JP7846838B2 - 接合構造体の製造方法及び被接合体の接合方法 - Google Patents
接合構造体の製造方法及び被接合体の接合方法Info
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Description
銅粉及び25℃で液体である有機物を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程と、
前記湿潤塗膜から前記有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程と、
加圧によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して、前記第1被接合体、前記乾燥塗膜及び前記第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程と、
前記積層体を加圧下で加熱して前記乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた前記接合層によって前記第1被接合体と前記第2被接合体とを接合する工程と、を備え、
前記有機物は第1の有機物を含み、
前記第1の有機物は、230℃以上300℃未満の沸点を有し、且つ25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度が100mPa・s以上である、接合構造体の製造方法を提供するものである。
銅粉及び25℃で液体である有機物を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程と、
前記湿潤塗膜から前記有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程と、
加圧によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して、前記第1被接合体、前記乾燥塗膜及び前記第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程と、
前記積層体を加圧及び加熱して前記乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた前記接合層によって前記第1被接合体と前記第2被接合体とを接合する工程と、を備え、
前記有機物は第1の有機物を含み、
前記第1の有機物は、230℃以上300℃未満の沸点を有し、且つ25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度が100mPa・s以上である、接合方法を提供するものである。
(1)銅粉及び25℃で液体である有機物(以下、「液体有機物」ともいう。)を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程(湿潤塗膜形成工程)。
(2)湿潤塗膜から液体有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程(乾燥塗膜形成工程)。
(3)加圧によって第2被接合体を乾燥塗膜に仮固定して、第1被接合体、乾燥塗膜及び第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程(積層体形成工程)。
(4)積層体を加圧下で加熱して乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた接合層によって第1被接合体と第2被接合体とを接合する工程(接合工程)。
以下、それぞれの工程について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の接合構造体の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
まず図1(a)に示すとおり、第1被接合体11を準備し、この第1被接合体11の一面11a上に接合用組成物を塗布して湿潤塗膜13aを形成する。接合用組成物は、銅粉及び液体有機物を含んでいる。
接合用組成物の塗布方法は特に限定されない。例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ディスペンス印刷法、リバースコート法及びドクターブレード法などによって湿潤塗膜13aを形成することができる。
また湿潤塗膜13aの平均厚さは、塗膜を平滑にさせやすくし、且つ、乾燥後の塗膜の割れを防止する観点から、500μm以下であることが好ましく、450μm以下であることが更に好ましく、400μm以下であることが一層好ましい。
図1に示す実施形態においては、接合用組成物の塗布面積は、塗布によって形成された湿潤塗膜13aが、第2被接合体12の周縁から延出するような面積である。このような塗布面積とすることによって、第1被接合体11と第2被接合体12とをより確実に接合させることができる。
次に、図1(b)に示すとおり、該湿潤塗膜13aから液体有機物を除去して乾燥塗膜13bを得る。湿潤塗膜13aから液体有機物を除去することで乾燥塗膜13bの保形性が高まる。
一方、平滑な塗膜を得やすくし、乾燥後の塗膜の割れを防止する観点から、乾燥工程においては、乾燥塗膜13bの平均厚みが400μm以下となるように液体有機物の除去を行うことが好ましく、更に好ましい平均厚みは350μm以下であり、一層好ましくは300μm以下である。
第2被接合体12載置後の乾燥塗膜13bのずれは、以下のとおりに定義する。すなわち、図2に示すとおり、第2被接合体12を載置する前の乾燥塗膜13bの外縁をC1とし、C1上の任意の点PにおけるC1の法線をLとする。法線Lと、第2被接合体12を載置した後の乾燥塗膜13bの外縁C2との交点をQとする。ただし、法線Lと外縁C2との交点が複数存在する場合は、該交点のうち、点Pとの距離が最小である交点をQと定める。そして、点Pと点Qの距離PQが最大になるようにC1上の点Pを選択したときの当該距離PQを乾燥塗膜13bのずれと定義する。
一方、第2被接合体12の乾燥塗膜13bへの仮固定強度を高める観点、並びに目的とする接合構造体における第1被接合体11及び第2被接合体12の接合強度を高める観点から、乾燥塗膜形成工程においては、湿潤塗膜13aの質量が30質量%以下減少するように湿潤膜を乾燥させることが好ましく、より好ましくは29質量%以下、更に好ましくは28質量%以下減少するように湿潤塗膜を乾燥して、液体有機物を湿潤塗膜13aから除去する。
湿潤塗膜13aの質量減少の割合を測定する方法は、後述する実施例において説明する。
また、上述のとおり、乾燥塗膜13b中には微量の液体有機物が残存していることが好ましい。したがって、湿潤塗膜13a中の液体有機物の含有量を100質量部としたとき、乾燥塗膜13b中の液体有機物の含有量が5質量部以上となるように液体有機物を湿潤塗膜13aから除去することが好ましく、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは7質量部以上となるように液体有機物を湿潤塗膜13aから除去する。
また、乾燥塗膜13b中の液体有機物の残存量を上述の範囲内とする観点から、本工程においては、湿潤塗膜13aを200℃以下に加熱することが好ましく、190℃以下に加熱することがより好ましく、180℃以下に加熱することが更に好ましく、160℃以下に加熱することが特に好ましい。
同様の観点から、湿潤塗膜13aの加熱時間は、大気圧下で乾燥工程を行う場合には、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上、更に好ましくは20分以上、そして、好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下、更に好ましくは40分以下である。
加熱手段に特に制限はない。例えば熱風の吹き付け、赤外線の照射、加熱炉内での加熱などの加熱手段を採用することができる。
乾燥塗膜13bが形成されたら、次に図1(c)に示すとおり、乾燥塗膜13b上に第2被接合体12を載置する。第2被接合体12は、該第2被接合体12の周縁から乾燥塗膜13bが延出するように、乾燥塗膜13b上に載置されることが好ましい。尤も、第2被接合体12の周縁と乾燥塗膜13bの周縁が一致するように第2被接合体12を載置してもよいし、乾燥塗膜13bの周縁から第2被接合体12が延出するように、第2被接合体12を載置してもよい。
本明細書において「仮固定」とは、第1被接合体11と第2被接合体12とが一時的に固定されている状態であって、大きな外力が加わったときに固定状態が変化するものの、小さな外力(例えば第1被接合体11と第2被接合体12との積層体を、両被接合体11,12の接合面が鉛直方向を向くように載置したときに、第1被接合体11又は第2被接合体12のいずれか一方が自重により落下する程度の力)によっては固定状態に変化がない態様をいう。
また、目標圧力に達してからの当該圧力の維持時間は、生産性を著しく低下させる時間でなければ特に限定されるものではなく、例えば5秒以下とすることができる。
具体的には、第2被接合体12の加熱温度は、好ましくは15℃以上、より好ましくは18℃以上、更に好ましくは20℃以上、そして、好ましくは300℃以下、より好ましくは270℃以下、更に好ましくは250℃以下である。
また、乾燥塗膜13bの加熱温度は好ましくは15℃以上、より好ましくは18℃以上、更に好ましくは20℃以上、そして、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、更に好ましくは210℃以下である。
加熱温度を上述の範囲内とすることによって、乾燥塗膜13b中に残存する液体有機物量の過度な低下を抑制しつつ、第2被接合体12の仮固定を適切に行うことができる。
銅粉が焼結しない条件としては、例えば第2被接合体12及び乾燥塗膜13bの加熱温度を250℃以下とし、且つ加熱時間を50秒未満とする条件を挙げることができる。
第2被接合体12が乾燥塗膜13bによって仮固定されてなる積層体14は次に接合工程に付される。接合工程においては、積層体14を加圧下で加熱して乾燥塗膜13b中の銅粉を焼結させ、焼結によって生じた接合層によって第1被接合体11と第2被接合体12とを接合する。
接合工程は上述の積層体形成工程とは異なる場所で行われることから、当該積層体14を加熱する装置へと移動させる。移動中に積層体14に振動等の外力が加わることがあるが、上述した積層体形成工程によって第2被接合体12が乾燥塗膜13bに適切に仮固定されているので、第2被接合体12の位置ずれ及び脱落が抑制される。なお、上述の加熱する装置が第2被接合体12を載置する装置を兼ねている場合、積層体14を移動させずにその場で加熱するようにしても良い。
同様の観点から、接合工程における加熱時間は好ましくは1分以上、更に好ましくは2分以上、そして、好ましくは30分以下、更に好ましくは25分以下とする。
接合工程での雰囲気は、例えば大気雰囲気、不活性ガス雰囲気又は還元性雰囲気などを採用することができる。なかでも、不活性ガス雰囲気又は還元性雰囲気を採用することが好ましい。
第1被接合体11と第2被接合体12との接合強度の測定方法は、後述する実施例にて説明する。
接合層のボイド率は、例えば次のようにして測定することができる。まず、超音波映像装置(日立ハイテク製 FineSAT FS300 III)にて周波数50MHzのプローブを使用し、水平方向に縦横30μmピッチで反射法にて第2被接合体と銅粉の焼結体との接合界面を分析し、超音波探傷像(SAT像)を得る。接合層の剥離状態を観察する際、ゲインの値を25~35dBの値にした後、Sゲートのピーク位置が第1被接合体の表面となるようSゲートのディレイと幅を調節する。接合層の観察範囲を指定するためFゲートのディレイを調整し、幅を適切なピーク幅に設定する。観察ピークの振幅が最大となるようプローブのZ軸座標を調整し、観察を行う。観察像のコントラストはオート機能を用いて調節する。得られたSAT像のうち、第2被接合体接合領域部分について画像処理ソフトウエア(Image J)を用いて二値化し、観察した面積中における黒色の面積割合(接合率;%)を算出する。すなわち、Image-Jを起動した後、Analyze-Set measurementを選択し、Area、Area fraction、Limit to Thresholdにチェックを入れる。その後、File-Openを選択し、接合率を算出する画像データを開いた後に、画像中の第2被接合体の範囲(A)を指定する。次いで、Edit-Copy to systemを選択し、指定した範囲(A)をコピーした後、File-New-System clipboardを選択して指定した範囲(A)の画像を貼り付ける。その後、接合部を明確にするために、Image- Type-8bitを選択し、画像を変換した後、Image-Adjust-Thresholdを選択して画像の閾値を100に調整する。そして、調整後の画像における第2被接合体搭載部の範囲(A)内に存在する黒色範囲(B)を指定する。前記黒色範囲(B)は閾値が100以下の範囲であり、第2被接合体の接合部とみなすことができる。接合率(%)は(B)の面積/(A)の面積×100で算出される。ボイド率(%)は、100-接合率(%)で算出することができる。
かかる条件にて積層体形成工程及び接合工程を実施することによって、仮固定時に必要な熱エネルギーを抑制し、また加熱加圧接合時に良好な接合強度を得ることができる。
銅粒子が球状であるとは、円形度係数が0.85以上であることをいう。円形度係数は、銅粒子の走査型電子顕微鏡像を撮影し、一次粒子の二次元投影像の面積をSとし、周囲長をLとしたときに、4πS/L2の式から算出する。
銅粒子が非球状であるとは、上述の円形度係数が0.85未満であることをいう。
接合用組成物が液体有機物を10質量%以上含んでいることによって、良好な分散性と印刷性とを両立させることが可能となる。
また、接合用組成物が液体有機物を30質量%以下含んでいることによって、接合工程後に得られる接合体の接合強度をより高めることができる。
第1の有機物の粘度は、レオメーター(例えば、Thermo Scientific社製のレオメーターMARS III)を用いて測定することができる。第1の有機物の粘度の測定条件は以下のとおりである。
測定モード : せん断速度依存性測定
センサー : パラレル型(Φ60mm)
測定温度 : 25℃
ギャップ : 0.300mm
せん断速度 : 0.05~120.01s-1
測定時間 : 2分
同様の観点から、接合用組成物は、銅粉100質量部に対して第1の有機物を15質量部以上含むことが好ましく、16質量部以上含むことがより好ましく、17質量部以上含むことが更に好ましい。また、接合用組成物は、銅粉100質量部に対して第1の有機物を45質量部以下含むことが好ましく、40質量部以下含むことがより好ましく、35質量部以下含むことが更に好ましい。
接合用組成物の印刷・分散性・仮固定性の観点から、接合用組成物中の第2の有機物の含有量は好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは17質量%以下である。
還元性を有する物質としては、モノアルコール、アミノアルコール、多価アルコール、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、アスコルビン酸、アルデヒド、ヒドラジン及びその誘導体、ヒドロキシルアミン及びその誘導体、ジチオスレイトール、ホスファイト、ヒドロホスファイト、亜リン酸及びその誘導体等が挙げられる。なかでも接合用組成物は、還元性を有する物質としてアミノアルコール及び/又は多価アルコールを含むことが好ましい。
接合用組成物に含まれるアミノアルコールとしては、その還元力を高める観点から、水酸基を好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、更に好ましくは4個以上、特に好ましくは5個以上有するものを用いることができる。
接合工程における銅粉の焼結を十分に促進する観点及びアミノアルコール以外の成分の含有量を十分に確保する観点から、接合用組成物がアミノアルコールを含む場合、該接合用組成物中のアミノアルコールの含有量は0.0001質量%以上であることが好ましく、00002質量%以上であることがより好ましく、0.0003質量%以上であることが更に好ましい。また、接合用組成物中のアミノアルコールの含有量は5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3.5質量%以下であることが更に好ましい。
粘度調整剤としては、接合用組成物の粘度の高低を調整して、好ましくは後述の粘度範囲内に設定できるものがよく、例えばケトン類、エステル類、アルコール類、グリコール類、炭化水素、ポリマーなどが挙げられる。
表面張力調整剤としては、湿潤塗膜13aの表面張力を調整できるものがよく、例えばアクリル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸グリセロールエステルなどのポリマーやアルコール系、炭化水素系、エステル系、グリコール等のモノマーが挙げられる。
接合用組成物の粘度は、先に説明した第1の有機物の粘度の測定方法と同様の方法によって測定することができる。
基板としては、例えば、セラミックス又は窒化アルミニウム板の表面に銅等の金属層を有する絶縁基板等を用いることができる。
第1被接合体11及び/又は第2被接合体12として半導体素子を用いる場合、半導体素子は、Si、Ga、Ge、C、N、As等の元素のうち1種以上を含む。
例えば、湿潤塗膜が25℃で固体である有機物を含む場合においては、乾燥塗膜形成工程において、液体有機物に加えて、25℃で固体である有機物の一部又は全部が湿潤塗膜から除去されてもよい。
[1] 第1被接合体と第2被接合体とが接合層を介して接合されてなる接合構造体の製造方法であって、
銅粉及び25℃で液体である有機物を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程と、
前記湿潤塗膜から前記有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程と、
加圧によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して、前記第1被接合体、前記乾燥塗膜及び前記第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程と、
前記積層体を加圧下で加熱して前記乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた前記接合層によって前記第1被接合体と前記第2被接合体とを接合する工程と、を備え、
前記有機物は第1の有機物を含み、
前記第1の有機物は、230℃以上300℃未満の沸点を有し、且つ25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度が100mPa・s以上である、接合構造体の製造方法。
[2] 前記銅粉を焼結させるときの温度、圧力及び時間のいずれか二つが、前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定するときの温度、圧力及び時間のいずれか二つよりも高いか又は長い、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記湿潤塗膜から前記有機物を除去し、流動性を有さない前記乾燥塗膜を得る、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記湿潤塗膜の質量が15質量%以上30質量%以下減少するように前記有機物を前記湿潤塗膜から除去する、[3]に記載の製造方法。
[5] 前記湿潤塗膜中の前記有機物の含有量を100質量部としたとき、
前記乾燥塗膜中の前記有機物の含有量が25質量部以下となるように前記有機物を前記湿潤塗膜から除去する、[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の製造方法。
[6] 前記湿潤塗膜を、大気雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下に、100℃以上200℃以下で、10分以上加熱し、前記有機物を除去して前記乾燥塗膜を得る、[1]ないし[5]のいずれか一項に記載の製造方法。
[7] 前記接合用組成物が還元性を有する少なくとも1種の物質を含む、[1]ないし[6]のいずれか一項に記載の製造方法。
[8] 前記物質の少なくとも1つがアミノアルコール化合物である、[7]に記載の製造方法。
[9] 前記接合用組成物は、前記銅粉100質量部に対して前記第1の有機物を15質量部以上45質量部以下含む、[1]ないし[8]のいずれか一項に記載の製造方法。
[10] 加圧及び加熱によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定する、[1]ないし[9]のいずれか一項に記載の製造方法。
[11] 前記第1の有機物のうち、少なくとも1種は、複数の水酸基を有する化合物である、[1]ないし[10]のいずれか一項に記載の製造方法。
[12] 前記湿潤塗膜中の前記銅粉が焼結しない条件で、前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して前記積層体を得る、[1]ないし[11]のいずれか一項に記載の製造方法。
[13] 前記接合構造体における前記第1被接合体と前記第2被接合体との接合強度が30MPa以上となるように前記銅粉を焼結させる、[1]ないし[12]のいずれか一項に記載の製造方法。
[14] 第1被接合体と第2被接合体とを接合層を介して接合する方法であって、
銅粉及び25℃で液体である有機物を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程と、
前記湿潤塗膜から前記有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程と、
加圧によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して、前記第1被接合体、前記乾燥塗膜及び前記第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程と、
前記積層体を加圧及び加熱して前記乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた前記接合層によって前記第1被接合体と前記第2被接合体とを接合する工程と、を備え、
前記有機物は第1の有機物を含み、
前記第1の有機物は、230℃以上300℃未満の沸点を有し、且つ25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度が100mPa・s以上である、接合方法。
(1)接合用組成物の調製
接合用組成物は、粒径0.1~0.2μmの球状銅粒子及び粒径4.5μmの扁平状銅粒子からなる銅粉及び有機物を表2に示す質量比で混合して調製した。なお、PEG-300は数平均分子量300のポリエチレングリコールを意味し、Bis-trisはビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(5つの水酸基を有するアミノアルコール)を意味する。PEG-300及びBis-trisはいずれも還元性を有する。表1には、各実施例及び比較例で用いた有機物のうち、25℃で液体状態である有機物の沸点及び25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度を示す。なお、表1において「-」は不明を表す。
表1から明らかなとおり、オクチレングリコール及び3-メチル-1,5-ペンタンジオールは第1の有機物に該当し、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール及びPEG-300は第2の有機物に該当する。
なお、各実施例及び比較例で用いたBis-trisは25℃で固体である。
銅とセラミックスとを厚み方向に積層させてなる基板(20mm×20mm、厚み2mm)を第1被接合体として用いた。この基板の銅の側の面上に、メタルマスク(6mm×6mm、厚み100μm)を用いて接合用組成物を印刷し、矩形の湿潤塗膜を形成した。
湿潤塗膜を表2に記載の雰囲気下、120℃にて30分乾燥させて液体有機物を除去し、乾燥塗膜を得た。液体有機物の除去による湿潤塗膜の質量減少割合を表2に示した。また、湿潤塗膜中の液体有機物の含有量を100質量部としたときの、乾燥膜中の液体有機物の含有量も同表に示されている。乾燥膜中の液体有機物の含有量は、湿潤塗膜から液体有機物を除去して乾燥塗膜を形成したときに、液体有機物以外の成分が湿潤塗膜から除去されなかったと仮定して算出した。いずれの実施例及び比較例においても、乾燥塗膜は流動性を有していなかった。
銅とセラミックスを積層させてなる基板の質量を電子天秤で測定した後、接合用組成物を印刷後の湿潤塗膜を含む基板の質量を電子天秤で測定した。前記湿潤塗膜を含む基板の質量から、印刷前の基板の質量を引いた値を、印刷によって得られた湿潤塗膜の質量とした。その後、前記湿潤塗膜を含む基板を所定時間乾燥後、乾燥塗膜を含む基板の質量を電子天秤で測定した。湿潤塗膜を含む基板の質量から、乾燥塗膜を含む基板の質量を引いた値を、乾燥によって減少した湿潤塗膜の質量とした。前記乾燥によって減少した湿潤塗膜の質量を、印刷によって得られた湿潤塗膜の質量で割り、100を乗じることで、湿潤塗膜の質量減少割合(%)を算出した。
第2被接合体として半導体パワーデバイスのモデル部材を想定して、AgめっきしたSiCチップを用意した(5mm×5mm×1.92mm、重量:0.016g)。SiCチップのAgめっき面を乾燥塗膜上の中央部にチップマウンタを用いて載置した。
SiCチップを170℃に加熱後、SiCチップのAgめっき面とは反対面から2.4MPaの圧力を0.4秒間加えることでSiCチップを乾燥塗膜中に押し込んでSiCチップを仮止めし、積層体を形成した。
積層体を焼成炉に移動させ、窒素雰囲気下で積層体を25MPaに加圧した後、300℃まで加熱し、5分保持することで塗膜を焼成して接合層とし、接合構造体を得た。
実施例及び比較例において「(4)積層体の形成」で得られた積層体を1秒かけて上下反転させて、前記SiCチップの脱落の有無を目視観察した。結果を表2に示す。
「評価1」でSiCチップの脱落が観察されなかった実施例1及び2において「(5)積層体の焼成」で得られた接合構造体の接合強度を確認するため、シェア強度を以下の方法で測定した。シェア強度は、「破断荷重/SiCチップの底面積」で定義される値である。結果を表2に示す。表2中、「-」は未測定を示す。・測定装置名:Condor Sigma(XYZTEC社製)・ロードセル:200kgf・シェアツール:幅6.0mm、厚み2.0mm、シャフト1/4インチ(型番:T0S663060)・シェア速度:50μm/s・シェア高さ:0.02mm(ゼロ点は6mm角で印刷した塗膜上部とした)
Claims (14)
- 第1被接合体と第2被接合体とが接合層を介して接合されてなる接合構造体の製造方法であって、
銅粉及び25℃で液体である有機物を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程と、
前記湿潤塗膜から前記有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程と、
加圧によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して、前記第1被接合体、前記乾燥塗膜及び前記第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程と、
前記積層体を加圧下で加熱して前記乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた前記接合層によって前記第1被接合体と前記第2被接合体とを接合する工程と、を備え、
前記有機物は第1の有機物を含み、
前記第1の有機物は、230℃以上300℃未満の沸点を有し、且つ25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下である、接合構造体の製造方法。 - 前記銅粉を焼結させるときの温度、圧力及び時間のいずれか二つが、前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定するときの温度、圧力及び時間のいずれか二つよりも高いか又は長い、請求項1に記載の製造方法。
- 前記湿潤塗膜から前記有機物を除去し、流動性を有さない前記乾燥塗膜を得る、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記湿潤塗膜の質量が15質量%以上30質量%以下減少するように前記有機物を前記湿潤塗膜から除去する、請求項3に記載の製造方法。
- 前記湿潤塗膜中の前記有機物の含有量を100質量部としたとき、
前記乾燥塗膜中の前記有機物の含有量が25質量部以下となるように前記有機物を前記湿潤塗膜から除去する、請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記湿潤塗膜を、大気雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下に、100℃以上200℃以下で、10分以上加熱し、前記有機物を除去して前記乾燥塗膜を得る、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記接合用組成物が還元性を有する少なくとも1種の物質を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記物質の少なくとも1つがアミノアルコール化合物である、請求項7に記載の製造方法。
- 前記接合用組成物は、前記銅粉100質量部に対して前記第1の有機物を15質量部以上45質量部以下含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 加圧及び加熱によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記第1の有機物は、複数の水酸基を有する化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記湿潤塗膜中の前記銅粉が焼結しない条件で、前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して前記積層体を得る、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記接合構造体における前記第1被接合体と前記第2被接合体との接合強度が30MPa以上となるように前記銅粉を焼結させる、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 第1被接合体と第2被接合体とを接合層を介して接合する方法であって、
銅粉及び25℃で液体である有機物を含む接合用組成物を前記第1被接合体に塗布して湿潤塗膜を形成する工程と、
前記湿潤塗膜から前記有機物を除去して乾燥塗膜を得る工程と、
加圧によって前記第2被接合体を前記乾燥塗膜に仮固定して、前記第1被接合体、前記乾燥塗膜及び前記第2被接合体がこの順で積層されてなる積層体を得る工程と、
前記積層体を加圧及び加熱して前記乾燥塗膜中の前記銅粉を焼結させ、焼結によって生じた前記接合層によって前記第1被接合体と前記第2被接合体とを接合する工程と、を備え、
前記有機物は第1の有機物を含み、
前記第1の有機物は、230℃以上300℃未満の沸点を有し、且つ25℃、せん断速度10s-1の条件における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下である、接合方法。
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