JP7842339B2 - タイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤの製造方法

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Description

本発明は、加硫工程を伴うタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、タイヤ内面への機能部品の設置に先駆けて、タイヤ内面の状態を適切に判定することを可能にしたタイヤの製造方法に関する。
従来からタイヤ内面に吸音材やセンサ等に代表される機能部品を設置することが行われている。機能部品をタイヤ内面に設置する場合、タイヤ内面に付着した離型剤を除去する必要がある。離型剤は、加硫工程において、ブラダーとタイヤとの離型を容易にするためにタイヤ内面又はブラダー表面に塗布されるものであり、離型後にタイヤ内面に残る。このような離型剤の存在により、機能部品とタイヤ内面との接着強度が低下する。そのため、レーザーをタイヤ内面に対して照射することにより、離型剤を除去することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、タイヤ内面に残存する離型剤の量にはバラツキがあるため、単にレーザーをタイヤ内面に照射する手法では、必ずしも離型剤を適切に除去することができないのが現状である。
特開2005-359957号公報 特開2019-98996号公報
本発明の目的は、タイヤ内面への機能部品の設置に先駆けて、タイヤ内面の状態を適切に判定することを可能にしたタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤの製造方法は、未加硫のタイヤを準備する準備工程と、前記タイヤを金型内で加硫する加硫工程と、加硫済みのタイヤにおいて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程と、該分析工程による分析結果に基づいて前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する判定工程と、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去する離型剤成分除去工程とを有し、前記判定工程において前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値を超えると判定された場合に前記離型剤成分除去工程を実施し、前記判定工程において前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であると判定された場合には前記離型剤成分除去工程を省略することを特徴とするものである。
本発明者は、加硫工程の後でタイヤ内面の分析を行ったところ、タイヤ内面に残存する離型剤成分の量は加硫回数に応じて大きく変動することを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、未加硫のタイヤを準備する準備工程と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程とを有するタイヤの製造方法において、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程と、該分析工程による分析結果に基づいてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する判定工程とを実施することにより、タイヤ内面への機能部品の設置に先駆けて、機能部品の接着性に影響を与える離型剤成分の量を判断基準として、タイヤ内面の状態を適切に判定することが可能となる。これにより、タイヤ内面に残存する離型剤成分の量にバラツキがあったとしても、その離型剤成分を適切に除去することが可能となる。例えば、タイヤ内面に付着した離型剤成分が多い場合には、それに応じた手法により離型剤成分を確実に除去することが可能となり、その一方で、タイヤ内面に付着した離型剤成分が少ない場合には、離型剤成分の除去を省いてエネルギー消費量を低減することが可能となる。
分析工程において、タイヤ内面の機能部品貼り付け位置でタイヤ内面に付着した離型剤成分を分析することが好ましい。これにより、機能部品貼り付け位置におけるタイヤ内面の状態を適切に判定することができる。分析工程においては、タイヤ内面に付着した離型剤成分を該タイヤ内面から直接的に得られる情報に基づいて分析しても良く、或いは、タイヤ内面に付着した離型剤成分を該タイヤ内面から間接的に得られる情報に基づいて分析しても良い。
本発明のタイヤの製造方法は、上述の各工程に加えて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去する離型剤成分除去工程を有し、判定工程においてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値を超えると判定された場合に離型剤成分除去工程を実施することが好ましい。これにより、タイヤ内面に基準値を超える離型剤成分が存在する場合には離型剤成分を除去し、そうでない場合には離型剤成分除去工程を省略することができる。
また、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下となるまで、分析工程、判定工程及び離型剤成分除去工程を繰り返すことが好ましい。これにより、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下となるので、タイヤ内面に対する機能部品の接着性を確実に高めることができる。
離型剤成分除去工程において、タイヤ内面に付着した離型剤成分の量に応じて除去強度を調整することが好ましい。これにより、タイヤ内面に付着した離型剤成分を効率良く除去することができ、エネルギー消費量を抑制することが可能である。
離型剤成分除去工程において、タイヤ内面に付着した離型剤成分をレーザー照射により除去することが好ましい。これにより、タイヤ内面に付着した離型剤成分を効率良く除去することができる。
分析工程において、タイヤ内面に付着した離型剤成分の分析を蛍光X線分析装置により行うことが好ましい。これにより、タイヤ内面に付着した離型剤成分の分析を簡単に行うことができる。
本発明のタイヤの製造方法は、上述の各工程に加えて、タイヤ内面に対して機能部品を設置する設置工程を有し、判定工程においてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であると判定された場合に設置工程を実施することが好ましい。これにより、タイヤ内面に対する機能部品の接着性を確実に高めることができる。
本発明の実施形態からなるタイヤの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態からなるタイヤの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態からなるタイヤの製造方法を示すフローチャートである。 本発明のタイヤの製造方法で使用される内面分析装置の一例を示す側面図である。 本発明のタイヤの製造方法で使用される離型剤成分除去装置の一例を示す側面図である。 本発明のタイヤの製造方法によりタイヤ内面に機能部品が設置されたタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施形態からなるタイヤの製造方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態からなるタイヤの製造方法は、未加硫のタイヤを準備する準備工程S1と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程S2と、加硫済みのタイヤにおいて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程S3と、分析工程S3による分析結果に基づいてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する判定工程S4と、タイヤ内面に対して機能部品を設置する設置工程S5とを有している。
準備工程S1においては、カーカス部材、ベルト部材、ビードコア、ビードフィラー、トレッドゴム部材、サイドウォールゴム部材、リムクッションゴム部材等のタイヤ構成部材を組み立てて未加硫のタイヤを成形する。次いで、加硫工程S2においては、未加硫のタイヤを金型内に投入し、タイヤの内側でブラダーを膨らませた状態でタイヤを加熱して加硫する。ここで、加硫後のブラダーとタイヤとの離型を容易にするために、準備工程S1においてタイヤの内面に離型剤を塗布するか、加硫工程S2で使用されるブラダーの表面に離型剤を塗布するか、或いは、加硫工程S2で使用されるブラダーの表面に予め離型剤を含む被膜を形成することが行われる。塗布の場合、スプレーによる塗布が可能であり、被膜の場合、離型剤の塗布後に焼付けをしたり、離型性を有する樹脂によるコーティングを行ったりすることが可能であり、その形態は特に限定されるものではない。
分析工程S3においては、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する。離型剤成分とは、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂成分、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等の滑剤成分、タルク、マイカ等のフィラー成分を包含するものであり、更に他の成分を含んでいても良い。離型剤成分の分析に際しては、機能部品の接着性に影響を与える離型剤成分を指定し、その指定された離型剤成分について分析を行えば良い。
判定工程S4においては、分析工程S3による分析結果に基づいてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する。判定工程S4において、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であると判定された場合、タイヤ内面の状態が良好であり、タイヤ内面に対する機能部品の接着性が良好であるため、そのタイヤは機能部品の設置工程S5に供される。なお、離型剤成分が基準値を超える場合、タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去することも可能であるが、機能部品が設置されないタイヤ製品としてそのまま出荷することも可能である。
設置工程S5においては、タイヤ内面に対して機能部品を設置する。機能部品としては、吸音材、シーラント層、電子通信モジュール等が包含される。このような機能部品は、接着剤、粘着剤、両面粘着テープ等を介してタイヤ内面に対して貼り付けられる。
上述したタイヤの製造方法によれば、未加硫のタイヤを準備する成形工程S1と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程S2とを有するタイヤの製造方法において、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程S3と、該分析工程S3による分析結果に基づいてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する判定工程とを実施することにより、タイヤ内面への機能部品の設置に先駆けて、機能部品の接着性に影響を与える離型剤成分の量を判断基準として、タイヤ内面の状態を適切に判定することができる。これにより、タイヤ内面に残存する離型剤成分の量にバラツキがあったとしても、その離型剤成分を適切に除去することが可能となる。例えば、タイヤ内面に付着した離型剤成分が多い場合には、それに応じた手法により離型剤成分を確実に除去することが可能となり、その一方で、タイヤ内面に付着した離型剤成分が少ない場合には、離型剤成分の除去を省いてエネルギー消費量を低減することが可能となる。
分析工程S3において、タイヤ内面の機能部品貼り付け位置でタイヤ内面に付着した離型剤成分を分析すると良い。これにより、機能部品貼り付け位置におけるタイヤ内面の状態を適切に判定することができる。例えば、機能部品が吸音材やシーラント層である場合、これら機能部品はタイヤ内面におけるトレッド部に対応する領域にタイヤ周方向に沿って貼り付けられるが、そのような機能部品が貼り付けられる帯状の貼り付け領域の少なくとも1箇所でタイヤ内面の成分を分析すれば良い。また、機能部品が電子通信モジュールである場合、その機能部品はタイヤ内面における任意の局所的な領域に貼り付けられるが、そのような機能部品が貼り付けられる局所的な領域の少なくとも1箇所でタイヤ内面の成分を分析すれば良い。
図2は本発明の他の実施形態からなるタイヤの製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態からなるタイヤの製造方法は、未加硫のタイヤを準備する準備工程S1と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程S2と、加硫済みのタイヤにおいて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程S3と、分析工程S3による分析結果に基づいてタイヤ内面の状態を判定する判定工程S4と、タイヤ内面に対して機能部品を設置する設置工程S5と、タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去する離型剤成分除去工程S6とを有している。工程S1~S5は図1の実施形態と同じであるため、その部分に関する詳細な説明は省略する。
本実施形態からなるタイヤの製造方法は、工程S1~S5に加えて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去する離型剤成分除去工程S6を有し、判定工程S4においてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値を超えると判定された場合に離型剤成分除去工程S6を実施し、しかる後、機能部品の設置工程S5を実施する。この場合、タイヤ内面に基準値を超える離型剤成分が存在する場合には離型剤成分を除去してから機能部品の設置工程S5を実施し、そうでない場合には離型剤成分除去工程S6を省略することができる。
図3は本発明の更に他の実施形態からなるタイヤの製造方法を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態からなるタイヤの製造方法は、未加硫のタイヤを準備する準備工程S1と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程S2と、加硫済みのタイヤにおいて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程S3と、分析工程S3による分析結果に基づいてタイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する判定工程S4と、タイヤ内面に対して機能部品を設置する設置工程S5と、タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去する離型剤成分除去工程S6とを有している。工程S1~S5は図1の実施形態と同じであり、工程S6は図2の実施形態と同じであるため、その部分に関する詳細な説明は省略する。
本実施形態からなるタイヤの製造方法では、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下となるまで、分析工程S3、判定工程S4及び離型剤成分除去工程S6を繰り返す。つまり、離型剤成分除去工程S6を実施した後、分析工程S3においてタイヤ内面に付着した離型剤成分を再び分析し、判定工程S4においてタイヤ内面の状態を再び判定する。この場合、機能部品の設置工程S5を行う際には、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下になっているので、タイヤ内面に対する機能部品の接着性を確実に高めることができる。
離型剤成分除去工程S6においては、タイヤ内面に付着した離型剤成分の量に応じて除去強度を調整することが好ましい。例えば、離型剤成分除去工程S6の初期の除去強度を最低限の除去強度に設定し、検出された離型剤成分の量に比例して除去強度を増大せせるような設定とした場合、タイヤ内面に付着した離型剤成分を効率良く除去することができ、エネルギー消費量を抑制することが可能である。
図4は本発明のタイヤの製造方法で使用される内面分析装置の一例を示すものである。図4において、複数本のハンガー11がタイヤ1のビード部を上方側から把持している。そして、これらハンガー11の駆動によりタイヤ1がその中心軸廻りに回転するようになっている。一方、タイヤ1の下側から鉛直方向に延びる支持体12には内面分析装置13が搭載されている。内面分析装置13は、タイヤ1の内面に付着した離型剤成分を非接触で分析する装置である。このような内面分析装置13によれば、タイヤ1の内面に付着した離型剤成分をタイヤ内面から直接的に得られる情報に基づいて分析することができる。また、タイヤ1を静止させた状態ではタイヤ1の内面の局所的な領域において分析を行うことが可能であり、タイヤ1を回転させることでタイヤ内面の広範な領域において分析を行うことが可能である。なお、タイヤ1を回転させる替りに、内面分析装置13をタイヤ1の中心軸周りに回転させるように構成しても良い。
内面分析装置13としては、蛍光X線分析装置(XRF分析装置)や赤外線分光分析装置(IR分析装置)等の分析装置を用いることができるが、特に蛍光X線分析装置を用いることが好ましい。蛍光X線分析装置によれば、蛍光X線分析装置からタイヤ内面に対してX線を照射し、それによって発生する固有X線(蛍光X線)を検出し、その検出された蛍光X線に基づいてタイヤ内面に存在する物質の定量分析を行うことが可能である。これにより、タイヤ内面に付着した離型剤成分の分析を簡単に行うことができる。なお、内面分析装置13はハンディタイプのものを使用しても良い。また、タイヤ内面に付着した離型剤成分の分析は内面分析装置13を用いて直接的に行うだけでなく、例えば、ティッシュや布帛を用いてタイヤ内面から付着物を拭き取り、その拭き取った付着物に基づいて分析を行うことも可能である。即ち、タイヤ内面から間接的に得られる情報に基づいてタイヤ内面に付着した離型剤成分を分析しても良い。
図5は本発明のタイヤの製造方法で使用される離型剤成分除去装置の一例を示すものである。図5において、複数本のハンガー11がタイヤ1のビード部を上方側から把持している。そして、これらハンガー11の駆動によりタイヤ1がその中心軸廻りに回転するようになっている。一方、タイヤ1の下側から鉛直方向に延びる支持体12には離型剤成分除去装置14が搭載されている。離型剤成分除去装置14は、タイヤ1の内面に付着した離型剤成分を除去する装置である。このような離型剤成分除去装置14によれば、タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去することができる。また、タイヤ1を静止させた状態ではタイヤ1の内面の局所的な領域から離型剤成分を除去することが可能であり、タイヤ1を回転させることでタイヤ1の内面の広範な領域から離型剤成分を除去することが可能である。なお、タイヤ1を回転させる替りに離型剤成分除去装置14をタイヤ1の中心軸周りに回転させるように構成しても良い。また、支持体12には内面分析装置13及び離型剤成分除去装置14の両方が同時に搭載されていても良い。
離型剤成分除去装置14としては、レーザー照射により離型剤成分を除去する装置やプラズマ照射により離型剤成分を除去する装置等の除去装置を用いることができるが、特にレーザー照射により離型剤成分を除去する装置を用いることが好ましい。レーザー照射により離型剤成分を除去する装置によれば、タイヤ1の内面に付着した離型剤成分を効率良く除去することができる。離型剤成分の除去は離型剤成分除去装置14により行うだけでなく、例えば、ティッシュや布帛を用いてタイヤ1の内面から付着物を拭き取ったり、タイヤ1の内面を洗浄液で洗浄したりすることも可能である。
図6は本発明のタイヤの製造方法によりタイヤ内面に機能部品が設置されたタイヤを示すものである。図6において、タイヤ1の内面には接着層2を介して機能部品3が貼り付けられている。タイヤ1の内面における機能部品3の貼り付け位置では、タイヤ1の内面に付着した離型剤成分が分析され、必要に応じて、タイヤ1の内面に付着した離型剤成分が除去され、残存する離型剤成分が基準値以下であることが確認されている。そのため、タイヤ1の内面に対する機能部品3の接着性が良好である。
未加硫のタイヤを準備する準備工程と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程とを有し、表面にシリコーン樹脂からなる被膜が形成されたブラダーを加硫工程で使用したタイヤの製造方法において、乗用車用のタイヤを連続的に5000本生産する際に、従来例及び実施例1の方法によりそれぞれ50本のタイヤについて、タイヤ内面に付着した離型剤成分量を適正化する処理を行った。
従来例では、全てのタイヤについてレーザー照射によりタイヤ内面の離型剤成分を除去した。実施例1では、タイヤ内面に付着した離型剤成分を蛍光X線分析装置により分析し、タイヤ内面に付着した離型剤成分(Si量)が基準値(2重量%)を超えると判定された場合にレーザー照射によりタイヤ内面の離型剤成分を除去する一方で、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下である場合は離型剤成分の除去を省略した。
従来例及び実施例1の各々について、レーザー照射装置の消費電力を求め、その結果を表1に示した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど消費電力が大きいことを意味する。
表1から判るように、実施例1の方法では、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値を超える場合だけに離型剤成分を除去するので、従来例との対比においてエネルギー消費量を低減することができた。
次に、未加硫のタイヤを準備する準備工程と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程とを有し、表面にシリコーン樹脂からなる被膜が形成されたブラダーを加硫工程で使用したタイヤの製造方法において、乗用車用のタイヤを連続的に5000本生産する際に、従来例及び実施例2の方法によりそれぞれ50本のタイヤについて、タイヤ内面に付着した離型剤成分量を適正化する処理を行った。
従来例では、全てのタイヤについてレーザー照射によりタイヤ内面の離型剤成分を除去した。実施例2では、タイヤ内面に付着した離型剤成分を蛍光X線分析装置により分析し、タイヤ内面に付着した離型剤成分(Si量)が基準値(2重量%)を超えると判定された場合にレーザー照射によりタイヤ内面の離型剤成分を除去し、タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下となるまで、分析工程、判定工程及び離型剤成分除去工程を繰り返した。
従来例及び実施例2の各々について、機能部品の設置工程に供されたタイヤの内面におけるSi量を測定し、Si量の平均値及びCV値を求め、その結果を表2に示した。評価結果は、それぞれ従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどSi量の平均値及びCV値が大きいことを意味する。また、従来例及び実施例2の各々について、タイヤの内面に接着剤により機能部品を設置し、機能部品のタイヤ内面に対する接着力(タイヤ内面と機能部品との間にせん断力を与えたときに生じる応力の最大値)を測定し、その接着力が規定値を満足する割合(接着性の合格率)を求め、その結果を表2に併せて示した。
表2から判るように、実施例2の方法では、従来例との対比において、機能部品の設置工程に供されたタイヤの内面におけるSi量の平均値及びCV値が小さくなっており、その結果として、接着性の合格率が高くなっていた。
次に、未加硫のタイヤを準備する準備工程と、タイヤを金型内で加硫する加硫工程とを有し、表面にシリコーン樹脂からなる被膜が形成されたブラダーを加硫工程で使用したタイヤの製造方法において、乗用車用のタイヤを連続的に5000本生産する際に、従来例及び実施例3の方法によりそれぞれ50本のタイヤについて、タイヤ内面に付着した離型剤成分量を適正化する処理を行った。
従来例では、全てのタイヤについてレーザー照射によりタイヤ内面の離型剤成分を除去した。実施例3では、タイヤ内面に付着した離型剤成分を蛍光X線分析装置により分析し、タイヤ内面に付着した離型剤成分(Si量)が基準値(2重量%)以下である場合、離型剤成分が基準値の5倍以下である場合、離型剤成分が基準値の5倍超である場合の3段階に分類し、離型剤成分が基準値以下であると判定された場合には離型剤成分の除去を行わず、離型剤成分が基準値を超えると判定された場合にレーザー照射によりタイヤ内面の離型剤成分を除去し、離型剤成分が基準値の5倍超である場合のレーザー照射強度を離型剤成分が基準値の5倍以下である場合のレーザー照射強度よりも大きくした。
従来例及び実施例3の各々について、機能部品の設置工程に供されたタイヤの内面におけるSi量を測定し、Si量の平均値及びCV値を求め、その結果を表3に示した。評価結果は、それぞれ従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどSi量の平均値及びCV値が大きいことを意味する。また、従来例及び実施例3の各々について、タイヤの内面に接着剤により機能部品を設置し、機能部品のタイヤ内面に対する接着力(タイヤ内面と機能部品との間にせん断力を与えたときに生じる応力の最大値)を測定し、その接着力が規定値を満足する割合(接着性の合格率)を求め、その結果を表3に併せて示した。更に、従来例及び実施例3の各々について、レーザー照射装置の消費電力を求め、その結果を表3に併せて示した。消費電力の評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど消費電力が大きいことを意味する。
表3から判るように、実施例3の方法では、従来例との対比において、機能部品の設置工程に供されたタイヤの内面におけるSi量の平均値及びCV値が小さくなっており、その結果として、接着性の合格率が高くなっていた。また、実施例3の方法では、タイヤ内面に付着した離型剤成分の量に応じて除去強度を調整するので、従来例との対比においてエネルギー消費量を低減することができた。
1 タイヤ
2 接着層
3 機能部品
11 ハンガー
12 支持体
13 内面分析装置
14 離型剤成分除去装置

Claims (9)

  1. 未加硫のタイヤを準備する準備工程と、前記タイヤを金型内で加硫する加硫工程と、加硫済みのタイヤにおいて、タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析する分析工程と、該分析工程による分析結果に基づいて前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であるか否かを判定する判定工程と、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分を除去する離型剤成分除去工程とを有し、前記判定工程において前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値を超えると判定された場合に前記離型剤成分除去工程を実施し、前記判定工程において前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であると判定された場合には前記離型剤成分除去工程を省略することを特徴とするタイヤの製造方法。
  2. 前記分析工程において、前記タイヤ内面の機能部品貼り付け位置で前記タイヤ内面に付着した離型剤成分を分析することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 前記分析工程において、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分を該タイヤ内面から直接的に得られる情報に基づいて分析することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 前記分析工程において、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分を該タイヤ内面から間接的に得られる情報に基づいて分析することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの製造方法。
  5. 前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下となるまで、前記分析工程、前記判定工程及び前記離型剤成分除去工程を繰り返すことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  6. 前記離型剤成分除去工程において、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分の量に応じて除去強度を調整することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  7. 前記離型剤成分除去工程において、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分をレーザー照射により除去することを特徴とする請求項のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  8. 前記分析工程において、前記タイヤ内面に付着した離型剤成分の分析を蛍光X線分析装置により行うことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  9. 前記タイヤ内面に対して機能部品を設置する設置工程を有し、前記判定工程において前記タイヤ内面に付着した離型剤成分が基準値以下であると判定された場合に前記設置工程を実施することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
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