JP7891925B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
近年、高出力、高エネルギー密度の二次電池として、正極と負極とがセパレータを介して巻回された電極体を備える非水電解質二次電池が広く利用されている。
例えば、特許文献1には、電池の充放電サイクル特性を向上させるために、セパレータの幅方向両端部の多孔質フィラー層の多孔度を中央部の多孔質フィラー層の多孔度より小さくすることが提案されている。
特開2013-218898号公報
しかし、非水電解質二次電池においては、充放電サイクル特性の更なる改善が求められている。
そこで、本開示の目的は、充放電サイクル特性の低下を抑えることが可能な非水電解質二次電池を提供することである。
本開示の一態様に係る非水電解質二次電池は、正極と負極がセパレータを介して巻回された巻回型の電極体と、非水電解質とを備え、前記セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材上に配置され、前記正極及び前記負極のうちの少なくともいずれか一方と対向する耐熱性多孔質層とを有し、前記セパレータを幅方向に対して5分割し、5分割した領域をセパレータの幅方向の一端に位置する領域A、セパレータの幅方向の他端に位置する領域B、セパレータの幅方向の中心部に位置する領域C、前記領域Aと前記領域Cの間に位置する領域D、前記領域Bと前記領域Cの間に位置する領域Eとした場合、前記領域D及び前記領域Eの空隙率は、前記領域A、前記領域B及び前記領域Cの空隙率より大きいことを特徴とする。
本開示によれば、充放電サイクル特性の低下を抑えることが可能となる。
実施形態の一例である非水電解質二次電池の模式断面図である。 図1の非水電解質二次電池に使用された巻回型の電極体の模式斜視図である。 図2の線L1-L1に沿ったセパレータの模式断面図である。
以下、図面に基づき本開示における実施形態について説明する。
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池の模式断面図である。図1に示す非水電解質二次電池10は、正極11及び負極12がセパレータ13を介して巻回されてなる巻回型の電極体14と、非水電解質と、電極体14の上下にそれぞれ配置された絶縁板18,19と、上記部材を収容する電池ケース15と、を備える。電池ケース15は、有底円筒形状のケース本体16と、ケース本体16の開口部を塞ぐ封口体17とにより構成されている。また、電池ケース15としては、円筒形、角形等の金属製ケース、樹脂シートをラミネートして形成された樹脂製ケース(所謂ラミネート型)などが例示できる。
ケース本体16は、例えば有底円筒形状の金属製容器である。ケース本体16と封口体17との間にはガスケット28が設けられ、電池内部の密閉性が確保される。ケース本体16は、例えば側面部の一部が内側に張出した、封口体17を支持する張り出し部22を有する。張り出し部22は、ケース本体16の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、その上面で封口体17を支持する。
封口体17は、電極体14側から順に、フィルタ23、下弁体24、絶縁部材25、上弁体26、及びキャップ27が積層された構造を有する。封口体17を構成する各部材は、例えば円板形状又はリング形状を有し、絶縁部材25を除く各部材は互いに電気的に接続されている。下弁体24と上弁体26は各々の中央部で互いに接続され、各々の周縁部の間には絶縁部材25が介在している。内部短絡等による発熱で二次電池10の内圧が上昇すると、例えば下弁体24が上弁体26をキャップ27側に押し上げるように変形して破断し、下弁体24と上弁体26の間の電流経路が遮断される。さらに内圧が上昇すると、上弁体26が破断し、キャップ27の開口部からガスが排出される。
図1に示す非水電解質二次電池10では、正極11に取り付けられた正極リード20が絶縁板18の貫通孔を通って封口体17側に延び、負極12に取り付けられた負極リード21が絶縁板19の外側を通ってケース本体16の底部側に延びている。正極リード20は封口体17の底板であるフィルタ23の下面に溶接等で接続され、フィルタ23と電気的に接続された封口体17の天板であるキャップ27が正極端子となる。負極リード21はケース本体16の底部内面に溶接等で接続され、ケース本体16が負極端子となる。
正極11は、例えば、正極集電体と、正極集電体上に設けられる正極活物質層とを有する。正極集電体は、例えば、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。また、正極活物質層は、正極活物質を含み、また、導電材やバインダーを含むことが好適である。
正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられ、具体的にはコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物等を用いることができ、これらのリチウム遷移金属複合酸化物にAl、Ti、Zr、Nb、B、W、Mg、Mo等を添加してもよい。
導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素粉末を単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
負極12は、例えば、負極集電体と、負極集電体上に設けられる負極活物質層とを有する。負極集電体は、例えば、銅などの負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。また、負極活物質層は、負極活物質を含み、また、バインダー等を含むことが好適である。
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な炭素材料を用いることができ、黒鉛の他に、難黒鉛性炭素、易黒鉛性炭素、繊維状炭素、コークス及びカーボンブラック等を用いることができる。さらに、非炭素系材料として、シリコン、スズ及びこれらを主とする合金や酸化物を用いることができる。
バインダーとしては、例えば、フッ素系樹脂、PAN、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
図2は、図1の非水電解質二次電池に使用された巻回型の電極体の模式斜視図である。但し、図2では、セパレータの構成の説明を容易とするために、電極体14に巻回されるべきセパレータの一部(巻回端部)を巻回前の状態にして示している。また、図3は、図2の線L1-L1に沿ったセパレータの模式断面図である。
図3に示すように、セパレータ13は、多孔質基材30と、多孔質基材30の両面に配置される耐熱性多孔質層32と、を有する。多孔質基材30の一方の面に配置される耐熱性多孔質層32は正極11と対向し、多孔質基材30の他方の面に配置される耐熱性多孔質層32は、負極12と対向する。セパレータ13は、正負極間ショートを防止するため、正極11や負極12より幅・長さともに大きく設計される。したがって、電極体14を作製する際に、正極11及び負極12とセパレータ13とを重ねると、正極11や負極12からセパレータ13がはみ出る形態になる。本実施形態の耐熱性多孔質層32は、電池の充放電サイクル特性や安全性向上等の点で、多孔質基材30の少なくとも一方の表面に配置され、少なくとも正極11と対向することが好ましい。
図2に示す電極体14は、正極11、負極12、セパレータ13の長手方向に巻回されている。ここで、本願明細書では、セパレータ13の長手方向は電極体14の巻回方向に対応し、セパレータ13の幅方向が電極体14の巻回軸方向に対応している。そして、図2に示すように、セパレータ13を、セパレータ13の幅方向に対して5分割して、それぞれ長手方向に延びる5つの領域(領域A、領域B、領域C、領域D及び領域E)に区分する。領域Aはセパレータ13の幅方向の一端に位置し、領域Bはセパレータ13の幅方向の他端に位置し、領域Cはセパレータ13の幅方向の中心部に位置し、領域Dは領域Aと領域Cとの間に位置し、領域Eは領域Bと領域Cとの間に位置する。
図2に示すセパレータ13においては、領域D及び領域Eの空隙率が、領域A、領域B及び領域Cの空隙率より大きくなるように構成されている。各領域の空隙率とは、各領域におけるセパレータ13の空隙率を指す。通常、電池の充放電を繰り返し行うと、正極・負極の幅方向で非水電解質量に勾配が生じ、正極・負極間全体で均一な充放電反応を行うことが困難となるため、充放電サイクル特性が低下し易くなる。そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、領域D及び領域Eの空隙率を、領域A、領域B及び領域Cの空隙率より大きくすることで、充放電を繰り返し行っても、セパレータ13全体における非水電解質の保持量を均一化させることができることを見出した。その結果、充放電を繰り返し行っても、例えば、正極・負極の幅方向における非水電解質量の勾配の発生が抑えられ、正極・負極間全体での充放電反応を均一化することが可能となり、充放電サイクル特性の低下が抑制される効果を奏する。
各領域におけるセパレータ13の空隙率は、多孔質基材30の空隙率及び耐熱性多孔質層32の空隙率のうちの少なくともいずれか一方を調整することにより行われるが、領域毎の空隙率の調整が容易である等の点で、耐熱性多孔質層32の空隙率を調整することにより行われることが好ましい。したがって、以下では、各領域における空隙率を各領域における耐熱性多孔質層32の空隙率として説明する。各領域における耐熱性多孔質層32の空隙率は、以下の式で算出される。
空隙率(%)={(各領域の耐熱性多孔質層32の見かけの体積-各領域の耐熱性多孔質層32の各成分の実体積の和)÷(各領域の耐熱性多孔質層32の見かけの体積)}×100
各領域の耐熱性多孔質層32の見かけの体積=各領域の耐熱性多孔質層32の実測厚み×面積
各領域の耐熱性多孔質層32の各成分の実体積=各領域の耐熱性多孔質層32に含まれる各成分の質量÷真密度
なお、セパレータ13の空隙率を算出する場合には、上記の式の耐熱性多孔質層32をセパレータ13に読み替えればよい。
領域Dは、セパレータ13の幅方向の一端から中心部までの幅(図2に示すM1)の30%以上、90%以下に位置することが好ましい。また、領域Eは、セパレータ13の幅方向の他端から中心部までの幅(図2に示すM2)の30%以上、90%以下に位置することが好ましい。領域D及びEが上記範囲を満たすことで、領域D及びEはセパレータ13の幅方向の両端から適度な間隔が開けられるため、上記範囲から外れる場合と比較して、例えば、セパレータ13全体における非水電解質の保持量をより均一化することが可能となり、充放電サイクル特性の低下がより抑制される。
セパレータ13の幅方向の一端から中心部までの幅(図2に示すM1)に対する領域Dの幅の比率は、例えば、充放電サイクル特性の低下をより抑制する点で、20%以上、60%以下であることが好ましく、30%以上、50%以下であることがより好ましい。また、セパレータ13の幅方向の他端から中心部までの幅(図2に示すM2)に対する領域Eの幅の比率は、充放電サイクル特性の低下をより抑制する点で、20%以上、60%以下であることが好ましく、30%以上、50%以下であることがより好ましい。
セパレータ13の幅方向の一端から中心部までの幅に対する領域Aの幅の比率は、例えば、20%以上、70%以下であることが好ましい。また、セパレータ13の幅方向の他端から中心部までの幅に対する領域Bの幅の比率は、例えば、20%以上、70%以下であることが好ましい。また、セパレータの幅方向の一端(又は他端)から中心部までの幅に対する領域Cの幅の比率は、例えば、10%以上、50%以下であることが好ましい。
多孔質基材30は、例えば、微多孔薄膜、織布、不織布等で構成される。多孔質基材30の材料は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとαオレフィンとの共重合体等のポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、セルロースなどが例示できる。多孔質基材30は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。多孔質基材30の厚みは、特に限定されないが、例えば、3μm~20μmの範囲であることが好ましい。
多孔質基材30の平均孔径は、例えば0.02μm~0.5μmの範囲であることが好ましく、0.03μm~0.3μmの範囲であることがより好ましい。多孔質基材30の平均孔径は、バブルポイント法(JIS K3832、ASTM F316-86)による細孔径測定ができるパームポロメーター(西華産業製)を用いて測定される。
多孔質基材30の空隙率は、リチウムイオン透過性等の点で、例えば、30%~80%の範囲であることが好ましい。多孔質基材30の空隙率の算出については、上記の式の耐熱性多孔質層32を多孔質基材30に読み替えればよい。
耐熱性多孔質層32は、例えば、フィラーとバインダーとを含む。耐熱性多孔質層32の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm~10μmの範囲であることが好ましい。
耐熱性多孔質層32にフィラーが含まれることで、例えば、耐熱性多孔質層32に熱収縮抑制効果を付与することができる。フィラーの融点または熱軟化点は、例えば、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。フィラーは、例えば、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子、金属フッ化物粒子及び金属炭化物粒子等が挙げられる。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化珪素、酸化マンガン等が挙げられる。金属窒化物粒子としては、例えば、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化ケイ素等が挙げられる。金属フッ化物粒子としては、例えば、フッ化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等が挙げられる。金属炭化物粒子としては、例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等が挙げられる。また、フィラーは、ゼオライト(M2/nO・Al2O3・xSiO2・yH2O、Mは金属元素、x≧2、y≧0)等の多孔質アルミノケイ酸塩、タルク(Mg3Si4O10(OH)2)等の層状ケイ酸塩、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の鉱物等でもよい。なお、これらは、1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
フィラーのBET比表面積は、特に限定されないが、例えば、1m2/g~20m2/gの範囲が好ましく、3m2/g~15m2/gの範囲がより好ましい。フィラーの平均粒径は、特に限定されないが、例えば、0.1μm~5μmであることが好ましく、0.2μm~1μmの範囲であることがより好ましい。
フィラーの含有量は、例えば、耐熱性多孔質層32の総量に対して、70質量%以上、95質量以下の範囲であることが好ましい。
バインダーは、個々のフィラー同士、およびフィラーと多孔質基材30とを接着する機能を有する。当該バインダーによって、多孔質基材30と耐熱性多孔質層32との間の剥離強度が向上する。バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーの含有量は、例えば、耐熱性多孔質層32の総量に対して、5質量%~15質量%の範囲であることが好ましい。
耐熱性多孔質層32の空隙率は、例えば、フィラーとバインダーの比率を変えることにより調整できる。例えば、フィラーの比率を上げれば、空隙率の高い耐熱性多孔質層32を形成することができる。
耐熱性多孔質層32の作製方法の一例を説明する。例えば、フィラー、バインダーを含み、フィラー含有率の低い第1スラリーと、フィラー、バインダーを含み、フィラー含有率の高い第2スラリーを準備する。そして、第1スラリーを領域A、領域B及び領域Cに対応する多孔質基材の表面に塗布し、また、第2スラリーを領域D及び領域Eに対応する多孔質基材の表面に塗布した後、乾燥する。これにより、領域D及び領域Eの空隙率が領域A、領域B及び領域Cの空隙率より高い耐熱性多孔質層32を多孔質基材30の表面に形成することができる。また、耐熱性多孔質層32の空隙率は、フィラーやバインダーの材料を変えることによっても調整できる。
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。
上記エステル類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
上記エーテル類の例としては、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、フラン、2-メチルフラン、1,8-シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o-ジメトキシベンゼン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1-ジメトキシメタン、1,1-ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテル類などが挙げられる。
上記ハロゲン置換体としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等のフッ素化環状炭酸エステル、フッ素化鎖状炭酸エステル、フルオロプロピオン酸メチル(FMP)等のフッ素化鎖状カルボン酸エステル等を用いることが好ましい。
電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩の例としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(P(C2O4)F4)、LiPF6-x(CnF2n+1)x(1<x<6,nは1又は2)、LiB10Cl10、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、Li2B4O7、Li(B(C2O4)F2)等のホウ酸塩類、LiN(SO2CF3)2、LiN(C1F2l+1SO2)(CmF2m+1SO2){l,mは1以上の整数}等のイミド塩類などが挙げられる。リチウム塩は、これらを1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。これらのうち、イオン伝導性、電気化学的安定性等の観点から、LiPF6を用いることが好ましい。リチウム塩の濃度は、溶媒1L当り0.8~1.8molとすることが好ましい。
次に、実施例について説明する。
<実施例1>
[正極の作製]
LiNi0.85Co0.12Al0.03O2で表される正極活物質が94質量部、導電材としての炭素粉末が3質量部、結着材としてのポリフッ化ビニリデンが3質量部となるように混合し、当該混合物とN-メチル-2-ピロリドンとをドライ環境下で湿式混合して、正極合材スラリーを調製した。当該正極合材スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、ローラーを用いて圧延した。このようにして、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された、幅65mm×長さ950mmの正極を得た。
[負極の作製]
黒鉛粉末が94質量部と、Si酸化物が3質量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末が3質量部となるように混合し、当該混合物とN-メチル-2-ピロリドンとを混合し、負極合材スラリーを調製した。当該負極合材スラリーを銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、ローラーを用いて圧延した。このようにして、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された、幅65mm×長さ1000mmの負極を得た。
[セパレータの作製]
アルミナ粒子とアラミド樹脂とを所定の比率で混合した第1スラリーを調製した。また、第1スラリーよりアルミナ粒子の比率を上げた第2スラリーを調製した。第1スラリー及び第2スラリーをポリエチレン製の多孔質基材(厚み10μm)の一方の表面に塗布した。具体的には、第1スラリーを図2に示す領域A、領域B及び領域Cに対応する多孔質基材の一方の表面に塗布し、また、第2スラリーを図2に示す領域D及び領域Eに対応する多孔質基材の表面に塗布した後、乾燥した。第2スラリーを塗布する領域Dをセパレータの幅方向の一端から中心部までの幅の40%~80%の位置に設定し、また、第2スラリーを塗布する領域Eをセパレータの幅方向の他端から中心部までの幅の40%~80%の位置に設定した。以上により、多孔質基材の一方の表面に、厚み3μmの耐熱性多孔質層が形成された、幅67mm×長さ1100mmのセパレータを得た。
得られたセパレータの領域A、領域B、領域Cにおける耐熱性多孔質層の空隙率は70%であり、領域D及び領域Eにおける耐熱性多孔質層の空隙率は75%であった。
[非水電解質の調製]
エチレンカーボネートと、メチルエチルカーボネートとを、30:70の体積比で混合した混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解することにより、非水電解質を調製した。
[非水電解質二次電池の作製]
(1)正極集電体に正極リードを取り付け、負極集電体に負極リードを取り付けた。そして、セパレータの耐熱性多孔質層が正極と対向するように、セパレータを正極と負極の間に配置した。その後、これらを巻回して、巻回型の電極体を作製した。
(2)電極体の上下に絶縁板をそれぞれ配置し、負極リードをケース本体に溶接し、正極リードを封口体に溶接して、電極体をケース本体内に収容した。
(3)ケース本体内に非水電解質を注入した後、ケース本体の開口端部を、ガスケットを介して封口体で封止した。これを非水電解質二次電池とした。
<比較例1>
セパレータの作製において、第1スラリーを多孔質基材の一方の表面全体に塗布したこと以外、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。セパレータの領域A~領域Eにおける耐熱性多孔質層の空隙率は70%であった。
<比較例2>
セパレータの作製において、第2スラリーを多孔質基材の一方の表面全体に塗布したこと以外、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。セパレータの領域A~領域Eにおける耐熱性多孔質層の空隙率は75%であった。
<比較例3>
セパレータの作製において、第1スラリーを領域A及び領域Bに対応する多孔質基材の一方の表面に塗布し、また、第2スラリーを領域C、領域D及び領域Eに対応する多孔質基材の表面に塗布したこと以外、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。セパレータの領域A、領域Bにおける耐熱性多孔質層の空隙率は70%であり、領域C、領域D及び領域Eにおける耐熱性多孔質層の空隙率は75%であった。
[充放電サイクル特性]
実施例及び各比較例の非水電解質二次電池を、25℃の温度環境下で、定電流充電(電流1500mA、終止電圧4.2V)-定電圧充電(電圧4.2V、終止電流90mA)を行った後、定電流放電(電流2250mA、終止電圧2.5V)を行った。この充放電サイクルを700サイクル行い、容量維持率を求めた。その結果を表1にまとめた。
容量維持率(%)=(700サイクル目放電容量/1サイクル目放電容量)×100
表1に示すように、実施例1は比較例1~3と比べて高い容量維持率を示した。この結果から、領域D及び領域Eの空隙率が、領域A、領域B及び領域Cの空隙率より大きいセパレータを用いることにより、充放電サイクル特性の低下を抑制することができると言える。
<実施例2>
第2スラリーを塗布する領域Dをセパレータの幅方向の一端から中心部までの幅の30%~90%の位置に設定し、また、第2スラリーを塗布する領域Eをセパレータの幅方向の他端から中心部までの幅の30%~90%の位置に設定したこと以外、実施例1と同様に、非水電解質二次電池を作製して、充放電サイクル特性を評価した。
<実施例3>
第2スラリーを塗布する領域Dをセパレータの幅方向の一端から中心部までの幅の20%~70%の位置に設定し、また、第2スラリーを塗布する領域Eをセパレータの幅方向の他端から中心部までの幅の20%~70%の位置に設定したこと以外、実施例1と同様に、非水電解質二次電池を作製して、充放電サイクル特性を評価した。
<実施例4>
第2スラリーを塗布する領域Dをセパレータの幅方向の一端から中心部までの幅の45%~95%の位置に設定し、また、第2スラリーを塗布する領域Eをセパレータの幅方向の他端から中心部までの幅の45%~95%の位置に設定したこと以外、実施例1と同様に、非水電解質二次電池を作製して、充放電サイクル特性を評価した。
表2に、実施例1~4における容量維持率の結果をまとめた。
表2に示すように、実施例1は実施例2~4と比べて高い容量維持率を示した。この結果から、空隙率の高い領域Dが、セパレータの幅方向の一端から中心部までの幅の30%以上、90%以下に位置し、空隙率の高い領域Eが、セパレータの幅方向の他端から中心部までの幅の30%以上、90%以下に位置しているセパレータを用いることにより、充放電サイクル特性の低下をより抑制することができると言える。
<実施例5>
セパレータの耐熱性多孔質層が負極と対向するように、セパレータを正極と負極の間に配置したこと以外、実施例1と同様に、非水電解質二次電池を作製して、充放電サイクル特性を評価した。
<実施例6>
第1スラリーを領域A、領域B及び領域Cに対応する多孔質基材の両面に塗布し、また、第2スラリーを領域D及び領域Eに対応する多孔質基材の両面に塗布したこと以外は、実施例1と同様に、非水電解質二次電池を作製して、充放電サイクル特性を評価した。
表3に、実施例1、5~6における容量維持率の結果をまとめた。
表3に示すように、実施例1及び6は実施例5と比べて高い容量維持率を示した。この結果、耐熱性多孔質層は少なくとも正極と対向させることが好ましい。
10 非水電解質二次電池、11 正極、12 負極、13 セパレータ、14 電極体、15 電池ケース、16 ケース本体、17 封口体、18,19 絶縁板、20 正極リード、21 負極リード、22 張り出し部、23 フィルタ、24 下弁体、25 絶縁部材、26 上弁体、27 キャップ、28 ガスケット、30 多孔質基材、32 耐熱性多孔質層。

Claims (2)

  1. 正極と負極がセパレータを介して巻回された巻回型の電極体と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、
    前記セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材上に配置され、前記正極及び前記負極のうちの少なくともいずれか一方と対向する耐熱性多孔質層とを有し、
    前記セパレータを幅方向に対して5分割し、5分割した領域をセパレータの幅方向の一端に位置する領域A、セパレータの幅方向の他端に位置する領域B、セパレータの幅方向の中心部に位置する領域C、前記領域Aと前記領域Cの間に位置する領域D、前記領域Bと前記領域Cの間に位置する領域Eとした場合、前記領域D及び前記領域Eにおける前記耐熱性多孔質層の空隙率は、前記領域A、前記領域B及び前記領域Cにおける前記耐熱性多孔質層の空隙率より大きく、
    前記領域Dは、前記セパレータの幅方向の前記一端から中心部までの幅の30%以上、90%以下に位置し、前記領域Eは、前記セパレータの幅方向の前記他端から中心部までの幅の30%以上、90%以下に位置している、非水電解質二次電池。
  2. 前記耐熱性多孔質層は、少なくとも前記正極と対向する、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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