JPH0110159Y2

JPH0110159Y2 -

Info

Publication number: JPH0110159Y2
Application number: JP14444082U
Authority: JP
Priority date: 1982-09-24
Filing date: 1982-09-24
Publication date: 1989-03-22
Also published as: JPS5949500U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はプレスの湿式クラツチ・ブレーキ装置
に関するものである。

湿式とはクラツチ・ブレーキ装置の摩擦板を作
動油により冷却しているものを意味する。

従来、プレスのクラツチ・ブレーキ装置はモー
タで駆動されるフライホイールと、それを回転自
在に支持するプレスの機体及び駆動軸との間に１
個のクラツチと１個のブレーキとを１組として設
けていた。しかしながら、近年プレス作業の安全
性の向上、故障を未然に防止する見地から非常停
止性能を向上し、確実にすることが要望されてい
る。

本考案の目的はこの要望に応えるもので、１組
のクラツチ・ブレーキの外にブレーキを１個設
け、別々に制御系を設けることにより停止性能を
向上してプレス作業の安全性を向上させることが
でき、かつ故障を未然に防止することができるプ
レスの湿式クラツチ・ブレーキ装置を提供するこ
とにある。以下本考案の実施例について図面を参
照して説明する。

第１図において、プレスのクラウン部の機体１
にはプレスの駆動軸２が回転自在に支持されてい
る。機体１に回り止めして固定され突出したボス
３と駆動軸２との回りにフライホイール４が回転
自在に支持されている。フライホイール４はプレ
スの駆動モータ（図示せず）によりＶベルトを介
して駆動される。フライホイール４の内側凹部に
はブレーキ５とクラツチ６とが収容されている。
すなわち、駆動軸２にはブレーキハブ７が固定さ
れ、ブレーキハブ７の外周部と対向してボス３に
固定されたブレーキハウジング８が設けられてい
る。ブレーキハブ７の外歯にかみ合う内歯を有す
る摩擦板９とブレーキハウジング８の内歯にかみ
合う外歯を有する摩擦板１０とが交互にはめ込ま
れ、これらによつてブレーキ５が構成されてい
る。また、駆動軸２にはクラツチハブ１１が固定
され、クラツチハブ１１の外周部と対向してフラ
イホイール４に固定されたクラツチハウジング１
２が設けられている。クラツチハブ１１の外歯と
かみ合う内歯を有する摩擦板１３とクラツチハウ
ジング１２の内歯とかみ合う外歯を有する摩擦板
１４とが交互にはめ込まれ、これらによつてクラ
ツチ６が構成されている。ブレーキ５とクラツチ
６との間にはエアシリンダ装置１５が設けられ、
通常はばね１６でブレーキ５の摩擦板９，１０を
押圧するように付勢され、駆動軸２と機体１との
間を連結して駆動軸２を制動している。エアシリ
ンダ装置１５のシリンダ室は圧縮エアの給排口１
７に連絡している。給排口１７から圧縮エアが供
給されるとエアシリンダ装置１５はばね１６の付
勢力に打勝つてクラツチ６の摩擦板１３，１４を
押圧し、ブレーキ５を解放する。フライホイール
４の凹部は蓋１８で密閉し、ブレーキ５及びクラ
ツチ６を収容した室内にはフライホイール４を支
持する軸受の潤滑と、ブレーキ５及びクラツチ６
の摩擦板９，１０，１３，１４の冷却用に適量の
作動油が封入されている。

駆動軸２のフライホイール４、ブレーキ５及び
クラツチ６を設けた側と反対側の端部には別のブ
レーキ１９が設けられている。すなわち、駆動軸
２にはブレーキハブ２０が固定され、ブレーキハ
ブ２０の外周部と対向してブレーキハウジング２
１が機体１に固定されている。ブレーキハブ２０
の外歯にかみ合う内歯を有する摩擦板２２とブレ
ーキハウジング２１の内歯とかみ合う外歯を有す
る摩擦板２３とが交互にはめ込まれ、これらによ
つてブレーキ１９が構成されている。ブレーキ１
９の外側にはエアシリンダ装置２４が設けられて
いる。ブレーキ１９は通常はばね２５でエアシリ
ンダ装置２４を付勢し、摩擦板２２，２３を機体
１に押圧して制動力を発生している。この制動力
は前述のクラツチ６の伝動力よりも適切に小さく
してある。エアシリンダ装置２４のシリンダ室は
圧縮エアの給排口２６に連絡している。給排口２
６から圧縮エアが供給されるとエアシリンダ装置
２４はばね２５の付勢力に打勝つて移動し、ブレ
ーキ１９を解放する。給排口２６に連絡されるエ
ア回路と、給排口１７に連絡されるエア回路とは
互に独立しており、夫々のエア回路に別々の電磁
弁（図示せず）を設け、別々の電気信号によつて
制御される。ブレーキ１９を収容する室は蓋２７
で密閉され、駆動軸２中間部を潤滑する油でブレ
ーキ１９を冷却している。

次に作用について述べる。プレスの通常の運転
を行なう場合は給排口１７，２６に同時に圧縮エ
アを供給し、ブレーキ５及び１９を解放し、クラ
ツチ６を接続する。停止の場合は給排口１７，２
６の圧縮エアを同時に排気しクラツチ６を解放し
ブレーキ５及び１９を接続する。２個のブレーキ
が作用するので停止性能が向上する。また万一何
れか一方のブレーキが故障しても他のブレーキに
より停止し、作業が安全である。プレスの寸動運
転を行なう場合には、給排口２６に給気しブレー
キ１９の制動力を発生させたまま、給排口１７に
給気してクラツチ６を動作させブレーキ５を解放
すれば、駆動軸２はクラツチ６の伝動力とブレー
キ１９の制動力の差によつてゆつくりと回転し、
次に給排口１７を排気してクラツチ６を解放し、
ブレーキ５を動作させれば、駆動軸２はブレーキ
５，１９両方の制動力で直ちに停止する。従つて
駆動軸２に小さな回転角を与えることが自在にで
きる。

以上の説明から明らかなように本考案によれば
通常プレスに設けるクラツチ・ブレーキ装置の外
に独立した他の１つのブレーキを設けたことによ
りプレスの停止性能が向上し、停止位置が正確と
なり、１つのブレーキが万一故障しても他が作用
して停止し金型等の故障、事故の発生を未然に防
止することができて安全であり、寸動運転の場合
に１方のブレーキを作用させたまゝ他のブレーキ
を解放して行なえば極めて円滑に行なうことがで
きるなど実用上の効果と利点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の縦断面図である。１は機体、２は駆動軸、３はボス、４はフライ
ホイール、５はブレーキ、６はクラツチ、７はブ
レーキハブ、８はブレーキハウジング、９は摩擦
板、１０は摩擦板、１１はクラツチハブ、１２は
クラツチハウジング、１３は摩擦板、１４は摩擦
板、１５はエアシリンダ装置、１６はばね、１７
は給排口、１８は蓋、１９はブレーキ、２０はブ
レーキハブ、２１はブレーキハウジング、２２は
摩擦板、２３は摩擦板、２４はエアシリンダ装
置、２５はばね、２６は給排口、２７は蓋であ
る。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】機体に回転自在に支持した駆動軸の一端部と、
この駆動軸端部の外周部の機体に同心に回転自在
に支持したフライホイールとの間に設けられ、ば
ねの付勢力で動作し、独立に制御できるエアシリ
ンダ装置の付勢力で解放されるブレーキ５と、前
記エアシリンダ装置の付勢力で動作し、前記ばね
の付勢力で解放されるクラツチ６とからなるクラ
ツチ・ブレーキ装置と、前記駆動軸の他端部と機体との間に設けられ、
ばねの付勢力で動作し、独立に制御できるエアシ
リンダ装置の付勢力で解放され、かつその制動力
がクラツチ６の伝達力よりも小さいブレーキ１９
と、を具備することを特徴とするプレスの湿式クラツ
チ・ブレーキ装置。