JPH0110170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、特にタイルや石材等の切断によつて
粉塵が発生する切断機あるいは、同種の研削や穿
孔等の加工用で回転刃を半月状のカバーで覆うと
共にベースを介して回転刃を露出させる電動工具
の構成に関するものである。

［従来の技術］ 従来、石材の切断等の作業は、激しく、また大
量に粉塵が発生し、これが作業者にとつて作業の
障害になる他、呼吸器に悪影響があり問題であつ
た。

そして、この粉塵の障害を避けるため、作業者
のそばに大形の扇風機を備えて粉塵を吹飛ばす方
法や掃除機を備えて切断機の周囲から吸塵すると
いつた方法が試みられていた。

さらに、吸塵を前提に予め電動工具本体に吸塵
用の排気口を備えて掃除機を接続するように構成
されたものが試みられていた。

しかしながら、掃除機を接続することに問題が
あり、第１に掃除機を接続容易にするため突出し
た排気口を構成すると掃除機が不要の際は、この
排気口から粉塵が吹き出し作業の障害になつた。

第２に排気口を突出しないように構成すると、
掃除機を接続した際機械的に強度が不足する傾向
にあり、接続部分が樹脂で形成されている場合
は、外力によつて破損する恐れがあつた。

第３に作業の性質上、あるいは、切断刃の性質
上粉塵が問題で掃除機がある場合はともかく掃除
機がない場合は、粉塵が排気口から噴出しないよ
うに丈夫な盲蓋を備える必要があつて、これらの
対応に異なる電動工具を製作しなければならなか
つた。

この様なことから、電動工具の性質上、各種の
条件に１台で対応できることが望まれ、粉塵に対
して効果的に対処できる電動工具が望まれてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、この様な事情に鑑みてなされたもの
であり、作業の種類によつて粉塵の発生が問題に
なる場合が有ること、及び無いことの使い分けを
容易に行なうことができ、しかも携帯用の電動工
具として効果を損うことがないように構成し、か
つ機械的にも十分な強度が得られるよう構成され
る電動工具を提供することを目的とし、係る問題
点を解決することである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、カバーを回転刃の軸方向に分割可能
に構成し、この分割部分に開口を形成すると共に
開口内縁部に嵌合溝を形成し、この嵌合溝に着脱
可能な排気口及び盲蓋を備え、この排気口あるい
は盲蓋を任意に取り付けることによつて問題点を
解決している。

［作用］ カバーが分割されることにより、分割部分に形
成された開口の内縁部に形成された嵌合溝に排気
口あるいは盲蓋が任意に取り付けられる。

そして、開口の嵌合溝に排気口あるいは盲蓋を
装着した後、カバーの分割部分を接合して組み立
てることによつて開口から装着された排気口ある
いは盲蓋が外れなくなる。

さらに、開口に装着される排気口あるいは盲蓋
は、開口の内縁部に形成された嵌合溝に嵌合する
ため、外れることなく、また、外力に十分耐える
ことができる。

［実施例］ 本考案を図面に示された一実施例に基づいて説
明すると、第１図は、本考案による電動工具の側
面図であり、第２図は、その要部の分解斜視図で
ある。

第１図において、電動工具は、コンクリートや
石材を切断することができるダイヤモンドホイー
ルから成る回転刃１が半月状のカバー２で覆われ
ており、カバー２の回転刃１が露出される部分に
は、ベース３が備えられている。

そして、ベース３から回転刃１が露出されてお
り、ベース３を被削材に摺動させることにより、
容易に切断作業ができるように構成されている。

さらに、カバー２の上部に開口４が設けられる
と共に嵌合溝５が形成されており、この嵌合溝５
に排気口６が嵌合して着脱自在に構成されてい
る。

排気口６は、図示されない掃除機の接続が容易
に行なえるように接続部７が構成されている。

そして、回転刃１の回転に沿つてカバー２の内
部に侵入する粉塵を容易確実に排気口６へ導くよ
うに回転刃１の側面に沿つて回転刃１に接触する
ことなく延設された仕切り壁８が備えられてい
る。

この仕切壁８は、必ずしも必要なものではな
く、備えられることによつて排気口６が取り付け
られた際、吸塵効果を大きくすることができる
が、半面盲蓋を取り付けた場合、粉塵が堆積する
ことがあるため、本実施例の如く回転刃１の片側
にのみ形成しておく程度で良い。

第２図において、カバー２は、２分割されてお
り、一方のカバー２ａが固定されており、他方の
カバー２ｂが捩子９によつて容易に着脱できるよ
うに構成されている。

そして、開口４およびその内縁部に形成された
嵌合溝５は、カバー２ａ，２ｂの分割面に接して
形成されている。

さらに、排気口６と同様に嵌合溝５に嵌合する
盲蓋１０が用意されている。

このようなカバー２は、捩子９によつて容易に
分割されると共に分割面に開口４が形成されてい
るため、カバー２の一部に排気口６を構成し、こ
れを盲蓋１０と交換可能に構成するのに確実な交
換ができる他、組立て後に排気口６の接続部１０
に掃除機を接続して大きな外力が加わつても十分
強度を得ることができる。

すなわち、排気口６の固定がカバー２の開口４
に形成される嵌合溝５に結合されるため、この嵌
合溝５あるいは開口４の変形がなければ排気口６
が脱落しないため、十分な耐力を示すことにな
る。

そして、開口４や嵌合溝５がカバー２の分割面
に構成されることにより、カバー２を樹脂の成形
品で形成する場合は、成形型の型抜きが容易にな
るといつた効果も得られる。

しかも、樹脂でカバー２を形成しても開口４等
がカバー２ａ，２ｂの組立てによつて十分な強度
が得られるようになり、排気口６の脱落が起こら
ないといつた効果が得られる。

［考案の効果］ 本考案によれば、石材やコンクリートの切断等
の作業において、発生する粉塵を掃除機で回収す
る場合とその必要のない場合とによつて排気口を
盲蓋と容易に交換できる。

そのため、これらの用途に応じて専用の電動工
具の製作を不要にすることができ、作業に対して
も排気口が不要な場合は、盲蓋に交換することで
障害を生じることがなく、作業が安全に行なえる
他、排気口を備えて用いる場合でも、その強度が
十分に得られ、たとえカバーが樹脂の成形品で構
成されても破損するといつた問題もなく安心して
使用できるといつた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による電動工具の側面図であ
り、第２図は、その要部の分解斜視図である。 １……回転刃、２，２ａ，２ｂ……カバー、３
……ベース、４……開口、５……嵌合溝、６……
排気口、１０……盲蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転刃を半月状のカバーで覆うと共にベースを
   介して回転刃を露出させる電動工具において、カ
   バーを回転刃の軸方向に分割可能に構成し、この
   分割部分に開口を形成すると共に開口内縁部に嵌
   合溝を形成し、この嵌合溝に着脱可能な排気口及
   び盲蓋を備え、この排気口あるいは盲蓋を任意に
   取り付けることを特徴とする電動工具。