タイト製経皮端子(図示は省略)を試作して、実施例3
と同様な動物試験を行った。その結果は、3週間経過し
た頃から、感染によると思われる発熱が頻繁に起こるよ
うになったので、試験継続が困難になり、試験を中断し
た程であり、本比較例の生体適合性は本実施例のものよ
り著しく劣ることが示された。
維集合体層1を含めた全体形状の焼結ハイドロキシアパ
タイト製経皮端子(図示は省略)を試作して、実施例3
と同様な動物試験を行った。その結果は、3週間経過し
た頃から、感染によると思われる発熱が頻繁に起こるよ
うになったので、試験継続が困難になり、試験を中断し
た程であり、本比較例の生体適合性は本実施例のものよ
り著しく劣ることが示された。
【0026】なお、上記の実施例1,2及び3に使用し
た繊維集合体層1において、それぞれその燐酸カルシウ
ム系被覆の形成後に、その表面に生体吸収性で異物化反
応性を有する例えばコラーゲンのコーティングを施した
各試作品について、各々同様の動物試験を行ったとこ
ろ、いずれも、実施例1,2及び3の場合と比較して勝
るとも劣らない良好な生体適合性を示すことが確認され
た。
た繊維集合体層1において、それぞれその燐酸カルシウ
ム系被覆の形成後に、その表面に生体吸収性で異物化反
応性を有する例えばコラーゲンのコーティングを施した
各試作品について、各々同様の動物試験を行ったとこ
ろ、いずれも、実施例1,2及び3の場合と比較して勝
るとも劣らない良好な生体適合性を示すことが確認され
た。
【0027】[実施態様例]上述の実施例の説明におい
ては、主として生体インプラント複合材の主流製品への
適用例について説明したが、本項では、上記のインプラ
ント部材を含めた本発明による生体適合性複合材として
の幾つかの応用形態による実施態様例について、図面に
よって概略的に説明する。
ては、主として生体インプラント複合材の主流製品への
適用例について説明したが、本項では、上記のインプラ
ント部材を含めた本発明による生体適合性複合材として
の幾つかの応用形態による実施態様例について、図面に
よって概略的に説明する。
【0028】図4は、平面乃至曲面状のプラスチックシ
ート7の片面に燐酸カルシウム系被覆を有する有機乃至
無機の繊維糸からなる織布8を全面接合して形成した生
体適合性複合材である。
ート7の片面に燐酸カルシウム系被覆を有する有機乃至
無機の繊維糸からなる織布8を全面接合して形成した生
体適合性複合材である。
【0029】図5は、平面乃至曲面状のプラスチックシ
ート7の片面に燐酸カルシウム系被覆を有する有機乃至
無機の繊維糸からなるフェルト9を全面接合した生体適
合性複合材である。なお、フェルト9の代りに同様な被
覆処理を施した不織布を使用してもよい。
ート7の片面に燐酸カルシウム系被覆を有する有機乃至
無機の繊維糸からなるフェルト9を全面接合した生体適
合性複合材である。なお、フェルト9の代りに同様な被
覆処理を施した不織布を使用してもよい。
【0030】図6は、平面乃至曲面状のプラスチックシ
ート7の両面に燐酸カルシウム系被覆を有する繊維集合
体層1を全面接合して形成した生体適合性複合材であ
る。なお、繊維集合体層1の代りに、図4,5で示した
ものと同様な被覆処理を施した織布又は不織布を使用し
てもよい。
ート7の両面に燐酸カルシウム系被覆を有する繊維集合
体層1を全面接合して形成した生体適合性複合材であ
る。なお、繊維集合体層1の代りに、図4,5で示した
ものと同様な被覆処理を施した織布又は不織布を使用し
てもよい。
【0031】図7は、図1のポリウレタンチューブ4と
同様なプラスチックチューブ10の外側全面に繊維集合
体層1を全面接合して形成した生体適合性複合材であ
る。この複合材は、図1の場合と同様に、皮下アンカー
部材としても好適である。なお、繊維集合体層1の代り
に、図4,5で示したものと同様な被覆処理を施した織
布又は不織布を使用してもよい。
同様なプラスチックチューブ10の外側全面に繊維集合
体層1を全面接合して形成した生体適合性複合材であ
る。この複合材は、図1の場合と同様に、皮下アンカー
部材としても好適である。なお、繊維集合体層1の代り
に、図4,5で示したものと同様な被覆処理を施した織
布又は不織布を使用してもよい。
【0032】図8は、プラスチックチューブ10の外側
及び内側の両全面に繊維集合体層1を全面接合して形成
した生体適合性複合材である。なお、繊維集合体層1の
代りに、図4,5で示したものと同様な被覆処理を施し
た織布又は不織布を使用してもよい。
及び内側の両全面に繊維集合体層1を全面接合して形成
した生体適合性複合材である。なお、繊維集合体層1の
代りに、図4,5で示したものと同様な被覆処理を施し
た織布又は不織布を使用してもよい。
【0033】図9は、プラスチックチューブ10の内側
全面に繊維集合体層1を全面接合して形成した生体適合
性複合材である。なお、繊維集合体層1の代りに、図
4,5で示したものと同様な被覆処理を施した織布又は
不織布を使用してもよい。
全面に繊維集合体層1を全面接合して形成した生体適合
性複合材である。なお、繊維集合体層1の代りに、図
4,5で示したものと同様な被覆処理を施した織布又は
不織布を使用してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、燐酸カル
シウム系化合物の被覆を有する有機繊維又は無機繊維か
らなる繊維集合体層とプラスチック成形体層とを接合成
形した少くとも2層により形成し、本来硬質材料である
燐酸カルシウム系のセラミックスを繊維集合層に薄くコ
ーティングすることで、可撓性を持たせ、プラスチック
成形体と複合材にすることで、本来、ハイドロキシアパ
タイトに代表される燐酸カルシウム系化合物の有する軟
組織との適合性を発揮させることができ、生体適合性複
合材として生体軟組織への効果的な応用を可能にした。
そして、このような生体適合性複合材を生体インプラン
ト部材に適用することにより、実際に臨床応用可能な生
体適合性のよい医療用具が比較的安価に提供できる効果
が得られた。
シウム系化合物の被覆を有する有機繊維又は無機繊維か
らなる繊維集合体層とプラスチック成形体層とを接合成
形した少くとも2層により形成し、本来硬質材料である
燐酸カルシウム系のセラミックスを繊維集合層に薄くコ
ーティングすることで、可撓性を持たせ、プラスチック
成形体と複合材にすることで、本来、ハイドロキシアパ
タイトに代表される燐酸カルシウム系化合物の有する軟
組織との適合性を発揮させることができ、生体適合性複
合材として生体軟組織への効果的な応用を可能にした。
そして、このような生体適合性複合材を生体インプラン
ト部材に適用することにより、実際に臨床応用可能な生
体適合性のよい医療用具が比較的安価に提供できる効果
が得られた。
【図1】本発明の一実施例を示す人工気管用インプラン
ト部材の斜視説明図である。
ト部材の斜視説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す皮下アンカー部材用
インプラント部材の模式説明図である。
インプラント部材の模式説明図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す経皮端子用インプラ
ント部材の断面説明図である。
ント部材の断面説明図である。
【図4】本発明の別の実施態様例を示すプラスチックシ
ートの片面に織布を全面接合して形成した生体適合性複
合材の斜視説明図である。
ートの片面に織布を全面接合して形成した生体適合性複
合材の斜視説明図である。
【図5】本発明の別の実施態様例を示すプラスチックシ
ートの片面にフェルトを接合した生体適合性複合材の斜
視説明図である。
ートの片面にフェルトを接合した生体適合性複合材の斜
視説明図である。
【図6】本発明の別の実施態様例を示すプラスチックシ
ートの両面に繊維集合体層を接合した生体適合性複合材
の断面説明図である。
ートの両面に繊維集合体層を接合した生体適合性複合材
の断面説明図である。
【図7】本発明の別の実施態様例を示すプラスチックチ
ューブの外側全面に繊維集合体層を接合して形成した生
体適合性複合材の斜視説明図である。
ューブの外側全面に繊維集合体層を接合して形成した生
体適合性複合材の斜視説明図である。
【図8】本発明の別の実施態様例を示すプラスチックチ
ューブの内・外側両面に繊維集合体層を接合して形成し
た生体適合性複合材の斜視説明図である。
ューブの内・外側両面に繊維集合体層を接合して形成し
た生体適合性複合材の斜視説明図である。
【図9】本発明の別の実施態様例を示すプラスチックチ
ューブの内側面に繊維集合体層を接合して形成した生体
適合性複合材の斜視説明図である。
ューブの内側面に繊維集合体層を接合して形成した生体
適合性複合材の斜視説明図である。
1 繊維集合体層 2 カテーテル 3 アダプター 4 ポリウレタンチューブ 5 経皮端子基材 6 カフ状繊維集合体層 7 プラスチックシート 8 織布 9 フェルト 10プラスチックチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 一博 東京都渋谷区千駄ケ谷五丁目27番7号 日 本ブランズウイックビルディング5階 日 本シャーウッド株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 燐酸カルシウム系化合物の被覆を有する
有機繊維又は無機繊維の繊維集合体とプラスチック成形
体とを使用目的に応じた形態に接合してなることを特徴
とする生体インプラント複合材。 - 【請求項2】 前記繊維集合体は、液相析出法により形
成した前記燐酸カルシウム系化合物の被覆を有する有機
繊維又は無機繊維で形成されたことを特徴とする請求項
1記載の生体インプラント複合材。 - 【請求項3】 前記燐酸カルシウム系化合物の被覆がハ
イドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項1
又は2記載の生体インプラント複合材。 - 【請求項4】 前記プラスチック成形体層が前記燐酸カ
ルシウム系化合物の粉体とプラスチックとの混合物によ
り形成されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載
の生体インプラント複合材。 - 【請求項5】 前記燐酸カルシウム系化合物の被覆を有
する前記繊維集合層の表面に生体吸収性かつ異物化反応
性のコーティングを有することを特徴とする請求項1、
2、3又は4記載の生体インプラント複合材。 - 【請求項6】 燐酸カルシウム系化合物の被覆を有する
有機繊維又は無機繊維からなる繊維集合体とプラスチッ
ク成形体とを接合してなることを特徴とする生体適合性
複合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5118075A JPH06327757A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 生体インプラント複合材及び生体適合性複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5118075A JPH06327757A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 生体インプラント複合材及び生体適合性複合材 |
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JP5118075A Withdrawn JPH06327757A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 生体インプラント複合材及び生体適合性複合材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007061100A1 (ja) | 2005-11-28 | 2007-05-31 | Japan Science And Technology Agency | フロック加工された体内留置型医療機器、該体内留置型医療機器の製造方法、および該体内留置型医療機器の製造装置 |
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1993
- 1993-05-20 JP JP5118075A patent/JPH06327757A/ja not_active Withdrawn
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