JP7846955B2 - 酸性豆乳含有飲料、及びその製造方法 - Google Patents

酸性豆乳含有飲料、及びその製造方法

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Description

本発明は、酸性豆乳含有飲料、及びその製造方法に関し、より詳しくは、たんぱく質などの沈殿が抑制された、安定した酸性豆乳含有飲料、及びその製造方法に関する。
近年の健康志向などを背景に、健康上有益な生理活性を有する食品として、乳酸菌発酵により得られる発酵豆乳、それを材料とした乳酸菌含有飲食品及び食品などが注目されている。乳酸菌は、これまでに整腸作用、抗アレルギー作用、コレステロール低減作用、血圧降下作用、美肌作用、安眠作用など、様々な生理活性を有することが知られている。
したがって、現在、豆乳や発酵豆乳に関する様々な研究が進められている。
例えば、特許文献1には、長期間にわたり乳蛋白質の凝集沈殿を防止した乳性蛋白質含有酸性飲料が開示されている。具体的には、特許文献1には、大豆乳等の植物乳が用いられること、及び、糖類の添加量は20~60重量%であることが記載されている。
また、特許文献2には、濃縮豆乳を含む発酵原料をラクトバチルス・ブレビス属の乳酸菌で乳酸発酵することで得られる豆乳ヨーグルトの製造方法が開示されており、具体的には、濃縮豆乳の大豆固形分の割合は14~23重量%程度であり、糖類の割合は1~30重量部程度であることが記載されている。このように、豆乳から得られたカード(凝乳)を形成させてそれを食品に利用することが試みられている。
また、特許文献3には、豆乳発酵食品において、滑らかな食感を有し、ホエーの分離がなく、高粘度を有するクリーム状の製品を開示しており、具体的には、3%以上の大豆固形分及び5~10%の糖を含有する豆乳に乳酸菌を添加し、豆乳の粘度が6000cP以上となるまで発酵を行うことが記載されている。
また、特許文献4には、タンパク質成分等の凝集が抑制された、pH4.5未満の豆乳発酵飲料が開示されている。具体的には、特許文献4には、ペクチン及び大豆多糖類の添加により、後に残る酸味が低減されて口当たりが滑らかになることが記載されている。
特開平6-319449号公報 特開2018-068267号公報 特開2007-014303号公報 特開2014-168441号公報
本発明の課題は、たんぱく質などの沈殿形成が抑制され、より安定した、粉末豆乳を含有する酸性豆乳含有飲料、及びその製造方法を提供することである。
豆乳含有飲料において、酸味料や発酵によって生じた有機酸などによりpHが低下した場合、豆乳中のたんぱく質が変性して、離水し、たんぱく質が沈殿することが知られている。このようなたんぱく質の沈殿は、当該豆乳含有飲料を保存する場合において、外観や舌触りに悪影響を与えるおそれがある。また、このような酸性豆乳含有飲料を、飲食品の原料として利用する際には、たんぱく質の沈殿が、製造過程において悪影響を与えるおそれがある。したがって、安定した酸性豆乳含有飲料を得ることが求められている。
また、豆乳含有飲料において、より豆乳らしさを付与するため等の目的で大豆固形分を増加させる場合に、その手段として粉末豆乳を利用すること等が挙げられる。しかしながら、原料として粉末豆乳を含有させた場合には、沈殿が多く生じてしまう傾向にあった。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、予想外にも、粉末豆乳を含む酸性豆乳含有飲料において、単糖及び/又は二糖を、その含有量が、32~55質量%となるように含有させることで、酸性豆乳含有飲料における沈殿を抑制しうることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の態様を含むものである。
〔態様1〕
粉末豆乳と、単糖及び/又は二糖とを含み、前記単糖及び/又は二糖の含有量が、32~55質量%である、酸性豆乳含有飲料。
〔態様2〕
前記単糖及び/又は二糖が、果糖、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される少なくとも1種を含む、前記〔態様1〕に記載の酸性豆乳含有飲料。
〔態様3〕
3.0~4.5のpHを有する、前記〔態様1〕又は〔態様2〕に記載の酸性豆乳含有飲料。
〔態様4〕
(a)粉末豆乳を含む豆乳含有飲料を調整する工程と、
(b)前記豆乳含有飲料を、乳酸菌によって発酵させ、かつ/又は、前記豆乳含有飲料に酸味料を添加して、酸性豆乳含有飲料を得る工程と、
(c)単糖及び/又は二糖を、前記酸性豆乳含有飲料に添加して、前記酸性豆乳含有飲料における単糖及び/又は二糖の含有量が32~55質量%となるように調整する工程とを含む、酸性豆乳含有飲料の製造方法。
本発明は、たんぱく質などの沈殿形成が抑制され、より安定した、粉末豆乳を含有する酸性豆乳含有飲料、及びその製造方法を提供することができる。
各製品サンプルで生成した沈殿物の評価基準を示した写真である。
<酸性豆乳含有飲料>
本発明は、粉末豆乳と、単糖及び/又は二糖とを含み、単糖及び/又は二糖の含有量が、32~55質量%である、酸性豆乳含有飲料に関する。当該単糖及び/又は二糖の含有量は、40~55質量%であることがより好ましく、40~50質量%であることが特に好ましい。
本発明において、酸性豆乳含有飲料とは、pH6.0以下の飲料を意味する。当該酸性豆乳含有飲料のpHは、3.0~5.5であることが好ましく、3.0~4.5であることが特に好ましい。
本発明において粉末豆乳とは、例えば、平成30年3月29日農林水産省告示第683号に記載される豆乳を凍結乾燥などにより、大豆由来成分の変性を抑えつつ水分を除いた粉末状の豆乳であり、大豆由来成分以外の成分を含んでいてもよい。当該粉末豆乳は、市販のものを使用してもよく、例えば、豆乳パウダーT、豆乳パウダーM、豆乳パウダーIM、豆乳パウダーIM100(以上、井村屋社)、ソヤフィット2000(不二製油社)を使用することができる。当該粉末豆乳の量の調節により、酸性豆乳含有飲料の大豆固形分の調整を簡便に行うことができる。
また、本発明に係る酸性豆乳含有飲料において、単糖及び/又は二糖には、果糖、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが、製造時の取扱いやすさや原料の入手しやすさ、風味が良好であるとの理由から好ましい。
なお、酸性豆乳含有飲料中の単糖及び/又は二糖の含有量は、当該酸性豆乳含有飲料の製造に用いられる原料の大豆固形分と、その配合率に基づいて算出することができるほか、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の方法によってその含有量を確認することもできる。
そして、当該酸性豆乳含有飲料は、酸性化豆乳及び/又は発酵豆乳を含むことが好ましい。
本発明における酸性化豆乳とは、粉末豆乳を含み、好ましくは粉末豆乳を大豆固形分換算で1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上含んでなる豆乳含有飲料に、酸味料等を添加することによりpHを5.5以下に調整した流動体(液体を含む)を意味する。pHの調整には、例えば、クエン酸、リン酸、乳酸、リンゴ酸やそれらの塩(例えば、クエン酸三ナトリウムなど)などの酸味料を用いることができる。クエン酸、リン酸、乳酸及びリンゴ酸の添加量については、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に限定はされないが、例えば、酸性化豆乳において、0.5~3.0質量%で添加されるのが好ましい。本発明に係る酸性化豆乳は、粉末豆乳以外に、例えば、平成30年3月29日農林水産省告示第683号に記載される豆乳や、調製豆乳、豆乳飲料等を含有していてもよい。また、大豆ペプチドなどを含有していてもよい。なお、この大豆ペプチドには、後述する発酵豆乳の原料に使用しうるものと同等のものを使用できる。本発明における酸性化豆乳は、全大豆固形分が、1~20質量%、より好ましくは4~10質量%であることが好ましい。
本発明における発酵豆乳とは、粉末豆乳を含み、好ましくは粉末豆乳を大豆固形分換算で1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上含んでなる豆乳含有飲料を、乳酸菌によって発酵することで得られる、pH5.5以下の流動体(液体を含む)を意味する。また、発酵豆乳は、酸味料を含んでもよい。当該発酵豆乳については、後に詳述する。
ここで、本発明において、酸性豆乳含有飲料、酸性化豆乳、及び発酵豆乳における大豆固形分は、当該豆乳含有飲食品の製造に用いられる原料の大豆固形分と、その配合率に基づいて算出することができる。なお、本発明における「大豆固形分」は、「大豆由来の固形分」を意味する(一般的な意味と同義である)。
また、本発明に用いる溶媒水は特に限定されず、例えば、イオン交換水を用いることができる。
なお、本発明の課題である、たんぱく質などの「沈殿」は、粉末豆乳を含有しない酸性豆乳含有飲料である場合には生じにくい傾向にあることも確認している。
本発明の酸性豆乳含有飲料は、たんぱく質などの沈殿が生じにくく、例えば容器に当該飲料を入れて、4℃にて5日以上静置状態で保存した後であっても、本発明に規定する量で単糖/二糖を含まない酸性豆乳含有飲料に比べて、安定であるとの利点がある。
≪発酵豆乳≫
本発明に係る酸性豆乳含有飲料に含まれる発酵豆乳は、その原料に粉末豆乳を含む。そして、発酵豆乳の原料には、当該粉末豆乳以外に、例えば、平成30年3月29日農林水産省告示第683号に記載される豆乳のほか、調製豆乳、又は豆乳飲料を含んでもよい。また、発酵豆乳の原料には、塩類や窒素分や炭素分を補うための成分として、発酵助剤を含んでもよい。本発明で用いられる「発酵助剤」は、一般的に発酵工程をより良く進めるために加えられる物質であれば特に制限されず、例えば、塩化ナトリウム、酸性リン酸カリウム、酸性リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム等の無機塩;ラクトース、グルコース、スクロース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、トレハロース等の糖類;ビタミン類;酵母エキス、肉エキス、植物エキスを用いることができる。
発酵原料に含まれうる大豆ペプチドは、大豆から抽出・精製されたタンパク質を分解して得られるタンパク分解物であって、当該タンパク質を熱や圧力、酸、アルカリ、酵素によって分解することで得られる。また、大豆ペプチドの重量平均分子量は特に限定されないが、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましい。また、大豆ペプチドとして、市販のハイニュートAM、ハイニュートDC6、ハイニュートDH、ハイニュートD1(以上、不二製油社)を用いることができる。また、当該発酵原料には、大豆ペプチドとそれ以外の成分、例えば水分や賦形剤等を含む大豆ペプチド組成物を含んでいてもよい。当該大豆ペプチド組成物を用いる場合には、大豆ペプチド由来の固形分は、大豆ペプチド組成物から当該水分や賦形剤等を除いた固形分とすることができる。
その他、本発明における発酵原料には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、一般的に使用されうる、上述していない甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を含有させてもよい。
当該発酵豆乳は、乳酸菌により発酵されたものであるが、本発明で用いられる「乳酸菌」としては、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ビフィドバクテリウム属、エンテロコッカス属、ロイコノストック属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、及びワイセラ属に属する微生物が挙げられ、特にラクトバチルス属が好ましい。「ラクトバチルス属の微生物」としては、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・デルブルッキ サブスピーシーズ ブルガリカス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ゼアエ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ガリナーラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・プランタラム、及びラクトバチルス・ジョンソニー等が挙げられ、特にラクトバチルス・ヘルベティカス(L. helveticus)、及びラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)が好適に使用できる。本発明の飲料において使用する上記の乳酸菌種に属する菌株は、天然からの単離株、寄託株、保存株、市販株などのいずれであってもよい。
発酵原料を乳酸菌によって発酵させる条件は、常法に従いうるが、例えば、20~50℃、より好ましくは30~40℃で、1~48時間、より好ましくは、15~30時間(静置)発酵させることが好ましい。また、本工程で得られる発酵液のpHは、3.0~5.5、好ましくは3.0~4.5であることが好ましい。発酵する工程の終期は、原料に含まれる乳酸菌が対数増殖の後、定常期になった時としてもよい。乳酸菌発酵の具合は、常法に従い、乳酸酸度とpHを測定して確認することができる。また、発酵終了後における特有の風味を極力保つため、これ以上発酵が進まないように、(加熱)殺菌を行ってもよい。
≪任意の添加成分≫
本発明において、酸性豆乳含有飲料は、上記単糖及び/又は二糖以外に、沈殿を防ぐ目的で使用される、たんぱく質の安定化剤を含有してもよい。当該安定化剤としては、食品や飲料に用いることができる増粘多糖類であれば特に制限無く用いることができるが、特に大豆多糖類が好ましい。増粘多糖類は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用しても良い。特に限定されないが、使用される増粘多糖類としては、例えば、大豆多糖類やペクチンなどが挙げられる。
大豆多糖類とは、大豆から得られる水溶性の多糖類であり、主な成分はヘミセルロースであり、さらにガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラムノース、キシロース、フコース、グルコース等の糖類から構成される。この大豆多糖類は、大豆から大豆油や分離大豆たんぱく質を製造する際に生成するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出、精製、殺菌して得ることができる。また、大豆多糖類としては市販のものを用いてもよく、例えば、商品名「SM-700」、商品名「SM-900」、商品名「SM-1200」(いずれも三栄源エフ・エフ・アイ社製)が挙げられる。
当該酸性豆乳含有飲料への安定化剤の配合割合は、その種類等に応じて本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定できる。該配合割合は、特に制限されないが、例えば、たんぱく質の安定性の維持を良好なものとし、良好な風味を維持するためには、飲料の全質量を基準として、その下限は通常0.01質量%、好ましくは0.1質量%であり、その上限は通常5質量%、好ましくは2質量%とすることができる。安定化剤の配合割合を高くすると、安定化剤特有の風味やテクスチャーが強くなるおそれがある。
また、本発明に係る酸性豆乳含有飲料は、上記単糖及び/又は二糖以外に糖類を含んでいてもよい。公知の甘味料を使用することで上記の値に調整することができる。たとえば、キシリトール、D-ソルビトール等の低甘味度甘味料;タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、及びサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料を単独で、又は適宜2種類以上を組み合わせて調整してもよい。
また、本発明に係る酸性豆乳含有飲料は、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラル又はその塩を含んでいてもよい。
また、本発明に係る酸性豆乳含有飲料は、乳成分を含んでいてもよい。当該乳成分は、例えば、獣乳及び植物乳の何れの原料乳を由来とするものであってもよい。獣乳としては、例えば、牛乳、山羊乳、羊乳及び馬乳等が挙げられる。乳成分の形態としては、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳たんぱく濃縮物、バターミルク粉、無糖練乳、脱脂加糖練乳、全脂加糖練乳、生クリーム、及び発酵乳が挙げられる。また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。なかでも、脱脂乳が好ましく、ハンドリングのよさから脱脂粉乳を用いることが特に好ましい。また、植物乳としては、例えば、アーモンドミルク、ライスミルク、ココナッツミルク等が挙げられる。また、乳成分としては、単一種類の原料由来であっても、数の種類の原料由来であってもよい。
また、本発明の酸性豆乳含有飲料の風味等を損なわない範囲で、必要に応じて任意の酸性成分として、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、リン酸等の酸味料や、果汁、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等の果汁を添加してもよい。
また、本発明に係る豆乳含有飲料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、一般的に使用されうる、上述していない甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を含有させてもよい。
本発明の酸性豆乳含有飲料は、特に限定されないが、例えば、無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料、清涼飲料水、コーヒー飲料、茶系飲料、果実飲料、スポーツ飲料、健康飲料、ノンアルコール飲料又はアルコール飲料等として、又はこれらの原料として用いることができる。
<酸性豆乳含有飲料の製造方法>
本発明に係る酸性豆乳含有飲料の製造方法には、(a)粉末豆乳を含む豆乳含有飲料を調整する工程と、(b)前記豆乳含有飲料を、乳酸菌によって発酵させ、かつ/又は、前記豆乳含有飲料に酸味料を添加して、酸性豆乳含有飲料を得る工程と、(c)単糖及び/又は二糖を、前記酸性豆乳含有飲料に添加して、前記酸性豆乳含有飲料における単糖及び/又は二糖の含有量が32~55質量%となるように調整する工程とを含む。工程(a)の豆乳含有飲料は、上述したとおりである。工程(b)において、前記豆乳含有飲料を、乳酸菌によって発酵させて得られる、又は、発酵かつ酸味料添加して得られる酸性豆乳含有飲料が発酵豆乳に対応し、工程(b)において前記豆乳含有飲料に酸味料を添加して、得られる酸性豆乳含有飲料が酸性化豆乳に対応する。工程(c)で添加される単糖及び/又は二糖は、上述したとおりである。
また、本発明の酸性豆乳含有飲料においては、その製造工程において、適宜必要に応じて、均質化処理を行うことが好ましく、工程(b)の後、及び/又は、工程(c)の後、均質化処理を行うことが好ましい。均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されず、常法に従うことができる。
また、本発明に係る酸性豆乳含有飲料の製造方法には、当該酸性豆乳含有飲料に、甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を適宜混合する工程を含んでいてもよい。本発明の酸性豆乳含有飲料においては、その製造工程において、適宜必要に応じて、殺菌処理を加えて行なうことができる。
殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。
殺菌処理後の本発明の豆乳含有飲料を容器に充填する方法としては、例えば、飲料を容器にホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法により行うことができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例により本発明が何ら限定されるものでない。
実施例、参考例、及び比較例で使用される粉末豆乳、豆乳、及び大豆ペプチド組成物の水分量と固形分の組成は、表1の通りであった。本実施例においては、表1に示される大豆ペプチド組成物中の水分を除いたものを大豆ペプチド由来の固形分とした。
[実施例1及び実施例2、参考例1、並びに、比較例1及び比較例2]
表2に示す配合率で、イオン交換水に、粉末豆乳又は豆乳、及び大豆ペプチド組成物を混合し、pHが3.6前後になるように酸味料(乳酸)を添加して酸性化豆乳を得た。
当該酸性化豆乳を、ホモゲナイザーを用いて15±1MPaで均質化処理した後、下記表2に示す成分を添加して調合液を得た。当該調合液を、ホモゲナイザーを用いて15±1MPaで均質化処理した後、湯浴にて加熱殺菌し、耐熱ペットボトルにホットパック充填して、4℃で5日間静置保存して、製品サンプルを得た。
製品サンプルのpHは全て3.6前後であった。
<沈殿評価>
得らえた各製品サンプルを、同じ条件で1回転倒させた後、ペットボトル中の液体を廃棄して、ペットボトル底部の沈殿を評価した(図1参照)。
沈殿については、3名のパネリストにより、以下の基準で評価を行い、最も人数の多かった評価を採用した。結果を表2に示す。
・評価基準
+ :ほぼ生成せず、分散性がある
++ :少し生成し、分散性がある
+++:沈殿が固着し、分散性がない
参考例1に示されるように、粉末豆乳を含まないで、豆乳を含む酸性化豆乳に大豆多糖類、及びペクチンを配合すると沈殿は生じないことが確認された。また、実施例1及び実施例2の結果から、粉末豆乳を含む酸性化豆乳において、単糖/二糖を33質量%又は45質量%を配合すると沈殿が抑えられることが確認された。なお、実施例2において、果糖ぶとう糖液糖は、固形分濃度75%の糖液であるため、果糖ぶどう糖液糖45質量%は、固形分換算で約33質量%に相当する。しかしながら、豆乳を含まないで、粉末豆乳を含む酸性化豆乳に、糖を20質量%又は30質量%配合した程度では、沈殿を抑制することはできなかった。
[実施例3、並びに、比較例3及び比較例4]
発酵豆乳を製造するために、イオン交換水に、粉末豆乳、豆乳、及び大豆ペプチド組成物を混合し、さらに発酵助剤とスターター(乳酸菌)とを添加して、表3に示す配合率になるように調整した。
調整した発酵豆乳の原料を、37℃で約20時間発酵させて、発酵豆乳を得た。得られた発酵豆乳のpHは、約3.6であった。
当該発酵豆乳を、ホモゲナイザーを用いて15±1MPaで均質化処理した後、下記表4に示す成分を撹拌して調合液を得た。当該調合液を、ホモゲナイザーを用いて15±1MPaで均質化処理した後、湯浴にて加熱殺菌し、耐熱ペットボトルにホットパック充填して、4℃で5日間静置保存して、製品サンプルを得た。
製品サンプルのpHは全て3.6前後であった。
<沈殿評価>
得らえた各製品サンプルを、同じ条件で1回転倒させた後、ペットボトル中の液体を廃棄して、ペットボトル底部の沈殿を評価した(図1参照)。
沈殿については、3名のパネリストにより、以下の基準で評価を行い、最も人数の多かった評価を採用した。
・評価基準
+ :ほぼ生成せず、分散性がある
++ :少し生成し、分散性がある
+++:沈殿が固着し、分散性がない
比較例3の結果から、粉末豆乳を含む発酵豆乳に、大豆多糖類及びペクチンを配合したとしても、沈殿が生じることが確認された。また、比較例4の結果から、当該発酵豆乳に、大豆多糖類及びペクチンに加えて、発酵セルロースを加えると、沈殿の固着度が低減することが示唆された。また、実施例3の結果から、大豆多糖類、ペクチン、及び発酵セルロースを配合しなくても、ショ糖を45質量%含有させることで、沈殿がほとんど生じなかった。

Claims (3)

  1. 粉末豆乳と、単糖及び/又は二糖とを含み、
    粉末豆乳は、大豆固形分換算で1質量%以上となるように含まれ、
    全大豆固形分が、1~20質量%であり、
    前記単糖及び/又は二糖が、果糖、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記単糖及び/又は二糖の含有量が、32~55質量%である、酸性豆乳含有飲料。
  2. 3.0~4.5のpHを有する、請求項に記載の酸性豆乳含有飲料。
  3. (a)粉末豆乳を含む豆乳含有飲料を調整する工程と、
    (b)前記豆乳含有飲料を、乳酸菌によって発酵させ、かつ/又は、前記豆乳含有飲料に酸味料を添加して、酸性豆乳含有飲料を得る工程と、
    (c)単糖及び/又は二糖を、前記酸性豆乳含有飲料に添加して、前記酸性豆乳含有飲料における単糖及び/又は二糖の含有量が32~55質量%となるように調整する工程と
    を含み、
    粉末豆乳は、大豆固形分換算で1質量%以上となるように酸性豆乳含有飲料に含まれ、
    酸性豆乳含有飲料の全大豆固形分が、1~20質量%であり、
    前記単糖及び/又は二糖が、果糖、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
    酸性豆乳含有飲料の製造方法。
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