JP7843591B2 - 貼付剤用支持体及び貼付剤 - Google Patents

貼付剤用支持体及び貼付剤

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Description

本発明は、種々の薬効成分を含有する粘着剤を有する貼付剤、及び前記粘着剤を支持することのできる支持体に関するものである。
人体に貼付し、消炎鎮痛など、種々の効能を達成する目的で、薬効成分を含有する粘着剤を支持体に塗布した貼付剤は、パップ剤、プラスター剤、或いは治療用接着テープ等として広く知られている。本発明では、これらを包括的に「貼付剤」と称するが、係る貼付剤として、期待する効能に応じた薬効成分にも種々のものが知られており、これらの薬効成分を含む粘着剤が不織布、樹脂フィルム又はこれらの複合品などの支持体に塗布されている。
このような貼付剤に用いる支持体として、本願出願人は、「ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とが、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維の変形により接着した貼付剤用支持体であって、前記貼付剤用支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが100μm以上であることを特徴とする、貼付剤用支持体。」(特許文献1)を提案した。
特開2016-88855号公報
しかしながら、特許文献1の貼付剤用支持体を用いた貼付剤は、貼付剤用支持体のうち、ポリエステルフィルムを除いた厚さが100μm以上と厚いことから、貼付剤を皮膚に貼付した時に突っ張りなどの違和感を覚えやすく、また、衣服などの擦れによって貼付剤がはがれやすく貼付感が劣るものであった。
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、貼付感に優れた貼付剤用支持体及び貼付剤を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「ポリエステルフィルムと平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維を主体とするポリエステル繊維不織布とが、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維の変形により接着した貼付剤用支持体であって、前記貼付剤用支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが100μm未満である、貼付剤用支持体。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「ポリエステル繊維不織布に含まれる平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維が70mass%以上である、請求項1に記載の貼付剤用支持体。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「KES方式による曲げ剛性のたて方向とよこ方向の平均値が0.050cN・cm/cm以下である、請求項1又は2に記載の貼付剤用支持体。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「ポリエステルフィルム、ポリエステル繊維不織布、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブのいずれも、ポリエチレンテレフタレートから構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の貼付剤用支持体。」である。
本発明の請求項5にかかる発明は、「請求項1~4のいずれか1項に記載の貼付剤用支持体のポリエステル繊維不織布側に、粘着剤を備えている、貼付剤。」である。
本発明の請求項1にかかる貼付剤用支持体は、貼付剤用支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが100μm未満と薄いことから、貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくく、また、衣服などの擦れによって貼付剤がはがれにくく貼付感が優れる。また、ポリエステル繊維不織布が、平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維を主体としていることから、ポリエステル繊維同士の接着点が多いことや、繊維同士が良く絡み合うことでポリエステル繊維の脱落が生じにくく、また、貼付剤に塗布する粘着剤が硬くても、粘着剤によってポリエステル繊維不織布が破壊されにくい。
本発明の請求項2にかかる貼付剤用支持体は、ポリエステル繊維不織布に含まれる平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維が70mass%以上であることから、ポリエステル繊維同士の接着点が多いことや、繊維同士が良く絡み合うことでよりポリエステル繊維の脱落が生じにくく、また、貼付剤に塗布する粘着剤が硬くても、粘着剤によってポリエステル繊維不織布が破壊されにくい。
本発明の請求項3にかかる貼付剤用支持体は、曲げ剛性の値が小さく、曲げやすい貼付
剤用支持体であるため、貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくく、貼付感が優れる。
本発明の請求項4にかかる貼付剤用支持体は、ポリエステルフィルム、ポリエステル繊
維不織布、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブのいずれも、ポリエチレンテレフタ
レートから構成されているため、貼付剤用支持体が薬効成分を吸着しにくい。
本発明の請求項5にかかる貼付剤は、前記支持体のポリエステル繊維不織布側に、粘着剤を備えているため、アンカー効果により粘着剤がポリエステル不織布により保持されて粘着剤が流れ出しにくい。また、厚さが薄いことから貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくく、また、衣服などの擦れによって貼付剤がはがれにくく貼付感が優れる。更に、ポリエステル繊維不織布を構成するポリエステル繊維の平均繊維長が15mm以上と長く、ポリエステル繊維同士の接着点が多いことや繊維同士が良く絡み合うことで、ポリエステル繊維不織布が層間剥離しないため、貼付剤使用後に剥がした際に、粘着剤が皮膚に残留しにくい。
本発明の貼付剤用支持体(以下、単に「支持体」と表記することがある)は、ポリエステルフィルムと平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維不織布とが、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維の変形により接着している。
ポリエステルフィルムは粘着剤の透過を防止し、薬効成分の充分な作用の補助、使用者の着衣等への粘着防止、及び薬効成分の揮散防止作用を奏する。このようなポリエステルフィルムとしては、後述の未延伸ポリエステル繊維との接着性等から、少なくとも1軸延伸されたポリエステルフィルムであるのが好ましい。
このようなフィルムを構成するポリエステルは非エラストマーであるのが好ましい。非エラストマーからなると、エラストマーのようなソフトセグメントを含まず、ポリエステルフィルム自体が薬効成分吸着を生じにくいためである。このように「非エラストマー」とは、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールなどをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合体ではないことを意味する。
具体的には、芳香族ジカルボン酸を主な酸成分とし、アルキレングリコールを主なグリコール成分とするポリエステルは非エラストマーである。例えば、芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸等を挙げることができる。また、アルキレングリコールとして、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキシレングリコール等を挙げることができる。より具体的には、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタレートであるのが好ましい。これらポリエステルフィルムは、薬効成分を吸着しにくいため、薬効作用を充分に発揮させることができる。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、極めて薬効成分を吸着しにくく、また、後述の未延伸ポリエステル繊維の変形により接着させても、寸法を維持することができるため、好適である。
なお、ポリエステルフィルムには、意匠性を高める目的、効能を表示する目的、及び/又は隠蔽性向上の目的等のために、エンボス処理、サンドブラスト処理、印刷、無機及び/又は有機の微粒子、染料、又は顔料による着色、が施されていても良い。また、ポリエステルフィルムは単層品である必要はなく、積層品であっても良い。
本発明の支持体は、上述のようなポリエステルフィルムに加えて、ポリエステル繊維不織布を備えており、アンカー効果により粘着剤を保持することができるため、貼付剤を剥離した際に、粘着剤が皮膚に残留することがない。
このポリエステル繊維不織布は平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維を主体とする、つまり、ポリエステル繊維不織布に含まれる平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維が50mass%以上であるため、ポリエステル繊維同士の接着点が多いことや、繊維同士が良く絡み合うことでポリエステル繊維の脱落が生じにくく、また、後述の未延伸ポリエステル繊維の変形により、ポリエステルフィルムと強固に接着でき、ポリエステルフィルムと剥離しにくい。本発明においては、単に「ポリエステル繊維」と表記した場合は「延伸ポリエステル繊維」を意味し、「延伸ポリエステル繊維」とは、ポリエステル繊維を紡糸した後に機械的な延伸作用を受けた繊維を言う。紡糸後に機械的な延伸作用を受けていない未延伸ポリエステル繊維を意味する場合には、「未延伸ポリエステル繊維」と表記する。平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維不織布に含まれているポリエステル繊維の量は、70mass%以上がより好ましく、75mass%以上が更に好ましく、80mass%以上が更に好ましい。
このポリエステル繊維を構成するポリエステル樹脂としては、前述のポリエステルフィルムと同様のポリエステル樹脂であることができ、具体的には、芳香族ジカルボン酸を主な酸成分、アルキレングリコールを主なグリコール成分とすることができる。より具体的には、芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸等を挙げることができる。また、アルキレングリコールとして、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキシレングリコール等を挙げることができる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンフタレートは、薬効成分を吸着しにくく、薬効作用を充分に発揮させることができるため好適である。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートは極めて薬効成分を吸着しにくいため、好適である。なお、ポリエステル繊維は、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有していても良い。
このポリエステル繊維は上述のような、1種類のポリエステル樹脂からなる単一成分繊維であっても良いが、2種類以上のポリエステル樹脂を複合した複合繊維であることもできる。また、ポリエステル繊維不織布自体が柔軟であることで、支持体が柔軟で曲げやすいため、貼付剤使用時の違和感が生じにくい、という効果を奏する。
なお、ポリエステル繊維不織布は、ポリエステル繊維以外の繊維として、例えば、未延伸ポリエステル繊維;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維;ポリアクリロニトリルなどのアクリル繊維;及び/又はポリビニルアルコール繊維などを含んでいることができる。これらの中でも、後述する繊維ウエブとの接着性が良いことから、未延伸ポリエステル繊維を含んでいるのが好ましい。しかしながら、ポリエステル繊維不織布がポリエステルフィルムと強固に接着でき、ポリエステル繊維不織布がポリエステルフィルムと剥離しにくいように、また、支持体が柔らかく、貼付感に優れた支持体が得られるように、ポリエステル繊維不織布中に含まれるポリエステル繊維以外の繊維は、50mass%以下含まれているのが好ましく、40mass%以下がより好ましく、30mass%以下が更に好ましく、20mass%以下が更に好ましい。
このような本発明のポリエステル繊維不織布を構成する繊維は白色であることができるが、白色以外に、顔料で着色した繊維及び/又は染料で染色した繊維であっても良い。例えば、ポリエステル繊維不織布構成繊維が肌色に着色していると、皮膚に貼付した際に目立たないため好適である。
ポリエステル繊維不織布に含まれるポリエステル繊維の平均繊維長は、15mmを超える。これは、平均繊維長が15mmを超えることで、ポリエステル繊維同士の接着点が多くなることや、繊維同士が良く絡み合うことでポリエステル繊維の脱落が生じにくく、また、貼付剤に塗布する粘着剤が硬くても、粘着剤によってポリエステル繊維不織布が破壊されにくくなるためである。ポリエステル繊維の平均繊維長が長ければ長いほど、これらの作用効果がより得られることから、25mm以上がより好ましく、35mm以上が更に好ましい。なお、平均繊維長の上限は特に限定するものではないが、ポリエステル繊維不織布製造時の繊維の開繊性の点から、100mm以下であるのが好ましい。本発明の「繊維長」は、JIS L 1015「化学繊維ステープル試験方法」の8.4.1に直接法(C法)として規定される測定値をいい、平均繊維長は50本の繊維の繊維長の平均をいう。
なお、本発明のポリエステル繊維不織布は繊維長の異なる繊維(特にポリエステル繊維)を2種類以上含むことができるが、繊維長の異なる繊維を2種類以上含んでいる場合には、次の関係式から算出される平均繊維長(L)が前記繊維長の範囲内にあるのが好ましく、ポリエステル繊維不織布に含まれる繊維の繊維長がすべて15mmを超えるのがより好ましい。
(関係式)ポリエステル繊維不織布に含まれる、各繊維の繊維長がa(mm)、b(mm)、c(mm)・・・であり、各繊維のポリエステル繊維不織布における含有割合が、順にa´(mass%)、b´(mass%)、c´(mass%)・・・である時に、次の関係式が成り立つ。
(a´/a)+(b´/b)+(c´/c)・・・=(100/L)
なお、このようなポリエステル繊維不織布を構成する繊維(特にポリエステル繊維)の繊度は、繊維同士が絡みやすく、また、地合いの優れるポリエステル繊維不織布であるように、4.0dtex以下であるのが好ましく、3.0dtex以下であるのがより好ましく、2.0dtex以下であるのが更に好ましい。一方で、繊度が小さ過ぎると、繊維同士の絡みが強くなり過ぎてしまい、柔軟性が悪くなる傾向があるため、0.50dtex以上であるのが好ましく、0.75dtex以上であるのがより好ましい。
なお、本発明のポリエステル繊維不織布は、繊度の異なる繊維(特にポリエステル繊維)を2種類以上含むことができるが、繊度の異なる繊維を2種類以上含んでいる場合には、次の関係式から算出される平均繊度(D)が前記平均繊度の範囲内にあるのが好ましい。
(関係式)ポリエステル繊維不織布に含まれる、各繊維の繊度がx(dtex)、y(dtex)、z(dtex)・・・であり、各繊維のポリエステル繊維不織布における含有割合が、順にx´(mass%)、y´(mass%)、z´(mass%)・・・である時に、次の関係式が成り立つ。
(x´/x)+(y´/y)+(z´/z)・・・=(100/D)
本発明のポリエステル繊維不織布は、例えば、ポリエステル繊維を主体とする繊維構造体を形成した後、結合して製造することができる。なお、繊維構造体の形成方法としては、例えば、カード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、又はスパンボンド法などの直接法を挙げることができる。なお、これら繊維構造体を積層することもできる。また、繊維構造体構成繊維の配向方向は特に限定するものではなく、例えば、一方向に配向したパラレルウエブ、パラレルウエブをクロスレイヤー等でよこ方向に配向させたクロスウエブ、パラレルウエブとクロスウエブとを積層したクリスクロスウエブ、ランダムウエブ、クロスレイウエブ1枚とパラレルウエブもしくはランダムウエブ2枚とを積層したトライアスクロスウエブであることができる。
この繊維構造体を結合する方法は、特に限定するものではないが、例えば、液状バインダや接着性繊維によって結合する方法、水流などの流体流やニードルによって絡合することで結合する方法などを挙げることができる。
なお、平均繊維長が15mmを超えるポリエステル繊維を主体とするポリエステル繊維不織布の目付は特に限定するものではないが、貼付剤使用時に違和感がないように、3~25g/mであるのが好ましく、4~20g/mであるのがより好ましく、5~15g/mであるのが更に好ましい。本発明における「目付」は1mあたりの質量であり、JIS L 1913:2010-6.2(単位面積当たりの質量)に規定する方法により得られる値である。
本発明の支持体は上述のようなポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを有するものであるが、これらは未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維の変形により接着している。このように、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とは、接着剤により接着しておらず、未延伸ポリエステル繊維の変形により接着しているため、薬効成分吸着や変色が生じにくく、薬効成分の効能を発揮しやすいものである。また、粘着剤や薬効成分の影響により未延伸ポリエステル繊維の接着力が低下するということもなく、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布との剥離が生じにくいため、貼付剤を引き剥がしても、粘着剤が皮膚に残留しにくいものである。
この未延伸ポリエステル繊維はポリエステルフィルム及びポリエステル繊維不織布と同様にポリエステル樹脂からなるにもかかわらず、紡糸後に機械的な延伸作用を受けていないことから加圧加熱によって塑性変形することによって、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを強固に接着することができるため、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とが剥離しにくい。
この未延伸ポリエステル繊維は未延伸である限り、ポリエステル繊維不織布を構成できるポリエステル繊維と同様のポリエステル樹脂から構成することができる。つまり、芳香族ジカルボン酸を主な酸成分、アルキレングリコールを主なグリコール成分とすることができる。具体的には、芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸等を挙げることができる。また、アルキレングリコールとして、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキシレングリコール等を挙げることができる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンフタレートは薬効成分吸着性が少ないため、好適である。特に、ポリエチレンテレフタレート繊維は極めて低い薬効成分吸着性を有するため、好適である。なお、未延伸ポリエステル繊維は帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有していても良い。
本発明の未延伸ポリエステル繊維は上述のような1種類のポリエステル樹脂からなる未延伸ポリエステル繊維であっても良いし、2種類以上のポリエステル樹脂を複合した未延伸ポリエステル複合繊維であっても良い。このような未延伸ポリエステル複合繊維は繊維断面における樹脂の配置が、例えば、芯鞘型、サイドバイサイド型、オレンジ型、又は海島型であることができる。
この未延伸ポリエステル繊維の繊度は特に限定するものではないが、接着をより強固とするため、1.0dtex以上であるのが好ましく、2.0dtex以上であるのがより好ましく、3.0dtex以上であるのが更に好ましい。一方で、太すぎると充分な接着力が得られない可能性があるため、10.0dtex以下であるのが好ましく、8.0dtex以下であるのがより好ましく、6.0dtex以下であるのが更に好ましい。
なお、後述の通り、繊維ウエブは未延伸ポリエステル繊維以外の繊維を含むことができ、繊度の異なる繊維を2種類以上含むことができるが、繊度の異なる繊維を2種類以上含んでいる場合には、ポリエステル繊維不織布と同様にして算出される平均繊度が前記繊度の範囲内にあるのが好ましい。
このような繊維ウエブを構成する繊維の繊維長は、接着強度が優れるように、また、地合いが均一であるように、20mm以上であるのが好ましく、25mm以上であるのがより好ましく、30mm以上であるのが更に好ましい。なお、繊維長の上限は特に限定するものではないが、繊維ウエブ製造時の繊維の開繊性の点から、100mm以下であるのが好ましい。
なお、後述の通り、繊維ウエブは未延伸ポリエステル繊維以外の繊維を含むことができ、繊維長の異なる繊維を2種類以上含むことができるが、繊維長の異なる繊維を2種類以上含んでいる場合には、ポリエステル繊維不織布と同様に定義される平均繊維長が前記繊維長の範囲内にあるのが好ましい。
本発明の繊維ウエブは上述のような未延伸ポリエステル繊維を含むものであるが、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを強固に接着し、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とが剥離することがないように、未延伸ポリエステル繊維は、繊維ウエブ中、15mass%以上含まれているのが好ましく、17mass%以上含まれているのがより好ましく、20mass%以上含まれているのが更に好ましい。一方で、未延伸ポリエステル繊維量が多いと、支持体が硬くなり、貼付剤使用時に違和感を覚えやすくなる傾向があるため、45mass%以下含まれているのが好ましく、43mass%以下含まれているのがより好ましく、40mass%以下含まれているのが更に好ましい。また、支持体全体に含まれる未延伸ポリエステル繊維が多く含まれると支持体が硬くなるおそれがあることから、繊維ウエブ全体における未延伸ポリエステル繊維の質量比率は、ポリエステル繊維不織布全体における未延伸ポリエステル繊維の質量比率よりも大きいのが好ましい。
なお、繊維ウエブを構成する未延伸ポリエステル繊維以外の繊維は、ポリエステル繊維不織布を構成できる繊維と同様の繊維であることができる。つまり、延伸ポリエステル繊維(特に、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンフタレート繊維);ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維;ポリアクリロニトリルなどのアクリル繊維;ポリビニルアルコール繊維などを含んでいることができる。これらの中でも、延伸ポリエステル繊維(特に、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンフタレート繊維)は薬効成分を吸着しにくく、薬効作用を充分に発揮させることができるため、好適である。
このような繊維ウエブを構成する繊維は、前述のポリエステル繊維不織布と同様に、白色であっても良いし、顔料及び/又は染料で着色した繊維であっても良い。
なお、繊維ウエブは未延伸ポリエステル繊維を含んでいる限り、その製造方法は特に限定するものではないが、例えば、カード法、エアレイ法などの乾式法;湿式法;メルトブロー法などの直接法により形成することができる。これらの中でも乾式法によれば、未延伸ポリエステル繊維とそれ以外の繊維(特に、延伸ポリエステル繊維)とを任意の割合で均一に混合することができ、未延伸ポリエステル繊維で接着することによって、支持体が硬くなるのを緩和することができるため、好適である。
また、繊維ウエブの目付は特に限定するものではないが、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを強固に接着することができるように、3.0g/m以上であるのが好ましく、4.0g/m以上であるのがより好ましく、5.0g/m以上であるのが更に好ましい。一方で、繊維ウエブの目付が高すぎると、支持体が硬くなり、貼付剤使用時に違和感を覚えやすい傾向があるため、10.0g/m以下であるのが好ましく、9.0g/m以下であるのがより好ましく、8.0g/m以下であるのが更に好ましい。
このような繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維は変形して、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを接着しているが、この接着は、例えば、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブを介して積層した状態で、加熱加圧することによって、未延伸ポリエステル繊維を変形させ、接着することができる。この加熱加圧条件は未延伸ポリエステル繊維によって異なり、実験的に適宜設定することができる。例えば、好適である未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を使用する場合、熱接着可能な温度は180℃程度であるため、190~230℃で加熱するとともに、線圧150~500N/cmで加圧すれば良い。なお、加熱と加圧は同時であっても良いし、加熱後に加圧しても良い。
本発明の支持体は、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維の変形により接着したものであるが、支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが100μm未満と薄く、貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくく、また、衣服などの擦れによって貼付剤がはがれにくく貼付感が優れる。この支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが薄ければ薄い程、より貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくいことから、90μm以下であるのがより好ましく、70μm以下であるのが更に好ましい。一方で、支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが薄すぎると、薬効成分を含有する粘着剤の保持に関与できる繊維を含む層(ポリエステル繊維不織布の層と繊維ウエブに由来する層)が薄く、繊維によって粘着剤を十分に保持することができないおそれがあるため、15μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましい。この支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さは、圧縮弾性試験機を用い、接触面積5cm、荷重0.98N{100gf}の条件で、支持体の厚さを測定し、この厚さからポリエステルフィルムの厚さを差し引いた厚さをいう。
なお、ポリエステルフィルムの厚さは特に限定するものではないが、皮膚に貼着した際に違和感を覚えにくいように、16μm以下であるのが好ましく、14μm以下であるのがより好ましく、12μm以下であるのが更に好ましい。一方、ポリエステルフィルムの厚さの下限は、支持体製造時及び貼付剤使用時の取り扱い性に優れるように、2.0μm以上であるのが好ましい。なお、ポリエステルフィルムの厚さは、支持体の厚さ方向における断面の電子顕微鏡写真を撮影し、その電子顕微鏡写真をもとに測定した10点における厚さの算術平均値をいう。
なお、前記繊維を含む層のうち、繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維で接着した領域は未延伸ポリエステル繊維が変形し、空隙が少なく、粘着剤の保持に関与しにくいため、繊維ウエブに由来する層の厚さは30μm以下であるのが好ましく、25μm以下であるのがより好ましく、20μm以下であるのが更に好ましい。別の見方をすれば、ポリエステル繊維不織布の層の厚さが20μm以上であるのが好ましく、25μm以上であるのがより好ましく、30μm以上であるのが更に好ましい。この「繊維ウエブに由来する層の厚さ」又は「ポリエステル繊維不織布の層の厚さ」は、支持体の厚さ方向における断面の電子顕微鏡写真を撮影し、その電子顕微鏡写真をもとに測定した10点における厚さの算術平均値をいう。
本発明の支持体の繊維を含む層において、繊維を含む層の空隙が少なく、粘着剤を保持できる空隙が少ないと、充分に粘着剤を保持することができず、流れ出やすい傾向があるため、繊維を含む層の見掛密度は1.0g/cm以下であるのが好ましく、0.75g/cm以下であるのがより好ましく、0.50g/cm以下であるのが更に好ましい。一方で、見掛密度が低過ぎると、繊維量が少なく、粘着剤を保持しにくい傾向があり、また、貼付剤を剥離させた際に、ポリエステル繊維不織布内で層間剥離してしまう場合があるため、0.15g/cm以上であるのが好ましく、0.20g/cm以上であるのがより好ましい。この繊維を含む層の見掛密度(単位:g/cm)は、繊維を含む層の目付(単位:g/m)を、繊維を含む層の厚さ(単位:μm)で除した値である。なお、繊維を含む層の目付は支持体の目付からフィルムの目付を差し引いた値である。このフィルムの目付(=M 、単位:g/m)は、フィルムの厚さから算出することのできる1mあたりの体積(=Vu、単位:cm/m)に、ポリエステルフィルムの比重(=SG、単位:g/cm)を乗ずることによって算出することができる。つまり、次の式から算出できる。
M=Vu×SG
本発明の支持体は、曲げやすく、貼付剤使用時に違和感を覚えにくいように、KES方式による曲げ剛性のたて方向とよこ方向の平均値が0.050cN・cm/cm以下であるのが好ましく、0.045cN・cm/cm以下であるのがより好ましく、0.040cN・cm/cm以下であるのが更に好ましい。なお、この曲げ剛性の平均値が小さい程、貼付剤使用時の違和感を覚えにくいため、曲げ剛性の平均値の下限は特に限定するものではないが、曲げ剛性が低過ぎると、支持体の取り扱い性が悪くなる傾向があるため、0.010cN・cm/cm以上であるのが好ましい。
このKES方式による曲げ剛性は、純曲げ試験機(カトーテック(株)製、KES-FB2)を用いて、「風合い評価の標準化と解析第2版」(川端季雄ら著、風合い計量と規格化研究委員会編)の第27~28頁に記載の方法により測定される値である。即ち、試料の支持体を幅1cmの間隔で長さ20cmにわたってチャックに把持し、曲率K=-2.5~2.5cm-1の範囲において、変形速度0.50cm-1/sec.で等速度曲率の純曲げを行い、この際の曲げモーメントを測定することにより、単位長さ当たりの曲げ剛性(cN・cm/cm)を求める計測を、支持体のたて方向、よこ方向について、それぞれ3回ずつ行い、測定して得た単位長さ当たりの曲げ剛性を算術平均した値である。なお、本発明における「たて方向」とは、ポリエステル繊維不織布生産時における生産方向(流れ方向)をいい、「よこ方向」とは、たて方向に直交する方向、つまりポリエステル繊維不織布生産時における幅方向をいう。
本発明の支持体は、支持体を含む貼付剤を剥離する際に粘着剤やポリエステル繊維不織布が皮膚に残留しにくいように、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布のラミネート強度が0.65N/25mm以上であるのが好ましく、0.80N/25mm以上であるのがより好ましく、0.90N/25mm以上であるのが更に好ましい。
このラミネート強度は以下の方法により測定する。
(i)支持体をたて方向150mm×よこ方向50mmに切り取る。
(ii)支持体のポリエステルフィルムを有する面と、ポリエステル繊維不織布を有する面(ポリエステル繊維不織布を有しない支持体は繊維ウエブを有する面)の両面にクラフトテープ(アスクル株式会社製、現場のチカラ ラミネート加工 クラフトテープ)を貼り付け、荷重2000gのローラーを1往復することでクラフトテープの粘着面を支持体の両主面に押し付けた後、よこ方向の両端12.5mmずつを切り取り、たて方向180mm×よこ方向25mm(たて方向のうち30mmはクラフトテープを折り返してクラフトテープ同士を貼り合わせたチャックつかみ領域)の測定サンプルを作製する。
(iii)測定サンプルのチャックつかみ領域を有する一端から測定サンプルをたて方向に2mm剥離し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック製、テンシロン)のチャックが測定サンプルの2箇所のチャックつかみ領域をつかむように測定サンプルをセット(チャック間距離:50mm)して測定サンプルを引張速度200mm/分で剥離させ、チャック間距離が90~210mmのときの引張強度(N/25mm)を測定する。なお、測定サンプルを剥離する際、測定サンプルに含まれる支持体の、ポリエステルフィルムとポリエステル不織布が剥離しなかったほどポリエステルフィルムとポリエステル不織布、及びポリエステル不織布の構成繊維の接着が強い場合は、「測定不能」とする。
(iv)チャック間距離が90~210mmのときの引張強度のうち、最大引張強度と最小引張強度の平均を算出した。前記最大引張強度と最小引張強度の平均を3枚の測定サンプルに対して行い、算術平均値をラミネート強度(N/25mm)とする。
前述の通り、本発明の支持体はポリエステルフィルム、ポリエステル繊維不織布、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブから構成されているが、いずれもポリエチレンテレフタレートから構成されているのが好ましい。前述の通り、ポリエチレンテレフタレートは薬効成分を吸着しにくく、効果的に薬効作用を奏することができるためである。
本発明の支持体はポリエステルフィルム、ポリエステル繊維不織布及び繊維ウエブから
なるため、その目付は特に限定するものではないが、12~50g/mであるのが好ましく、14~45g/mであるのがより好ましく、16~40g/mであるのが更に好ましい。
また、支持体は、貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくく、また、衣服などの擦れによって貼付剤がはがれにくいように、支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが100μm未満であるため、支持体の厚さは116μm以下であるのが好ましく、104μm以下であるのがより好ましく、82μm以下であるのが更に好ましい。一方で、厚さが薄すぎると、薬効成分を含有する粘着剤の保持に関与できる繊維を含む層が薄く、繊維によって粘着剤を十分に保持することができないおそれがあるため、17μm以上であるのが好ましい。
本発明の支持体はポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布とを繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維により接着したものであるが、皮膚から剥がす際に支持体が破れてしまうことのないように、支持体はたて方向、よこ方向のいずれの方向における引張り強さも、5.0N/15mm以上であるのが好ましく、7.5N/15mm以上であるのがより好ましく、10.0N/15mm以上であるのが更に好ましい。
この「引張り強さ」は、支持体から幅が15mm、長さが150mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片が破断するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら最大荷重を算術平均し、引張り強さとする。なお、測定はつかみ間隔100mm、引張速度200mm/分の条件で行う。
また、本発明の支持体は柔軟性に優れているように、たて方向、よこ方向のいずれの方向における伸び率も、5.0%以上であるのが好ましく、7.5%以上であるのがより好ましく、10.0%以上であるのが更に好ましい。
この伸び率(Sr、単位:%)は前述の引張り強さの測定を行った時の、最大荷重時の試料片の伸び(Smax、単位:mm)[=(最大荷重時の長さ、単位:mm)-(つかみ間隔=100mm)] のつかみ間隔(100mm)に対する百分率をいう。つまり、次の式から得られる値である。この測定を3回行い、前記百分率の算術平均値を伸び率とする。
Sr=(Smax/100)×100
本発明の支持体は、貼付剤を皮膚に貼付した際に違和感を覚えにくく、衣服などの擦れによって貼付剤がはがれにくく貼付感が優れ、また、支持体を構成するポリエステル繊維不織布に含まれるポリエステル繊維の脱落が生じにくく、前記ポリエステル繊維不織布が貼付剤に塗布する粘着剤で破壊されにくい。そのため、本発明の支持体は、例えば、薬効成分を含有する粘着剤を支持して、貼付剤(例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ製剤等)を形成するための支持体、化粧用ゲル又は化粧液を支持して、顔面パック材を形成するための支持体、として好適に使用することができる。
本発明の貼付剤は前述のような支持体のポリエステル繊維不織布側に、薬効成分を含有する粘着剤を備えているため、アンカー効果により粘着剤がポリエステル不織布により保持されて薬効成分を含む粘着剤が流れ出しにくいものである。また、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維不織布との剥離が生じにくいため、貼付剤剥離時に、ポリエステル繊維と一緒に粘着剤が皮膚に残留しにくい貼付剤である。
本発明の貼付剤は前述のような支持体を用いていること以外は、従来の貼付剤と全く同様であることができる。
例えば、薬効成分は経皮吸収性を有するものが好ましく、局所性薬効成分や全身性薬効成分のいずれであっても良い。より具体的には、コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などの薬効成分を例示でき、これら薬効成分を1種類、又は2種類以上を併用することができる。
また、粘着剤として、例えば、アクリル系重合体からなるアクリル系粘着剤;スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のゴム系粘着剤;シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベース等のシリコーン系粘着剤; ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系粘着剤;酢酸ビニル-エチレン共重合体等のビニルエステル系粘着剤;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート等のカルボン酸成分とエチレングリコール等の多価アルコール成分からなるポリエステル系粘着剤等を例示することができ、粘着剤は1種類、又は2種類以上から構成されていても良い。
なお、薬効成分の粘着剤における含有量は、薬効成分の種類や投与目的によって異なるため、特に限定するものではないが、一般的には、薬効成分は粘着剤中の0.5~40mass%を占めているのが好ましく、1~30mass%を占めているのがより好ましい。
本発明の貼付剤は、前述の支持体のポリエステル繊維不織布面に対して、薬効成分を含有する粘着剤溶液を塗布し、乾燥する方法、離型紙上に粘着剤溶液を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後に、粘着剤層を前述の支持体のポリエステル繊維不織布面に転写する方法、によって製造することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ7μm、目付9.8g/mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを質量比90:10の割合で混綿し、カード機を用いて、目付6.0g/mのポリエステル繊維不織布を形成した。
更に、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを、質量比60:40の割合で混綿し、カード機を用いて、目付6.0g/mの繊維ウエブを形成した。
次いで、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル繊維不織布とを、繊維ウエブを介して積層した状態で、温度200℃に加熱した金属ロールと弾性ロールとの間(線圧:285N/cm)を、10m/分の速度で通過させる熱カレンダー処理により、繊維ウエブ中の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を可塑化変形させ、結晶化させると共にポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル繊維不織布とを接着して、支持体を製造した。
(実施例2)
厚さ7μm、目付9.8g/mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを質量比90:10の割合で混綿し、カード機を用いて、目付6.0g/mのポリエステル繊維不織布を形成した。
更に、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを、質量比80:20の割合で混綿し、カード機を用いて、目付6.0g/mの繊維ウエブを形成した。
次いで、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル繊維不織布とを、繊維ウエブを介して積層した状態で、実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理を行い、支持体を製造した。
(比較例1)
厚さ12μm、目付16.8g/mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.45dtex、繊維長:38mm)をカード機により開繊し、クリスクロスウエブを作成した。次いで、このクリスクロスウエブを水流により絡合して、目付50g/mのポリエステル繊維不織布を形成した。なお、水流絡合条件は次の通りとした。
1.シャワー:0.1MPa[一方の面(A面)]
2.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから7MPa(A面)
3.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから7MPa(A面)
4.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから12MPa[もう一方の面(B面)]
5.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから10MPa(B面)
6.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから9.5MPa(A面)
7.ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから11MPa(A面)
更に、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを、質量比60:40の割合で混綿し、カード機を用いて、目付6.0g/mの繊維ウエブを形成した。
次いで、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル繊維不織布とを、繊維ウエブを介して積層した状態で、実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理を行い、支持体を製造した。
(比較例2)
厚さ7μm、目付9.8g/mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを質量比60:40の割合で混綿し、カード機を用いて、目付12g/mの繊維ウエブを形成した。
次いで、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと繊維ウエブとを、実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムと繊維ウエブとを接着させて、支持体を製造した。
(比較例3)
厚さ12μm、目付16.8g/mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを質量比60:40の割合で混綿し、カード機を用いて、目付30g/mの繊維ウエブを形成した。
次いで、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと繊維ウエブとを、実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムと繊維ウエブとを接着させて、支持体を製造した。
(比較例4)
厚さ7μm、目付9.8g/mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)と未延伸ポリエチレンテレフタレート(繊度:4.0dtex、繊維長:38mm)とを質量比90:10の割合で混綿し、カード機を用いて、目付12g/mのポリエステル繊維不織布を形成した。
次いで、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル不織布とを、実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル繊維不織布とを接着させて、支持体を製造した。
(支持体の評価)
(1)平均曲げ剛性の測定
上述の方法で、支持体のたて方向とよこ方向の曲げ剛性を測定し、たて方向とよこ方向の曲げ剛性の平均値を算出した。
(2)ラミネート強度の測定
上述の方法で、ラミネート強度の測定を行った。
表1に実施例の支持体の物性、平均曲げ剛性、及びラミネート強度を示し、表2に比較例の支持体の物性、平均曲げ剛性、及びラミネート強度を示す。
実施例の支持体と、支持体の厚さが厚い比較例1、及びポリエステル繊維不織布を使用していない比較例2、3の支持体を比較したところ、実施例は平均曲げ剛性が低く、支持体の曲げ剛性が低いと小さい力で支持体が曲がり柔らかいことから、支持体に膏体を塗布して皮膚に貼付した際に支持体が皮膚に追従しやすく、貼付感が優れるものであることがわかった。
また、実施例の支持体と、繊維ウエブを使用していない比較例4の支持体を比較したところ、実施例の支持体はラミネート強度が高く、支持体を含む貼付剤を剥離する際に粘着剤やポリエステル繊維不織布が皮膚に残留しにくいものであった。
本発明の支持体は繊維によって粘着剤を充分に保持することができ、薬効成分を含む粘着剤が流れ出るのを抑制することができるため、薬効成分を含有する粘着剤を備える貼付剤(例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ製剤等)の支持体として、好適に使用できる。

Claims (3)

  1. ポリエステルフィルムと平均繊維長が25mm以上、100mm以下であるポリエステル繊維を主体とするポリエステル繊維不織布とが、未延伸ポリエステル繊維を含む繊維ウエブの未延伸ポリエステル繊維の変形により接着した貼付剤用支持体であって、
    前記貼付剤用支持体のポリエステルフィルムを除いた厚さが90μm以下であり、
    前記ポリエステルフィルムは厚さ7μm以下の延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
    前記ポリエステル繊維不織布はポリエステル繊維として、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を90mass%以上と、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を10mass%以下含み、
    前記繊維ウエブは未延伸ポリエステル繊維としての未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を20~40mass%と延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を80~60mass%含む、貼付剤用支持体。
  2. KES方式による曲げ剛性のたて方向とよこ方向の平均値が0.050cN・cm/cm以下である、請求項1に記載の貼付剤用支持体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の貼付用支持体のポリエステル繊維不織布側に、粘着剤を備えている、貼付剤。
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